← 前回分 次回分 →

【連載第7回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第7回:これでアナタも映画監督!? レゴムービー撮影キット
「レゴ&スティーブンスピルバーグ ムービーメーカー」

発売 LEGO
価格 199ドル99セント (税別)

 ニューヨークで開催された「The American International TOY FAIR 2001」の取材道中で、船津記者が入手した「LEGO & Steven Spielberg MovieMaker Set」をレポートする。まだ日本では一般販売されていない、レゴブロックの最新シリーズだ。「STAR WARS」、「SOCCER」など、数々のシリーズを生み出してきたレゴ社。どんなものかと思いきや、専用ムービーカメラをパソコンと接続し、レゴブロックのジオラマを使って、ムービーを撮影する“映画撮影キット”だったのだ。しかも、あのスティーブン・スピルバーグ監督の名を冠した、本格的なキットなのだ!

スピルバーグ監督のサインがプリントされた、巨大なパッケージ 同梱されているムービーカメラ。レゴファンなら、これだけでもほしいハズ


撮影スタジオが自分の部屋の中に!

 巨大なパッケージの中には、USB端子つきムービーカメラ、編集ソフト、スタジオセットブロック、T-Rexブロック、ハンドブック、背景台紙が入っている。この箱ひとつに、撮影スタジオがまるごと入っているのだ。もちろん出演者となる、フィギュア (人形) もついている。面白いのが、出演者よりも撮影スタッフのフィギュアの数の方が多いこと。カメラスタッフ、効果スタッフ、AD、さらにはスピルバーグ監督そっくりの「監督フィギュア」まで入っている。ムービー撮影を楽しめるだけではなく、撮影スタジオそのものを再現しているのだ。

 このパッケージでは、「ロスト・ワールド/ジェラシック・パーク」のワンシーンを彷彿とさせる、T-Rexが町を破壊する様子を撮影できる。T-Rexには、2種類のモデルが用意されている。全身撮影用のモデルとアップ撮影用のモデルだ。アップ撮影用のモデルは、T-Rexの大きさを表現するために、巨大な足だけのモデルとなっている。しかも実際の映画撮影と同じように、クレーンに取り付けて操作する、という芸の細かさだ。
 さすがは世界のレゴブロック!

セット全景。撮影される側はもちろん、撮影スタッフの作りこみがスゴイ アップ撮影用のT-Rexの足。手動のクレーンで上下に動かせる


パソコンに編集ソフトをインストール!

 撮影スタジオ (ジオラマ) を組み立てたら、撮影と編集を行なうパソコンをセッティングする。CD-ROMをドライブに入れ、編集ソフトと、ムービーカメラ用のドライバをインストール。続いてムービーカメラを接続して表示テストを行なう。お! なかなかキレイに写るではないか。カメラの映像は、明度や彩度の調整も可能。これは編集ソフト側でも行なえるので、とりあえずこのままにしておき、準備完了。あとはソフトを立ち上げ、撮影をスタートするのみ!

通常は、フィギュアを座らせておくカメラシート。前後左右に動く カメラシートの代わりに、ムービーカメラを設置すれば、映画のような視点で撮影できる


いざクランクイン! そして撮影中止?

 撮影スタジオ (ジオラマ) 上にフィギュアを配置して、撮影をスタート! 筆者が心の中のメガホンを手にしたとき、突然トラブルが発生。編集ソフトの「Recording」ボタンを押すと、なぜか「不正な処理」となってしまい、ソフトが強制終了してしまう。別のパソコンでも何度かテストしてみたが、やはり同じようだ。どうやら英語版ソフトのため、日本語のOSではうまく動作しないようだ。原因がつかめぬまま、やむなく撮影終了 (はや!) 。しかし編集ソフトには、あらかじめサンプルのムービーが入っているので、今回は、それを使って編集作業を体験することにした。

ベンリな編集機能が満載!

 編集ソフトでは、各カットのつなぎあわせ、場面転換のエフェクトの挿入、音声や効果音の組み込みなどを行なえる。映像には、文字の重ね合わせも可能なので、タイトルやセリフを組み込むこともできる。どの操作も、基本的にマウスでドラッグ&ドロップするだけ。とてもカンタンだ。サンプル・ムービーは、全部で11カット。いずれも、紹介するパッケージに含まれるブロックだけで撮影可能なものだ。ムービーのストーリーは、「ビルをなぎ倒しながらT-Rexが暴れまわる」というもの。さっそくカットを組みあわせて、編集作業を行なってみる。

カット1 地響きとともに、崩れるビル
カット2 逃げ惑う登場人物がつまづき、抱えていたネコが地面に落ちる
カット3 ビルをなぎ倒しながら、T-Rex登場!
カット4 ネコがT-Rexの巨大な足の下敷きに!

 4種類のカットを組みあわせると、ざっとこんな内容になる。しかし、ネコが踏まれるのはかわいそうなので、このカットは削除。カット1、3、2の順番に変えてみる。「よしよし。ネコちゃんよかったねえ」。さらに、カット3と2の間に場面転換のエフェクトを挿入。「なるほど。こんな切り替え方もいいねえ」。今度は効果音を付けてみる。「もっと迫力があって、バーン! とくるやつないの?」

 面白い! ムービーの編集が、こんなに夢中になれるとは! カットの組みあわせ方で変化するストーリー。効果音や文字表示の挿入で、グッと増す臨場感。同梱されている編集ソフトの使いやすさのおかげかもしれないが、気が付くとあっという間に2時間以上が経過していた。

T-Rexの巨大な足が、地面を踏みつけるカット。重厚な効果音がほしいところ 逃げまどう登場人物。抱えているネコのブロックもパッケージに入っている


日本語版が早くほしい!

 英語版だけに、ガイドブックや説明内容もすべて英語で書かれている。それでも編集ソフトの操作などはアイコン化されていてわかりやすいため、ひと通りの操作をすぐに覚えることができた。ソフトが正常に動作しなかったのがとても残念だ。
 背景セットや登場キャラクタにレゴブロックを使い、ユーザーのアイデア次第でいくらでもストーリーの幅が広がる。ブロックだからこそ可能な面白さだ。映画撮影についてまったくシロウトな筆者でも、どっぷりとハマってしまった。

 今回のレポートで、とにかく日本語版が早くほしい! と思っていたら、なんとレゴジャパンが3月から4月に「レゴ&スティーブンスピルバーグ ムービーメーカー」を含むレゴスタジオシリーズの国内販売を予定しているとのこと。すでに筆者は「買う!」と心に決めている。

パッケージに入っているフィギュア全種。撮影用のカメラなどの小道具も細かい ヒゲにメガネ。そう、スピルバーグ監督がモデルと思われるそっくりさんフィギュアがセットされている


□LEGOのホームページ (英文)
http://www.lego.com/
□「LEGO & Steven Spielberg MovieMaker Set」のページ (英文)
http://www.lego.com/studios/

(2001年2月22日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.