★ PCゲームレビュー★


すべてのオブジェクトが破壊可能!!
ぶっ壊し系新感覚ミリタリーFPSの登場

Soldner: Secret Wars

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 開発元:Wings Simulations
  • 発売元:メディアクエスト
  • 価格:5,980円(日本語マニュアル付き英語版)
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 発売日:6月11日(発売中)


 今回紹介するのは、2010年という近い未来を舞台にしたミリタリー系の多人数対戦可能なFPS「Soldner: Secret Wars」だ。最近、徐々に増えつつある、シングルプレーモードをマルチプレイへのチュートリアルという位置づけにした、マルチプレイモード前提のFPSとなっている。本作はそういったマルチプレイ専門タイトルの中でも後発のため、他のゲームとの差別化をはかる必要があり、いくつか独特のシステムを搭載している。

 「2010年、半世紀にわたり中小規模の紛争に軍事介入してきたアメリカとロシアの2大国は世界の警察としての役割に限界を感じていた。さらに軍事活動は両国の経済の疲弊と民族紛争を招き、結果的に一切の軍事活動から手を引くという道を選ばざるを得なかった。このような情勢の中多くの国が密かに傭兵からなる少数精鋭の部隊を雇うのが有効になる時代へと変わった。そのような精鋭の傭兵たちを「Soldner」(ゼルドナー)と呼んだ。こういった時代背景があるため、本作ではありとあらゆる武器や軍隊が登場する。ミリタリー好きの人には興味を持てるタイトルだろう。


■ 様々なゲームから魅力を抽出したいいとこどりのゲームデザイン

林を進み敵の車両をスティンガーミサイルで破壊。搭乗していた敵もろとも吹き飛んでいった。OFPを彷彿とさせるワンシーン
 基本的なルールは、日頃からミリタリー系FPSをプレイしているユーザーにはすぐピンと来る仕様となっている。まず、プレーヤーには一定の金額を所持した状態で戦う事になる。戦闘開始前にこの金額をやりくりしてライフルやグレネード、アーマーといった武器を購入するわけである。

 そう、これは「Counter-Strike」のシステムをそのまま持ってきているのだ。この初期装備を使って、フィールド内に潜む敵を駆逐し、マップ中に点在する拠点を占領していくのだ。敵を倒したり占拠した際にはその都度お金が振り込まれ、徐々に購入可能な武器が増えていく。

 次に勝敗条件だ。こちらも金額の概念があり、コンクエストモードを例にとると、敵よりも取得している陣地の数が少ない場合、どんどん自軍の軍事費用が減っていく。逆に敵より陣地を多くもっていれば、敵の費用も減っていく。こちらは「Battlefield 1942」のシステムをそのまま持ってきているのだ。また、この費用の中から戦車などを生産する事が可能なので、時には武器の買い換えによる資金の消耗を抑え、お金を貯めるという行為も必要になる。

 そしてルールとは別の話ではあるが、ゲーム内の雰囲気はCodemastersの傑作FPS「Operation Flashpoint」に近い。だだっ広いフィールドで、遮蔽物に体を隠しつつ、豆粒のような敵を探す展開になる。当然、先に捕捉されれば敵の銃弾一発で絶命することになる。そういった戦場で木々に紛れて敵陣へ進撃している時の雰囲気は、OFPの事を思い出させてくれる。

ヘリコプターの操作も比較的簡単で、ジョイスティック等は特に不用。20分も練習すれば快適に飛べるようになった 敵陣への移動中のワンシーン。このあと、林の中を軽快に走っていた所、待ち受けていた敵兵のミサイルランチャー攻撃で爆死してしまった



■ 自衛隊も参戦! 世界中の軍隊から実在する武器や兵器が登場!!

序盤は画面のように軽車両を使用して移動する事が多い。早期段階から陣地を増やす際に味方に運転してもらう事もある
実際にパラシュート降下をしてみたところ。自由落下中でも移動キーで姿勢を制御できる。実際のスカイダイビングと同じで前傾姿勢をとればスピードもあがり目的の位置まで落下しやすくなる。上手に操作すれば監視塔に降り立つ事も可能だ
 本作は近未来という年代設定+世界各地に傭兵が点在しているという舞台設定もあって、登場する銃器、車両、戦闘機などは、すべて実在のものが大量に登場する。

 公式サイトに掲載されている携行武器の数だけを上げてみても、デザートイーグルやHKマーク23といったハンドガンは5種類、M60やG3といったマシンガンが3種類、P90やMP5といったサブマシンガンが3種類、PSG-1やM-82 A1といったスナイパーライフルが6種類、AK47やSPAS15といったアサルトライフル&ショットガンが19種類、各種グレネードが6種類、対地&対空ランチャーが8種類が確認できる。

 もちろん実際のゲーム上にはもっと多くの武器が登場するし、これに加えて、ボディーアーマーや体力を回復するメディックキットなどの装備も登場する。プレーヤーは、Soldier Weapon System(SWS)と呼ばれる兵器購入システムを使って、自分に合った装備を購入していくことになる。

 SWSは、「Counter-Strike」の武器購入システムそのものだと冒頭に書いた。要するに「ゲーム中、賞金が貰える条件を満たす」ことによりプレーヤーにはお金が支給され、そのお金を使って武器を購入するわけだ。たとえばコンクエストモードのゲームであれば、陣地を占領したり敵を倒したり、そういったことで資金を得ることができる。

 実際のゲームにおいてプレーヤーは、ハンドガン、ライフル、ランチャー&グレネード、各種キット、ナイフという5つのスロット(実際にはナイフを除いた4スロット)に対して、自分が持っているお金をやりくりして武器を購入していく。たとえばスナイパー専門のプレーヤーであれば、ハンドガンは威力の高いデザートイーグル、ライフルは連射の効くPSG-1、グレネードは姿を隠せるスモークグレネード、キットは自分の姿を隠すスナイパーキットというような組み合わせだ。

 逆にどんな状況にも対応できるように、ステアーAUGのようなスコープの付いたアサルトライフルを中心に、対戦車用のランチャーやメディックキットをそろえていけばいいだろう。武器や装備の組み合わせというのはそれこそ無限大に近いわけで、自分の資金とゲームの状況に合わせ、フレキシブルに使う武器を替えていくことが勝利の近道になりそうだ。

【HK MARK23 Silenced】
米軍特殊部隊で使用されているソーコムピストル。ゲーム中では実際の戦闘のように、ライフルやサブマシンガンの弾が切れ、再装填する余裕がない時に主に使用。アイアンサイトで見るよりは通常視点を使用したほうがゲーム中には効果的だ

【STYER AUG】
オーストリア軍用銃として'77年に登場して以来、スウェーデンやオーストラリアなど、世界中で採用されている銃だ。ゲーム中も実銃とおなじくスコープは4倍ズームが可能。実際に戦闘に使ってみると、接近戦もこなし、中距離、遠距離での射撃性能も非常に高い。フルオートで戦うより、距離を離してセミオートで1発1発敵にあてるのが楽しい

【M18 Colored Smoke Grenade】
同作のスモークは「Counter-Strike」や他のゲームよりも煙幕が濃く、効果範囲も広い。そのため写真のように3つほど投げるだけでほとんど先が見えなくなってしまう。敵陣への突入時に使用すると効果的だろう。また、色つきのスモークであれば、戦闘機やヘリコプターなどの味方に対して攻撃要請と同時につかえば、攻撃対象物の位置を教えるという役割にもなる

 「Soldner」でもうひとつ注目したいのがAdvanced Fighting Vehicle(AFV)と呼ばれる兵器群の存在だ。「Soldner」で使われるマップの広さは最大時で6,50×3,500kmと非常に広大であり、正直なところAFVを使わないと移動すらままならない。携行兵器と同様にAFVの数も豊富で、車両部門は21両、ヘリコプター部門12機、戦闘機部門11機の計44もの兵器に搭乗可能だ。

 車両部門にはジープやハンヴィーといった移動を主目的とした車両だけでなく、ロシアのT-80や中国の98式戦車なども登場する。さらに対へり用に、対空砲を装備した車両にも搭乗することができる。とくに筆者が驚いたのは世界的に見れば“ドマイナー”と言ってもいい、自衛隊の93式近距離地対空誘導弾(ハンヴィーの後ろに対空ミサイルをくっつけたような車輌だ)も用意されている点だ。ゲームの中とはいえ、こういった兵器を乗り回せるのはミリタリーマニアにはたまらないところがあるだろう。

 また“乗る”ことだけで楽しむのではなく、こういった兵器を敵に対してどういった風に使えばいいかを考えていくのも楽しい。たとえば、ヘリコプター部門にはアパッチやハインドのような現用攻撃ヘリに加え、兵員輸送を目的としたブラックホーク等も用意されている。チームメイトと相談して、敵正面で戦車を展開させるなどして時間稼ぎをしつつ敵を引きつける一方で、ブラックホークに歩兵を乗せて敵陣の裏の山岳地帯から、歩兵を敵陣へ裏から送り込むといった実戦さながら作戦を行なうこともできる。また、ヘリからのパラシュート降下を行なうこともできるようになっている。ヘリが飛べる限界高度まで上げてもらい、対空ミサイルが届かないような高度からヘリパイロットやコマンダー(後述)の指示によって一斉にHALO降下(高々度降下低開傘)していく姿はかなり燃えるものがある。

 そして、戦闘機部門には米軍とロシア軍の現用機を中心に、名だたる兵器がラインナップされている。F-15イーグルやF-18ホーネットという現役の戦闘機に加え、ステルス機能によってレーダーに引っかからない爆撃機F-117ナイトホークや、30mmバルカンを装備して戦車の装甲でさえも軽く撃ち抜く地上攻撃機A-10といった機体が登場する。また、ロシア軍からは超絶な空中機動能力を持つSu-37フランカーや、世界初の音速VTOL機Yak-141フリースタイルなども登場する。

 ただ、これだけの兵器ラインナップをそろえながらも、コマンダーと呼ばれるチームリーダーのような存在によって自由に兵器を使えないのはいささか寂しい。通常、携行武器や兵器を購入する際は自分に対して支給されたお金を使うことになるのだが、お金が足りない場合はチーム全体でプールしてある資金を使うことも可能だ。この使用を承認するのがコマンダーの役割なのだが、このコマンダーがケチだと戦車や戦闘機などの高い兵器がまず使えなくなってしまう。事実筆者は戦闘機に一度も乗れていなかったりする。

 ゲームに勝つことを第1目標に考えるなら、あまりド派手な兵器はいらなかったりするのだが、シングルゲームでは使えない兵器や武器も多く、登場することがわかっているのに使えないというのはいささかストレスがたまる。特に対戦相手を海外に求めなければならない日本人ユーザーならなおさらである。

【M1A2 Abrams】
ご存じ米軍が誇る主力戦車。その主砲の威力は、一撃で家屋を吹き飛ばしてしまうだけでなく、場所によっては地面をえぐってしまうほどの威力を誇る。さらに移動速度などの面をみても他の戦車にくらべると早く、頼りになる。スモークディスチャージャーも搭載されており、敵の歩兵が近づいてきたときや、一度に2台の戦車を相手にするなど、不利な状況に追い込まれた際に煙に紛れて撤退することもできる

【UH-60L Black Hawk】
映画やゲームで多くの人が知っている兵員輸送ヘリコプター。ゲーム中では、ミニガンなどで武装したタイプと、輸送に主眼を置いた非武装タイプの2種類のブラックホークが登場する。敵陣を急襲する際などに役立つことだろう


■ 激戦区に逃げ場はない! 驚愕の破壊システム「Advanced Destruction System」

調子に乗っているとこのように自分が倒した木によって進路が阻まれてしまう事も。ゲーム中はこのせいで大きく迂回し、大きなロスになってしまうので注意しよう
 さて、本作のゲームシステムでもっとも注目したいのは「Advanced Destruction System(ADS)」と呼ばれるシステムだ。これはどういったシステムかというと、フィールド上に存在するほぼ全ての構造物が破壊可能というもの。家屋の壁をロケットランチャーで吹っ飛ばすなんてのはもちろんのこと、視界を遮る森の木々も倒してしまうことが可能だ。ロケットランチャーやミサイル、戦車の砲撃などのインパクトにより、木々がなぎ倒されるといったシーンは圧巻の一言。

 木々は倒す事しかできず、破壊が不可能というかなりやっかいなシロモノだ。しかし、これにより敵の進路を木々を倒して封鎖する事が可能で敵に迂回を強いて、進撃を大幅に遅らせる事ができる。当然、倒す場所によっては自軍にとってもマイナスになってしまうことがあるため、木々を倒すことで道路封鎖を狙うならば、位置や場所、タイミングをよく考えたほうがいい。

 OFPやBF1942といったゲームをプレイしていると、敵が建物内などに逃げ込んでしまい、わざわざ車両を降りて建物の中を掃討しなければならない事が多かった。しかし、「Soldner」ではADSの搭載によって、わざわざそんな事をしなくても建造物を破壊して敵をあぶり出してしまえばいいわけだ。現実の戦争ではそういったことも多いので、ゲームというものの新たな可能性を見せてくれるシステムだと言える。

 ちなみに、ゲーム中、前線地区では形状を保っている建造物が少なく、映画の戦闘が激しかった地区のような印象すらあたえてしまうほど。このADSは製品版が発売されてからもまだまだ改良がされていく方針で、過去に開発者が製品発売後のバージョンアップで、ADSは地形にまで搭載し、砲撃や爆撃などで発生する爆発穴(クレーター)を実装したいと考えていると語っていた。

ADSシステムがどのような物かを試してみたところ、小屋はロケットランチャー1発で半壊状態にまでダメージをうけた。継続して攻撃していくごとに外壁がなくなったりと、細かい演出までしている

森林地帯をロケットランチャーで攻撃。爆風範囲が広いためか、ダメージを受けた木々は次々と倒れていく。ゲーム中、つい意味もなく木を倒してしまいそうだ


■ 広すぎるマップを持った管理者不在のマルチプレイサーバー

 このゲームの中心となるのはやはりインターネットを介したマルチプレイだろう。本作では、プレーヤーの分身となるキャラクタの外見を自由に設定できる。顔、軍服、迷彩、隊章、装備を自由に選ぶことが可能でその組み合わせは6万通り以上。第二次世界大戦のドイツ兵にそっくりなスタイルから、ホラー映画の“ジェイソン”もどきまで多数用意されている。文字通り「自分だけ」のキャラクタが作れるので、ゲーム内での愛着もわくだろう。

Unit Customisation System(UCS)といわれるシステムによって、他人との容姿差別化を計る事ができる。見た目のかっこよさをとるか、実戦で見つかりにくい格好にするかはプレーヤー次第

 さて、実際のゲームモードは、Deathmatch/Team Deathmatch、Capture the Flag、VIP Assassination、Conquest、Hostage Rescue、Bomb Run、Assassinationの7モードが用意されている。しかし、現在稼働しているサーバーの8割はConquestモードを採用している。要するにマップ上に点在している陣地を一定時間確保し、自チームのものとして占領していくゲームモードだ。チームには一定のポイントがスタート時点で与えられているのだが、陣地を占領することで相手のポイントをへらすことができる。相手のポイントを0にしてしまえば、自チームの勝ちというわけだ。「Battlefield 1942」など、多人数FPSでは非常にポピュラーなゲームモードだ。

 しかし、ここにだだっ広いフィールド&多彩な兵器と武器という要素が加わると話が若干変わってくる。インターネット上で公開されているサーバーの多くは32人が上限というものが多い。しかし、32人ではフィールドが広すぎるのだ。結果、敵が多そうな激戦地と思われる陣地に突っ込んでいくプレーヤー、ジープに乗って敵がいなさそうな陣地を一人で回っているプレーヤー、強力な兵器が支給されるまで自陣でうろちょろしているプレーヤーなど、プレーヤーの行動がバラバラになってしまうことが多い。

 仮にプレーヤー同士が連携して動き、順番に敵陣を落としていったとしても、フィールドが広すぎるためにすぐに後ろを取られてしまうということが起こるのだ。そこで注目したいのが、「Customisable Multiplayer Modes」と呼ばれるシステムだ。先ほど挙げた7つのゲームモードを基本として、ゲームのカスタマイズを行なうことができる。これならば、ゲームマップの広さという先ほど挙げたプレーヤーが分散してしまう原因を取り除くことも可能だ。

 また、各種勝利条件も細かくカスタマイズすることができる。たとえば、Capture the Flagを基本モードとして選んだ場合、通常プレーヤーは敵陣に設置されたFlagを奪い合うが、カスタマイズによってジープやアイテムをFlagの変わりとして扱うことができるわけだ。これによりサーバーの上限人数に対して適正な大きさのマップと勝利条件を作ってやれば、プレーヤーの分散といった問題は解決できるだろう。

 しかし、多くのサーバーはこういったカスタマイズを施さず、デフォルトで用意されたままの状態でサーバーを運営していることが多いようだ。そのため、多彩な兵器や武器、ADSといった特徴的な機能を持っているにも関わらず、いまいちマルチプレイが盛り上がっていないのが気になる。こういったゲームは、ひとつでも運営のしっかりしたサーバーがあれば固定ファンが付くものなのだが、日本サーバーさえおぼつかない現状は非常にもったいない。そういう意味では販売元のメディアクエストが率先して適正な人数と適正なマップ広さ、適正なゲームルールを設定したサーバーを運営していくべきではないかと思う。

コマンダーキットを購入することで、衛星写真のような上部視点から味方に合図を出す事ができる。また、スパイ衛星のように敵の陣地の状態を調べる事も可能だ

コマンダーから指示を出された場合は写真中央部のようにどこへ向かうかが表示される。マップと照らし合わせて見れば、比較的安全なルートを選択することができる 砂埃をあげて味方の兵士を登場させるために着陸するヘリコプター。写真が醜いかもしれないが、中央の味方兵士が合図を送っている


敵陣の手前で筆者のジェスチャーに応じて着陸してきたヘリコプター ヘリコプターから降りてきた味方兵士が敵の旗まで全力疾走をしている。筆者は援護するためにに周囲警戒をしている



■ コンセプトは素晴らしいが、グラフィックスやサーバーなどの点で問題点が多い

これがサーバーのカスタマイズ画面。サーバー用マシンに対して、Webブラウザを使ってアクセスすることでカスタマイズを行なう。画面では、Flagの代わりにT80戦車を奪い合うように設定している
 実際に遊んでみるとよくわかるのだが、まず大きな問題として、ゲームの起動に恐ろしく時間が掛かる点を上げられる。筆者の環境では起動に2分以上かかる事が多く、昨今のゲームではなかなか見られない起動時間の長さだ。

 その後、サーバーに接続する事になるのだが、サーバー選択後のロード時間が長すぎる。ADSが搭載されているためではあるのだが、オブジェクト等と同期をとるのにかなりの時間を要する。筆者の環境では短くてゲーム画面が出るまで平均で35秒ほどかかり、最長で1分半ほどかかったこともあった。また、サーバーに入った直後に数秒固まるのも今後改善すべき点であろう。

 ADS、AFVといった本作の目玉のシステムが搭載されていることにより、グラフィック等はそこそこ綺麗な印象を得るが、それだけにグラフィックが重くなる。本作を遊ぼうと思うのだったら、現状ではGeForce系ビデオカードを選択したいところだし、買い換えはしないとしても、グラフィックオプション等でテクスチャーのクオリティを下げてプレイする事をお勧めする。

 開発会社では今後、毎月パッチをリリースし、現存する不具合や問題点を修正していき、より快適なゲーム環境を提供していく考えだが、グラフィックの重さ、起動時間の長さ、たまに発生していた異常なスワップが早期改善されることに期待したい。現状だと、DEMO版で見られたあまりの酷さは大方改善されているものの、高いスペックのマシンを要求することに変わりはなく、万人が遊ぶと言うことを考えると少々厳しい状況ではある。また、ネットワーク対戦も人数に応じて負荷もかわってくるため、筆者のように推奨環境を満たしていても快適とは程遠い状態になる可能性もある。

 結論として言えるのは、「Battlefield 1942」や「Counter-Strike」といった、メインで遊んでいるゲームに飽きたプレーヤーが試しに遊んでみる価値はある。しかし、ADSという新要素や、武器や兵器の多さなど新しい要素に挑戦しているのは高く評価したいのだが、これがメインストリームとして多くのユーザーから支持を集めるためにはよりいっそうの努力が必要になるだろう。

(C)2004 by Wings Simulations GmbH. Published by JoWooD Productions Software AG, Technologiepark 4a,A-8786 Rottenmann, Austria. All rights reserved .


【Soldner: Secret Wars】
  • CPU:Pentium 4 1.4GHz以上(Pentium 4 2GHz以上を推奨)
  • メインメモリ:256MB以上(512MB以上を推奨)
  • HDD:1GB以上
  • ビデオメモリ:32MB以上(64MB以上を推奨)


□「Soldner: Secret Wars」の公式ページ
http://www.kids-station.com/game/soldner.htm
□関連情報
【5月26日】MQ、「Soldner: Secret Wars」を6月11日に発売
UK版をベースにした日本語マニュアル付き英語版
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040526/soldner.htm
【4月8日】本日到着! DEMO & PATCH 「Soldner: Secret Wars」Beta Demo
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040408/demo0408.htm

(2004年7月2日)

[Reported by BRZRK@ukeru.net]


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