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【連載第7回】 進化し続けるヴァナ・ディールの魅力を徹底解剖


ファイナルファンタジー XI連載
~ヴァナ・ディール定点観測~

「プロマシアの呪縛」紀行 第2弾
ミッションの核心へと触れるタブナジア群島を紹介

 9月16日に発売された、「ファイナルファンタジー XI」(以下、FF XI)の拡張データディスク第2弾「プロマシアの呪縛」(英題:Chains of Promathia 以下、CoP)。CoPの発売から早1カ月が経過したが、その最大の特徴であるプロマシアミッションは難易度が高く、手こずっている読者も多いことだろう。

 表題の「タブナジア群島」は、プロマシア用のミッションを第2章まで進めることによって、初めて侵入が可能となるリージョンだ。この群島はかつて、サンドリアにゆかりのある“タブナジア候国”によって治められていた。しかし20年前に勃発したクリスタル大戦時に、獣人勢力によって滅ぼされてしまったのだ。滅亡に至るまでの詳しい経緯については、これまではサンドリア用ミッションの終盤で断片的に語られるのみで、真相はヴァナ・ディールの最大の謎のひとつであった。

 我々冒険者はプロマシア用のミッションを通じてタブナジア群島へ実際に足を踏み入れ、僅かに残された大戦時の手がかりを元に、候国滅亡の真相へと迫ってゆくことになる。本稿ではミッションの第2章で訪れることになる、これらの各エリアを軽く紹介していこう。今もなおプロミヴォンで行き詰まっている読者は、その先に待ち受けるこれらのエリアを目標に頑張ってほしい。

プロマシアミッションを第2章まで進めるとタブナジア群島への往来が可能に

 プロマシアミッションの第1章にて、3カ所のプロミヴォンを制覇したプレーヤーは、ストーリーの展開に従って「ルフェーゼ野」というエリアへと漂着する。タブナジア群島の本土は、このルフェーゼ野と「ミザレオ海岸」の屋外2エリアがあり、それらに挟まれる形で「タブナジア地下壕」という集落エリアが配置された構成だ。屋外の2エリアはラテーヌ高原に似たのどかな景観で、時折獣人が徘徊している他には、かつてこの地でクリスタル大戦が勃発したとはなかなか考えにくい。言い換えればそれだけの長い年月が、タブナジアから大戦の痕跡を取り除いてしまっているのだろう。

 直前のプロミヴォンがかなりシビアな難易度だっただけに、初めてルフェーゼ野へ訪れたプレーヤーにとっては、その雰囲気は良い意味でのギャップを感じることだろう。中でもこの場所のBGMはのどかな景観と実によくマッチしており、CoPに収録された総てを含めてもプレーヤー間の人気が特に高い。ビビキー湾から行ける「プルゴノルゴ島」とはまた違った意味で、観光用としてもおすすめのエリアである。

 レベルが30に制限されたプロミヴォンの次に訪れるエリアなだけに、ルフェーゼ野及びミザレオ海岸の難易度は、レベル相応に抑えられている。この屋外2エリアに出現するモンスターの強さは、基本的にはレベル35~45程度とそれほど高くない。また景観や地形構造も似ているため、ルフェーゼ野とミザレオ海岸は、その2つをセットにして一エリアと考えた方が分かりやすいだろう。

 エリアに出現するモンスターの中では、サイと恐竜を足して2で割ったかのような生物「Bugard」と、シャドウによく似た外見の「Fomor」に注目してほしい。中でもFomorは、アンデッドと同様にヴァナ・ディール内の夜間(20:00~05:00)のみ出現する野外限定のモンスターだ。これは特定の場所に複数がまとまって出現するため、戦闘時は同時に戦わねばならない。ちなみにFomorは、他のタブナジア関連エリアにも頻繁に出没する。もしかすると、滅亡したタブナジア候国の亡霊のような存在なのだろうか?

プロミヴォン
CoPは基本的に、ミッションを進めることで新たなエリアへ少しづつ挑戦できる仕組みだ
タブナジア群島へ
陰鬱としたプロミヴォンからがらりと一転。タブナジア群島は自然色が強く開放感のある景観だ
ブガード
タブナジアに生息するブガード。ドロップ品の牙や革は、新たな合成用レシピとしての需要がある

Fomor
Fomorは遠目には冒険者のように見えるが、近づいてよく見ると気味が悪い。過去にFomorを倒したことがあると襲われるという仕組み
常に複数で行動
Formorは単体ではそれほど強くないが、ほとんどの場合において複数がたむろしている。まとめて戦うと意外に手こずるだろう
NMも出現
タブナジア群島のNMから得られるレアアイテムは、まだまだ相場価格が高い。これを狙ってみるのも一つの手だろう

タブナジア群島のあるきかた

訪れる人が少ない点もあり、このエリアにおける伐採はなかなか効率がいい。今まで伐採に挑戦したことのない人にもおすすめである
この場所に出現するモンスターは「インビジ」でやりすごすことができる。ただし稀にエレメンタルやFomorが出現するので気を付けよう
 ルフェーゼ野における名所としては、エリア北部の森林地帯と、北東部の高難易度地帯に注目してもらいたい。森林地帯にはそれほど広くない中に、「Leshy」という大木のモンスターが出現する。今までこの系統は比較的レアな存在であったが、ここのLeshyは6~7匹とかなり多いのだ。「トレジャーハンター」のアビリティを揃えて狩りを行なうとよいだろう。また、この森林地帯を中心とした伐採による金策は今でも有効である。本エリアを観光する際には、「まさかり」を携帯していくのがおすすめである。

 北東部の一帯だけは難易度が突出しており、同じエリアだと考えない方がよい。大羊や大鳥のモンスターが主に出現するが、討伐には少なくともレベル70以上の1パーティが必要な程の強さである。この一帯のモンスターは外見があまりにも巨大なため、誰がどう見ても事前に危険を察知できるはずだが、遠近感さえ狂う程の大きさのためくれぐれも気を付けてほしい。しかも噂によると、どうやらこの一帯にはHNMも出現するとのことだ。

 ミザレオ海岸に関しては、基本的にはルフェーゼ野と似た構成になっている。エリアへ訪れた際は、北部の滝を是非とも一度見に行ってほしい。低地エルシモ地方「海蛇の岩窟」入口前の滝に勝るとも劣らない、壮大な眺めである。

 タブナジアの屋外エリアのモンスターに総じて言えるのは、倒した後の再出現間隔が5分と短い。ただし広範囲に散り散りに配置されているため、特定ポイントに陣取る経験値稼ぎのキャンプにはあまり向かない印象だ。どちらかというと、高レベルのキャラクタによる、ドロップ品を目当てとした気ままな狩りに向いているだろう。これらのエリアにもNMは出現し、現在はCoPの発売からあまり時間が経過していないため、流通価格も少々高めになっている。

 なお、初回以降のタブナジア群島への往来方法が少々分かりづらいので補足しておこう。最初にミッションの自動進行によって訪れてからは、バルクルム砂丘の「I-9」からルフェーゼ野、それとクフィム島の「E-6」からミザレオ海岸へとそれぞれ往来可能のワープポイントがある。これらのワープポイントは僻地にあるため、タブナジア群島への交通の便はお世辞にも良いとは言いがたいが、ミッションのストーリーを注意深く読むと、何か深い理由がありそうな雰囲気だ。

タブナジア候国の残骸?
北東部の奥地からは、タブナジア候国の残骸とおぼしき場所を遠目に眺められる。あの場所へ行ける日はやってくるのだろうか
ミザレオ海岸の滝
モンスターやドロップアイテムを抜きにして、新エリアの観光はとても面白い。屋外エリアはアクティブ系モンスターも少ない
ワープポイント
タブナジアへと通じるワープポイント。ゲーム内で得られるヒントが少ないので、本稿の座標情報を頼りにするとよいだろう

タブナジア地下壕
吊り橋を渡ってタブナジア地下壕へと入る。隠蔽生活の割には意外と目立つ入口
立体的な構造
地下壕の内部は中央に巨大な縦穴があり、その周囲に何本かの横道が張り巡らされた構造となっている

ジャスティニアス
なぜ、今になってタブナジア地下壕への往来が可能になったのだろうか。ストーリー面においても何か裏がありそうだ
ショップは品薄
地下での生活を強いられているため、多くの住民は落ち込んでいる。物資面においても相当深刻なようだ
タブナジア候国騎士団
地下壕受けられるクエストの難易度はそれほど高くはない。軽くこなしておくとストーリー背景を理解しやすいだろう

ミッションを経て、最深部を目指すスタイルの冒険エリアが続々と登場

タウルスは探知範囲が広く透明化を見破るため、できるだけ倒しながら進むのがよいだろう
 前回の本連載にて紹介した「プロミヴォン」は、挑戦時のレベルが30に制限された特殊な冒険エリアになっていた。レベルを制限することによって、どのプレーヤーが挑戦しても難易度は一定に保たれるのが最大の特徴であり、この要素がCoPの大きな特色であることは既にご存じだろう。そしてプロミヴォン以降のミッションにおいても、このような形式のレベル制限エリアが続々と登場するのだ。

 プロマシア用ミッションの第2章においては、「フォミュナ水道」と「リヴェーヌ岩塊群サイトA01」というレベルが40に制限されたエリアへ挑戦する。本稿では第2章のミッション攻略の観点はひとまず置いておき、両エリアの概要を軽く紹介していこう。

 「フォミュナ水道」はタブナジア地下壕から直接侵入するダンジョンである。エリア内は薄暗くじめじめとした雰囲気で、第一印象は「トライマライ水路」に近い印象だ。エリアの内部構造は幾重にも分岐し、しかも梯子を用いた立体構造となっているため道に迷いやすい。梯子については「ウルガラン山脈」に用意された雪山のすべり台と同様、立体的なエリア構造が盛り込まれている点に注意しよう。

 エリア内に出現するモンスターでは、悪魔のような姿の「タウルス」がここで初登場する。普通に戦闘する際でも「死の宣告」アビリティを繰り出してくる強敵だが、インビジ等の透明化を見破る能力を持ち合わせている点には特に注意。フォミュナ水道にはこのタウルスが至るところに出没し、戦闘をやりすごすことは不可能だ。必然的に白魔法「カーズナ」や「聖水」が必須となるだろう。

強さを確認
タウルスには何段階かに強さがあり、奥へ行くに従って次第に強力になる。名前が微妙に違うので気を付けよう
はしご
マップ中の数カ所で、このような梯子を使って階層を移動する。そのためマップの座標情報はあまりあてにならない
クエスト用アイテムも得られる
クエスト用のアイテムを取得できた。ミッションが終わった後も、このようなアイテムを目当てに訪れる機会もあるだろう

BFでのボス戦は盛り上がる
各バトルフィールドの戦術には何通りかあり、これを追求するのも醍醐味のひとつなので本稿では敢えて触れないでおこう。共通して言えるのは、ボス固有のWSをしっかりと見極めることだ

岩が浮き、竜族が棲む幻想的な新エリア「リヴェーヌ岩塊群サイトA01」

 もうひとつの「リヴェーヌ岩塊群サイトA01」は、ミザレオ海岸の西端から通じる屋外エリアである。少々変わったエリアの名称だが、その由来は実際に足を踏み入れるとすぐにわかる。なんと大小様々な形をした岩石が、空中に無数に浮かんでいるのだ。これらの景観を見て、ジラートミッションの終盤で訪れる「トゥー・リア」を連想とする人も多いのではないだろうか。

 ただし本エリアの岩石はトゥー・リアのような整合性がまったく感じられず、人知を越えた力によって岩盤から強引に引き剥がされた印象を受ける。これらの岩塊群が、いったいどのような仕掛けで浮遊しているのかは皆目見当がつかないが、少なくともタブナジアのストーリーと密接に絡んでいるのは確かなようだ。

 エリア内にはワープポイントが多数設置され、岩盤の上を飛び石のように渡りながら移動してゆく。そのため全体的な地形を把握しづらく、移動には苦労するだろう。プロミヴォンを経験した人であれば身に染みているはずだが、このようなエリア最深部を目指すスタイルでは、パーティのリーダー役から離れないようにして移動するのがこつである。

 このエリアにて出現するモンスターは、初登場の「ヒポグリフ」やワイバーンが中心となる。プロミヴォンやフォミュナ水道と同様に、出現モンスターの大半がアクティブ系であるため、パーティの移動時に絡まれやすい。多少面倒でも、通り道にいるモンスターはできるだけ倒しながら進む方が安全だろう。

 今回紹介したタブナジア群島は、仮にジュノや3国から移動しようとした場合、交通の便があまり良いとは言い難い。たとえばゲートクリスタルを用いた呪文やテレポ・サービスが行なえず、仮に適正レベルであっても経験値稼ぎの目的でタブナジアへ訪れる機会は、実際には少ないだろう。金策面において有効な方法も少なく、見方によってはミッション専用のエリアといえなくもない。

 FF XIのエリアの作り込みが優秀であることは、もう今更力説する必要はないだろう。新たなエリアへ行く都度、あたかも現実世界で旅をしているかのような気分に浸れる人もきっと多いはずだ。それだけに、これらのエリアがミッションでの一度限りの挑戦となってしまうのは、ある意味非常に贅沢な使い方である。タブナジアの各エリアをミッション以外の、たとえば経験値稼ぎといった目的でも利用しやすいように、環境を整えて欲しいと願うのは筆者の欲張りだろうか。

リヴェーヌ岩塊群
見れば見るほど不思議な岩塊群。いったいどのような仕掛けで空中に浮かんでいるのだろうか?

ワープポイント
岩から岩への移動は、このようなワープポイントを利用する。場所によっては、鍵となるアイテムが必要な場合もあるようだ
ワイバーン
挑戦時のレベルが40に制限されているだけに、このワイバーンはかなり手強い
ヒポグリフ
本エリアにて初登場となるヒポグリフ。一定時間操作を行なえなくなる、「テラー」という効果を付随する特殊攻撃を繰り出してくる

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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/

(2004年10月26日)

[Reported by 川崎政一郎]


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