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【連載第174回】 あの、おもちゃを徹底レポート




快眠を誘う新感覚のコミュニケーショントイ
トミー「ユメル」

「ユメル」
発売 トミー
価格 8.925円
電源 アルカリ単2電池×4(別売)
発売日 発売中



 コミュニケーションを楽しめるロボット・トイはたくさん発売されているが、今回紹介する「ユメル」はその中でも珍しい、ユニークな機能を備えている。「ユメル」のテーマは、「眠りと健康」。ロボット・トイとして生活の中に入り込み、遊んでいるうちに、ユーザーの睡眠をよりよいものにするのだとか。

 元々はトミーと寝具メーカーのロフテーで共同開発した商品で、「おやすみユメル」という名前で発売されていた。今回の「ユメル」は、価格を下げ、着せ替えなどの新要素を加え、玩具ルートで販売するのだという。玩具メーカーと寝具メーカーのコラボレーション、という点が新しく、興味が沸いてくる。


「睡眠」にちなんだコミュニケーションがたくさん

 「ユメル」は、夢の妖精という設定。年齢は妖精の歳でいうと3歳とのことだが、外見は1~2歳の赤ちゃんに見え、とても可愛らしい。

 全長は、37センチ。重量は、電池を入れた状態で1kg。手に抱えてみるとよくわかるが、実に抱き心地がいいのだ。感覚としては、乳児を抱いたときのものに近い。ここは、作り手の強いこだわりを感じた。

 全身には6種類のセンサーが内蔵されており、ユーザーが触れたり話しかけたりすることに反応し、さらに「ユメル」から話しかけてくることもある。登録されている言葉の数は、約1,200以上。日常会話が多いが、季節や記念日に関する話題も話す。

 準備はごく簡単。洋服を脱がせて、背中にある電池ボックスを取り出して、単2アルカリ電池をセットするだけだ。

 電池を入れると、「ユメル」が話し始める。「キミのこと、いろいろ教えて~」。スピーカーの品質のせいか、少しくぐもって響くのが気になるが、声としゃべり方は小さな男の子のそれ。ほんの少し甘えがかかっていて、さぞかし母性本能をくすぐるのだろうなあ、と思う。

 「ユメル」の手に内蔵されたスイッチを押して、現在の日時を設定。さらには毎朝起きる時間と、毎晩眠る時間を入力。最後に誕生日を登録する。これでオーケーだ。

このように座らせてコミュニケーションを取るのが基本だ ひたいの周辺には音声センサーが内蔵されており、ユーザーの声に反応する
パジャマの横から耳を出すところがチャームポイント 言葉や状況に応じてまぶたが開閉し、表情を作り出す パジャマは着脱可能。別売のコスチュームも用意されている


 「ユメル」は、この設定を元にして、ユーザーと同じ時間に起きて、眠るようになる。ユーザーが規則正しい生活を送るとご機嫌になり、睡眠不足が続くと心配して「大丈夫?」や「無理してなぁい?」などのやさしい言葉をかけてくれるようになる。

 「ユメル」をベッドのそばに置いておき、目覚めた直後と眠る前に手に触れて、内蔵されたスイッチを押す。こうすると、ユーザーの起床や就寝時間が記録され、「ユメル」のコメントに変化が生じてくるのだ。

 筆者は「起きる時間」を普段の生活通り午前7時に設定し、「ユメル」の反応を試してみた。テストをした日は、うっかり5分ほど寝過ごしてしまったのだが、ベッドの近くに置いていた「ユメル」はしっかりと起きていた。「ユメル」の手に触れると、「おはよぉ、今日はお寝坊さん?」と挨拶と共に寝過ごしたことにもコメントされた。

 眠る時間は午前1時に設定しておき、時間が近づいたタイミングで「ユメル」の手を握ってみた。「そろそろ眠る時間だよ。一緒にねむねむしよ~」と眠そうな声で話す。しばらくしてからもう一度手を握ってみると、「まだ起きてるの? ふあああ」とあくびをした。

 「ユメル」が眠っているときはコミュニケーションも休止するのかと思っていたのだが、さすがは「眠り」がテーマのトイ。「ユメル」の手に触れると、寝言を話すのだ。「ぞうさ~ん」、「ぶたさ~ん」、「ハムスターさ~ん」と動物の名前を呼ぶことが多いが、「もう食べられないよ~」と満腹になった夢を見ていたり、「怖いよ~」と悪夢にうなされていたりすることもある。


遊んでいるうちにリラックスしてくる

 「ユメル」とコミュニケーションを楽しむ方法は、まだまだある。そのひとつは、頭をなでること。頭をなでると頭頂部のスイッチが反応し、言葉を返してくる。「これからもずうっと一緒にいてね」や「優しい声だぁい好き」など、可愛らしいものばかりだ。

 抱きかかえてあやすと、同じようなリアクションを見れる。抱きかかえたまま、軽く上下に揺すると「今日一緒に寝られる?」とか「どうして夕焼けは赤いの?」などと話し出した。次にどんなことを話すのだろうと思い、揺さぶる手を激しく動かしたら、「頭がグラグラする~」と泣かれてしまった。

 このようにしてコミュニケーションを重ねていると、歌を歌うこともある。歌は何種類も覚えているようで、筆者が聴いた限りでは童謡が多い。この原稿を書いている途中も、突然歌い出した。「出~た~出~た、月が~……あれ、続きわかんないやあ」。

   筆者が最も気に入ったのが。お昼寝の機能。「ユメル」を横にして、胸の付近を手で叩くと、次第に眠り始めるのだ。「気持ちいい~」と安らかな声を上げたあと、簡単に眠りに落ちる。この一連の動作が、いかにも幼児と触れ合っているようで、とても心がなごんだ。

手を握ってスイッチを押すと、様々なリアクションを得られる 手と同様に、頭をなでると、いろいろな言葉や反応が返ってくる
抱きかかえて上下に揺さぶられるのもお気に入りだ 胸をトントンと叩くと、たちまち眠ってしまう


 「ユメル」と触れ合っていると、眠りに誘われる効果があることに気がついた。「ユメル」自体は終始眠そうにマブタを垂らしていて、会話の内容も睡眠に関することが多い。しかも、常に眠そうな口調で話す。そんな「ユメル」と遊んでいるうちに、仕事や雑事の緊張感が取れ、リラックスしてくるのだ。「ユメル」への愛情が深くなればなるほど、この効果は高くなるだろう。寝つきが悪くて悩んでいる人は、「ユメル」を身近に置いてみるといいかもしれない。

 ちなみに筆者の自宅では、妻と娘が「ユメル」を奪い合っている。娘はひたすら「可愛い!」と気に入っており、妻は子育ての楽しさを思い出して、世話をしたくなるのだという。

 今回紹介した「ユメル」は、パジャマの色が「ブルー」のタイプ。他に「ラベンダー」、「ホワイト」、「ピンク」が発売される。また着せ替え用として「トレーナー」、「パンツ」、「肌着」、「パーカー」、「デニム」と合計5種類の衣類も同時に発売される。

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□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□「ユメル」のページ
http://www.tomy.co.jp/yumel/
□関連情報
【2月14日】トミー、健康管理にもなるコミュニケーションドール「ユメル」
先行発売イベントにガッツ石松とカンニング竹山が登場!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050214/yumel.htm


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(2005年2月24日)

[Reported by 元宮秀介]


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