育てられる!バトルができる! 新感覚のフィギュア トミー「データキャリアポケモン」
「データキャリアポケモン スターターセットB」 |
発売 |
トミー |
価格 |
3,200円 |
電源 |
ボタン電池(内蔵) |
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発売日 |
発売中 |
それにしても「ポケットモンスタールビー・サファイア」の売れ行きには、すさまじいものがある。発売から1カ月半で、出荷本数は400万本を突破。しかもこれからさらに売り上げを伸ばそうという勢いが感じられるのだから、圧巻である。
今回紹介する「データキャリアポケモン」は、そんな「ルビー・サファイア」から誕生したトイだ。基本はフィギュア。フィギュアなのだけれど、つかまえられる、育てられる、バトルができる、とポケモンの3大要素を盛り込んだ、遊べるフィギュアだ。対象は6歳以上、小学校低学年向けのアイテムだが、その新機軸に惹かれて、入手してみた。
■ フィギュアは1体ずつ異なる個性を持っている
「データキャリアポケモン」を遊ぶためには、基本的なアイテムがすべて入っている「スターターセット」が必要だ。「スターターセット」は、ピカチュウとキモリが手に入る「A」と、アチャモとミズゴロウが収められた「B」がある。筆者は「ルビー・サファイア」のゲーム中でもそうしたように、ミズゴロウの入った「B」を選択した。「スターターセット」には、2体のフィギュアと、「DCリーダー」、「バトルステージ」、そして通信ケーブルが入っている。
フィギュアの出来栄えは、文句なし。これまで「モンスターコレクション」シリーズとして、251種類のポケモンをフィギュア化してきたトミーが手がけているだけのことはある。それぞれのポケモンの特徴を忠実にふまえ、フィギュアとしてそのまま飾っても、遊んでも、十分に楽しめるようになっている。全高は、約8cm。「モンスターコレクション」のフィギュアと比べると、一回り大きなサイズになっている。
この「データキャリアポケモン」の最大の特徴は、フィギュアにこそある。一見すると、ごく普通のフィギュアだが、中にはポケモンのタイプ、性別、おぼえているわざ、誕生日などが記録されていて、見た目は同じでも1体1体、異なる個性を有しているのだ。
この個性を読み出し、ポケモンたちをさらに強く鍛えていくアイテムが、「DCリーダー」だ。「DCリーダー」は、データーリード機能と液晶画面を搭載した情報端末だと理解してもらえるといい。「バトルステージ」は、ポケモンたちをバトルさせる「場」。筆者が手に入れた「B」セットのバトルステージには「池のほとり」とタイトルがついていて、ニョロモやヤドン、キリンリキなどの姿が描かれている。自分のポケモンとこれらのポケモンを戦わせて、経験値を稼ぎ、さらに強く育てていくのだ。
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「スターターセット」の中身。ポケモンが2体いるのがうれしい |
「ルビー・サファイア」から登場する新ポケモンのミズゴロウ |
同じく新ポケモンのアチャモ |
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「DCリーダー」。モンスターボール型のリーダーでデータを読み取る |
「バトルフィールド」。その場に生息しているポケモンのデータなどが記録されている |
■ まずはポケモンのステータスを読み込んで登録する
遊ぶためには、まず最初にポケモンをゲットする必要がある。パッケージに入っているアチャモとミズゴロウのデータを「DCリーダー」に読み込んで、登録するのだ。
「DCリーダー」をミズゴロウにグッと近づけて、Aボタンを押してると、液晶画面にステータスが表示された。種類は「ミズゴロウ」。タイプは「みず」。性別は「♂」。わざは「みずでっぽう」。つよさは「まだまだヨワそう」と出た。一番まっさらな状態のようだ。
続いて液晶画面に「ゲットしようかな?」というメッセージが表示される。Aボタンを押すと、ゲット完了。そのポケモンのデータが「DCリーダー」に登録される。「DCリーダー」には最大6匹までのポケモンを登録することができるので、続いてアチャモもゲットする。
このあたりの操作は、トイ向けにアレンジされているが、基本はオリジナルのポケモンに忠実なので、ゲームに親しんでいれば、しっくりとくる。「おお、この要素がこんな風に表現されているのか!」と興味深く進めていくことができる。
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「DCリーダー」は、音声再生機能もあり、声でガイドする場面もたくさんある |
ポケモンには100万個以上の個体識別が可能なDCチップが内蔵されている |
最初にポケモンのデータをリードして「DCリーダー」に登録する |
■ バトルには、さまざまな駆け引きが関係している
何はともあれ、育成を。これはポケモンの基本だ。「データキャリアポケモン」でもオリジナル同様に、自分のポケモンを野生のポケモンと戦わせて、どんどん強く育てていくことができる。バトルの前に「バトルステージ」のタグの部分を、「DCリーダー」に読み込ませる。すると、その場所に生息しているポケモンが野生として登場する。試してみると、ニューラが出現!
次に戦わせるポケモンを選択する。「DCリーダー」に登録しているポケモンならば、どれでも自由に選ぶことができる。バトルには、オリジナルのゲームと同様に、タイプによる相性があり、相手が苦手とするタイプのポケモンを選んで攻撃することが重要になっている。「DCリーダー」で戦わせるポケモンをリードすると、液晶画面に「バトルスタート」というメッセージが表示される。これでバトルがスタートだ。
バトルの駆け引きは、「ボタンを押すタイミング」と「ボタンの優劣」によって競われる。バトルが開始されたあと、「DCリーダー」から鳴り響く「レディ~」「ゴー!」のかけ声に合わせて、A、B、Cいずれかのボタンを押す。「ゴー!」のかけ声が聞こえている一瞬の間に、ボタンを押すことができれば、わざは成功する。わざの優劣は、押したボタンによって競われる。AボタンはBボタンに強い、BボタンはCボタンに強い、Cボタンは……というふうに、三すくみの関係になっていて、相手よりも優位なボタンを選択すればいい。
バトルには、これ以外に「トレーナーのレベル」と「ポケモンのなつき具合」という要素が関係している。トレーナーのレベルが低かったり、ポケモンのなつき具合が足りないと、わざがうまく決まらないことがあるのだ。
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「バトルフィールド」のタグを読み込むと、そのエリアに生息するポケモンがバトルを挑んでくる |
バトルは、アニメーションで表示され、アナウンスが雰囲気を盛り上げる |
■ ユーザー自身のレベルを上げる必要もある
「トレーナーのレベル」を上げるには、簡単なゲームをくり返す必要がある。「DCリーダー」をトレーニングモードにして、「レディ~」、「ゴー!」のかけ声に合わせてボタンを押す。「ゴー!」の声が鳴り響いている間に、すかさずボタンを押す、というルールはバトルと同じだが、こっちはタイミングがさらにシビアになっている。「レディ~」と「ゴー!」の間隔が、毎回まちまちで、ボタンを押すタイミングが推測しきれないのだ。「レディ~」から数秒後にようやく「ゴー!」が聞こえるときもあれば、「レディ~」、「ゴー!」と間髪いれずに鳴り響くこともあり、スリリングである。筆者は、このタイミング合わせがなかなかうまくいかず、その分、ムキになって遊んでしまった。
「なつき度」は、ミニゲームをクリアしていくことで上がる。ポケモン1種類ずつに異なるゲームのデータが収録されており、「DCリーダー」でリードして、プレイをする。ミズゴロウには「ピカチュウとだるまさんがころんだ」、アチャモには「マリルとおいかけっこ」が収録されている。どちらもボタンを連打するシンプルなゲームだ。
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「ゴー!」のタイミングでボタンを押せると、トレーナーのレベルが上がっていく |
ミニゲーム「ピカチュウとだるまさんがころんだ」。ピカチュウが振り返る前にボタンを連打して近づく |
■ 友達との通信対戦も可能だ
友達とお互いのポケモンを戦わせるモードは、「DCリーダー」が2台必要とあって、残念ながら今回は体験することができなかったが、手塩にかけて育てたポケモンを戦わせるのだから、さぞかし熱くなれるのだろうなあ、と想像する。実際に手にする子供たちは「ルビー・サファイア」でのポケモンバトルを遊びつくしたあと、これに熱中するのだろうか。それともこれはこれ、あれはあれで、両方に同時にはまるのだろうか。気になるところだ。
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通信対戦は、2台の「DCリーダー」を通信ケーブルで接続して行なう |
「バトルフィールド」を裏返すと、対戦専用のフィールドになる |
1体のフィギュアに異なるデータが収録されていて遊ぶことができる、というアイデアは新しく、とても優れていると思う。フィギュアへの思い入れがさらに深くなり、これまでとは違った付き合い方ができるだろう。
ただし、以前同じトミーの「ポケモン図鑑」を紹介したときにも書いたのだけれど、液晶画面のドットが粗く、表示されるグラフィックにも目を奪われるものが少ない。「子供向けだから」とはいわないで、「4千円以下のおもちゃなのにここまですごいとは!」と驚かせてほしい。さらにいえば、大人も惹きつける作りこみもほしいところだ。これがわがままな要求だとは思わない。子供から大人までを夢中にさせるのが、ポケモンなのだから。
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV TOKYO・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon
□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
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(2003年1月23日)
[Reported by 元宮秀介]
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