Windows 10 ゲームマラソン

「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」 PC版最強伝説!

全ゲーマー必携の傑作。Windows 10パワーで隅々まで遊びつくそう

【Metal Gear Solid V: The Phantom Pain】

販売中(2015年9月1日)

8,400円(Steamダウンロード販売)

Windows 10への対応状況(9月6日現在)
動作状況★★★★(快適に動作)
メーカー対応現在検証中
Windows 10独自機能Game Bar(ウィンドウ・ボーダレスフルスクリーン表示時のみ)
不具合報告なし
サポート情報公式ページ

 ついに発売された、超大作「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN(以下「MGSV」)」。圧倒的なボリュームと遊びの幅、そして職人気質な作りこみが隅々まで成された本作は、過去最高の「メタルギア」であるばかりでなく、革命的なステルスゲームであり、近年最高のゲームでもある。洋ゲーファンも和ゲーファンも、コアゲーマーもカジュアルゲーマーも、いざ活目してプレイすべし!

 PCゲーマー的に素晴らしいところは、本作は「メタルギア」シリーズとして初のWindows版であるにもかかわらず、PCゲームとしても完璧に近い出来ばえになっているところだ。昨年登場したプロローグ版「MGSV: GROUND ZEROES」も充分に素晴らしかったが、本作はさらなる最適化を加えられており、グラフィックスパフォーマンスが大幅に向上。幅広いPC環境で、Windows版ならではのリッチさで遊べることまちがいなしだ。

すべてを失ったビッグ・ボス、新たな戦いに挑む

世界を驚かす和ゲーの魂

ただの一瞬も目を離せない、驚異の作り込み
シナリオ、演出、ゲームプレイの完全な融合
見所しかない。ぜひPC版で高品質の映像を楽しみたい
伝統の「!」マークと、あの効果音。モダンとレトロが違和感なく同居

 本作のゲーム内容については弊誌レビュー記事など多数の記事でお届けしてきているので本稿では深入りしないが、筆者の感想として、これまで海外のAAAタイトルを浴びるようにプレイしてきたPCゲーマーとして、衝撃を受けた部分について書いておきたい。

 本作はKONAMIの内製エンジン「FOX ENGINE」を基盤とし、フォトリアルなグラフィックス、オープンワールドのゲームプレイ、スムーズなアクションと幅広い遊びをいずれも高いレベルで備えている。ここまでは海外のAAAクラスでも珍しいことではない。

 本作が凄いのは、その上で、まさに和ゲーの魂というべきか、「メタルギア」制作チームならではのこだわりが随所に込められていることだ。まずストーリー冒頭シーン。ひとかけらの使い回しも見られない、流れるようなシネマティックとゲームプレイの融合。およそ1時間に渡る長尺のプロローグの、全ての1秒1秒が特別なものに見えるほどの作り込み。

 海外ゲームではゲームプレイとカットシーン混じりの尺が続く場合、いかにもシステマチックなカメラアングルの使い回しとか、モーションの繰り返しとか、よく見ればわかるレベルで「効率化」が行なわれている事が多いが、本作はそれが一切ない。全ての瞬間が手作りの凄みを持っているのだ。

 プロローグを終えてオープンワールドに突入しても、衝撃は続く。オープンワールドのゲームというのは世界の大きさに比例してゲーム体験が散漫になりやすい。やれアイテム収集だ、やれゾーンのアンロックだ、やれお使いクエストの消化だ、とやっているうちにやがてフリーローミングは楽しさよりも作業を繰り返すことの退屈が勝ってくる。

 本作はそれを、マザーベースを起点として各ミッションに「出撃」していく構造を持ち込むことで、ゲームの面白いところをギュッと集約。オープンワールドゲームの弱点を見事な方法で克服している。それでいて、フリーローミングをしたければ、したいようにできる完全な自由度も確保されている。

 そういった“ゲーム的なおもしろさ”への追求ぶりは、まさに和ゲーの得意とするところ。最強のステルスとしてのダンボール箱、敵に見つかったときに発するおなじみの効果音をはじめ、今世代のフォトリアルなグラフィックではシュールに見えてしまうフィーチャーも、実際そのままシュールに描き出している。そこが徹底しているから違和感がない。最先端のステルスプレイと、フォトリアルな映像と、レトロゲーの雰囲気すら感じさせるゲームフィーチャーが完全に調和しているのだ。スゴすぎる。

 この作り込みやコダワリのありかたは、海外トップのゲームクリエイターにも大いに影響を与えるはずだ。まったく「メタルギア」制作チームの職人芸は、完全にゲームファンの想像を超えている。

マザーベースの拡張とガジェットの開発といったマネジメント要素と、繰り返す戦場への出撃。オープンワールドでありながらすべての瞬間に濃密な体験がある

PC版ならではの高品質に加え、Windows 10ならGameDVRも使える!

高解像度モニタなら遠方からの偵察もサックサクに
敵の配置を素早く把握、スムーズに潜入できる
「Ground Zeroes」ではかなり重かった「ボーダレスフルスクリーン」も、本作では非常に軽量になった
全グラフィックス設定を最大に設定しても、期待以上に軽い。どんな魔法を使っているのか……

 PC版で本作を遊ぶなら、筆者がぜひおすすめしたいと考えるのがフルHD(1,920×1,080)を超える高解像度モニタを使ったプレイだ。筆者はひとまわり高解像度な2,560×1,440解像度のモニタを使っているが、PS4やXbox 360版のフルHD描画に比べ、遠景の情報量がかなり増してくる印象だ。

 これは特に敵拠点への潜入前、偵察中のしやすさに効果がある。フルHDでは見えづらい小さな人影も、より高解像度のモニタでならよりよく見える。通常視点で素早く敵の配置の見当をつけ、双眼鏡でのズーム&ターゲッティングはピンポイントで素早く実効できるので、偵察→侵入の流れが非常にスムーズだ。

 そして本作はありがたいことに、高解像度でもかなり軽量に動作する。筆者環境はGPUにGeForce GTX 980を使っているが、「MGSV: Ground Zeroes」ではグラフィックス設定を全て最高にすると60fpsを維持できず、50fps近辺まで下がるシーンが多かった。しかし本作ではありとあらゆるシーンで60fps張り付きである。「MGSV: GROUND ZEROES」から本作の発売まで、かなりゲームエンジンの最適化が行なわれてきたことは間違いない。

 またPC版ではゲームパッドだけでなくマウス&キーボードでのプレイも可能だ。しかも同時に使えるので、ステルスプレイはゲームパッドでやり、撃ち合いになって精密に射撃したいときにはマウスを使う、なんていう都合のいいプレイすらできる。ビックリするほど快適。

 そしてWindows 10ならではのゲーム機能であるGameDVRも利用可能だ。グラフィックスオプションで画面モードを「ボーダレスフルスクリーン」か「ウィンドウ」にすることでGameBarをいつでも呼び出せる。「MGSV: GROUND ZEROES」ではこれらの設定にするとフレームレートがだだ下がりになっていたが、本作ではエクスクルーシブ・フルスクリーンモードとほとんど変わらないパフォーマンスで動作してくれるのがありがたい。

 華麗なステルスプレイや、時折発生するシュールで笑える瞬間など、GameDVRのバックグラウンド録画機能なら撮り忘れもなし。遊びの幅が抜群に広い本作だからこそ、この機能が本当にありがたく思えるはずだ。

 「MGSV」は全プラットフォーム中、間違いなくPC版が最強で、その中でもWindows 10でのプレイが最もオススメだ。ぜひみなさんも、最先端の環境で最高の「メタルギア」をプレイして欲しい。

(佐藤カフジ)