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R v Rに身を投じ、熱き対人戦を体験せよ! 満を持してローカライズされた正統派MMORPG Dark Age of Camelot 日本語版 |
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そのような大作MMORPGが、紆余曲折を経て今回ローカライズされることになった。この機会に是非とも、国産やアジア系のタイトルにはない正統派ファンタジーとしての魅力を感じ取り、レルム同士への戦いに身を投じてみて欲しい。前編となる本稿では、MMORPGとしての基本システム面を解説していく。
■ 対人戦に特化した正統派ファンタジーMMORPGが、14日間の無料期間込みでプレイ可能に
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DAoCは対人戦に特化した珍しいタイプのMMORPG。拡張パックをすでに5本もリリースしているだけあって、ゲームの完成度も高い |
DAoCはMMORPGでありながら、「Realm vs Realm」(RvR)と呼ばれる国家間戦争、つまり対人戦をメインテーマとしている。キャラクタのレベルアップや対モンスター戦を始めとした冒険は、いわばRvRのための前哨戦であり、この潔い割り切りこそが数多あるMMORPGの中で人気を博した最大の理由だ。よって、DAoCを語る際にRvRは絶対に外すことができない。そこで今回はレビュー記事を「MMO基本システム編」と「RvR編」の2回に分けてお届けしていこう。
最初にDAoC日本語版の基本仕様について触れると、サーバーは国内プレーヤー専用のものが現在1基設置されている。NPCの会話を始めとするゲーム内メッセージは完全に翻訳。固有名詞に関しては、「NPC名・ゾーン名」のみは英語表記のままで、それ以外のPC名や各種アイテム・ステータスといった項目は翻訳されている。仕様的には「エバークエスト 日本語版」に比較的近いローカライズ形式である。もちろんプレーヤー同士は、日本語によるチャットが可能だ。
既にリリースされている拡張キットについては、最新版の「Catacombs」を除く総てのバージョンが最初から同梱済。具体的には「Shrouded Isles」、「Foundations」、「Trials of Atlantis」、「New Frontiers」の4本が含まれている。DAoC日本語版のプログラムはダウンロードによる無料配布で、尚かつ無料体験期間も14日間設けられていることを踏まえると、かなりリーズナブルな料金体制といえよう。ちなみに「Catacombs」に関しては、3月中の導入を目処に現在ローカライズ作業中だ。
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NPCの会話ウィンドウのメッセージに注目。翻訳による日本語の違和感はまったく感じられないので安心してほしい |
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ゲーム開始時にレルムを選択する。各レルムには8体のキャラクタが作成可能だが、行き来はできない | 別レルムのキャラクタへ切り替えるには3時間の制限を設けている。これはRvRを行なう際、敵国へのスパイ行為対策だ | コンフィグ等の各種メニューも当然ながら翻訳されている。また公式のWebsiteも充実しており、ローカライズ関係でストレスを感じることはない |
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拡張パックも最初から導入済なのはお得な気分。例えば「New Frontiers」では、このような家屋をキャラクタが所有できる | マントや盾にギルドエンブレムを入れられるのはDAoCならではの魅力的な要素だ。特にマントは遠目からでもそれとわかるデザインで、とても目立つ |
■ 神話伝承を忠実に再現した、個性溢れる3つのレルムに注目
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キャラクタ作成時に誕生する場所を通常エリア・拡張エリアから選択する。現在は拡張エリアの方に多くの人が集まっているのでおすすめ |
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敵の名前の色によって強さが判別できる。ヒューマノイド系の敵は、倒すと有用な装備品を落とすので、金策狙いで狙ってみよう |
もちろんレベル上げや冒険を行なうゾーンもレルム間で完全に隔てられており、相互を行き交うことは基本的にできない。そのため冒険者は自然とレルムの同胞達と普段から接する形になり、それによって仲間意識が芽生え、ゆくゆくはRvRで共に激突するというわけだ。言い換えると他レルムのキャラクタとは冒険ができないので、知人と一緒にプレイを始めたりといった場合には注意したい。
キャラクタの作成時の幅広さに関しては、3レルムの合計で18種族がある。そして初期クラスは計15種類があり、序盤間もないレベル5において上級職へとクラスチェンジを行なう。3レルムを合わせた上級クラス数は39とかなり多い。クラスの内訳についてはオーソドックスなファンタジーRPGに登場するものは一通り抑えられているが、レルムの世界観に忠実に沿っている所に注目。一例を挙げると、アルビオンではアーサー王の円卓の騎士にちなんだ“パラディン”、北欧神話のミッドガルドは“トール”、“オーディン”の神々といった見慣れたキーワードが、ゲーム内にはふんだんに登場する。
これはクラスのみならずアビリティについても同じことがいえ、特に神話伝承のイメージを損なわない画面エフェクトのセンスの良さは特筆に値する。例えば巨大なハンマーが振り下ろされる攻撃魔法や、羽根がふわりと舞い降りる補助魔法のエフェクト回りは、現行の最新MMORPGタイトルと比べてもまったく見劣りしない。このように各レルムにおける世界観の構築は実によくできている。そのためプレーヤーは所属するレルムへの愛着が湧き、また同時に敵対レルムへの対抗意識を燃やしやすい。DAoCでは対人戦に赴くための理由付けが、世界観の構築段階から既に関わってきているのだ。
レベルベースの成長システムでありながら、同じクラスのキャラクタでも成長方向が大きく分岐するのもDAoCの特徴である。DAoCではキャラクタがレベルアップする際に、そのレベルと同じ数の“ステータスポイント”を得られる(レベル40以上になると更に機会が増える)。各クラスには3系統以上のアビリティラインが用意されており、これにステータスポイントを注ぎ込むことで、新たな技能を習得してゆくのだ。アビリティのレベルに比例して必要とするステータスポイントも増えるため、例えば同じクレリックのキャラクタでも、回復魔法や補助魔法、そして神聖攻撃魔法といった別方面に特化することになる。
【アルビオン】 | ||
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アーサー王伝説をモチーフとしたアルビオン。人間族が中心のためオーソドックスで、他2レルムよりも他比較的親しみやすい |
【ミッドガルド】 | ||
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北欧神話をモチーフとしたミッドガルド。怪物系の種族が多く粗暴なイメージがある。一応、魔法系のクラスもそれなりに含まれている |
【ヒベルニア】 | ||
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エルフを中心としたヒベルニア。自然と調和した建築物等からは魔法的な雰囲気を感じさせる |
■ 一見ライト寄りにチューンされたMMOの基本システムは、その総てがRvRのための布石
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一人でも経験値を稼げるのは有り難いと感じる人は多いだろう。まとまった時間を取れない人でも自分のペースでプレイできるのだ |
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もちろんグループでの冒険時はさらに効率良く成長できる。編成時のクラスやレベル帯の制限は緩いため、ストレスは感じないだろう |
またグループの編成時は、メンバー間のレベルに多少の差分があっても、取得経験値のロスは少ない。1~3程度のレベル差には寛大で、元々メンバーはレルムの同胞ということもあり、「とりあえず人数を増やしてモンスターを倒そうぜ」といった雰囲気である(最大編成数は8人)。しかも各レベル帯に見合ったキャンプポイントはふんだんに用意されており、距離もそれほど離れていないためバッティングによるトラブルも少ない。そして休息時の回復速度も早く、ほとんど休み無しでキャンプを続けることが可能だ。
ここまで読む限りでは随分と良いことずくめのように思えるが、しかしシステムの制限が緩いために、戦闘が味気ないという見方もできる。単刀直入に言えば、DAoCの対モンスター戦のゲームバランスは、他タイトルと比べて「ヌルい」。例えば一戦闘あたりの所要時間が短いため、敵味方のHPバーは急激に変化する。HPバーの増減だけに注目すれば、3DタイプMMORPGというよりは、むしろ「Ultima Online」に近い印象を受けるだろう。従って操作も全体的にアバウトになるため、例えばEQやFF XIにおける一進一退のじわりじわりとした攻防の醍醐味は少ない。
実は筆者はDAoCの英語版を発売当初にプレイしたものの、上記の部分がどうしても気になり数日で辞めてしまった過去がある。また、仮にEQやFF XIの経験者がDAoCをこれからプレイする際、対モンスター戦が味気ないのはゲームとして致命的、と感じてしまう人は多いと思われる。だが今にして思えば、その段階でDAoCを見限ってしまうのは、はっきり言ってナンセンスだったのだ。
制作者側の気持ちをここで代弁するならば、「レベル上げなんて早く切り上げて、早く一緒にRvRやろうよ!」に集約される。冒頭部でも触れたように、DAoCにおけるレベル上げを始めとした冒険部分は、RvRのための前哨戦にしか過ぎない。例えば一度の戦闘時間が短いのもRvR向けに調整した結果であり、これに数分も掛けていたのでは数百人単位での対人戦など夢のまた夢だ。ゲームバランスがあっさり=MMORPGとして未熟、というわけではなく、総ての要素にちゃんとした理由がある。恐らくRvRに触れたことのないMMOプレーヤーの多くが、今でもDAoCを誤解しているであろう点がここだ。
その最もわかりやすい例が、「フリーレベル」というDAoCならではのシステムである。これは要約すると、普通にプレイしているキャラクタならば週に一度、無条件でレベルが1つ上がってしまうというもの。レベルを上げることそのものが目的の他MMOでは、到底有り得ないシステムである。また他の例としては、一度レベル50に達したプレーヤーは、別のキャラクタを作成後、瞬時にレベル20までブーストしてくれる機能もある。これも、様々なクラス・アビリティ構成でのRvRを満喫して欲しい、という開発者側からのメッセージに他ならない。あらゆるゲーム内の仕様が、来るべきRvRを見越したものなのだ。
キャラクタ育成の大まかな目安としては、3DタイプのMMORPGに慣れたプレーヤーであれば、新たにDAoCを始めてからキャップのレベル50までに掛かるのは2週間といったところだ。また仕事や学業との平行プレイでも、2カ月前後と比較的短期間で育成できる。しかしもう一度繰り返すが、DAoCにおけるレベル上げはRvRへ至るまでの前段階にしか過ぎないのだ。
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筆者のプレイ時は、大半のプレーヤーが拡張ゾーンにて冒険を行なっていた。逆に通常エリアは閑散としているため、初心者は気を付けてほしい | 拡張ゾーンへの往来は、チケットを購入後に写真のNPCによって転送してもらう。なるべく早い段階で、拡張ゾーンへ移動するのがよいだろう | 拡張ゾーンは、本来は「Shrouded Isles」等によって導入されたものだが、DAoC日本語版では意識する必要はない |
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拡張ゾーンに登場するモンスターの強さは、レベル1からまんべんなく分布している。決して上級者向けのゾーンではないため、最初からこちら側でキャラクタを作成した方が良いかもしれない |
■ 現時点でも対人戦に限っていえば最高峰。新規参入者を数多くRvRに触れさせられるかどうかが鍵
DAoC日本語版は1月31日に正式サービスへと移行したが、それまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。特に当初の販売代理店であったカプコンが撤退した際は、プロジェクトそのものが立ち消えになったのかと思った人も多いだろう。そのような不運な事情を踏まえると、DAoC日本語版がビー・ビー・サーブ株式会社の出資によって無事にサービスインできたことを、まずは歓迎したい。
だが現時点においては、とりあえず形にするだけで精一杯で、GM対応を始めとした細かい所までサービスが行き渡ってない印象が拭えない。また拡張パックによって随時グラフィックエンジンは強化されてはいても、DAoC自体は2001年、すなわちEQ1世代のMMORPGである。PCやモンスターのモデリングには、どうしても時代の流れを感じてしまうのが正直な所だ。つまりDAoC日本語版は第一印象のインパクトが弱く、プロモーション展開をほとんど行なっていない点も相まって、数多くのプレーヤーが集まるかどうか不安でならない。
とはいえ、DAoC日本語版が優れている点も多い。現行の他MMORPGと比較すると、日本人のみが参加するサーバーでプレーヤーの年齢層も高いという面においては、FF XIよりも大きく勝っている。またハイエンドなスペックのPCでなくとも快適に動くため、EQ2よりも敷居は低い。対人戦という言葉からハードコアな連想をしてしまいがちだが、対モンスター戦に限っては非常にライト寄りのバランスなのもポイント。よってMMORPGとしてのポテンシャル的には、DAoC日本語版が獲得できるパイは、現在の国内市場でも十二分にあると筆者は思っている。
そして忘れてはならないのがRvRだ。詳しくは後日掲載する後編にて紹介するが、DAoCは総てのゲームシステムがRvRのために調整されている。現在では「信長の野望Online」やUOの“派閥システム”、他にはFF XIの“バリスタ”等といったコンテンツで対人戦はサポートされているが、DAoCの隅々にまで気配りの利いたRvRシステムは、まさに群を抜いているといっても過言ではない。少なくとも対人戦を目的としたMMORPGに限れば、「World of Warcraft」のサービスが絶望的な日本国内においては、DAoC日本語版は現時点でもっとも賢いチョイスだと言い切っていい。
DAoC日本語版が商業的に成功するかどうかの鍵は、どうやって数多くの新規参入者をRvRコンテンツまで牽引するか、という点に集約されるだろう。それだけに、新規参入者の獲得に向けたプロモーション展開には今後多いに期待したいところだ。たとえどんなにDAoC日本語版のRvRが優れていようが、大勢の参加者が居ればこその話なのだから。
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ライト寄りのバランスの対モンスター戦は、言い換えるとMMORPG初心者が初めてプレイする際の候補として向いている | 同じレルムの冒険者に対して、仲間意識を自然に感じられるのはDAoCならではの醍醐味といえる。プレーヤーの年齢層が高いのも嬉しい | DAoCの風景は地味だと感じるかもしれないが、良い意味で自然な素朴さを感じられるグラフィックだと思う |
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写真は拡張パックで導入された、プレーヤーの売り子を検索する機能。次の拡張パックである「Catacombs」の導入が今から待ち遠しい | 必要とするマシンスペックと、グラフィックのセンスの良さは比例するとは限らない。DAoCの呪文エフェクトは、今見ても実に素晴らしい | RvRをプレイせずして決してDAoCを語ることなかれ。集団戦の魅力について存分に語る後編は、近日中に掲載予定だ |
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(2005年2月3日)
[Reported by 川崎政一郎]
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