【特集】

遊び方広がる! Switch2でアップデートされた初代Switchソフトを検証してみた【夏休み特集】

「アソビ大全」、「スプラ3」「マリオオデッセイ」をプレイ

【Nintendo Switch 2】
6月5日 発売
価格  日本語・国内専用:49,980円
マリオカート ワールドセット 日本語・国内専用:53,980円
多言語対応:69,980円

 任天堂の最新ハードとして6月5日に発売を迎えた「Nintendo Switch 2」。初代Nintendo Switchから処理性能が向上し、マグネット式になった「Joy-Con 2」や新機能「ゲームチャット」など、約8年ぶりの世代交代ということもあって、ハードウェア・ソフトウェアの両面で様々な進化を遂げている。

 そんなSwitch2で初代Switchのゲームをプレイすると、画面がよりくっきりした表示になるほか、フレームレートの向上、ロード時間の短縮、Switch2の新機能「おすそわけ通信」への対応など、よりゲームを快適に・楽しく遊べるようになる。特に任天堂タイトルは、Switch2発売に合わせて無料アップデートが行なわれたものも多い。

 そこで本稿では、Switch2発売に合わせて無料アップデートが行なわれたSwitchソフトを実際にプレイ。「スーパーマリオ オデッセイ」と「世界のアソビ大全51」、「スプラトゥーン3」の3本がSwitch2でどのようにアップデートされているのかを見ていこう。

【Nintendo Switch 2 紹介映像】

もう一度プレイしたくなる! 画質が綺麗になった「スーパーマリオ オデッセイ」

 まずはNintendo Switchの初期となる2017年10月に発売された「スーパーマリオ オデッセイ」から見ていこう。既に8年近くが経過するタイトルであるが、今回Switch2の発売に合わせてアップデートが配信された。

 筆者は発売当時に購入し、コツコツと1ヶ月ほどかけてクリアした記憶があるが、その後プレイすることはほとんどなく、カセットケースに入れたままだった。だが、今回Switch2向けのアップデートが行なわれたことを知り、久々に起動したところ、まず驚いたのは画質の綺麗さ。“リマスターが行なわれたのでは?”と錯覚するほど、くっきりはっきりとした画質になっている。

Switchでのプレイ画面
ピーチ城のステンドガラスに注目
Switch2でのプレイ画面
ピーチ城のステンドガラスがはっきりと描写されているほか、窓枠も見えるようになった
続いてSwitchでの「都市の国」のプレイ画面
ポリーンや旗に注目
Switch2での「都市の国」のプレイ画面。Switchではぼやけていたポリーンの顔が判別できるようになり、ビルに掲げられた旗の文字も読める
ポリーンの表情が描写されるようになったほか、旗の文字(NEW DONK CITY)も読めるようになっている

 今回のアップデートでは、Switch2の本体ディスプレイや解像度の高いテレビに対応し、よりくっきりした表示が可能になったほか、映像の明暗や鮮やかさが豊かになる「HDR」に対応。解像度の具体的な数値は発表されていないが、グラフィックス品質が向上したことでキャラクターや建物周辺のジャギーが減ったほか、遠景もはっきり見えるようになり、より没入感を得られるようになった。

 また、Switch2の新機能「おすそわけ通信」にも対応し、フレンドが「マリオオデッセイ」を持っていなくても、“おすそわけ”して一緒にプレイできるようになった。本作ではマリオとキャッピーにわかれて2人でプレイできる。「おすそわけ通信」については、次の「世界のアソビ大全51」で詳しく紹介していく。

 そして今回感じたのは、想像以上にプレイした当時の記憶を忘れていること。「都市の国」や「月の国」など大まかな内容は覚えているが、「こんなギミックあったっけ?」と忘れていたり、「ここのパワームーン取ってない!?」とやり残していることがかなりあったり、プレイしていると時間があっという間に過ぎてしまった。Switch2を機にもう一度プレイするのも悪くないかもしれない。

画像ではお伝えできないが、HDR対応ディスプレイで見ると、色も鮮やかで「マリオオデッセイ」が生まれ変わったかのように感じる
数年ぶりのプレイで忘れていることもあったり……
パワームーンを集めきれていなかったりと、実はやり残していることがかなりあることに気づいた
「おすそわけ通信」にも対応し、マリオとキャッピーにわかれて2人でプレイできる

親戚や友人と集まった時に大活躍! おすそわけ通信に対応した「世界のアソビ大全51」

 続いてはNintendo Switchの中期にあたる2020年6月に発売された「世界のアソビ大全51」だ。筆者は2025年現在でもたまに本作をプレイしているため、「まだ2、3年くらいしか経ってないでしょ?」と思っていたのだが、既に5年が経過している。

 6月5日に配信されたアップデートでは、Switch2の新機能「おすそわけ通信」に対応。家族やフレンドが「アソビ大全」を持っていなくても、SwitchやSwitch2にローカル通信で“おすそわけ”して一緒にプレイできるほか、Switch2同士であれば「ゲームチャット」を使ってインターネット通信で“おすそわけ”も可能となっている。

「世界のアソビ大全51」はアップデートでSwitch2の新機能「おすそわけ通信」に対応

 “おすそわけする側(ホスト)”は、Switch2で「アソビ大全」を起動し、メニュー画面の一番下にある「おすそわけ通信」を選択。その後、SwitchやSwitch2とローカル通信で行なう「近くの人と」と、Switch2同士でゲームチャットを経由して行なう「ゲームチャットで」のどちらかを選ぶ。今回はSwitch2とSwitch(有機ELモデル)を使用し、ローカル通信による「近くの人と」を検証した。

 “おすそわけを受け取る側(ゲスト)”は、Switch2またはSwitchのホーム画面下部にあるアプリ「おすそわけ通信」を起動。手順に沿っていくと受け取り準備が完了し、本体を近づけて数秒待ったあと、チェック画面を経て「おすそわけ通信」が開始される。

 おすそわけ通信中は画面が一回り小さく表示されるが、基本的にはいつもと同じようにゲームをプレイでき「ルドー」などのボードゲーム、「大富豪」などのカードゲームをワイワイ楽しめる。だが、ゲスト側は稀に体感できる遅延が発生する場面があり、スピーカーでプレイしていると本体同士の音ズレも起きるので、音声をホスト側だけにしたり、イヤホンでプレイするといった対策をしておきたい。

【おすそわけする側(ホスト)の流れ】
ローカル通信の「近くの人と」か、インターネット通信の「ゲームチャットで」を決める。今回は「近くの人と」を選択
プレイする人数を決定。最大4人まで一緒にプレイできる
あとはゲストを待つだけ
【おすそわけを受け取る側(ゲスト)の流れ】
ホーム画面より「おすそわけ通信」アプリを起動し、“受け取る”を選択
少し待つと、おすそわけを受け取ることができる
【あとはゲームをプレイするだけ!】
ブラックジャックをプレイしたり……
大富豪をやったり、みんなでワイワイプレイできる

 注意点として「おすそわけ通信」はSwitch2の新機能であるため、初代Switchはおすそわけを受け取る(ゲスト)ことはできるが、おすそわけすること(ホスト)はできない。また「おすそわけ通信」では遊べないゲームもいくつかあり「トイテニス」や「ボウリング」などは選択できなかった。だが、家族や友人と集まった時「おすそわけ通信」はかなり便利な機能であるため、ぜひ一度使ってみてほしい。

一部のゲームは「おすそわけ通信」ではプレイできないので注意が必要だ

滑らかにプレイできる! バトルでも恩恵を受ける「スプラトゥーン3」

 最後はNintendo Switchの後期にあたる2022年9月に発売された「スプラトゥーン3」だ。こちらは6月12日に配信されたアップデートでSwitch2に最適化され、画面表示がよりくっきりとした表示になるほか、バンカラ街やハイカラシティといったホームタウンでのフレームレート向上が行なわれた。

 実際に起動してみると、バンカラ街に降り立った時点で画面表示やフレームレートが向上しているのは明らか。こちらも具体的な数値は発表されていないが、ネオンや看板のジャギーが減少しているほか、歩いているときも滑らかに描画されており、初代Switchと比較してより快適に遊べるようになった。

Switchでの「スプラ3」プレイ画面
看板や建物のジャギーに注目
Switch2での「スプラ3」プレイ画面。バンカラ街の時点で解像度やフレームレートの向上を感じられる
ジャギーが減少し、高精細な描画となっている
Switchでのプレイ画面
ネオンや電線にジャギーが見られる
Switch2でのプレイ画面
こちらもジャギーが減少している

 実際にマップを散策してみたが、こちらも解像度が上がったことでジャギーが減少しているほか、フレームレートが安定しているように感じた。というのも初代Switchでは広大なマップやバトル時にスペシャルウェポンが同時に発動している場面などで、稀にフレームレートが低下する場面が見られていたのだが、Switch2ではそのようなことはなく、安定してゲームをプレイできた。

 ゲームプレイにおいては、初代SwitchとSwitch2のクロスプレイとなるため、若干Switch2ユーザーが有利になるが、大きな差がつくほどの違いはない。「スプラ3」プレーヤーが急いで買い替えるほどの理由にはならないが、既にシリーズ初のスピンオフタイトル「スプラトゥーン レイダース」がSwitch2で登場予定のため、購入を検討しておきたいところだ。

縦長ステージの代表である「マサバ海峡大橋」。まずはSwitchでのプレイ画面
敵陣側が少し見えにくい
続いてSwitch2でのプレイ画面。こちらもジャギーが減少し、くっきりと見えるようになった
敵陣側のフェンスがはっきりと描写されるようになった
「4Kスコープ」で遠くを見たところ。こちらはSwitchのプレイ画面
奥のクラゲに注目
Switch2でのプレイ画面
大きな違いはないが、遠くにいるクラゲがよりはっきりと描画されている
Switch2は広大なマップやスペシャルウェポンが同時に発動しているシーンなど、高負荷なシーンでもフレームレートが安定している

より快適にプレイできる! Switch2だからこそSwitchソフトを遊んでみよう

 ここまでSwitch2向けにアップデートが行なわれた初代Switchソフトを検証してきた。Switch2といえば「マリオカート ワールド」や「ドンキーコング バナンザ」といった専用ソフトに目が行きがちだが、Switch2だからこそSwitchソフトをプレイすることで、ちょっと前のタイトルを懐かしんだり、新たな発見に出会ったりすることもある。

 今回検証したタイトルはSwitch2向けのアップデートが行なわれているが、アップデートや最適化が行なわれていなくても一部タイトルはロード時間が短縮されるなど、Switch2のスペック向上による恩恵を受けられる。ぜひSwitch2でより快適にSwitchソフトをプレイしてみてほしい。