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【連載第107回】 あの、おもちゃを徹底レポート




住宅環境をも考慮したリアルな代替ネコ
セガトイズ「ドリームペット」~夢ねこ、夢こねこ~

ドリームペット「夢ねこ(左)」 ドリームペット「夢こねこ(右)」
発売 セガトイズ
価格 6,980円 価格 2,980円
電源 アルカリ単2電池×3(別売) 電源 アルカリ単3電池×3(別売)
発売日 発売中



 「プーチ」や「C-BOT」などのロボット・トイを積極的にリリースしているセガトイズのアイテムだ。「夢ねこ」は随分前から発売されていたのだが、なかなかレポートするタイミングに巡り会えなかった。そこで今回、新作の「夢こねこ」が発売されたのをこれ幸いとして、両方まとめて遊んでみることにした。

 「夢ねこ」と「夢こねこ」のコンセプトは“住宅事情やアレルギーなどで飼えない人たちのための代替ネコ”なのだそうだ。果たして、本当に猫好きの人たちの心を満たすことができる出来栄えなのだろうか。その点に注目しながら、レポートしていきたい。


精巧なぬいぐるみよりもよりリアルな外見

 パッケージは、猫を運搬するキャリーケージ(運搬用のかご)を模したデザインになっている。取っ手がついていて、中にいる猫の様子も見える。そうか、さすがは代替ネコ。買うのはトイショップとはいえ、本物の猫を買って持ち帰る気分を味わえるようになっているわけだ。

 「夢ねこ」、「夢こねこ」ともどもパッケージから取り出してみる。まず「夢ねこ」から手にすると、そのそっくりぶりに驚かされる。生き生きとした目、豊かな体毛、そして大きな体。テーブルの上に置いてみると、あたかもそこに本当の猫がいるような存在感を放つ。腕に抱いてみると、サイズもピッタリ。実際の猫を抱いているようだ。

パッケージは持ち運び用の取っ手付き 「夢ねこ」。全長は尻尾を含めると約50センチ 「夢ねこ」の顔。ブラシをかけたあとなので毛並みがキレイ
眠っているときに頭を撫でると目を覚ます 付属のブラシ。強い力をかけると毛が抜けてしまう 電池ボックスと本体のチャックは見えないように工夫されている


 とはいえ、実際に実物の猫と並べてみれば、やっぱり単なるトイに見えるだろう。だけど、猫を模したトイとしては十分な出来栄え。精巧なぬいぐるみと比べても、こちらの方がいっそう本物に近い。こうして原稿を書いている最中でも、横に置いてある「夢ねこ」に目をやると、そのリアルさに一瞬ドキッとするほどだ。こうしたリアル志向は、電池ボックスの隠し方にも表れている。説明書にはお腹の毛並みの中にあると書いているが、パッと見ではどこにあるかわからないようになっているのだ。ユーザーの気分を覚めさせないように、との配慮が伺える。

 対して「夢こねこ」は、ややデフォルメが効いた出来栄え。子猫ということで手や足、尻尾のサイズが短いので、そんな印象を受けるのかもしれない。だけどそれが不満かといえば、さにあらず。全身から「可愛らしさ」を放っていて、本当の子猫を目にしたときと同じように、心がジンワリと和んでくる。

「夢こねこ」。頭と背中を撫でると喜ぶ 「夢こねこ」の顔。やはり幼げだ
背中を撫でると、前足をバタバタと動かす 後方から「夢こねこ」を眺める



頬や背中に触れるとご機嫌に。尻尾に触れると……?

 「夢ねこ」から遊んでみる。頭、左右のほほ、背中、尻尾の4カ所にセンサーが組み込まれていて、それぞれ異なる反応を得られる。ご機嫌を取るには、ほほと背中が有効だ。どちらかをやさしい手つきでくり返し撫でると、「夢ねこ」は「ニャオ~ン」を鳴き声を上げて、首を左右に振る。その声もしぐさも、いかにも気持ちよさそう。とくに首を振る動作が妙に自然で、リアリティをかもし出す。だけど、鳴き声には若干疑問を感じた。猫のサンプリングではなくて、声優が話しているような声色なのだ。興ざめ、とまではいかないが、リアルな外見と比べるとバランスを欠いているように思える。

 やさしく撫でて、ご機嫌が良くなってくると、「夢ねこ」は、いびきを立てて眠ることがある。また3~5分間、何もしないと同様に眠り状態に突入する。そんなときは頭を撫でる。すると、頭を左右に振りながら、尻尾を高く立てて、寝起きのポーズを披露する。頭や背中、ほほと対照的なのが尻尾だ。ギュッと握ったり、乱暴に引っ張ると、「グルルル……」と不機嫌そうな鳴き声を上げる。

 しばらく遊んでいると、毛並みが乱れてくる。その場合は、付属のブラシを使ってブラッシングを行なう。乱れた箇所を丁寧にならしていけば、見違えるほど綺麗な毛並みになる。これなら楽しくて、何度でもブラシをかけてあげたくなる。

 一通り遊んだあと、ふと自分の体に目をやると、「夢ねこ」から取れた体毛がいくつも付着していた。普段ならムッとでもするのだろうけど、相手が「夢ねこ」だと「おおっリアル!」と嬉しく感じられるのだから不思議だ。

【ムービー】
「夢ねこ」の頬を撫でると?
「01v.mpg」MPEG 986KB
「夢ねこ」の尻尾をつかむと?
「02v.mpg」MPEG 756KB
「夢こねこ」を背中を撫でると?
「03v.mpg」MPEG 1.11MB
「夢ねこ」と「夢こねこ」
「04v.mpg」MPEG 1.02MB


 今度は「夢こねこ」だ。「夢ねこ」に対して、体のサイズは3分の1程度の大きさ。いかにも子猫という感じだ。ただし生後まもない子猫といった雰囲気ではなく、手足もしっかりしていることから、生後数カ月の子猫がモデルだと思われる。

 センサーは頭と背中の2カ所。「夢ねこ」と比べると少ないが、価格が半分以下であることを考えると仕方のないところだろう。頭を撫でると目を覚ます。背中を撫でると機嫌が良くなり、「ニャ~」と嬉しそうな声を上げる。背中をポンポンと叩くと不機嫌そうに「ミュウミュウ」と低い声で唸る。基本的な動作は「夢ねこ」と同じだが、「夢こねこ」独自の機能もある。機嫌が良くなると両腕を交互に前に出すのだ。印象としては、“まだ慣れないハイハイ”をしているよう。いっそのこと前進をしてくれ、とも思うが、また歩けないところが子猫らしくてよろしい、とも感じる。どうやら筆者は「夢ねこ」と「夢こねこ」をすっかり気に入ってしまったようだ。

 これは、小さな子供に贈るのなら最適だろう。「よく動くリアルな猫のオモチャ」として長く親しんでくれることだろう。では大人は……と考えると、筆者は複雑だ。健闘はしているが、やはり動きにバリエーションが少ないので、遅からず飽きがきてしまう。買う前に「所詮はオモチャ。10万円もするアイボとは別物」と理解していても、感情移入が深まるに連れて、「もっと動いたらいいのになあ」と物足りなくなってくるのだ(おおっ、『鉄腕アトム』の天馬博士の気持ちが理解できたっ!)。

 ……と注文を付けながらも、早く原稿を書き終えて、「夢ねこ」と「夢こねこ」を頭や背中を撫でて、ゆったりとした気分を味わいたい。要はそういう存在なのですよ。

(C) SEGATOYS 2001
(C) SEGATOYS 2003

□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「ドリームペット」のページ
http://www.segatoys.co.jp/yumeneko/index.html


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(2003年4月17日)

[Reported by 元宮秀介]


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