★ピックアップ アーケード★
「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2010-2011」連載:最終回 |
欧州および南米のトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンなどで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。 |
2011年秋より「ワールドクラブ チャンピオンフットボール(WCCF)」シリーズ最新作「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2010-2011(以下:WCCF IC 2010-2011)」が全国で順次稼動を開始した。おおよそ月に1回のペースで行なってきた攻略連載だが、連載5回目となる今回で最終回を迎える。
今回は興味深いKP戦術などを説明しながら、そこで必要とされる選手をピックアップしていこう。筆者が実際にプレイを重ねた結果、具体的に肌で感じたところから記事を構成している。すべてを取り入れる必要はないが、気になったポイントがあれば参考にしてみるといいだろう。
ちなみに基本的な操作方法は、ICカード購入時に封入されている、取扱説明書にまとめられている。ごく基本的な操作方法や店内の試合スケジュールについては、こちらで確認するとよいだろう。
※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 特筆すべきKP戦術
筆者はこれまで、自分のチームでさまざまなKP戦術を試してみた。その中でも印象に残ったKP戦術をあげていこう。また今年度のカードで、そのKP戦術を持っている選手についてもとりあげていく。
● フィールド支配
ジネディーヌ・ジダンなど名だたる選手のカードが持っているKP戦術で、キープレイヤーによるフィールドの制圧を意識した攻撃を行なう。使ってみると高速で精度の高いパスを供給する点が目立つ。パス精度が高くなる点が優れているが、それがより活きるのはミドルパスまたはロングパス。そのため選手どうしの間隔が短い中央突破に特化したスタイルでは、その強みが目立たない。サイドアタックを意識して2TOPの距離を離すフォーメーションや、ウイングを起用する3TOP気味のシステムのほうが使いやすいだろう。
ランクを上げるためのパラメーターは「支配」。筆者の印象では、フィールド支配がその本領を発揮するのはランクがSとなってから。このKPを主力とするなら、支配のパラメーターを限界まで上げてやる必要がある。
今年度のカードではASローマに所属するデ・ロッシがフィールド支配を持っている。ロッシはレアカードでこそないが高い能力を誇り、フィールド支配をSまで成長させられる点が優れている。本来は守備的MFとして使うのが一般的だが、KPを活かすならトップ下に置き、ラストパスの供給役とするのも有力。
デ・ロッシはスタミナ抜群の守備的MF。スペシャルカードでフォールド支配をランクSまで伸ばすことができる、歴代でも唯一の選手カード | デ・ロッシをトップ下に置き、フォワードに高速ミドルパスを供給する。決定的なところへパスを通し、FWの個人能力でシュートまで持ち込もう |
● ファイティングスピリッツ
チーム全体の戦う意識が向上するKP。ボールへの執着力が高くなり、結果的に敵陣でのボール奪取がしやすくなる印象がある。ボールを持った後にふらふら動いてしまうことも少なく、まっすぐにゴールを目指すようになる。その性質から、中央突破に特化したスタイルと相性が良い。敵に奪われたボールを前線ですぐに取り返し、空いたスペースに走りこむことができる。ランクを上げるために必要なパラメーターは「オフェンス」。
またこのKP戦術は、レギュラーカードが多いチームにも有効。レギュラーカードのFWはバイタルエリアに入ると弱気になり、迷走してしまうことがある。しかしこのKP戦術を使うとひるむことなくゴールを目指して動いてくれるので、能力を十分に発揮させられる。
今年度でこのKP戦術を持っているのはレギュラーカードのガブリエル・エインセとATLEのパベル・ネドベド。筆者がオススメしたいのはエインセだ。エインセは最終ラインで使うのではなく、守備的なサイドハーフとして中盤で使うのがオススメ。中盤で守備をさせれば、そのディフェンス値の高さが活きてくる。ランクはA止まりだが、このKP戦術はランクBから効果を実感できるので十分だと思われる。
エインセはスタミナ、ディフェンスに優れたサイドバック。配置する位置はサイドハーフがよい。サイド突破を高い位置で止めてくれる。交代せずにセンターバックで使うのはあまりオススメできない | ファイティングスピリッツは前線でのボール奪取が魅力。対CPU戦で高い勝率を維持するには、とても役立つKP戦術だ。攻撃的なKPだが、守備にもそれなりに役立つ |
● スペースメイキング
使用しているプレーヤーは少ないが、敵陣にスペースを作り出すという意味でとても興味深いKP戦術。筆者の印象では、設定した選手に相手DFが引きつけられ、ディフェンスラインにほころびを作り出しているように見える。がっちりゴール前を固められたときに効果を発揮する戦術で、攻撃のオプションとして有力な選択肢になりうる。相手の最終ラインを崩すためには、キープレイヤーはセカンドトップか、トップ下に配置するのが望ましい。いっぽうライン際のウイングに配置した場合は、それほど効果は感じられない。そのため、結果的にやや中央寄りから突破していく戦術となる。
ランクを上げるために必要なパラメーターは「オフェンス」。その効果を活かすためには、できるだけランクを上げたほうがよい。ランクA以上まで育っていれば、それなりの効果を期待できる。
スペースメイキングを持っているのはWCFのディディエ・ドログバ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、ディルク・カイトら。オススメなのはディルク・カイトで、トップ下に起用するといいだろう。スタミナがあるので1試合フルに動けて、安定したパスを供給してくれる。
ディルク・カイトはスペースメイキングのランクがSまで成長する。ヨハン・クライフやスナイデルらのオランダ勢はもちろん、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシとの相性も悪くない | トップ下に配置したキープレイヤーにディフェンダーが引き付けられ、最終ラインにギャプができる。そこをFWが突いていくというのがスペースメイキングの戦法だ |
● アンチファンタジスタ
守備の基本戦術として、ゲームセンターで広く一般的に使われているKP戦術。相手のテクニックに注意を払って守るところに特徴があり、テクニック値の高いファンタジスタを封じることができる。ランクを上げるために必要なパラメータはディフェンス。
この戦術はそれほどクセがないので、使いやすいところも利点。陣形があまり乱れることなく、無難に守ってくれる。攻撃するときもこのKP戦術にしているとやや決定力が落ちると感じるが、これは守備のKP戦術に共通するところ。それほど大きなマイナスとはいえないだろう。
アンチファンタジスタを持っている選手は数多くいるが、今年度はWBEのジェラール・ピケ、スペシャルカードのリカルド・カルバーリョ、エステバン・カンビアッソらが持っている。中でもオススメなのがWBEのピケだ。ピケは1対1の強さ、フィードの正確さを兼ね備えているのが魅力。筆者はいろいろなDFを最終ラインで使ってきたが、現バージョンでは歴代の名だたるディフェンダーと比べても遜色のない活躍をしている。今年度最高のDFと言っても過言ではないだろう。
WBEのジェラール・ピケは、ディフェンスの安定感が抜群だ。パスミスも少ないので、センターバックの要として使うことができる。アンチファンタジスタのKPも非常に役立つ | アンチファンタジスタのKP戦術を設定すれば、テクニック系のFWに対して安定した守備を見せてくれる。ただしカバーリングの速度やタックルなどに大きな変化は見られない |
● ペナルティエリアブロック
ペナルティエリア内を死守するKP戦術。積極的にスライディングタックルを仕掛け、チェックやカバーリングのスピードが速くなる印象がある。注目すべきはスライディングタックルの頻度の多さで、相手のFWと正対していなくてもボールを奪ってくれる。現バージョンはアンチファンタジスタを愛用するプレーヤーが多いが、状況によってはアンチファンタジスタ以上の守備の堅さを生み出すことができるKP戦術である。ランクを上げるために必要なパラメーターはディフェンス。
ただしペナルティエリアブロックには欠点もある。スライディングタックルが増えるので、そのぶんファールを犯す可能性も高くなってしまうのだ。このデメリットを致命的とみるか、守備の堅さと比較して許容するかで評価は変わってくる。
今年度でペナルティブロックを持っているのはスペシャルカードのネマニャ・ビディッチとルシオ。どちらも能力の高い選手なので、試してみると良いだろう。
今年度のルシオはスピード値が例年より高く、ペナルティエリアブロックのKP戦術を持っている。スペシャルカードだがレアカード並みに優秀な能力がある | ペナルティエリアブロックを設定すると、必死でカバーに走りタックルをして相手FWを止めてくれる。ただし反則も多くなるので注意しよう |
■ MFのFW起用について
今年度の選手でFW顔負けの得点力を誇るのが、セスク・ファブレガスとべスレイ・スナイデルのふたり。トップ下が本来の位置だが、どちらもシュート力が非常に高い。本職のFWと比べてもトップクラスといえるだろう。テクニック値が非常に高く、ボールを奪われないところも共通している。そのため突破力にも優れており、ドリブルで抜き去るシーンもしばしば見られる。
あえて欠点を言えば、ロナウドやメッシと比べてスピード値が劣ること。しかしテクニックが高いため、実際のドリブルの速度はかなり速い。またキープ力があるので、いったん抜き去れば再度追いつかれてボールを奪われることはまずない。
個別に見ていくと、セスクはドリブルのステップが細かく、キーパーが飛び出してきても適切な距離でシュートを打ちやすいのが特徴。ポジショニングもよいので、セカンドトップに置けば優れたパスをトップのFWに供給してくれる。
いっぽうスナイデルは突破力に優れている。ミドルシュートも強力で、遠目からもゴールを狙うことができる。WOMのスナイデルはフィールド支配のKP戦術を持っているので、これを使いこなせばより強力なFWとなるだろう。
セスクはクリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシの両方と連携が優れている。パスしても良し、みずからシュートしても良しと、変幻自在の攻撃を見せる | この年度のスナイデルは、これまでの年度と比べて能力値が高く設定されている。突破力が高く、フリーキックでも力を発揮する |
● レギュラーカードのMFをFWとして登録
レギュラーカードのFWを使う場合、スペシャルカードのFWに比べて能力が劣る場合が多い。今年度はハビエル・エルナンデス、カリム・ベンゼマら、優秀なFWがいるが、能力の劣るFWを使うくらいなら優秀なMFをFW登録するのも1つの手段である。狙い目はテクニックとスピード値の高い選手。前回の連載で紹介したホセ・アントニオ・レジェス、ジョー・コール、ヘスス・ナバスらは、サイドに近い位置に置いてFWとして使っても機能する。
ジョー・コールは例年よりパワー値が上がったため、やや突破しやすくなった。個人能力の星が増えるまでは使いづらいが、成長すれば攻撃的になる | ヘスス・ナバスはドリブルテクニックに優れている。パワー値が低いので接触プレイには弱いが、シュートの決定力は十分にある |
■ 交代を利用したレギュラーカードDFの使い方
本作では試合中に3人まで交代が認められている。後半から交代することで、フレッシュな選手を投入できるのは大きい。できるだけ交代枠は使い切っていこう。特に目立つのは、交代したDFの能力の高さだ。後半開始時に交代すると、先発したDFに比べて格段に高い能力を発揮してくれる。1対1でドリブルを止めるだけではなく、パスカットのポジショニングも向上するので守備が引き締まる。
レギュラーカードのDFは、スペシャルカードのDFと比べてスタミナが落ちるものが多い。しかし交代を前提で使うならば、レアカードのDFと遜色のない能力を発揮させることができる。特に後半に効果を発揮するので、うまく使っていくといいだろう。
本年度のレギュラーカードで有力なのは、セバスチャン・スキラッチ、ブラニスラフ・イバノビッチ、ニコラス・ブルディッソ、アレクシス・ルアーノ、ゴンサロ・ロドリゲスらだ。パワー、ディフェンス値が17以上、スピードが14以上ある選手を目安に選ぶとよい。 またこれらの選手は、中盤の底に使ってもよい。後半に交代で使用すれば、守備固めのスーパーサブ的な存在として活躍してくれるはずだ。
ブラニスラフ・イバノビッチは屈強なDFで、正面からFWの突進を跳ね返す。奪ったら早めに前方へとフィードしてくれる | ニコラス・ブルディッソはカバーリングに優れている。気の利いた守備ができ、安定感があるのがよい | アレクシス・ルアーノは身体能力の高さが魅力。スペイン人なので、スペイン出身の選手どうしで連携を高められるのも利点 |
■ 最後に ~工夫して自分なりの遊び方を見出そう
今回の連載では、基本的に初心者を対象とした連載を行なってきた。ルールはそれほど複雑ではないのだが、プレーヤーの選択の幅が広いのが本作の特徴だ。強力なFWや流行している戦術は優れたものが多い。しかしそれ以外にも使える選手カード、有効な戦術はあり、知っていれば有利になる情報はたくさん存在する。工夫すれば、きっと自分なりの遊び方を見出すことができるはずだ。
連載はここでいったん最終回を迎えるが、WCCFは次の年度も続いていく。これまでの知識を参考にしながら、引き続きWCCFを楽しんでいってほしい。
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(2012年 8月 6日)