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【連載第95回】 あの、おもちゃを徹底レポート




今度の「デジQ」は光る! 曲がる!
タカラ「AE86 SPRINTER TRUENO」
「CASTOR PITWORK GT-R」

「AE86 SPRINTER TRUENO」 「CASTOR PITWORK GT-R」
発売 タカラ
価格 4,980円 価格 5,980円
電源 単3アルカリ電池×4(別売)
発売日 発売中



 デビューから約1年。あの「デジQ」が新世代に突入し、「デジQ-R」が誕生した。

 ご存知の通り「デジQ」とは、赤外線ユニット「マイクロiR」をコアテクノロジーにして開発された超小型ラジコンのこと。これまでも新製品がハイペースで発売されてきたのだが、ここであえて「新世代」とうたうからには、何かが大きく変化しているはずだ。

 先に種明かしをしてしまえば、「デジQ-R」では、マシンのシャーシがこれまでよりも2ミリも薄くなっているのだ。この改良によって、ギアボックスを変更し、より性能が向上した新型のCPUの搭載を実現した。結果、走行性能が大幅に上昇しているのだ。また、商品ラインナップを大きく二分。ライト点灯型の「リアルギミックタイプ」と、ステアリングシステム搭載の「レーシングタイプ」が登場した。

 さらにいえば、コントローラーの「デジプロポ」も、「デジプロポR」となり、「TECHNICAL」と「RACING」の2種類のドライビングモードへの切り替えが可能になった。……こうして特徴を書き連ねているだけでも、数々のパワーアップに、期待が沸いてくる。

パッケージ。性能の異なる両者の特徴が明確に書かれていて、品選びがしやすい
「AE86 SPRINTER TRUENO」と専用のデジプロポR。シンプルなツートンカラーだ
「CASTOR PITWORK GT-R」と専用のデジプロポR。2002年の全日本選手権GT500クラスを戦ったマシンを再現している



マシンがゆっくり動き、コントロールがしやすい

 今回は、同時に発売された「AE86 SPRINTER TRUENO」と「CASTOR PITWORK GT-R」の両方のセットを取り上げる。まずは「AE86 SPRINTER TRUENO」から紹介してみよう。セットの中身は、これまでと同じ。マシンが1台とデジプロポRが1台入っていて、あとはアルカリ単3電池を4本用意すれば、遊べるようになっている。

 マシンとデジプロポRをチェックしてみるが、外見上に大きな変化は感じられない。ただし、デジプロポRには「TECHNICAL」と「RACING」モードへの切り替えスイッチが追加されている。この変化、見た目は地味目なのだけど、遊び心地への影響は非常に大きい。くわしくはのちほど説明することにしよう。

 デジプロポRの側面にマシンをセットして、充電を開始する。このあたりの段取りは、もう手馴れたもの。充電時間は約10分。これで約16分間の走行を楽しめる。

 この「AE86 SPRINTER TRUENO」は、ステアリングシステムを搭載した「レーシングタイプ」。つまり、マシンの挙動に合わせて、前輪が右へ左へと挙動し、より繊細で、なめらかなカーブを実現するのだ。……しかし、この改良点、ちょっとわかりづらい。レースに特化している仕様のため、この良さを体感するには、最高速度で走れる広いコースが必要なのだ。筆者の狭い仕事場では、残念ながらそういうわけにはいかない。

 しかし、操作面ではまた別の、大きな変革があった。そう、さきほど述べた「TECHNICAL」と「RACING」モードの切り替えだ。「デジQ」を体験したことのある人ならうなずいてくれると思うが、「デジQ」は速度が速く、小さな部屋では扱いにくいのだ。正直に言えば、筆者はこの1点で、「デジQ」になじめなさを感じていた。ところが、今回からは違う。「RACING」はこれまでと同様にマシンが速く走るモードだが、「TECHNICAL」に切り替えると、マシンの挙動がとたんにのんびりとして、部屋の中や机の上でも、コントロールを存分に楽しめるのだ。そうそう、これを待っていたのだ。

電池はプロポのグリップ部に入れる。省スペースの思想が徹底している 充電はプロポの側面にマシンをセットして行なう



光量たっぷりにライトが光る!

 つぎは「CASTOR PITWORK GT-R」を紹介しよう。こちらの魅力は、走行中にライトが点滅する、ということに尽きる。ガンプラの第一世代として、ザクのモノアイにムギ球を仕込み、光らせることに苦心した思い出がある身としては、とても心惹かれるものがある。セットの中身も、操作の準備も「AE86 SPRINTER TRUENO」と同様だが、一点だけ違うところがある。走行時間が約12分と短いのだ。ライトを点灯させるため、消費電力が多いのだろう。

 ライトの点灯を存分に楽しむために、深夜、周囲のビルが電気を消す時間まで待ち、試してみることにした。充電を終えたマシンの底面のスイッチをオンにすると、おおっ光った! フロントライトは白く鮮やかに輝き、バックライトは赤く点滅する。光量は5センチ程度の小さなボディからは想像できないほどに多い。後日、昼間にもライトを点灯させてみたが、太陽の光が差し込む部屋の中でも、ライトの輝きは見て取れた。これはすごい。

 仕事場が完全な闇に包まれる中で、モードを「TECHNICAL」に切り替えて、思う存分、操作を楽しんだ。真っ暗闇の中で、ライトだけが輝き、軌跡を描き、スピードを落とすとブレーキランプが赤く光る。この雰囲気、まるで映画「AKIRA」の冒頭のレースシーンではないか! いやあ、楽しいっ!

カーブの瞬間。ステアリングが機能しているのがわかるだろうか 電源をオンにすると、前後のライトが明るく点灯する



 より繊細なレースが満喫できる「AE86 SPRINTER TRUENO」。ライトが光るギミックを堪能できる「CASTOR PITWORK GT-R」。どちらもそれぞれ魅力的だが、筆者の好みをいえばだんぜん「CASTOR PITWORK GT-R」だ。光るギミックがどうにもこうにもうれしくて、用もないのに、ライトを点灯させては、そのカッコよさにしびれている。いずれにしろ深く実感させられるのは、タカラが「デジQ」に賭ける情熱が「本気」である、ということ。この先の展開も、楽しみでならない。

【ムービー】
暗い中、ヘッドライトをつけて通り過ぎる瞬間
MPEG、69.3KB
【ムービー】
クルクルクルクルと周り、旋回性能がよいことを証明しているムービー
MPEG、489KB


(C)2002 KONAMI (C)2002 TAKARA

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「デジQ-R」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/digiq_r/


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(2003年1月9日)

[Reported by 元宮秀介]


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