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【連載第82回】 あの、おもちゃを徹底レポート




誰もが待ち焦がれた超小型の戦車ラジコン!
コナミ「コンバットデジQ」【後編】

「コンバットデジQ」
「パンターG型基本操縦セット(左)」
「T34/85型基本操縦セット(右)」
発売 コナミ
価格 各5,980円
電源 アルカリ単3電池×4(別売)
発売日 9月16日



「コンバットデジQ」の魅力を再検証

 先行販売で手に入れた「コンバットデジQ」が筆者の仕事場にやって来て、10日間が過ぎようとしている。前回のレポートで、発売前に大きな注目を集めているようだ、と書いたが、まさにそれを実感させられる事態が重なっている。仕事場を訪れた客がみな一様に、応接用の机の上に置かれた「コンバットデジQ」を見て、「……あれって、あの話題のオモチャですよね」と呟き、打ち合わせそっちのけで興味深そうに眺めるのだ。「試しにどうですか?」とコントローラを手渡すと、楽しそうな表情を浮かべこちらが制止しないと何分でも遊ぶ勢いで熱中している。

 彼らの遊ぶ姿を観察しながら、「コンバットデジQ」の魅力に改めて気づかされた。まずひとつは、本体のデザイン。実在の戦車をモデルにし、徹底したリアル志向でありながら、チョロQシリーズらしいかわいらしい絶妙なデフォルメがなされて、目を奪われる。ふたつめは、操作が簡単だということ。戦車のラジコンということで走行速度が遅く設定されており、その分扱いやすくなっている。おかげで、はじめて遊んだときから、すっと世界に入り込めるのだ。みっつめは、対戦ができるということ。単純なレースも楽しいが、そこに「撃って避ける」という要素が加わると、熱中度が違ってくる。テレビゲームでの対戦ももちろんいいけれど、自分の手で動かしているリアルなトイが目の前で戦う様子には、格段の興奮を覚える。

「パンターG型」。デフォルメが強かった「チョロQ」とは一線を画すリアル志向のデザインになっている 砲塔でひときわ目立つのは、赤外線受光部のレンズ。ハッチのパーツで隠すことができる 「パンターG型」の横面。わずか数センチのボディながら、完全なキャタピラ走行を実現
「T34/35型」。本体表面の一部のパーツは、接着剤で取り付ける 「T34/35型」の横面。リアリズム志向の中に、特有のデフォルメが施され、独特の味わいを醸し出している 底面には、電源スイッチの他、充電の端子やガイドがある



腕前に応じて3種類の戦闘モードが選べる

 「コンバットデジQ」の戦闘モードには、「演習」、「実戦」、「エキスパート」の3種類が用意されている。これらのモードは、コントローラのスイッチを切り替えることで選択でき、それぞれ戦車のライフ、砲弾数、次の射撃までの装填時間が異なっている。

 「演習」は、初心者向けのモード。ライフ、砲弾数ともに制限がなく、装填時間は0秒。「コンバットデジQ」本体のバッテリーが無くなるまで、自由に遊ぶことができる。

 「実戦」は、中級者向け。ライフが設定されており、ハッチにある赤外線受光部の受光部に5回の砲撃を受けると、ゲームオーバーとなる。砲弾数は無制限だが、装填時間が3秒の設定になっており、弾を無駄に撃つと敵に攻撃される危険性が増す。

 「エキスパート」は、上級者向け。「コンバットデジQ」には、各車種ごとに対戦能力が設定されており、これを使用して遊ぶことになる。対戦能力は「主砲威力」、「搭載弾数」、「装填時間」、「ライフ」の4種類がある。例えば「パンターG型」なら、この4項目すべてが平均値の設定で、バランス良く扱えるようになっている。一方、「T34/35型」は、「パンターG型」と比べると、「装填時間」と「搭載弾数」が若干強化されている。第1弾として発売されたこの2車種はほとんど差のない設定になっているが、「タイガーI型」や陸自の「90式」など今後はより個性的な車種が登場してくることが予想される。その場合は、各車種ごとの特性を見極めて、長所を引き出し短所を補うという一段階上のテクニックが必要となる。

 これら3種類のモードは、腕前の上達具合やそのときの気分によって選ぶといいだろう。また上級者が「エキスパート」を選び、初心者が「演習」を選択する、というふうにプレーヤー間の腕前の格差を埋めるべく、ハンデをつけるために利用することもできる。

モードは、コントローラ上のボタンで切り替える。必ず電源をオフにする、など多少の慣れが必要ではある パッケージに記された戦車の性能。これから出る車種はどんな性能を有しているのだろうか



対戦形式は大きく2種類。自分でルールを作って遊んでもいい

 戦闘モードとは別に、本体のIDを使用して、2種類の形式の対戦を楽しむことができる。「サバイバル対戦」は、2~4台の「コンバットデジQ」で対戦をし、最後まで残ったプレーヤーが勝ちとなるゲームだ。「チーム対戦」は、偶数のIDを設定した本体と、奇数IDのチームに分かれて、チームバトルを楽しむことができる。2対2の組み合わせはもちろんのこと、1対2のプレイも可能だ。

 先に紹介した戦闘モードと、この対戦形式を組み合わせることで、様々な対戦が遊べるようになっている。また、プレーヤーが独自の遊びを考案するのもいいだろう。筆者の手元にある「コンバットデジQ」は2台だけなので、遊べるのは「サバイバル対戦」だけだが、消しゴムを障害物に見立てて、オリジナルルールのレースも行なってみた。

 「サバイバル対戦」は、前回お伝えした通りの面白さ。自車を敵の前まで素早く動かし、砲撃を浴びせる。砲弾の到達範囲が前方10度だけという狭さのため、自車の正面を正しく敵に向ける必要がある。ところが敵も自在に動いてくるため、なかなか射程範囲に捉えずらい。そうして操作に混乱していると、今度はこちらが撃たれそうな恐怖に襲われ、実にスリリングだ。被弾した戦車はその場で急回転する、という演出もあって、楽しめる。

 消しゴムを使った障害物レースは、戦車特有のゆっくりとした動きもあり、さほど難しくはない。ゴールまで3個の消しゴムを並べ、その間をくぐり抜けるコースセッティングにしたのだが、コントローラさばきを慎重にすれば問題なくクリアすることができ、自分の手で戦車を操る、という醍醐味を存分に味わえた。

 前回でも指摘したようにIDを切り替える方法がわかりにくい、などのいくつかの難はあるものの、そうした不満を押しのけるほどの面白さがある。購入しようかどうか悩んでいる人は、間違いなく「買い」です。そしてできれば、周囲の人をどんどん巻き込んで、対戦プレイを楽しんでほしい。

【ムービー】
対戦その1
3.84MB/MPEG
対戦その2
3.62MB/MPEG


(C)2002 KONAMI

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「コンバットデジQ」のページ
http://www.konami.co.jp/cp/micro_ir/combat/


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(2002年9月19日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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