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ダイキャストが誘う、本物の空の感触! THRUSTMASTERブースで出会った超本格的なラダーデバイス

 E3会場ですごいものに出会った。ハンドルコントローラーや、ジョイスティック製作で知られるTHRUSTMASTERのブースである。ドドドンと大きな存在感を持って展示され、一部のおじさんに大人気だったのが、この「TPR Rudder System」である。

 この形を見てピンと来る人は少ないだろう。この商品は飛行機の“方向舵”を操るラダー用の入力装置なのだ。銀色の金属部分に左右の足を乗せ、踏み込むことで操作するのである。このデバイスがいかにすごいかは、それこそフライトシミュレーターに詳しいひとしかわからないだろう。これほどまでに本格的で、質実剛健なフットペダルコントローラーはかつて販売されたことがないだろう。ちなみに今回がデビューであるためか、発売日価格は未定だ。

超本格的なラダーデバイス「TPR Rudder System」。正直これがなんなのかわからない人も多いだろう

 フライトシミュレーターは一定のファンを獲得している。しかしそのファンが望む方向性はゲーム性ではなく、「本物の飛行機を操縦する感触」である。最新ゲームや他のジャンルには目もくれず、本物の飛行機のコクピットの様にジョイスティックとレバーを配置し、モニターを正面に置き、操縦するのだ。そこまで突き抜けたファンは非常に少ないが、数万もするジョイスティックやレバーを購入して揃える人もいる。輸入品を使って、コクピット風のキットや、セットを販売する業者もいるのである。

 しかし、実際はそこまで突き抜けたファンは少ない。全てがそろい、カジュアルにスティック操作が楽しめる、フライトスティックを買うのが精一杯だ。スロットルは小さなつまみで、ラダー操作はスティックをひねって行なう。そういうスティックすら、今は買う人が少ない。

 かつては多く販売されていたフライトシミュレーターゲームは、今やほとんど出ていないし、コンシューマにも移植されない。結局、多くのユーザーは「Grand Theft Auto V」などのゲームでの飛行機要素で十分であり、操作は、ゲームコントローラーで十分なのである。

 しかし、しかしそれでも、俺は本物が欲しい! E3会場でそう全力で叫んでいたのがこの「TPR Rudder System」である。アームで左右のペダルをつり下げ、ワイヤーとセンサーで微妙な傾きを感知、繊細なラダー操作を実現する。本体の重量は7kgもあり、ちょっとやそっとでは動かない。ユーザーが望んだ完璧なラダー操作を可能にするのだ。

複雑な構造で左右が連動、センサーが正確に情報を伝える

 通常、ラダーまで買うユーザーはいない。いたとしても車のアクセルコントローラーと兼用の物を買う人がいるくらいである。しかし、THRUSTMASTERはそういうユーザーに問いかけるのだ。「それで良いのか? 君が求める空は、そんな偽物で満足できるモノなのかい?」。ダイカストの輝きは、ユーザーの心を大きく揺らせるのである。

 今回、THRUSTMASTERは、この「TPR Rudder System」のデモンストレーションのために、VRに対応した試遊台を用意した。2台それぞれに専用のナビゲーターがつき、ユーザーをアシストする。画面に映し出されているのはF/A-18。使用ゲームは「DCS: F/A-18C Hornet」である。

 試遊台にはジョイスティックやスロットにもたくさんのトグルスイッチやボタンがあり、見るだけで難しそうだ。このためか試遊台の待機列には人が少ない。飛行機が、フライトシミュレーターが大好きな(それでも購入したデバイスは「マイクロソフト サイドワインダー フォース フィードバック2」どまり)筆者は、ドキドキしながら待機列に並んだ。

会場には2台の試遊台が設置されていた
飛行前にフライトレクチャーを受ける。ノリノリである

 ……しかし、いっこうに列が進まないのだ。前には3人しかいないのにである。試遊台の人たちを見て納得した。彼らはナビゲーターから“フライトレクチャー”を受けてるのだ。シミュレーターはまず滑走路をタキシングするところから始まるのだが、「君がいるのは個々で、そこからこう移動して、滑走路に出るんだ」と、ノリノリで打ち合わせをしているのである。時間がかかるわけである。

 そして離陸、まずは海を目指し高度を上げ、そこから敵のいるポイントへ左旋回、敵と戦った後、都市上空を通過する。これが試遊台のフライトプランなのである。ちなみにマップはドバイ上空とのことだ。

 筆者もドキドキしながらシミュレーターを体験してみたのだ。確かにラダーの感触は楽しい。特にタキシング中は足でハンドルのように機体を左右に操作するので、スティックを動かさずスロットとラダーだけで操作するのが楽しい。しかし実際に走り始めると車の間隔で右ペダルを踏み込もうとしたりして一瞬焦った。

 それでも何とか離陸、ドバイの海岸上空で敵機を一機撃墜するも、もう一機に迫られてしまい、落とされてしまった。……最初に敵が2機いると言って欲しかった。

目の前でプレイしている人を見ると、ワクワクしてくる
滑走路からドバイ会場へ。臨場感がたまらない