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【連載第25回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


竿をふるってバス釣りが体感できる!
エポック社「ブラックバス釣ろうぜ エキサイトフィッシング」

ブラックバス釣ろうぜ エキサイトフィッシング
発売 エポック社
価格 5,980円
電源 単3電池×4本
発売日 発売中

 堪能しました! 面白い! いやあ、これは売れるわあ……とのっけから、ひとりで興奮しているばかりで申し訳ない。今回のアイテムは「エキサイトフィッシング」。「エキサイトスタジアム」「エキサイトピンポン」に続く、「エキサイト」シリーズの最新作だ。

 「エキサイト」シリーズとは、エポック社がファミリー市場向けに特に力を入れて投入しているトイのこと。CPUとソフトが内蔵された本体を、テレビに接続するだけでゲームがプレイできる手軽さが売りのひとつ。こう書くと家庭用ゲーム機と似ているように感じるが、その遊び心地は別物。専用コントローラの採用によって、体を使った遊びを楽しむ。これぞ「エキサイト」シリーズの最大の魅力だ。

コントローラにCPUとソフトを内蔵

 「エキサイトフィッシング」は、根強い人気を誇るバス釣りが題材。パッケージには、ロッド型コントローラだけが入っていて、この中にCPUやソフトが入っていると思うと、あらためて驚かされる。
 ロッドのグリップの底にある電池ケースのふたをプラスドライバではずし、電池ケースを引き出して、単3電池を4本入れる。同じようにロッドのグリップから伸びるAVケーブルをテレビに差し込み、パワースイッチをオン。準備は完了だ。所要時間は3分程度。早い!

本体のサイズは、大人の手にもピッタリの絶妙さ。裏には指をかけられるフックもある 電源は単3電池を4本使用する。電池寿命は約8時間とのこと


 今度はロッド型コントローラをチェックしてみよう。パワースイッチ、リセットスイッチ、決定ボタン、キャンセルボタンがある。ゲーム機に必要不可欠なボタン類がすべてそろっていて、いかにも使いやすそうだ。本体の右側面にあるハンドルは、もちろんリールの巻き上げに使用する。ためしに回してみると、「カタカタカタ……」と音を奏でて、あたかも糸を巻いているようなかすかな抵抗が手に伝わってくる。いい感じだ。

操作パネル。各スイッチの配置も練られており、プレイ中でも扱いやすい ハンドルには、指のすべりを防止するガイドが刻まれている


きめの細かな自然描写に◎

 ゲームモードは3種類ある。

モード 参加人数 説明
タイムトライアル 1~4人用 制限時間内に多くのブラックバスを釣り上げたプレーヤーが勝ちとなる。初心者向けのモード
バストーナメント 1人用 琵琶湖、河口湖、霞ヶ浦と実在の湖を舞台に開催される大会で腕前を競う
フリーフィッシング 1人用 好きな湖で季節と時間を選び、時間を気にせずのんびりと釣りが楽しめる


 「タイムトライアル」モードを選んでみた。ここで操作方法をマスターしたのちに、「バストーナメント」モードで優勝を飾る。こんな計画を立ててみた。

 目の前には河口湖が広がり、その奥には富士山がそびえている。天気は快晴。素晴らしいロケーションだ。映像のクオリティは、最新鋭のプレイステーション2やドリームキャストには及ばない。だけど、湖面のさざなみや木々などの自然が細部まで丁寧に描きこまれており、目を引かれる。

バスゲットまでの流れをマスター

 最初に行なうアクションはキャスティング。そう、ルアーの投げ込みだ。方向キーを左右に動かしながら、ここら辺にバスがいそう……と目星をつけ、キャスティングポイントを指定。ロッド型コントローラを上から下へと振り下ろす。すると、画面の中の竿がしなり、ルアーが彼方へと飛んでいく。このとき、決定ボタンを押すと、ルアーの飛距離を調整することができる。
 ルアーが着水したら、湖中の様子がわかるウインドウが表示される。ここではバスの有無や位置、そしてルアーとの距離などを識別できる。バスがいなければルアーを引き上げ、別のポイントを探すことになる。
 次にハンドルを巻き、ルアーをバスの鼻先へと移動させる。バスに近づけたら食いつきを確実にするために、ルアーアクションを行なう。ルアーアクションには大きく3種類がある。

トゥイッチ ロッドを小刻みにふって、ルアーに変則的なアクションを加える
ジャーク ロッドを大きく引き、ルアーに大きなアクションをつける
ストップ&ゴー リールを巻く、止める、巻く、という動作をくり返す


 要は作り物のルアーにあたかも生物であるのような動きを与え、バスの気を引く作業だ。そうして、うまくバスがルアーに食らいついたら、フッキングをする。ロッドをグイッと手前に引き上げ、飲み込まれたルアーの針をバスに引っ掛けるアクションだ。このフッキング、タイミングはなかなかにシビアだ。ロッドを引き上げるタイミングが少しでも遅れると、バスが逃げてしまうのだ。食らいついたら、すかさずフッキング。これくらいのシビアなタイミングなら確実だ。

 最後はバスの釣り上げだ。リールを巻いて、バスを引き寄せる。画面の左下に表示されるリールマークには、バスとの距離と糸のテンション(張り具合)の状態が示される。テンションが高いままリールを巻き続けると、糸が切れ、バスを逃がしてしまう。そうならないように、テンションには最大限に気を配る必要がある。時々、リールの巻き上げを止め、バスが弱るのを待つのもテクニックだ。
湖面の様子を描写したウインドウを注視し、ルアーをバスへと近づける フッキングが成功したら、「HIT!」の表示が。リールを巻き上げよう


適切なルアー選びがバス攻略のカギ

 筆者の第一投目は、湖の遠方へと着水。ウインドウが表示され、湖底あたりにバスが3匹もいることが判明。ところがリールをガリガリと巻き上げるも、ルアーは沈まず、湖底のバスたちのはるか上空をむなしく通過するだけ。これはどうしたものかと、説明書を読み込むと、ルアーの選択に攻略方法があることがわかった。
 ルアーは姿、色ともに様々な5種類から自在に選ぶことができ、バスのいる水深に応じて使い分ける、という。水面ならポッパー、湖底ならワーム、とある中で、筆者はちょうど中心の水深を狙える「バイブレーション」を選択。これなら広い範囲のバスを狙えそうだ。

 そうこうしているうちに、バスがヒット。フッキングもクリア。さあ、リールを巻き上げるぞとハンドルを動かそうとすると、手にビビビビッと軽い振動が伝わってきた。おお、そうか! 振動機能もあるのか。これは気分がますます盛り上がる。テンションに十分な注意を払いながら、15メートル、12メートル、7メートル、3メートルと、徐々に距離を縮めて、ランディング(釣り上げ)だ。バスのサイズは、28.3センチ。最初にしては、まずまずだろう。時には外道のブルーギルを釣るなどの楽しいハプニングもありながら、操作を完璧にマスターした。

特に大物のバスは湖面から跳ね上がる。釣り上げるのにも根気が必要だ ルアーはプレイ中、いつでも変更できる。それぞれの特徴を知ることが大切


「バストーナメント」はガチンコ勝負

 さあ、いよいよ「バストーナメント」モードに突入だ。舞台に琵琶湖を選び、釣りをする場所を選ぶ。筆者は「白髭エリア」を選択。湖の中にある大きな鳥居が特徴だ。3種類ある難易度のうち、「やさしい」を選ぶ。
 トーナメントの時間は、午前6時から午後3時までという設定。ゲーム中の1時間は約4分なので、36分程度のプレイとなる。勝敗は、釣り上げた中のベスト3のバスの重量を合計した数値で競われる。
 湖の映像は、ほかのモードと変わないが、こうしているうちにも見えないライバルたちがバスを釣り上げていると思うと、いてもたってもいられない。何度もルアーを投げ込んでみる。ところがどうしたものか、「タイムトライアル」モードではあれほど引っかかってくれたバスがうまく釣れず、ただただ空のルアーを引き上げるのみ。
 しばらくすると、大会の途中経過が集計された。筆者は、当然のことながら最下位の10位だ。これではいかんと、リセットスイッチを押し、イチからやり直す(笑)。この作戦が功を奏したのか、バスが見違えるように釣れるようになった。きっと上位をマークしているだろうな、といい気分になってきたころ、途中結果が発表。結果は……10位だった。ええっ、ここまで釣って10位なら、上位プレーヤーは相当のスピードと確実さで大きなバスを釣っていることになる。まさに真剣勝負だ。あせった筆者はすべてのアクションを迅速に行うよう全力でトライをしてみたが、最終結果は8位止まり。う~ん、そうか。まだまだ効果的なテクニックがあるということか。奥が深いぞ、これは。
 ロッド型コントローラを振りすぎたせいか、上半身と腕にドッと疲れが押し寄せてきた。しかし、全然、悪い気分じゃない。むしろ心地よい疲労感というべき感覚だ。
 休憩する筆者にかわり、妻と娘がかわるがわるにプレイをはじめた。ふたりともみるみるうちに、夢中になっていく。家族全員でルアーの研究をしたり、協力して「バストーナメント」モードにチャレンジしたりと、楽しい時間を過ごすことができた。

筆者が釣った最大級のバス。画面に収まりきらないほどのサイズに鼻高々 途中経過の画面。筆者は10位。クリア基準の5位は、まだまだ遠い


この価格にしてこの遊びは安い!

 「エキサイトフィッシング」は、ファミリー向けながら、あくまで本格的な釣りを目指しているところがいい。体を使った遊びを核としているのも新鮮だ。価格も魅力的。何せ専用コントローラ付きで、5,980円なのだ。家庭用ゲーム機向けのソフトを1本買うことを考えると、これだけ楽しめるのだから、安い!と断言できる。  さてさてすっかり「エキサイト」シリーズのファンになってしまった筆者としては、早くも次回作が楽しみで仕方がない。野球、ピンポン、釣りときて、次はサッカーかゴルフか。はたまたボクシングなどの格闘技もありうるのでは。だけど、実は次の題材が何になるかは、さほど気にしていない。「エキサイト」シリーズに信頼を寄せている今、次はどんなものになっても必ず遊ぶ、と決めているからだ。だからエポックさん、次回作を早く出してください!

□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□体感ゲームのページ
http://www.taikan-game.com/index.htm
□「エキサイトフィッシング」のページ
http://www.taikan-game.com/fish/top.htm

(2001年7月12日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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