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【連載第28回】あの、おもちゃを徹底レポート




携帯電話からキャラクタが生まれる!
バンダイ「キャラコネット」

キャラコネット
発売 株式会社バンダイ
価格 2,980円
電源 コイン電池CR2303×1 (内蔵)
発売日 発売中

 行く先々で、「これ何? 面白そう!」と注目を浴びまくり。携帯電話に接続すると、機種と電話番号から自分だけのキャラクタが誕生するトイ、と聞けば、アナタもきっと「へええ~」と興味がわくはずだ。自分のケータイからどんなキャラが生まれるのか、知りたいでしょ? 今回は、そんな誰の心をもキャッチする、優れたアイデアの「キャラコネット」を紹介したい。

筆者の携帯電話から生まれたキャラは……

 「キャラコネット」の本体は、携帯電話を模したデザインだ。下部のフタをカパッと外すと、携帯電話とのコネクターが顔を出す。
 さっそくキャラコネットを携帯電話に接続してみよう。つなげるのは、筆者が愛用しているN503i。ここからどんなキャラが誕生するのか想像すると、がぜんワクワクしてくる。

 携帯電話のコネクタカバーをはずし、そこにキャラコネットのコネクタを差し込む。画面には「CONNECT OK」との表示が。おお、展開が速い。間髪いれずに、画面にたくさんの星が舞い始めた。キャラ誕生の予感。はたして登場したのは……クマによく似たキャラだった。名前はドラモンだという。「ハジメマシテ!ドラモンダヨー」とのメッセージが流れたあとは、トボケタ表情で、画面の中をのんびりダンスしている。そうか、筆者の携帯電話には、こんなヤツが潜んでいたのか、と思うと楽しくなってくる。

携帯電話接続コネクタ。DoCoMo、J-フォン、TU-KAの機種に対応 (一部例外あり) 携帯電話に接続しONボタンを押すと、間もなくキャラクタが誕生する


キャラから与えられたノルマを時間内にこなせ!

 キャラコネットの基本的な遊び方は、キャラから出されるノルマを満たすべく“他人の携帯電話と接続していくこと”にある。

 例えば誕生したばかりのキャラが出すノルマは、「24時間以内に3人の携帯電話と接続する」というものだ。筆者はいきなりここからあわてることとなる。筆者の仕事場は、常駐スタッフが筆者を含めてふたりだけ。つまり、うっかりしていると、最初のノルマすらクリアできないおそれがある。ノルマが満たされない場合は、ゲームオーバー。イチからやり直し……となるのだ。まったくウカウカしていられない!

キャラクタ誕生! “ドコゾク”とは、キャラクタが属する種族のこと キャラクタには、性格や血液型などの設定もある。名前の変更も可能だ


友人、知人を巻きこんで遊ぶ面白さ

 ひとり目は、アシスタントの携帯を借りてクリア。キャラコネットをアシスタントの携帯電話F502iに接続すると、そこからキャラクタが出現。ウサギとイヌを合体させたような“ドコモン”だという。

 ふたり目は、事務所を訪れる予定のあった友人の到着を待ちわびて、何とかクリア。3人目は……ここでハタと気づいた。今日はもうこれ以上、誰かに会う予定はないのだ。スケジュール表を見れば、次に人と会うのは翌日の夕方。これじゃあ、ノルマの制限時間は、とっくにオーバーしている。

 いろいろ考えたあげく、徒歩十分圏内にある、知人の仕事場を訪れることにした。カクカクシカジカと理由を説明すると、「この炎天下によーやるよ」と知人はゲラゲラと笑っていたけれど、筆者はむしろ爽快な気分。なにしろノルマを達成できたのだ!

 キャラコネットのキモは、こんなふうに他人とのコミュニケーションにある。友人、知人と会話を交わしながら、時には協力をあおいで、ゲームを進めていくことにこそ面白さがある。生活時間そのものが、ゲームにスッポリと包まれたようだ。たかが遊びに振り回され、一生懸命に行動する時間が、いとおしくさえ感じる。協力してくれた友人、知人も「オレのケータイからこんなキャラが生まれるのか~」と、まんざらでもなかったし。大勢の人が集う学校や職場に持っていって遊んだら、さぞかし面白いだろうなあ~。

ノルマは「ラクラク」と「ガンバレ」の異なるレベルのものを任意に選択できる ノルマをまたひとつ達成した瞬間。喜びが全身をかけめぐる


キャラ同士のバトルはオとぼけテイスト全開

 ところで、他人の携帯と接続するたびに、そこから生まれたキャラとのバトルがくり広げられる。このバトル、基本的には見てるだけのオート操作だが、不思議な味がある。「アカコーナー ドコモン トウジョー!」とアナウンスメッセージが表示された後、お互い、順番に攻撃をはじめる。先行のキャラが放った攻撃を、後攻のキャラがそのまま受けたら、先行側の勝ち。攻撃をかわして、後攻キャラの反撃が成功したら、後攻側の勝ち、となるわけだ。ここで再現をするのなら、まず筆者のドラモンが毒液を放った。これに対して友人のドコモンは、手持ちの携帯で救援を要請。ところが圏外でつながらず(笑)、毒液をそのまま浴びて負けた……という感じだ。

キャラコネット同士を接続して行なうバトルもある。接続には上部の専用コネクタを使用 先行側のキャラクタが攻撃開始! 口から大きなアワ (?) を吹き出した瞬間だ


87種類全キャラコンプリートを目指してみようか

 バトルに勝っていくと、ノルマがひとつずつ減っていくのはもちろん、他人のキャラが「オキニイリキャラ」として登録されていく。このキャラを全種類集めるのも、キャラコネットの大きな楽しみだ。

 ケイタイキャラの種類は全部で、87種類。この87という数字、なかなか絶妙だと思う。自分の身の回りに、この遊びに協力してくれる人が87人もいるかと考えると、この目標の大変さに気づく。だけど、まるで無理かといえば、そうでもなさそう。がんばれば何とかなりそう、という微妙な設定が、挑戦意欲をかきたてるのだ。

 ほかには、キャラコネット同士を接続し、友人とのバトルを楽しむという遊び方もある。バトルに負けると、自分のキャラが、相手に囚われてしまう。5分後に、自分のキャラコネットに戻っては来るのだが、それまでの間、画面には「トラワレ」の文字が表示されるのみ。クツジョクだなあ~。

バトルに勝って登録できたキャラ。オキニイリトモダチ、略してオキトモだ ミニゲームも楽しめる。これは3台のうち鳴っている携帯電話を当てる、というルールだ


新しいアイデアを高く評価したい! だけど……

 携帯電話を使ったアイディア、そして他人とのコミュニケーションに主軸を置いた遊びは、新しい、と評価したい。周りに一緒に遊んでくれる友人がいたら、面白さは何倍にも広がるだろう。大ブレイクさえ夢じゃない可能性を秘めているとさえ思う。
 ただ、おしむらくはキャラクタのデザインだ。それがどんな個性を持ったキャラクタなのか、パッと見でわかりにくいのだ。これならいっそ、普通の動物の方が良かったのではないだろうか。「やった! オレのケータイ、ライオンだ!」「ええっオレは、ナマケモノかよ~」なんてね。ここまで厳しく意見を言うのも、このアイデアを高く評価しているからこそ。まだまだ発売されたばかりで勝負はこれからだし、続編の展開にも大いに期待したい。

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□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.bandai.co.jp/press/press_P00122.html


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(2001年8月3日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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