★ピックアップ アーケード★
今回から、スターターキットからチームを育てていく過程を具体的に例を挙げてレポートしよう。実際にスターターキットを購入し、カードを引いて少しずつチームを強化していき、とりあえず1枚のクラブチームカードが終了するまで継続する予定だ。その過程で、フォーメーション、チームのスタイルやランクなどは変化していくだろう。
初心者は軽く目を通しておけば、最初にプレイするときに必ず役に立つはずだ。すでにやり尽くしている人も、思いもかけない選手が活躍するなど、新しい発見があるかもしれない。
■ チーム「ゲームウォッチ」成長日記・第1回 さて、今回から新チームの成長過程を記録する企画がスタートする。本来はゲームセンターで行なうべきなのだが、くわしく過程を記録するため、プレイは取材で行なうことにした。しかし、それではCPU戦のみになってしまうため、筆者個人のカードからベスト16人を選んで、もう1チームを結成。これを編集のK氏に担当してもらい、対戦する機会を増やすことにした。
こちらのチームは「ゲームウォッチ」、ライバルチームは「キラクローズ」と命名する。さあ、さっそくスターターキットを開けて中身を見てみよう。どれだけ使える白カードが入っているか楽しみだ。
■ スターターキット開封
スターターキットの中身は、以下の通り。スターターキットは例外なく、ノーマルの白カードのみで構成されている。このキットにも、ちまたで噂の“黒カードが入っている”という奇跡はなかった。
■ スターターキット・戦力分析 まずは、GKから見ていこう。「オルランドーニ」のDEFFENCE数値は15しかなく、キーパーとしての技量にはかなり不安がある。少しでもよいGKが出たら交換したいところだ。 DFでは、ミランの「ラウルセン」が入っていてひと安心。エースキラーの彼を中心に4バックを組めば、当座はなんとかなるだろう。ただし、4人目のDFがサイドアタッカーでDEFが13しかない「ミラネーゼ」というところに不安が残る。攻撃参加に上がることのない4バックを目指したいので、もうひとり強力なDFの発掘が急務。 MFはそこそこの人材が集まった。期待株はラツィオの「リヴェラーニ」。テクニックが高く、確実なパス回しが期待できる。「オリーヴェ」のSUTAMINA17も心強い。ただし、全体的にパワー不足なので、中盤での当たり負けが懸念される。「ガットゥーゾ」や「シモーネ・ペロッタ」といった、プレスを精力的にかけてボールを奪ってくれるMFを期待していたのだが……。
FWはユーベの「サラジェダ」がエース。OFFENCE17は白カードではトップの数値で、黒カードのFWが来るまで長く中心選手として活躍しそうだ。一方トリノの「フェランテ」は、残念ながら次期FW加入時には真っ先にベンチから放出となることだろう。“ゴールへの執念”よりも技術優先である。
■ チーム構想 新しいクラブチームカードを作るときは、初回だけクラブチームのエディットをする必要がある。エディットの流れは以下のとおり。
スターターからの出発ということで、選手個々の能力が低くても戦える戦法を選択したいところ。そこで、守備を重視し、防ぎにくいサイドからの攻撃が生きる布陣を考えることにした。フォーメーションは写真の通りの4-4-2だが、その意図を説明していこう。 《 DF・守備的MF 》 守備を重視するため、DFはフラットな4バック。そして中盤の底にディフェンシブハーフ(ボランチ)をふたり置く。これで白カード主体でも、ディフェンスはかなり強固になるはず。 《 攻撃的MF 》 サイドには、中盤の高い位置にサイドアタッカーをひとり配置。これによって、サイドのディフェンスが上がることをある程度防ぐことができる。トップ下にはMFをひとり配置。トップ下というより、右のスペースを埋めてサイドにボールを確実に供給するのが役目。また、この位置のMFはシャドーストライカーとしての役目も果たす。 《 FW 》 FWは2トップで、右のFWは左からのクロスに対応して、ダイレクトおよびワントラップでのシュートを狙う。相手DFを振りきるため、ゴールからかなり右寄りの位置にカードを配置。45度のシュートが狙える角度にする。ここがもっとも重要な得点源なので、裏面の得意ポジションに関係なくエースを投入。 いっぽう、左のFWは前線からのチェイシングも兼ねる役目となる。右のFWよりも普段は下がり目に位置し、カードを上下させながら攻撃と守備の両面に貢献。白カード主体だと、FWが中盤の守備にも貢献しないと強豪チームに対等に渡り合うのは難しい。守備時には4-5-1のフォーメーションとなる。 《 戦術ボタンについて 》 戦術は、左サイド攻撃と中央突破の同時点灯。同時点灯しておけば、中央にスペースがあるときは中央突破も仕掛けられる。プレスボタンも多用するが、フォーメーションが崩れそうなときや追いかけても追いつかない場合はこまめに切るようにする。不安のあるスタミナ面を考慮してのことだ。
さて、ここからは試合展開を追って、チームの成長過程を紹介していこう。
《 紅白戦 》 【第1戦】フレンドリーマッチ VS キラクローズ(プレスカウンターD) さて、さっそく第1戦が始まる。最初の試合は、ライバルチームの「キラクローズ」との対戦だ。相手は「ロナウド」、「マルディーニ」など数々の名選手を抱える金持ちクラブ。しかし、まだチーム連携がとれていない今なら、勝機もあるはずだ。試合前の練習では紅白戦を選択。一夜漬けの練習で強豪チームに挑む。 試合は前半の6分、中央でパスを受けた「シェフチェンコ」にあっさり先制ゴールを奪われる。ペナルティラインより少し後ろの位置でボールを受け、ディフェンダーが詰める間もなくエリア外からシュートを決められた。有名FWの決定力を思い知らされた感じだ。 その後は相手の連携が悪く押し気味の試合展開となるが、クロスはことごとくセンターバックにはじき返される。相手も4バック2ボランチの守備体形をとっているので守備は鉄壁だ。それどころかこちらのFW「フェランテ」が相手DFにふっとばされて負傷。しかし交代要員はゼロという悲しい現実。結局、1点を返せずに敗北した。
【第2戦】エンタープライズカップ第1戦 VS 横浜マーリンズ(パワー重視D)
初戦で個人能力の違いを見せつけられて敗退したせいか、選手のモチベーションは下がり気味。全体的に青い。これには監督も真っ青だ。なんと5人が不調になっているが、休養する余裕はない。 エンタープライスカップの初戦となった第2戦の相手は、CPUの横浜マーリンズ。お互いランクD同士の対戦なので、互角の展開が期待できる。しかし前半の6分にいきなり先制された。相手コーナーキックとなったのでDFを下げ、ゴール前を固めたが「ルカレッリ」にヘディングをたたき込まれる。パワーの差が出てしまった。 後半にはこちらも反撃。左から「リヴェラーニ」があげたクロスに「サラジェダ」がダイレクトシュート。これが入って1-1の同点に。ついに初得点をゲットした。そのままPK戦に持ち込まれたが、キーパーの奮闘で初勝利となった。
【第3戦】エンタープライズカップ2回戦 VS ウディネーゼ(奪取重視C)
この早い次期にカップ戦で1勝したためか、特別コーチが出現。しかし、選手を登録したり、絶不調の「ドニ」を監督室に呼んだりと忙しかったため、うっかり忘れてパス練習を選択してしまった。これはボーンヘッドだ。 試合は今回も先取点を奪われる。前半37分にゴール前のフリーキックを「ピサーロ」に決められた。ハーフタイムでは疲れの目立つ「フェランテ(FW)」を「ピンツィ(MF)」に、サイドアタッカーの「ミラネーゼ(DF)」を「グロッソ(MF)」に交代。ようやく交代できる選手層になったと実感。 後半は、12分に「ドニ」のシュートをキーパーがはじいたところに、「ピンツィ」、「サラジェダ」と立て続けにシュート。「サラジェダ」が決めて追いついた。その後、中央にスルーパスが出て、フリーになった「ドニ」が正面から打つが外れる。モチベーション絶不調があだになったようだ。勝ち越しのチャンスを逃すと、終了間際に左サイドを崩され、「ディ・ミケーレ」に決勝ゴールを決められる。1-2で敗戦となった。
【第4戦】フレンドリーマッチ VS FCプロピンチャ(奪取重視C)
モチベーションは8人が不調だが、この段階では休養せず練習を積むしかない。選手にも「この程度の練習では勝てない」ということをわかってもらいたいところ。前試合で得点を上げた「サラジェダ」のみ絶好調なので、得点力をあげるためにシュート練習を選択。六角形のバランスをとって成長させていくようにする。 試合ではフォーメーションを変更。「ドニ」を左FWにして、ボールに絡みつつシュートも狙ってもらうことに。だが前半40分、「チミロチッチ」に中央から決められ、先制点を献上した。 しかし、後半17分に「ドニ」が中央でDFともつれて一緒に倒れ、その隙に「リヴェラーニ」が中央突破からドリブルシュート。同点に追いついた。やはり中央突破のボタンも点灯させておくものだ。空いたスペースを「リヴェラーニ」は見逃さなかった。1-1の同点で終了、引き分けとなった。
【第5戦】フレンドリーマッチ VS キラクローズ(スピード重視D)
モチベーションは4人が絶不調と、最悪の展開。しかしここは鬼監督になるしかない。選手を休ませず、「コラーディ」との連携を考えてシュートを練習する。ここまで2点取った試合がないので、攻撃力をあげたいところだ。またメンバーの実力を考え、「ドニ」を主将に任命することにした。 今度の試合は、ライバルの「キラクローズ」との対決だ。「キラクローズ」は初戦でゲームウォッチに勝利し、その勢いでエンタープライズカップを獲得した模様。主にCPU相手に、監督就任後ここまで無敗で勝ち進んできた。さぞかし有名コーチが殺到したことだろう。やはり金の力にものをいわせたクラブには勝てないのか。相手のフォーメーションは、4バックの上に2本の塔を立てたような形のワンパターンの4-4-2。カードを動かす気配もない。しかし、これがバランスがとれていて難物なのだ。 前半16分、「ロナウド」のパスを受けた「シェフチェンコ」が中央からドリブル突破、強烈なシュートがゴール隅に突き刺さる。前半はいいようにパスを回され、チャンスはほとんどなかった。1点ですんだのが奇跡のようだ。 後半はラインを思いきって上げ、中盤でプレスをかける。それが功を奏し、相手のパスをことごとくカットし、こぼれ球を拾いまくる優勢な展開となった。しかし、鉄壁4バックを突破できず、逆に「シェフチェンコ」がドリブルで突破。ここはキーパーを早めに飛び出させたおかげでなんとかセーブ。まだ対戦相手は、GKの早めの飛び出しに慣れていないようだ。しかしそのまま打開できず、タイムアップ。決定力不足は相変わらずだ。
【第6戦】フレンドリーマッチ VS カリビアン・パイレーツ(スピード重視B)
さっそく「エリベルト」を攻めの起点に使うため、フォーメーションを大幅チェンジ。これまでは左サイドからのサイド攻撃だったが、「エリベルト」の得意ポジションに合わせ右サイド攻撃にシフトする。右に張っていた「サラジェダ」を左に移動させ、左右を入れ換える形にする。トップの「サラジェダ」、下がり目の右FWに「コラーディ」、左トップ下に「ドニ」という攻めの形が完成した。 あとは連携を強めていけば得点力が上がってくるはず。練習ではさっそく、戦術の変更を紅白戦で選手に確認させた。 試合でも戦術変更の成果がばっちりあたった。前半6分、右サイドを突破した「エリベルト」の低空クロスから「コラーディ」がダイレクトシュート。キーパーがこぼしたところを「サラジェダ」が押し込んで先制点だ。さらに26分、「エリベルト」がサイドからドリブルをしたまま特攻する。相手DFに接触してこぼれた球を「コラーディ」がシュート、キーパーがはじいたところを「サラジェダ」が決めた。 チーム結成以来初の2得点。後半に「コントラ」の折り返しを「ヴリーザス」に決められて2-1と迫られたが、「コラーディ」を後ろに下げて4-5-1のフォーメーションで逃げ切った。90分間での初の勝利となった。
■ 第2回総括 今回は成長日記の第1回ということで、詳細に結果を報告した。関連する知識をたくさん本文に盛り込んだので、実際の試合に活かしてほしい。チームは、最初のうちほど選手の出入りが激しく、ポジションが落ち着かない。
チームが固まってきた次回以降は、成長日記の内容を少しシンプルにして、戦術の説明も付け加えていく予定だ。何も考えずに楽しく遊ぶこともできるが、膨大な知識や戦術が存在することも、このゲームの魅力なのだ。
(C) Hitmaker/SEGA, 2002
□ヒットメーカーのホームページ (2002年10月11日)
[Reported by 石井ぜんじ]
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