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【連載第114回】 あの、おもちゃを徹底レポート




全身を使ったスイングの爽快感を味わえる!
エポック社「スーパーショット エキサイトゴルフ」

エポック社「スーパーショット エキサイトゴルフ」
発売 エポック社
価格 6,980円
電源 単3アルカリ電池×4(別売)、専用ACアダプター対応(別売)
発売日 発売中



 新作を意欲的なペースで発売しているエポック社の「エキサイト」シリーズ。この連載の読者ならすっかりおなじみのシリーズだとは思うが、簡単に説明を。ゲームハードとソフト、そしてコントローラが一体化されたゲーム機のシリーズだ。AVケーブルでテレビと接続すればすぐに遊べる利便性、そして家庭用ゲーム機のゲームソフトに匹敵するソフトの質の高さもポイントだが、一番の魅力は専用コントローラだろう。ピンポンのゲームならピンポンラケット、ボクシングゲームならグローブ、フィッシングなら釣竿と、そのゲームの内容に合った形のコントローラが付属しているのだ。

 しかもスポーツを題材にしたゲームということから、これらのコントローラを振り回して遊ぶプレイスタイルが多くなり、体を動かして汗をかく爽快感が楽しめる。アーケードゲームの大型筐体ものがコンパクトにリサイズされて家にやって来た……と例えるとその特徴が伝わるだろうか。新作が登場するたびに「今度はどんなゲームで、どんなコントローラになるのだろう」とワクワクさせられる。

 最新作の「エキサイトゴルフ」は、その名の通りゴルフを題材にしたゲーム。コントローラは、当然ゴルフクラブ型になっている。このゲームのキモであるスイングの快感はどれくらいだろう。クラブのスイングはどのくらいゲーム中に反映するのだろうか。その2点に注目しながら、くわしくレポートしていきたい。

タイトル画面。3つの異なるゲームが用意されている キャラクタは腕前に個性があり、プレイ内容に大きく影響する


スイングの速度と方向が感知される

 クラブ型のコントローラは、ウッドのスタイルになっている。なかなかに本格的なデザインだが、プラスチック製なので持ち上げるとその軽さに驚かされる。勢いよく振り回して飛んでしまわないように、手首に止めるストラップが付属している。安全性への配慮は、さすが玩具メーカーといったところだ。

 CPUとソフト、そして操作ボタンを内蔵した本体は、過去のシリーズと同様のスタイルだが、中身はずいぶんと進化しているようだ。クラブ型コントローラを振ったときの「スピード」と「方向」を読み取るというのだからスゴイ。過去のシリーズでは、コントローラを振ったときの「タイミング」しか感知されなく物足りない思いをしたのものだが、それももはや懐かしく感じられる。

ゴルフ型コントローラと本体が同梱されている 本体。ゲームの操作に必要なコントローラやボタンもある
クラブ型コントローラ。軽くて振りやすい 本体に向けてコントローラを振り下ろす


腰を回してスイングする快感!

 ゲームは、大きく3モードが用意されている。ゴルフコンペが楽しめる「エキサイトゴルフ」。二アピンの距離を競う「二アピンダービー」。そして、コース上にあるバルーンを狙い打つ「バルーンショット」だ。

 ゲームをはじめる前に、まずはキャラクタを選択する。プロゴルファー見習いのススムはパワーも弾道も普通、ユウコはパワーは普通で弾道は低い、というような特徴があり、プレイに大きく影響する。筆者はユウコを選んでプレイ開始。

 最初にコース全体が映し出され、ティーショットの画面に切り替る演出は、家庭用ゲーム機のゴルフゲームと同じ。画面中央にゴルフボールが映し出され、ショットの準備が整う。画面を見ると、筆者の手の揺れに応じて、画面の中のクラブが動いている。おっ、動きが感知されている! 大きくコントローラを振り上げて、一気に振りぬく。「シュパッ!」。心地よい音を立てて、ボールが画面の奥に消えていく。飛んだっ! コントローラを振り下ろしてボールが飛んでいく間に、一切の余計な間がなく、まるで筆者の腕がテレビの中に伸びて、ボールを叩いたかのような印象。う~ん、気持ちいい。ボールはフェアウェイに落ちて、2打目となった。

 今度はあえて弱い力でショットをしてみて、力の強弱がどこまで感知されるのかを試してみる。さきほどの3分の1程度。肩から力を抜いて、クラブを軽く振ってみる。すると、ボールはフライ気味にゆっくりと上に上がった。いかにも力の抜けたミスショットという感じ。実にリアル。続く3打目は、思い切りショットを放つことにした。コントローラを高く振りかぶり、力を込めてスイング。腰を使って、一気に振り上げる。「カキィィィィン」。ひときわ高い音を立て、ボールがすごい速度で彼方へと消えていく。いやあ、スカッとする。

 ボールを斜め前方に打つ場合は、本体に対してクラブを斜めに向けて打つ。クラブの角度に応じて、画面の中のクラブも細かく動き、様々な角度へボールが打てるようになっている。フックやスライスを打つことができないことへの配慮だろう。

 ショットのたびに最適なクラブが自動的に選択され、アイアンやサンドウェッジ、パターなどを使い分けることができる(変更も可能)。ボールがグリーンに乗れば、当然画面でもクラブがパターに切り替る。グリーンには高低差があり、これを踏まえてショットのパワーや方向を調整する必要がある。筆者は、このパターの扱いに苦労した。体がフルショットの気持ちよさに慣れていて、つい力が入ってしまうのだ。はじめのうちはトリプルボギー、ダブルボギーを連発。くそっ~と思うが、力の加減がこのゲームのキモなのだ。何度も何度も練習して、体の加減を会得するのが上達への道であり、面白さなのだ。

 1ラウンド回り終えると汗ダクダクだが、体の中を心地よい風が吹いている。しかも、腰を回すフルスイングの余韻が残っていて、何度もくり返し遊びたくなる。

ストレートショットを打つ場合は、本体に対してまっすぐにスイング 斜めのショットを打つ場合は、クラブを斜めにスイングする
ティーショット。コントローラの動作に合わせ、画面の中のクラブも動く ピンとの距離から最適なクラブが自動的に選択される
カップインの演出。一般的なゴルフゲームと近い印象だ データは自動的にセーブされる。データは最大4人まで保持


 「二アピンダービー」は、10球の持ち球の中で、できるだけピンに近いショットを放つ技術を競うゲームだ。通常のゴルフでは、力いっぱい打ちながらも遠くへ飛ばしすぎない、という高度な技術が求められるゲームで、何度トライしても、ボールはピンの遥か遠くへしか落ちない。これは奥が深そうだ。「バルーンショット」は、TBS系列の「体育王国」のゲームを彷彿とさせる内容。空中に浮かんだボールを打ち抜き、ショットの正確さを競うゲームだ。手前の風船は簡単だが、遠くに小さく見える風船を打つのはとても難しく、こちらも遊び応えは十分。

 筆者はかねてから「エキサイト」シリーズのファンであることを公言しているが、今回も期待を裏切らない出来栄えだった。作品を重ねるごとにテクノロジが向上している点も、マニア心をくすぐる。次はどんなゲームが登場するのだろう。そう考えるだけでワクワクしてくる。

ゲームの随所でアドバイスがもらえる 「バルーンショット」。風船がはじける感触がまた気持ちいい


(C)2003 EPOCH CO.,LTD. (C)2003 SSD COMPANY LIMITED.

□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□体感ゲームのページ
http://www.taikan-game.com/
□「スーパーショット エキサイトゴルフ」のページ
http://www.taikan-game.com/golf/top.htm


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(2003年6月5日)

[Reported by 元宮秀介]


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