【特別企画】
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」ジャパンプレミアが開催。任天堂宮本氏やILLUMINATIONメレダンドリ氏が制作秘話を語った
「ゲームを遊んだことのある人、遊んだことのない人も、同じように楽しめる作品になっていると思います」
2023年4月18日 22:53
- 【ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー】
- 4月28日 上映開始
4月28日に公開が予定されている映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、任天堂の「スーパーマリオ」シリーズを原作とし、「怪盗グルー」シリーズなどを手掛けたスタジオであるILLUMINATIONが制作するアニメーション映画だ。
本作は、4月5日に公開された北米において2週連続で週末興収1位を記録しており、幸先のいいオープニングを見せている。国内でも公開を心待ちにしている人が多くいることだろう。
4月18日、一般公開に先立ちジャパンプレミアが開催され、一部の観客とメディアに向けて先行上映会と舞台挨拶が行なわれた。舞台挨拶には任天堂の代表取締役フェローである宮本茂氏と、ILLUMINATION最高経営責任者であるクリス・メレダンドリ氏をはじめ、宣伝アンバサダーとしてタレント西野七瀬氏、マリオファン代表ゲストとして芸人コンビよゐこの濱口優氏と有野晋哉氏が登壇し、本作品への想いを語った。
本稿ではその模様をレポートする。
任天堂とILLUMINATION、両社のトップが本作の制作過程を語った
舞台挨拶に登壇した宮本茂氏はまず、本作が日本で公開になることについて「僕にとっては初めてのアニメーション作品となりますが、そのデビューをこんなに派手に飾らしてもらえることをとても嬉しく思います。7年間一生懸命作ってきた作品で、『スーパーマリオ』シリーズを遊んだことのある人はもちろんのこと、遊んだことのない人も楽しめる作品に仕上がっているので、多くの人に見てもらいたいです」と語った。
これに応じるようにクリス・メレダンドリ氏も「この映画の制作過程は素晴らしい旅のようでした。任天堂、そして宮本さんと共にモノづくりに臨めたことをとても誇らしく思っています。はやくこの興奮を作品を通して日本の皆さんと共有したいです」と語った。
司会者から任天堂とILLUMINATIONのコラボレーションがどのようにして実現したのかを尋ねられると宮本氏は「10年ほど前から映画を作ってみてもいいかなと思うようになったんですが、そんな頃に偶然クリスさん(メレダンドリ氏)とお話する機会がありました。そこで僕ら2人はモノづくりの手法が非常に似てるということで盛り上がりまして、映画を作るならクリスさんと作りたいと思うようになったんです」と回想した。
同じ話題についてメレダンドリ氏は「16年前にILLUMINATIONを創業した当時から、私は日本のクリエイターとコラボレーションしたいという想いを抱いていました。そんな中で2014年に宮本さんとお会いできた際、絶対に宮本さんと映画を作りたいと思いました。本作品は私の長年の念願が叶った結果でもあります」と感慨にひたった。
ゲストの西野七瀬氏から本作の制作にあたって意識したことを尋ねられると宮本氏は「僕らは真面目なので、まずは『スーパーマリオ』シリーズが大好きな人を裏切らないということが目標としてあって、その上でゲームを遊んだことがない人でも楽しめるようにと工夫しました。そんなうまい話があるか、ということなんですけど(笑)。僕らのたどり着いた答えとしては、『マリオ』を遊びながらリビングで過ごしたのと同じような楽しい時間をスクリーンに持ってくるということで、結果としてとても良い仕上がりになっていると思います」と答えた。
作品に対するこだわりについてメレダンドリ氏は「この映画の制作においては、ストーリーだけでなく音楽やステージなど、すべての要素を任天堂と対話しながら作り上げました。例えばキャラクターの形成という部分では、それぞれをオリジナルに忠実なかたちで表現しながら、大きなスクリーンでも説得力を持った存在、生きた存在に作り上げるため、ところどころで新しい要素も追加しています。そのために多くの『スーパーマリオ』作品を参照し、細かなディテールまで練り上げてきました」と語った。
これに応じて宮本氏も「マリオがスクリーンで動くことに対して初めは心配をしていたけれど、完成品を見た時、40年前に8ビットで描いていたマリオがやっと人間になったという感覚が得られました。スタッフは皆マリオファンで、そういった人たちに支えられてできた作品です」とその感動を述べ、また「音楽も素晴らしい仕上がりになっていて、ファンの方には細かいところに注目しながら何回も鑑賞してほしいですね」と語った。
続いて、「スーパーマリオ」シリーズを多くプレイしてきた大ファンだというよゐこの有野晋哉氏からメレダンドリ氏へ、お気に入りの「スーパーマリオ」作品は何かと尋ねると、メレダンドリ氏は「『スーパーマリオワールド』です。このゲームが発売された当時私はひっきりなしに働いていて、息子との時間を中々とれていませんでした。なので、オフィスにスーパーファミコンを設置して、息子を連れて出勤し、一緒に『マリオ』を遊ぶことで仲を深めていたんです。非常に思い出深い作品ですね」とエピソードを語った。
また宮本氏は日本語吹き替え版に対するこだわりについても「この映画の吹き替え版は単なるローカライズではありません。せっかくなら日本ならではの台本を作ろうということで、英語版と同時進行で日本語オリジナルのものを作ったんです。そこに声優さんの素晴らしい演技が加わって、作中の会話は非常に自然な仕上がりになっています」と熱く語った。
任天堂とILLUMINATIONがタッグを組んで贈る「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は4月28日に公開となる。「スーパーマリオ」シリーズでおなじみのキャラクターたちが活き活きとスクリーンを駆けまわる90分は、ゲームファンにとって鳥肌モノの体験になること間違いなしだ。公開されたら是非とも劇場に足を運び、この感動を体験してほしい。
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