「デジプロポスペシャル」 | |
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発売 | タカラ |
価格 | 4,980円 |
電源 | 単3電池×4(別売) |
「IRブースター」 | |
発売 | タカラ |
価格 | 1,980円 |
電源 | 9Vアルカリ電池×1(別売) |
「デジプロポ ステアリングセット01」 | |
発売 | タカラ |
価格 | 1,280円 |
それは、刺激的な文面だった。新たに発売された上級者向けの高性能プロポ「デジキュープロポスペシャル」の紹介文で、「デジキュー」の公式サイトに掲載されている。「これまでのプロポは、皆様にデジキューの世界をわかりやすく体験してもらうために一部の性能を抑えて作られており、基本的な『走れ・曲がれ』などの情報を記録させ、デジキューを操作したときに、『はじめて自転車を乗りこなせたときの感動』を体験していただきました」とある。
当連載でも紹介した「デジプロポ」。知らないうちに、一部の性能が制限されていたとは! 「入門編」という狙いは十分に理解できるが、いささか小憎らしくもある。「『デジプロポスペシャル』は、最高速度や加速度、ブレーキの強さ、ステアリングの調整などのセッティングプログラムを自由に変更でき、自分の思い通りに走らせることが可能になると同時に、デジキューの真の実力を発揮することができるようになりました」とある。
デジキューの「真の実力」とはいかに!? 今までのものでも十分にスピーディだったが、あれ以上の速度だというのだろうか。俄然、興味が沸いてきて、さっそく入手してみた。
パッケージ。「スターターセット」と同様に上フタは、マジックテープで開閉 | 本体。新たに台座が設けられ、テーブルの上に置いて遊べる |
「デジプロポスペシャル」と、「デジキュースターターパック」に同梱されていた通常の「デジプロポ」を比較してみた。見た目に、劇的な変化は感じられない。というよりも、「デジプロポスペシャル」が、「デジプロポ」の洗練されたデザインを踏襲しているのだ。違いは大きく2点。ひとつめは台座。「デジプロポスペシャル」のグリップの下には、台座が追加されているのだ。グリップを左手で握りながらテーブルの上に置いてみると、ガッシリとしたホールド感がある。ハンドルを回転させても、ビクとも動かない。「スペシャル」の名にふさわしく、繊細な操作を行なうのに向いてそうだ。
ふたつめはコントロールパネル。「デジプロポスペシャル」の最後部に、液晶型のパネルが設けられ、さまざまなセッティングを行なうことができる。
操作方法は、「通常走行モード」と「セッティングモード」の2種類。「セッティングモード」で各種のセッティングを行ない、「通常走行モード」でデジキューを走らせる、という流れだ。
「セッティング」では、コントロールパネルを利用して、4項目の走行性能を変更させることが可能だ。「スピード」は最高速度。「アクセル」は加速度。「S.T.B(ステアリングバランス)」は、デジキューの旋回性能。設定レベルを上げるとオーバーステア(曲がりやすい)、下がるとアンダーステア(曲がりにくい)になる。「ブレーキ」は、ご存知のとおり“停止”。すべての項目の値を、最大値に設定して、作業は完了。これでデジキューの潜在能力を最大限にまで引き出せるはずだ。
「スターターセット」付属の「デジプロポ (右)」と並べてみた | コントロールパネル。充電の進行度と電池の残度を示すランプもある |
■ セッティングによってデジキューの速度が大きく変化
デジキュー本体は、以前のレポートで取り上げた「スカイラインGT-R(R-34)」を使用。さっそく充電しようと、「デジプロポスペシャル」の側面にある充電ベイにセットする。充電時間は約10分間。
さあ、走らせてみよう。デジキューをテーブルの上におき、アクセル・トリガーを手前に引く。そのとたん、デジキューが一気に加速。テーブルの端から落下してしまった。確かに速い。勢いがあり、圧倒されて、操作をためらうほど。小さなボディでよくもここまで速く走るものだ、と感心させられるスピードだ。
テーブルの上では走行範囲が短すぎるので、今度は床の上で走らせることにする。一気に加速したところで、右へ左へと旋回させ、そして後退させてみる。すると、操作を行なうたびに、デジキューはスピンし、ときには横転してしまう。さすがに設定を最速に合わせすぎたか。加速度を最高にした分、ステアリングバランスをややアンダー気味にするといった微妙な調整が必要なのだろう。それにしても、驚くべきパワーだ。これを存分に楽しむには、広大なサーキットを舞台にしたレースこそがふさわしい。ぜひ一度、体験してみたいものだ。
グリップには、手が滑らないようにモールドが追加された | トリガーで前進/後進、ステアリングで右旋回/左旋回を指示する |
■ コードを入力すると、特別な走行も楽しめる
白紙に駐車場を表すラインを引いて、「縦列駐車モード」をプレイ |
コードには、デジキューに特別な走行をさせられる「特殊コード」という遊びも存在している。コードは順次、タカラとコナミのサイトに掲載される予定で、現在は「トイラジコンモード」と「縦列駐車モード」用のコードが公開されている。「トイラジコンモード」は、ステアリングトリガーの握りの強弱に関係なく、デジキューが常に一定の速度で走る。またハンドルの切れ角に関係なく、一定の旋回角度で曲がるようになる。テーブルの上で走らせると、速度は速くもなく遅くもなくちょうどよい設定となり、直進にも旋回にも安定感がある。加速することはないので、心に余裕を持って操作することができる。まさに「トイラジコン」の走行だ。
「縦列駐車モード」は、車庫入れ遊びが楽しめるモード。ハンドルを切ると、とたんに速度を落とし、後輪のみで曲がるようになる。なるほど、これなら誰もが縦列駐車にチャレンジできる。楽しいぞ。
■ さらにふたつの拡張パーツにトライ!
デジキューには、様々なパーツが揃いつつある。「IRブースター」は、赤外線の到達距離を拡張するためのユニット。通常のプロポでは赤外線は約3メートルまでの範囲しか到達しない。室内で気軽に遊ぶときには十分といえるが、サーキットなどの広い場所では無理が生じる。ところが「IRブースター」を使えば、赤外線の到達距離を2倍以上の約7メートルにまで拡張させられるのだ。「デジプロポ」と「デジプロポスペシャル」の両方にセッティングすることができ、その様子は、スナイパー銃とスコープのようで、非常にカッコいい。約20畳ある仕事場の端に立って試したら、デジキューが部屋の隅に行こうが、玄関先に行こうが、楽々操作することができた。効果はてきめんだ。
ユニークなパーツとして、プロポのステアリングを好みのものに変更できる「ステアリングセット」が登場している。「01」と「02」があり、筆者は「01」をチョイス。木目をイメージしたものと、ブラックを基調にブルーをポイントしたものの、2種類が入っている。取り付けてみたところ、指でホールドする部分が小さくなったため不安定な感じも受けるが、逆に操作感覚が軽くなったように感じられた。
「IRブースター」。コードはプロポの天井に差し込む | 「IRブースター」を本体に設置。赤外線到達範囲が2倍強になる | 「ステアリングセット01」。取り付けようのレンチが付属している |
木目調のステアリングをつけたところ。いかがだろうか? | 「IRブースター」と「ステアリング」でフルカスタム |
ところが、「デジプロポスペシャル」と「IRブースター」、そして「ステアリング」を試して、そんな印象も大きく変わった。「IRブースター」や「ステアリング」によるカスタマイズの面白さもさることながら、何より「デジプロポスペシャル」の特殊コードがいい。コードの入力によって、操作感覚が一変する拡張性。しかも、それが「トイラジコン」や「縦列駐車」だというのだから“遊び心”が感じられる。これこそが、これまでの「デジキュー」に欠けていたと感じていたものだ。サイトを覗くと、公開待機中の特殊コードが続々とあることが伺える。どんなものが登場するのかと、期待に胸が高まる。「デジキュー」の面白さを体験するには、「デジプロポスペシャル」が必須、と断言したいくらいだ。
□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「デジQ」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/digiq/
□関連情報
【2001年10月25日】ラジコンになった21世紀のチョロQ
タカラ「デジQ スターターセット」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011025/toy40.htm
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)
(2002年6月27日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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