★ピックアップ アーケード★
「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2010-2011」連載:第4回 |
欧州および南米のトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンなどで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。 |
2011年秋より「ワールドクラブ チャンピオンフットボール(WCCF)」シリーズ最新作「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2010-2011(以下:WCCF IC 2010-2011)」が全国で順次稼動を開始した。今回の攻略連載は、おおよそ月に1回の連載ペースで行なっていく。今回は諸事情により、前回3月末の更新以来、約3カ月ほど間隔が空いてしまうことになった。ご容赦いただきたい。
今回は4月に追加された選手カードのインプレッションを中心にお届けする。追加カードは既存の2010-2011の選手カードとともに排出されるため、コレクションするのはそれなりに手間がかかる。排出開始から時間が経っているとはいえ、まだそろえられていない選手がいることだろう。今回の記事を参考に、追加された選手カードを使いこなしていって欲しい。
ちなみに基本的な操作方法は、ICカード購入時に封入されている小冊子にまとめられている。ごく基本的な操作方法や店内の試合スケジュールについては、その小冊子で確認するとよいだろう。
※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ WCCF IC 2010-2011 Ver.2.0 新カード詳細
追加カードのカテゴリは、3つの新クラブチーム(ユベントス、FCポルト、アトレチコ・マドリード)とヤングスター(YGS)、ワールドベストイレブン(WBE)、オ-ルタイムレジェンズ(ATLE)のカテゴリだ。すべて合わせると73枚にもなる。ここではカテゴリに関係なく、ポジションごとにピックアップして特徴のある選手カードを紹介していこう。
■ ゴールキーパー
ゴールキーパーはゴールを守る最後の砦。セービング能力はディフェンス値(DEF)で示され、18以上あれば安定したセービングが期待できる。前に飛び出してキャッチするには、スピードが必要。これはSPEの数値でおおまかに表されている。追加カードのゴールキーパーで注目したいのは、FCポルトの守護神エウトンと、WBEに選ばれたエドウィン・ファン・デル・サールの2選手だ。
エウトンは飛び出しの速度に優れており、SPE値14はビクトル・バルデス(SPE値15)に次ぐ数値。飛び出してキャッチするタイプのプレーヤーには使いやすいはずだ。通常のシュートに対するセービングも悪くない。またKPはクロスセービングなので、クロスへの対処もうまい。レギュラーカードのGKとしてはトップクラスの性能を持っているといえるだろう。
エドウィン・ファン・デル・サールは、セービングに定評があるキーパーである。またTEC値が16と高いため、キャッチングの技術に優れる。KPはクロスセービング。クロスやハイボールに対して飛び出して、確実なキャッチを見せてくれるだろう。欠点は飛び出しが遅いこと。ただしワールドクラスゴールキーパー(WGK)のファン・デル・サールに比べて、SPE値が上がっているので多少改善されている。
エウトンは非常に使いやすく、セービングにも安定感がある。ただしPKに対しては特別な能力があるわけではない | 総合的に高い能力を持っているファン・デル・サール。飛び出しは遅めだがキャッチに優れている |
■ センターバック
センターバックは、中央を守るディフェンスの要である。1対1の守備にはディフェンス(DEF)、パワー(POW)が必要とされ、スピードがあればカバー範囲が広くなる。DEF、POWは17以上、SPEは13以上あれば安定した守りが期待できる。SPE値に関しては、カード表記のSPE値が低くてもチェックが速いタイプの選手がいる。SPEが低いからといって使わないのではなく、いろいろ試してみると選手選考の幅が広がることだろう。
追加カードの中で、高い能力を持っているのがWBEのネマニャ・ビディッチとジェラール・ピケ。特にビディッチは1対1の守備には非常に強く、歴代の優秀なセンターバックと比べても遜色がない。SPE値が13と低いように感じられるが、実際には相手選手へのチェックが速いので問題なし。むしろボールを奪ってからのフィードがやや不正確なので、この点には注意したいところだ。
ピケの最大の特徴はKPにアンチファンタジスタを持っているところ。1対1の守備ではビディッチのほうが上だが、粘り強さがありフィードが正確。こちらも計算できるディフェンダー(DF)のひとりである。
ATLEではロナルド・クーマンがセンターバックを任せられる。パワーとディフェンス力に優れ、判断力が高いのが特徴。危険な場所にいち早く顔を出してくれるのがいい。フィードも正確で安定感がある。90分通して使うとスタミナ面にやや不安があるので、コミュニケーションでランニングさせるとよいだろう。
そのほかATLEのセンターバックにはフェルナンド・コウトがいる。高いヘディングで得点力があるDFだが、スピード、スタミナの点で不安が大きい。個人的には使いづらい印象がある。
追加された3チームの選手の中では、アトレチコ・マドリードのディエゴ・ゴディンが優秀。レギュラーカードながらDEF18、POW18、STA16と破格の能力を持っている。スピードがやや遅いが、対人能力は高い。
ビディッチの対人能力は非常に高い。POW20、DEF20を兼ね備えているカードは、長いWCCFの歴史の中でも09-10のENSジョン・テリー以来2枚目となる | 今回追加されたATLEで、守備力が高いのはロナルド・クーマン。センターバック、リベロともに使える | スタミナがあり、1対1に強いディエゴ・ゴディン。やや足が遅いので、個人能力を伸ばすときはダッシュの練習がお奨めだ |
■ サイドバック
サイドバックは現代サッカーにおいては攻守の両面が求められるポジションである。しかしここでは、サイドの深い位置を守ることを重視し、守備的な選手を紹介していこう。守備的なサイドバックではDEFが14以上、POWが15以上、SPEが15以上は欲しいところ。フル出場させて使うなら、スタミナは16以上必要だ。
ATLEでは、アーセナルのリー・ディクソン、マンチェスター・ユナイテッドのデニス・アーウィンがサイドバックとして有名な選手である。どちらも守備力については合格点で、スタミナがフル出場させるにはぎりぎりというところ。二人を比較すると、リー・ディクソンはどちらかというと守備能力が高いタイプで、正面からがっちり止めてくれる。いっぽうデニス・アーウィンの特徴はスピードの速さ。抜かれても走って再び追いつけるほどの速さがある。
新規チームのカテゴリーからは、ルイス・ペレアとニコラス・エルナン・オタメンディが優秀なサイドバックとしてピックアップできる。どちらもSPE値が高く、サイド突破に対して強いタイプ。しかしフル出場させるにはSTA値が足りないので、選手交代を視野に入れておこう。
WBEのダニエウ・アウベスとマルセロは、攻撃的な選手なので低い位置で守備をさせるのは得策でない。攻撃力を活かすなら、サイドハーフの位置で使ったほうが良いだろう。
リー・ディクソンは守備力が高い。パスも正確で安定した能力を発揮する | デニス・アーウィンはスピードに優れ、シュート力も高い。ウイングとして使ってもよいだろう | オタメンディは足の速いサイドバック。1試合フルに使うためには、スタミナを伸ばすことが必須だ |
■ 守備的ミッドフィルダー
守備的MFは、中盤の低い位置で相手チームの攻撃を受け止める働きをする。DEF13、POW14以上でスタミナが多い選手が理想だ。今回の追加カードでは、レアカード枠にこのタイプの選手が少ない。追加された3チームの選手では、ユベントスのフェリペ・メロ、FCポルトのフェルナンドが典型的といえる。
フェリペ・メロはDEF13、SPE13と数値は少し物足りないが、積極的にチェックに行ってくれるタイプなので使い勝手はよい。テクニックもそれなりにあり、パスセンスもよい。またコーナーキック時の得点力が高いのもポイントだ。
フェルナンドはDEF16、POW16、STA18とレギュラーカードでは破格の能力を誇る。足は遅いが、個人能力が成長すると動きがよくなってくる。最終ラインの前、リベロの位置に配置するとよい仕事をしてくれるはずだ。
WBEのダニエウ・アウベスとマルセロはサイドバックではあるが、どちらも攻撃が持ち味。中央寄りのサイドハーフに使えば、ディフェンス力の低さもそれほど気にならない。筆者のお奨めはマルセロ。中盤でボールを奪い、高速でドリブルして前線にボールを配給してくれるのがいい。
フェリペ・メロは能力の高い守備的MF。なぜかコンディションがダウンしやすい傾向が見受けられるので注意しよう | フェルナンドは、足の遅さ以外はトップクラスの能力を持つ。グランドでダッシュをさせ、スピードを上げていくとよい | マルセロはサイドハーフ、ボランチでの使用がお奨め。SPE値はダニエウ・アウベスより劣るが、実際のドリブルスピードはマルセロのほうが速い印象だ |
■ 攻撃的ミッドフィルダー
攻撃的MFは、トップ下や、セカンドトップとしてFWへの攻撃のつなぎ役を務める。ここではそのほかに、サイド突破を目的としたウイングの選手もまとめて扱っていこう。
ATLEで攻撃的MFに分類されるのが、ロベルト・ディ・マッテオ、ロナルド・デ・ブール、スティーブ・マクマナンといったところ。ディ・マッテオはテクニックとスタミナに優れており、正確なパス回しが特徴。パスの成功率は非常に高い。欠点はスピードで、ダッシュ力はやや物足りない。トップ下に使うのが基本だが、ある程度ボール奪取もできるのでボランチに使ってもいいだろう。ロナルド・デ・ブールは安定感のあるパス回しが期待できる。目立った特長がないが、ミスが少ない。
スティーブ・マクナマンは典型的なドリブラーで、スピード、シュート力にも優れる。欠点はパワーの少なさで、当たりには弱い。スタミナは14~15程度と思われ、フル出場させるにはやや厳しい。
WBEのカテゴリのシャビ、イニエスタ、ライアン・ギグスは非常に優秀だ。特にシャビはボランチ、トップ下ともに使えるので重宝するだろう。また注目すべきはヤングスターのマリオ・ゲッツェ。テクニックとスピードに優れており、スルーパス、突破からのシュートともに狙える逸材だ。POW11ではあるが、テクニックに優れているので数値ほどの当たりの弱さは感じない。STA13も気になるが、これも実際には数値以上のスタミナを持っている。
レギュラーカードでは、FCポルトのジョアン・モウティーニョに注目。最大のポイントは、KP戦術のトライアングルパスワークがSまで伸びるところ。トップ下に配置し、キープレイヤーにすることでパスが気持ちよく回る。POW10ではあるが、この選手も数値ほどの当たりの弱さは感じない。
ホセ・アントニオ・レジェス、ミロシェ・クラシッチはスピードとテクニックが持ち味のウイングタイプ。シュート力もあるので、MF登録だがフォワードとして使っても問題ないだろう。特にレジェスは決定力が高く、レギュラーカードのFWとしてトップクラスの力を持つ。ぜひ試してみてほしい。
ディ・マッテオは、今年度のチャンピオンズリーグで優勝したチェルシーの監督。足は遅いが、テクニックとスタミナに優れた選手だ | マリオ・ゲッツェは数値以上のキープ力とスタミナがある。ただし同じドイツにエジルという強力なライバルがいる |
ジョアン・モウティーニョは、EUROでもポルトガルの心臓として活躍する、代表キャップ40越えの名選手。数値以上の能力を誇る | 05~06以来の登場となるレジェス。OFF16ながらシュートの決定力が魅力。特に角度のあるところからのシュートが決まりやすい |
■ フォワード
フォワードは得点を取るために非常に重要なポジションである。求められる能力はオフェンス(OFF)、パワー(POW)、テクニック(TEC)、スピード(SPE)となる。オフェンスはおもにシュートの決定力の目安になる。現バージョンで得点を取るにはDFに対する突破力が重要で、突破のためにはパワー、テクニック、スピードを高いレベルで兼ね備えているかどうかがポイントになる。
今回の追加カードの中では、WBEのクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの能力が飛び抜けている。このふたりの能力は、WCCFでカード化された歴代のFWの中でもトップレベルといっていいだろう。どちらも今年度すでにレアカード化されているが、WBEは既存の選手カードと印象が微妙に違うので試してみるとよい。たとえばWBEのメッシはMVPと比較するとスタミナは落ちるものの、POW値が1上がっている。また相手ボール(またはルーズボール)に対するチェックが非常に速いことが印象に残る。
WBEではこのふたりのほかに、FCポルトのラダメル・フォルカオ・ガルシアがカード化されている。OFF20、SPE18という優れた能力を誇り、パワーとテクニック値も悪くない。歴代のFWと比べても優秀で、攻撃の軸としてチームを組み立てられるほどの能力を持っている。スタミナに若干の不安があり、後半になると決定力がやや落ちるので注意しよう。
ATLEで注目されるのはエリック・カントナ。もっとも優れているのはシュートの決定力で、OFF値は20くらいあると思われる。逆に欠点といえるのはスピードの不足。優れたDFに対応されると突破するのは難しい。パスセンスに優れているので、トップよりもセカンドトップとして使うのがお奨めだ。KPはキング・オブ・フットボールだが、KPをオンにするとスタミナの消費が激しいのでお奨めしづらい。
ATLEで特徴がはっきりしているのはオリバー・ビアホフ。典型的なパワータイプで、スピードはかなり遅め。だがボールを収める能力は特筆もので、味方ディフェンダーが蹴ったロングボールに対し、競り勝つシーンも多く見られる。現バージョンでパワータイプは不遇ともいえるが、個性的な選手であることは間違いない。
追加3チームの中では、ディエゴ・フォルラン、セルヒオ・アグエロのアトレティココンビと、FCポルトのフッキが優秀。フォルランは決定力が高く、カードの数値以上の能力を見せる。アグエロはキープ力に長けており、これも決定力が高い。STA値は15だが、フルに使っても終盤で決定力が落ちないのは強み。フッキはシュート力に優れており、前年度のカードと比べるとアシストもうまくなった。スタミナはやや足りないので、交代を前提として使おう。左利きなので、右足でシュートさせると破壊力が落ちるのが惜しい。
レギュラーカードでは、ユベントスのアレッサンドロ・マトリと、FCポルトのシルベストレ・バレラが使いやすい。マトリはパワーがあり、シュートの決定力が高い。バレラはスピードが持ち味だ。
フォルカオ・ガルシアは10-11UEFAヨーロッパカップの決勝戦でゴールを決めた選手。FCポルトの優勝に貢献した | エリック・カントナは“キング”の名で呼ばれたマンチェスター・ユナイテッドの英雄。KPはもちろんキング・オブ・フットボールだ | フォルランは数値以上の勝負強さを見せる選手。チームメイトのアグエロとは、特別に連携がよいわけではないので注意しよう |
■ 最後に ~さまざまな選手を試してみよう
今回は4月に追加された新カードのインプレッションを中心に紹介した。ただ対人戦の勝利のみを求めるならば、クリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシらを中心にチームを組み立てることになるだろう。しかしCPU戦で高い勝率を保つことを目標とするなら、個性的なさまざまな選手を使う余裕が出てくるはず。このような遊び方は、どちらかといえば玄人好みの楽しみかもしれない。しかしいろいろな選手を使えば、本作の幅広い楽しさ、奥深さを感じることができるだろう。
※第5回目(最終回)は7月下旬頃に掲載予定です。
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(2012年 6月 15日)