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【連載第94回】 あの、おもちゃを徹底レポート




簡単操作でDJプレイが楽しめる
バンダイ「ワンハンドプレイヤー」

「ワンハンドプレイヤー」
発売 バンダイ
価格 5,500円
電源 アルカリ単3電池×4
発売日 発売中



 これはDJ版の「マメカラ」か!? この「ワンハンドプレイヤー」をはじめて見たとき、筆者はまずこう考えた。

 「マメカラ」とはご存知の通り、携帯型のカラオケマシン。マイクとスピーカーとテープレコーダーが一体化になっていて、いつでもどこでもカラオケを楽しむことができる。今回の「ワンハンドプレイヤー」は、まさに「マメカラ」の継承者といういで立ちだ。片手で持てるハンディサイズのボディに、スピーカーがあり、マイクもあり、DJプレイを手軽に楽しめるのだ。

 となると気になるのが、この「ワンハンドプレイヤー」はどこまで本気なのかどうか……だ。「マメカラ」には、いかにも「これはなんちゃってカラオケですよ」という雰囲気があり、歌う方も見る方も、そうしたチープさを楽しんでいる風情があった。しかし、このアイテムを眺めると、全体的なデザインはクールな感じにまとめられていて、本気なのかジョークなのか、判断しかねるところがあるのだ。リリースには「HIPHOPの愛好者やDJにあこがれる10代後半~20代の男女をターゲットにした今までにない新感覚の携帯型音楽プレーヤー」と紹介されている。むむっ、本当にどっちなのか、わからなくなってきたぞ。論より証拠。とにかく遊んでみることにしよう。

黒いボディにやや無骨にまとめられている感じがクール このように右手でガッシリと握ってプレイする



スティックとボタンを操作して、本体を振る!

 本体は、スピーカーを下にして、右手で握る設計になっている。親指がかかるところにあるサムスティックは、ゲーム機にたとえれば、十字ボタンの役割を果たす。上下左右の4方向への操作が可能で、リズムやスクラッチを切り替えるときに使用する。ひとさし指から小指までの残りの4本の指が当たるところにある4種類のボタンは、「ボイス」、「スクラッチ」、「エフェクト」、「ノイズ」が割り当てられていて、押すとそれらの音が鳴る。音は単純に一音だけではなく、4方向に動くサムスティックと組み合わせて、それぞれ3種類の音を使い分けられるようになっている。

 キーとなるのが、「ワンハンドプレイヤー」を上下にすばやく揺らす「スクラッチアクション」と呼ばれる動作だ。この「スクラッチアクション」をすることで、リズムやボイス、エフェクト音を自在に切り替えることができるのだ。やるからには動作をカッコよく決めたいところだ。

さまざまな操作をするサムスティック サムスティックとこれらのボタンを組み合わせることで、サウンドを切り替えられる ステッィクとボタンを操作し、本体を上下に勢いよく振ると、サウンドが鳴り響く



だんだん気持ちよくなってくる

 遊び方はこうだ。まずリズムトラックを再生する。リズムは「GRANDBEAT」、「BOUNCEBEAT」、「GANGSTER」、「OLD SCHOOL」の4種類があり、サムスティックを操作し、本体を「スクラッチアクション」で揺らすことで、自在に切り替えることができる。ためしてみると「ズンガッ、ズンガッ、ジャン……」とリズムが低音を効かせて鳴り響く。音質は、たとえるならAMラジオ以上、FMラジオ以下、という感じ。聞いていて安っぽさはない。この手の音楽は、音質が少しノイジーだと、それっぽい感じが出るので、ちょうどいい按配だ。リズムは、ハイピッチ(速い)とローピッチ(遅い)に変更することもできる。

 好みのリズムが決まったら、あとはセンスのおもむくまま。スクラッチをガンガン加えて、自分だけの音楽を奏でればいい。スクラッチのパターンは、4種類がある。

  • 「VOICE」……「I FEEL SO GOOD」「GIVE ME FU×××……」などのラッパーの声
  • 「SCRATCH」……「キュッ、キュッ、キュッ」でおなじみのターンテーブルのスクラッチ音を3種類
  • 「EFFECT」……ホーンなどのゴージャスなサウンドを3パターン
  • 「NOISE」……笑い声や不思議なサウンドなどを3種類

スピーカー。ボリュームを最大にするとかなりの音量となる 外部入力端子はステレオミニプラグ。ケーブルを用意すれば、さまざまなオーディオ機器を接続できる


 トライしてみたら、けっこう面白い。はじめはリズムトラックに乗せて、さまざまなエフェクトの音を出しているだけで楽しい。そのうち、それがリズムにハマり、今度はもっとリズミカルに、もっとカッコよく、と欲が出てくるのだ。そうこうしているうちに、意外なほどに没頭している自分に気づいて、ハッとさせられたりする。

 奏でた音楽をビシッと終わらせるためのフィニッシュも、用意されている。「BAD VOICE!」「GOOD SOUND!」などのシメにふさわしい声を響かせられるのだけど、その条件が「Aボタン+Cボタン」→「Bボタン+Cボタン」→「Bボタン+Dボタン」→「Aボタン+Dボタン」+「スクラッチアクション」、と格闘ゲームの必殺技コマンドのようになっているのだ。成功させることができれば、フィニッシュが決まった感覚と、コマンドの入力に成功した!という達成感があり、とても気持ちいい。


サンプリングもCDのサウンドも利用可能

 使えるサウンドは、内蔵音源のものだけではない。サンプリングと外部機器から入力の2方式が用意されている。サンプリングは、内蔵マイクを使って、2秒間の音声を録音し、サムスティックやAボタンなどの組み合わせで、エフェクトと同様の音を出せるようになる機能。「I FEEL SO GOOD!」などのラッパーの声と同じように、自分の決めボイスを奏でることができる。

 外部機器からの入力は、本体に内蔵されたステレオミニプラグ端子を通じて、MDプレーヤーやCDプレーヤーが再生するサウンドを取り込むことができる。使い方は、再生するサウンド次第で、いくらでも広がっていく。たとえばHIPHOPの曲を再生して、そこに自分のスクラッチやボイスを加えていくとか、カラオケを流して、歌を歌うとか、あるいはスピーカーとして利用し、ポータブルMDプレーヤーの音を再生するとか、いろいろ楽しめる。

 遊べる。これがプレイしたあとの結論だ。HIPHOPやクラブミュージックなどの音楽が好きな人ならば、テクニックを磨いていけば、長い時間楽しめるだろう。外見は「マメカラ」に似ていながらも、工夫次第では、より本物に近いサウンドを作り出せる、というところが今風なのだ。

 ただし、これでカッコ良いサウンドを作るのは、相応のテクニックを要するだろう。サウンドをセンスよく吟味し、奏でるタイミングをドンピシャで合わせ、そしてボディアクションで魅せる。これらを同時に行なう必要があるからだ。この「ワンハンドプレイヤー」を華麗に使いこなすパフォーマーが登場してくると、面白いことになりそうだ。

(C)2002 BANDAI・WIZ

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「ワンハンドプレイヤー」のニュース
http://www.bandai.co.jp/press/press_P00338.html


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(2002年12月26日)

[Reported by 元宮秀介]


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