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スマホでミニ四駆を操作できるキット「MKZ4」発売

「ワイルドミニ四駆」に組み込んで、自分で操作できる電子工作キット

7月中旬発売(予約受付中)

価格:5,980円(税別)

 Cerevoは6月30日、タミヤのミニ四駆に組み込むことで、スマートフォンで操作できるようになる電子工作キット「MKZ4」を発表した。

 この「MKZ4」は、タミヤから発売されている「ワイルドミニ四駆」のシャーシ部分に、キットに付属する電子部品を組み立てて作った基板や専用のインジェクションパーツを組み込むことで、その車体をスマートフォンで操作できるというもの。

「MKZ4」を取り付けたワイルドミニ四駆
商品プレゼンを行なった、Cerevo 代表取締役 岩佐琢磨氏
DMM.make AKIBAで過去3回開催されたワークショップの模様

 「MKZ4」は、「IoT(Internet of Things)をより身近に感じる」、「現実の成果物が動くことで、ソフトウェアだけのプログラミングでは得られない感動と興味を得る」といったことを目的に、昨年11月から秋葉原のDMM.make AKIBAとCerevoによる共同開催された「スマホで自由自在に操作できるIoTミニ四駆を作ろう」というワークショップから派生したプロダクト。今回のキット販売は、過去3回開催され、告知後数十分で満席になってしまうほどの同ワークショップの人気から、そこに参加できなかった人や、キットの単独販売を希望する人などの要望に応える形で実現した。

 キットに付属するSoC内蔵の無線LANモジュール(ESP-WROOM-02)に、別売りの「MKZ4WK」を使って専用のプログラムを書き込んで、スマホをこのモジュールにWi-Fi接続、スマホのブラウザ上で動くコントローラーを使って操作できるという仕様だ。また制御プログラムを書き換えることで、スマホの加速度センサーを使った操作ができるようになるなど、プログラミングの技術を学んだり、楽しんだりすることができる仕様だ。

 各種パーツは、ワークショップ時に提供されたものから大きく改良されていて、3Dプリントだった樹脂パーツは金型から起こしたプラパーツとなっている。駆動用のモーターやギアボックスはワイルドミニ四駆のキットのものを使用し、ステアリングの制御には付属のサーボモーターを使用。付属の電池ボックスに入れた単4乾電池3本で動作する仕組みだ。

 対応のワイルドミニ四駆は「ランチボックス Jr.」、「ワイルドザウルス」、「ニッサン キングキャブ Jr.」、「ブルヘッド Jr.」、「トヨタ ハイラックス モンスターレーサー Jr.」、「トヨタ ハイラックス サーフ」、「ニッサン テラノ'93 パリダカ仕様(チーム NOK JATCO)」、「ダッシュ CBW コマンドザウルス」、「マンモスダンプ」となる。なおこの「MKZ4」は、タミヤの公認製品ではないという点は留意して欲しい。

「MKZ4」のキット一式。パーツは全て揃っていて、ワイルドミニ四駆のキットがあれば完成する。オリジナルデカールも付属。5,980円(税別)
「MKZ4」の無線LANモジュールにプログラムを書き込むためのキット「MKZ4WK」。走行させるにはこちらも必要となる。1,980円(税別)
電子工作をイチから始める人のために発売されるツールセット「MKZ4TS」。「MKZ4」はこれ一式で組み立てられる。9,980円(税別)
「MKZ4」+「MKZ4WK」+ワイルドミニ四駆本体をセットにしたお得な「スペシャルパック」も限定発売。3車種、各30セットを8,888円(税別)販売予定
「MKZ4」20セット+「MKZ4WK」1セットの「アカデミアパック」は教育機関や自治体など向けに教材として販売。99,800円(税込)

 そして発表会では、「MKZ4」を使用したワークショップが8月に開催されることも告知された。詳細は7月中旬にCerevo公式サイトDMM.make AKIBAのFacebookページで発表予定だ

 発表会の終了後には、来場者への体験会も催された。「MKZ4」を取り付けたミニ四駆の操作は、ブラウザに表示した専用のページを使って行なわれる。そのためスマホやタブレットの機種を限定しないという利点がある。ブラウザの画面に指をスライドさせて行なう簡単な操作で、ラジコンカーのようにミニ四駆を動かすことができるのだ。

 筆者も実際に触らせてもらったが、操作はことのほか簡単で、何より自身でコントロールすることができなかったミニ四駆を自由に動かせるのが楽しいところだった。ちなみに「MKZ4」は「ミニ四駆の改造」や「魔改造」といった意味を込めた商品番号だそうだ。

 自分で作って自分で動かせ、プログラムや電子工作の勉強もできるという面白いキットとなりそうなこの「MKZ4」。キットは本日よりhttp://cerevo.shop-pro.jp/の公式ショッピングサイトにて予約受付中で、出荷は7月中旬頃を予定している。また後日、秋月電子での店頭販売も行なうとのことだ。

【ワイルドミニ四駆を「MKZ4」で操作する】

「MKZ4」を取り付けたしたミニ四駆と、タブレットの操作画面。画面に指をスライドした方向にミニ四駆が走行する
こちらはスマホの加速度センサーで動くプログラムを「MKZ4」に書き込んだもの。スマホを傾けた方向に走行する。操作は少し難しい
こちらはキット取り付け後の車体裏側。中央に電池ボックスがセットされる。左のステアリング周りの白いパーツは、製品では黒となる
中央に見えるモーターはミニ四駆に付属のもの。駆動は写真左の後輪のみとなるため、マシンは実質「四駆」ではなくなる