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【連載第105回】 あの、おもちゃを徹底レポート




両腕、両足の動作を感知するダンスゲーム!
セガトイズ「ダンスピコ」

セガトイズ「ダンスピコ」
発売 セガトイズ
価格 6,980円 (ピコ本体は別売)
発売日 発売中



 「太鼓の達人」に夢中になって以来、8歳の娘は“音ゲー”の魅力に取り付かれてしまったようだ。先日も近所のトイザらスに出かけたとき、「次はこれが欲しい」と「ダンスピコ」を熱烈におねだりされた。

 ご存知の通り、「ピコ」は子供向けのキッズコンピュータ。基本は知育玩具なのだけれど、「とっとこハム太郎」や「ドラえもん」、「ハローキティー」などのキャラクタをふんだんに使い、「楽しく遊べる」ことを主眼に置いている。その作戦が功を奏し、発売から10年目を迎えた長寿商品となっている。
 そんな「ピコ」がなぜ“音ゲー”と関係しているのかといえば、新しく発売されたソフトにその理由があった。「ダンスピコ」だ。

 床に専用マットを敷いて、画面の指示に従って正確にステップを踏む。基本は「ダンス・ダンス・レボリューション」に代表される、いわゆるダンスゲームを継承している。そうしたことから筆者ははじめ「ダンスゲームの子供版かな……」とたかをくくっていたのだが、パッケージを一読して驚いた。足の動きだけではなく、腕の動きを感知する機能を搭載し、両手、両足を使ったダンスが楽しめるというのだ。両腕の動きまでを感知するゲームは、アーケードではすでに登場しているが、家庭用ゲームではまだあまり見かけない。「ピコって進んでいるんだな~」と感心し、その実力をチェックしてみることにした。


照射される赤外線をリストバンドで跳ね返す

「ピコ」本体。専用マットはソフトに内蔵された端子に接続する
 ダンス専用マットを広げて触ってみると、厚みもあり、クッションも効いていて、高品位の印象だ。

 このマットを特徴付けているのが、右上と左上の角に設置された2基の「両手センサーユニット」の存在。このユニットからは、常にプレーヤーの動きを感知するための赤外線が照射されている。プレーヤーは、遊ぶときは反射テープの付いたリストバンドを両手首に巻く。手を動かすと赤外線が反射され、その動作が「両手センサーユニット」によって認識される、という仕組みだ。

 ソフト自体は、従来の「ピコ」と変わりはない。絵本仕立てになっていて、ページをめくると画面の中の映像も連動して切り替わる。「ダンスピコ」のソフトを挿して、電源をオンにする。

付属の専用マット。裏面に滑り止めを貼って固定する 「両手センサーユニット」。プレーヤーの身長に合わせて4段階の角度調節が可能になっている

リストバンド。表面には赤外線を跳ね返す反射シートが4枚付いている。赤は右手、白は左手に巻く



気分はダンサー!? どんどん気持ちよくなっていく

 画面に現れたのは、「ダンスピコ」の登場人物たちだ。一見して感心したのは、キャラクタとしてのクオリティが非常に高いこと。主人公の女の子ピカをはじめ、どのキャラクタのデザインも秀逸で、そのままグッズ展開ができそうだ。その登場人物たちの中に、誰もが知っている著名人が混ざっている。アフロヘア、まんまるの顔にヒゲ、そして突き出たお腹……そう、タレントのパパイヤ鈴木がダンス星の王子様パパム~チョとして出演しているのだ。ダンスを披露するのはもちろん、声優としてパパム~チョの声も担当している。

登場人物たち。左からタロー、ピカ、アフロチャン、そしてパパム~チョ ステップの良し悪しをパパム~チョ (パパイヤ鈴木) が判定する


 ページごとに3種類のゲームが用意され、めくるたびに難易度が上昇していく仕掛けになっている。最初のページのダンスは、ミニモニ。の「アイ~ン体操」。画面中央のキャラクタのダンスに合わせて、腕や足を正確に動かしていく。音楽は伴奏だけだが、歌詞が表示され、自分で歌いながら遊べるようになっている。

 右、前、後、左……と足の動きを中心にしながら、時折、右手や左手を上げる指示が挿入される。

 センサーの感度は良好だ。はじめの数回は注意深く見守ったのだけれど、こちらの動作を速やかに、正確に認識してくれるので、あとは安心して足や手の動きに集中できるようになった。「アイ~ン体操」は、難易度が最も簡単ということもあり、問題なくクリアできた。「ダンスダンスレボリューション」などのダンスゲームの初心者向けモードと比べても、さらに簡単。子供向けのゲームなのだから、こうでなくちゃ。

 もう1本はパパム~チョが主役の「ノリノリゲーム」。ルールは、両手両足を自由に動かして、音をたくさん出すこと。なるほど、小さな子供でも楽しめるゲームを用意したのだな、と感心したのもつかの間、非常に大変な思いをすることとなった。手や足の動きをほんの少しでも緩めると、とたんに音が小さくなっていくのだ。手足を絶え間なく激しく動かさないとだめのようだ。この仕掛け、元気いっぱいの子供はそれこそ興奮して楽しめるのだろうけど、30歳をとうに超えたおっさんにはキツイ。でも楽しかった。

「ノリノリゲーム」。大きな音を出すと観客が飛び跳ねる ダンスやゲームの出来栄えは、5段階で評価される


 手を動かしてダンスを踊る楽しさは、これまでの足だけを動かすダンスゲームとは確実に異なる。さまざまなポーズを取らなくてはならず、はじめのうちは恥ずかしさのあまり抵抗感を覚える。だが、それにも慣れ、一度タガが外れてしまえば、後はいっそ楽しくなってくる。「あ~俺、今ダンサーみたいなカッコしてる~」という思いが気恥ずかしくもあり、快感でもある。


ミニゲームも多数収録されている

 ダンスは、ほかに「ミニモニ。じゃんけんぴょん」と「ハム太郎とっとこうた」、「そうだ! We Are ALIVE」がある。最も難しい「そうだ! We Are ALIVE」は両手、両足をひっきりなしに動かし、ときには足を交差させ、さらにはジャンプも交える、という激しさ……とてもついていけません。

 ダンス以外のゲームも数種類用意されている。「しょうがいぶつレース」は、池や岩などの障害物を超えながらゴールを目指す遊び。障害物をクリアするときは、高くジャンプして、両足をマットから離す。「パンチセイジンたいじゲーム」は、悪い宇宙人を倒すゲーム。もぐら叩きの要領で、顔を出した宇宙人がいる場所のマットを踏んだり手を振る、というもの。いずれもシンプルなゲームながらも、ダンスと交互に遊ぶとバラエティ感があり、飽きずに遊べるようになっている。

「ハム太郎とっとこうた」。両足をふんばり、両手を上に上げる! 「しょうがいぶつレース」。要所で高くジャンプをする
「パンチセイジンたいじゲーム」。宇宙人が顔を出した瞬間に攻撃 ほかに「はたあげゲーム」なども楽しめる


 筆者のテストプレイが終わったあと、娘に遊ばせると、これがもうハマる、ハマる。最初のゲームが簡単なため、「自分にもクリアできた」という自信がやる気を掻き立てているよう。親としては子供が笑顔で飛び跳ねている様子を眺めるのは、うれしい限り。こんな光景が、日本全国の家庭でくり広げられているのだろうな。

(C)PLAN CHIME/wasabi/CoMix Wave
(C)SEGA TOYS 2003


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(2003年3月27日)

[Reported by 元宮秀介]


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