発売元 JoWood Productions
先日、メディアクエストが取り扱いを正式発表したドイツ生まれの大規模FPS「Soldner: Secret Wars」Beta Demo。昨日プレイして、本日さらにプレイしてみたが、βテストプログラムということを加味しても、とても5月に発売できるとは思えないほどの完成度だ。このプロジェクトを成功させるためには、最低でも半年以上の開発延長が必要不可欠だろう。
「Soldner: Secret Wars」は、ポスト「Operation Flash Point」を目指して現在開発が進められているマルチプレイ主体のアクションシューティング。今回はBeta Demoということで、シングルプレイは一切入っておらず、広大な2つのステージを舞台に16人前後のマルチプレイが楽しめる。
Beta Demoではまず専用サーバーにアクセスしてアカウントを作成するところから始めるのだが、サーバー自体のレスポンスが非常に悪く、またクリティカルエラーで強制終了することも多いなど、サーバー/クライアント双方の安定性が低い。
これらについては、今後最優先で修正されるはずなので問題ではないとしても、がっかりさせられたのは肝心のゲーム内容そのものだ。3Dエンジンは2004年度にリリースされる3Dゲームとは思えないほどで、サンプルスクリーンショットに見られるようなフォトリアルな映像はどこにも見あたらない。
一例を挙げると、バンプマッピングすら施されていないのっぺりとした地表、腐葉土はおろか木影すら適当な森林地帯、シンプルなパターンのみでごまかしている草原、1枚のテクスチャで表現された階段などのいい加減なディテールの処理などなど、手抜き処理のオンパレードだ。
さらにびっくりなのが、同作の魅力の核といえるAdvanced Destruction System(ADS)が、Beta Demoでは地表には適用外になっているところだ。だから、手榴弾が炸裂しても地表に穴はあかないし、土煙も舞わない。家や橋は破壊可能で、この部分にかろうじてADSらしさが感じられるが、壊れ方はパターンになっていて、特定の部位のみを破壊するという真似ができない。
このレベルの処理なら2001年末に発売された「Medal of Honor: Allied Assault」がスクリプトレベルで実現しており、新鮮味は皆無といっていい。さらに破壊されたオブジェクトも一定時間をおいて消滅してしまうため、破壊された戦車を壁にして防衛戦を展開するといったことすらできないのもおかしい。これで本当にADSを導入できるのかという気がする。
同作の魅力は車道に大穴を空けて戦車を落とし込んだりなど、破壊されたオブジェクトを使って人工の遮蔽物を構築するなど、ADSが戦闘戦術に直結している部分にあるはずだが、それがあらかた未実装ではお話にならない。
同じキャラは2人と存在しない6万通りものキャラバリエーションや、武器や銃弾のほかヘリやVTOLまで買えてしまうアイテム購入システム、広大なマップによる大規模な現代戦など、評価できる箇所もいくつかあるが、ベースとなる部分が脆弱すぎる。救いはこれがまだBetaだということだろう。何はともあれ要再開発といった感じだ。
(C)2004 by Wings Simulations GmbH. Published by JoWooD Productions Software AG, Technologiepark 4a,A-8786 Rottenmann, Austria. All rights reserved
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