~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。
■ 目指すは三國の統一! 天下無双の技を見よ!……「真・三國無双 究極音盤」
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「真・三國無双」、「真・三國無双2」そして「三國無双」が収録されている。「真」になってからはステージごとにテーマ曲が作られているが、初代の「三國無双」は、各武将個人のテーマ曲が用意されているところがおもしろい。「三國無双」は対戦格闘ゲームだったのは知らない人も多いのでは? 「真・三國無双」から「真・三國無双2」では同じ曲が多く耳にしっくりくるが、どの曲も「2」ではリミックスされている
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今回のお題目は、懐かしいというにはまだまだ新しいタイトル「真・三國無双2」です。発売されてからもうすぐ1年ですが、まったくあきることなく現在進行形でプレイしております。
「真・三國無双2」はご存知「三国志」を題材にした3Dアクションゲームです。プレーヤーは4つの勢力のなかからお好みの武将を選び、敵をばっさばっさと倒しながら三国統一を目指します。
「三国志」のゲームというとシミュレーションが多い世の中ですが「真・三國無双2」は難易度低めのアクションゲームというところがとっつきやすくてよろしいです。処理落ちするほどわらわらと群がる敵兵をなぎ倒しながらつき進んでいくのがなんとも気分壮快で、日々の疲れも吹き飛びます。自分の分身となる武将を総勢41人から選べるのも魅力的。メジャーな人物はけっこうおさえられているので1人や2人は好きな国のお気に入り武将が見つかると思います。ただ、文官系が層が薄めなのはみんな羽扇持ってて似たり寄ったりになってしまうからなのかな? 確かに「戦う文官」なんてあんまり見かけないですし、だいいち弱そうですしね。
さて、さすがにやりこんでいるだけあってゲーム中に流れる音楽は全て覚えている私ですが、最初にBGMを意識して聴いたときの印象は「ぜんぜん中国っぽくないよ」でした。今までの「三國志」などでは「悠久の大地を感じさせるゆったりした曲調で中国音階」という曲調が定番だったのに対し、「真・三國無双2」は「中国」や「三国志」よりも「アクションゲーム」ということを重視してつくられているように思います。
前作「真・三國無双」からのサウンドディレクターMASA氏が「中国色にとらわれないように気をつけた」とインナーで語っているように、なによりもドライブ感やスピード感を肌で感じる曲たちは「真・三國無双2」のゲーム性と合っていてプレイにも気合が入りまくりです。メロディがギターで構成されているいるのも疾走感がありステージを東奔西走するキャラクタにぴったりです。
私はゲームで使われている曲はどれも甲乙つけがたいほど思い入れがあるのですが、中でも「ARENA」(行軍)は「テーマオブ蜀」と勝手に銘打って非常に愛しています。
「成都制圧戦」シナリオで、最初は深い森(綿竹の森)から始まり、森の中にいるときはBGMがないのに森を抜けて視界がひらけると同時に「ARENA」が流れる演出がたまらないです。 ほかの曲とくらべて戦いのイメージやスピード感はあまりなく、「男の孤独と哀愁」がひしひしと伝わってくるような曲調に、人に恵まれながらも運がないゆえに滅んでしまった蜀の切なさがつまっているような気がしてしょうがありません。この曲は蜀の武将にこそ似合うのです。ゆえに「テーマオブ蜀」なのです。
「関羽千里行」シナリオでも「ARENA」が使われています。義を貫くために曹操の幕下を去る関羽、流れるは「テーマオブ蜀」。どれだけ曲がはまっているかぜひ見てほしいステージです。
もうひとつ演出で忘れられないのは「五丈原の戦い 蜀軍」シナリオです。この面で魏軍の総大将の軍団以外の部隊をすべて撃破すると全ての蜀軍が敵の総大将へ進軍します。
「蜀軍総攻撃!」のテロップとともに「SACRED GROUND Ver2」から「SUPERIOR」にBGMが変わります。そして蜀の総大将の諸葛亮までもが魏に総攻撃をかけるべく本陣から進軍しはじめるのです。もうかっこよすぎて鳥ハダものです。
本来、蜀は五丈原ののち、滅亡してしまうのですが、「真・三國無双2」というゲームのなかでは、三国を統一して漢王朝復興の悲願も達成できるのが蜀びいきの私にとってはうれしい限りです。
そして「兵どもが夢のあと」という雰囲気のエンディングテーマ「生路~CIRCUIT~」は「真・三國無双2」唯一のボーカル入りの曲です。
北京語で「元気を出して、前に進んで」というようなニュアンスの歌詞がついているしっとりとしたこの曲は、台湾人と日本人のハーフ「一青窈」(ひとと
よう)さんが作詞、自らが歌っています。透明感のある歌声と北京語の歌詞の音感が「無双モード」をクリアした興奮さめやらぬ自分をクールダウンしてくれるようです。
ゲームのエンディングも戦いのあとの宴なのでしょうか、戦場では猛々しい武将もくつろいだ表情で各々しばしの安息を楽しんでいるようなシチュエーションで、プレイしていた私も一緒にリラックス、一青さんの歌声がなんとも心地よく、一瞬自分が本当に三國時代に生きている人間であるような気がしてくるのです。
以前、こんなにも「三国志」に想いを馳せる私をみて「Viva!GM」のパートナー河本さんが「えんどさんの前世はひょっとしたら三国志時代の人かもしれませんね」と、うれしいことをいってくれました。でも、「ただの農民とかで戦のとき軍馬にひかれて命を落としました」、とかじゃやだなあ、せめて「蜀の豪族の娘で名のある武将に嫁ぐ予定」くらいはほしいなあ。「名のある武将」は趙雲がいいですねえ、とにやけてみたり。夢はでっかく「1800年前にタイムスリップして趙雲と結婚して蜀を三國統一に導く」ですもの。
さあ、今日も蜀に天下取らせて気分よくなりましょうかね。
[Text : 遠藤 美幸]
■ Are You Ready? ……「F/A」
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タイトルがさりげなく某湾岸戦争にからんでいるものもあったりして、曲はどいつもこいつもテクノばりばり。テクノとして品が高いので、ゲームを知らなくてもお聞き頂けます。にわかにシューティングゲームって思えないところもミソかも。今からでも是非、聞いてみてくだされ。また、湾岸での戦いを最後まで聞き終えた後も、引き続きいくつかの未収録曲が延々楽しませてくれるところも、サービス満点です。
| ナムコの縦スクロールシューティング『F/A』です。何もオールドゲームにだけ触れるのが「俺G」の主旨ではないので、最近のものでもお気に入りを語ります。と、さりげなくCDジャケット見ると、もう10年も前のリリースで、びっくり仰天。はうー。
初めてこのゲームを見かけたとき、当時にしてすでに、
「このご時世に、えらくまた、地味な感じの縦シューが出たなぁ」
といったところが正直な感想でした。自機の攻撃は、対空のショットと対地ミサイルに別れていて、緊急回避のボムはありません。残機制ではなく、ライフゲージ制です。ゲームをご存知ない方は、ザッパーのサイトが無い『ゼビウス』を思い浮かべてもらえれば、画面の雰囲気がちょっとは似てるかと思います。
しかし、プレイしてみて印象は大逆転。まず、曲がすこぶる良いのです、何だ、このノリの良さ!! 翌日から、先のステージの曲が聴きたくてプレイしている自分がおりました。しかも曲に取り付かれてやればやる程に、ゲームの面白さもスルメのようにじわじわと染み出してきました。特に奇をてらったシステムはなく、避けて撃つ、覚えてハメていく、そこが最高ーに面白いのです。
軍用機が大量に選べるのも、ヒコーキ好きの自分としては楽しみでした。当時リアル世界で米空軍の次期主力戦闘機の座を競り合っていたYF-23とYF-22。自分は形状的に23が好きだったのだけど、うっかりYF-22に採用決定。こんなペリカンのくちばしみたいなおなかをした機体が? ヤダヤダと思って萎えていたけど、そんなYF-23も、選べる自機群に入っていてこりゃ嬉しいと。まぁ、自分には馴染まなかったので、あんまり使わなかったけど。心の機体は『アフターバーナー』以来、F-14と決まっていたのもあるし。
「音合わせ」なんてのもやってました。曲を聞き覚えて、「ハイここ」って決まった曲の部分に合わせて、画面の左端から右に向かって撃ちつつ動き始める。すると、左右両方のヘリを両方逃さず撃てる、というようなやり方です。全8面、純粋に避けて撃つ、パズルっぽいゲームなので、「音合わせ」を多用していました。うっかりこんな面白いゲームを見逃すところだったと思うと、何度もお金を入れる契機を与えてくれたGMに、お礼を言いたい気持ちになります。ところで、「音合わせ」って、土地によって呼び方がいろいろありそうですよね。読者の皆さんはどう呼ばれていましたか? 興味あるので、是非教えてください。
曲は全般を通してノリのいいテクノですが、6面の「WAR ART」から、ガラリと印象が変わって夜間のステージへと突入。この曲がツボで、暗がりの中、敵基地に潜入して作戦を遂行する印象がカチョイイのです。ボスの戦艦を破壊すると、次なる7面は一転して、目の覚めるような真っ白の雪景色。ここの砲台が吐く弾は、自分の機体「F-14」だと、開いた可変翼の左右の判定がでかいため、誘導しつつ対地攻撃を行なうのに苦労した記憶があります。そして最終面、大型機のどデカい翼に阻まれて、弾の幅にいじめられるところで緊張大爆発、曲も盛り上がってエクスタシー!! かっこいいのであります。今も、油のニオイがしてきそう。くんくん。
ミニマムな自機判定で、ぼわぼわ溢れる弾をかいくぐることに体が慣れてきた今だからこそ、またこんなゲームで遊びたい!! こういった単純明快なルールのシューティング、出してほしいです。と、無理言ってみる。もちろん曲は、テクノで決まりっしょ。
[Text : 河本 真寿美]
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