【連載第11回】あなたとわたしのPCゲーミングライフ!!


佐藤カフジの「PCゲーミングデバイス道場」


E3 2009特集:会場で見つけた面白デバイスをピックアップ!
グローブ型コントローラー、Logitechの新作スティックなどよろずご紹介


色々な意味で業界の「最先端」を走る、PCゲーミングの世界。当連載では、「PCゲームをもっと楽しく!」をコンセプ トに、古今東西のPC用ゲーミングデバイスに注目して、単なる新製品の紹介にとどまらず、競合製品との性能比較や、新たな活用法の提案、果ては改造まで、様々なアプローチで有益な情報をご提供していきたい。



 ■ 世界最大のゲーム見本市で見つけた面白デバイスたち

PCゲーマーにとって中小ブースは宝の山。今回はE3で見つけたゲーミングデバイスをご紹介しよう

 現地時間の6月4日をもって、3日間に渡って開催された世界最大のゲーム見本市、E3 2009が閉幕した。その期間中、沢山の大手メーカーがしのぎを削って最新ゲームソフトのアピールに専念するなか、ゲーミングデバイスの新製品を展示する中小ブースの存在もあった。

 2つの大ホールに散在する中小のブースをめぐってみれば、意外と数多くのゲーミングデバイスメーカーを見つけることができる。最大手のLogitechですら小さなミーティングルームをひとつ用意していただけなので、巨大ブースにド派手な出展というのは望むべくもないが、中小規模のデバイスメーカーにて面白い掘り出し物が発見できた。

 各メーカーが出展していたデバイスのカテゴリーはまさに色々で、カオス状態。PC本体から、特殊コントローラー、ジョイスティック、「こんなの家に置けないよ!!」と言いたくなる重量物までなんでもあり。今回はその中から、特に面白かったもの、感心したもの、注目すべき新製品などをノンジャンルでピックアップしてご紹介したい。

 また今回は、いつもの記事とは趣向を変え、E3会場の雰囲気や、各メーカーがどのように自社製品をアピールしていたかなど、ブースそのものの様子にも注目したい。北米市場をメインターゲットとするデバイスメーカーの取り組みがどのようなものか、多少なりともお伝えできれば幸いだ。


■ 指先の動きでRTSをプレイ? この秋発売のゲーミンググローブ「PEREGRINE」

「PEREGRINE」を開発したPrent Baier氏
「WarCraft III」を使って試す指先マクロコントロールの世界
指の各所に配置された接点でキーボードマクロを発行できる

 サウスホールの一角、中小規模のブースが所せましと立ち並ぶ空間の中に、全く新しいタイプのゲーミングデバイスがあった。Iron Will Technologiesというアメリカの会社が開発した、「PEREGRINE」というグローブ型デバイスだ。今回のE3で初公開に至ったらしい。

 グローブ型デバイスというと、かつてコンシューマー機用にいくつかの製品が発売され、消えて行った歴史がある。最も有名なのは、ファミコン用周辺機器として1990年に発売された「パワーグローブ」だろう。手の動きでABボタン、方向パッドのコマンドを発行できるという、今見ても画期的、かつ「何に使っていいかよくわからない」ものであった。

 一方、今回のE3で出展されていた「PEREGRINE」は、使用方法と使用目的がもっとはっきりしている。筆者がこの「PEREGRINE」ブースを訪れたところ、本製品の発明者かつIron Will TechnologiesのCEO、Prent Baier氏がノリノリで製品の特徴を紹介してくれたので、その内容を紹介しておこう。

 

 「PEREGRINE」の基本的なメカニズムはこうだ。人差し指から小指に複数のボタン接点があり、それに親指の先端部を接触させると、キーボードマクロコマンドが発行される。ボタン端子は各指に1~7個配置されており、指の先端、中央、側面を押し分けることで、総計30種類のコマンドが使用できる。

 

 そして、PCにとって「PREGRINE」はプログラマブルキーボードデバイスだ。専用ユーティリティを使って各接点が発行するキーストローク、あるいはキーボードマクロを設定しておけば、そのままゲームで使うことができる。対応するゲームはキーボード操作が可能な全種類だが、特にRTS系ゲームで便利であるようだ。

 グローブそのものは極めて薄手のもので、手甲部分にPC接続のための端子があるほかは、完全に柔らかい素材となっている。装着することで手の動きが制限されることは全くなく、また、親指で指先の接点に触れない限りコマンドが発行されないので、グローブをつけたまま普通にキーボードを打鍵してもいい。

 「WarCraft III」がセットアップされた試遊台で機能性を少しだけチェックしてみたが、人差し指に配置された7つの接点にスクロールやズームのキーボードストロークを当てておけば、人差し指と親指をつまんでスライドさせるだけで、狙った方向に画面をスクロールさせることができる。不思議な感覚だ。

 複雑なマクロは自分でプログラムしなければ把握できないためなんとも言えないが、たとえば中指は部隊ショートカット、薬指は建設コマンド、というふうに分類して設定しておけば、ある程度の練習後、使いこなすことが可能になるだろう。

 Baier氏によれば、同社にとってこれが初めてのゲーミング製品であるようだ。ブース展示にはかなり力を入れていたので、どうやら社運もかかっていそう。「PEREGRINE」の発売は今年の秋を予定しているそうだが、果たして市場がどう評価するか、興味深く見守りたい。


指先で30種類のマクロコントロールを可能にするゲーミンググローブ「PEREGRINE」。発売は今秋を予定しており、先行予約価格は99.95ドル、通常販売価格は129.95ドルとなっている。ある程度価格がこなれてきたら試してみたい?


■ Logitechがパーフェクトな構成のフライトコントロールシステムを開発!
 FFBスティック、デュアルスロットル、そしてラダーペダルの3点セットで9月登場

Logitechのミーティングルームで見つけた最新フライトシステム
ジョイスティックユニット
デュアルスロットルユニット
ラダーペダルユニット

 フライトシマーに朗報だ。ジョイスティック、スロットル、ラダーペダルの必需品3点がセットになったPC用フライトコントロールシステムが、お求めやすい価格で発売される。開発元はあのLogitech。フライトシマーが必要とするほぼすべての機能を備えているのにも関わらず、価格は北米向けで299ドルと、他社製品で3点セットをそろえるより格段に安い。

 本製品を見つけたのは、ウェストホールの隅にLogitechが構えていた、4畳半ほどの小さなミーティングルーム。事前に出展情報を入手していたわけではなく、よもやこのような新製品に出会えるとは思ってもいなかった次第だ。

 製品名は「Logitech Flight System G940」。ミーティングルーム内で実機デモを行なっていたので早速触らせてもらったが、まず驚いたのは、フライトシマーが欲しがる機能がほぼ完全に実装され、非常にハイエンドな内容になっていたことだ。順に紹介していこう。

 

 まずジョイスティック部には、フォースフィードバックエンジンを搭載し、親指部にハットキー型アナログスティック、十字型方向パッド、ボタン4つを装備。前面に2ステージ入力の金属トリガーを配置し、ベース部には3つのトリム調整ダイヤルを装備。特にトリムダイヤルはうれしい。レシプロ機のシミュレーターを万全に遊べるからだ。

 

 スロットルは2エンジンのコントロールが可能なデュアル仕様で、双発機の制御を完全サポート。親指部には2つのハットスイッチ、2つのアナログダイヤル、汎用ボタンが4つ。特筆したいのは、ベース部に装備された8つのプログラマブルボタン。透明なトップカバーを脱着可能で、ラベルを入れ替えることで様々な用途に利用できるのだ。兵装やナビシステムの制御にうってつけだろう。

 最後にラダーペダル。本製品はラダーペダルがセットになっているというだけでも掘り出し物なのだが、その質感もしっかりしており、単なるオマケになっていない。ステンレス製の底板、テンション調整ダイヤル、もちろんトゥブレーキもサポート。ペダル間の距離が近いため、やや窮屈だが、操縦感覚に大きな穴はない。

 これだけの内容が揃って299ドルというのは、日頃各社のフライトシステムの価格にため息をついているフライトシマーの皆さんなら、どれだけお値ごろかおわかりいただけるだろう。Logitechとしては初の本格的フライトシステムとなったわけだが、実際に触ってみて、これは他社製品がいらなくなるかも、というほどの感触を得た。ひとまず9月の欧米発売を待ち、日本法人のロジクールからの発売があるかどうか、様子を見てみよう。


「Flight System G940」は、本格的なフライトシステムとしてはLogitech初の製品だ。それでいてフライトシマーが求める機能が余すことなく実装されており、今年9月に予定されている発売が今から楽しみである


■ D-BOXの電動モーションチェアに廉価版が登場!

リッチな体感ゲーム環境を提供していたD-BOXブース
マルチスクリーン+モーションチェアのコンビはかなり強烈
廉価版「GPH-120」はシリンダー数が減り、価格が劇的に下がった

 東京ゲームショウでも出展したことのあるカナダ企業D-BOX Technologiesは、このE3でも小規模なブースを構え、主力製品の電動モーションチェアを出展していた。同社のハイエンドモーションチェア「D-BOX GP-200」については東京ゲームショウ2007のレポートでご紹介したことがあるが、重すぎる筺体、高すぎる価格と、とても一般家庭に置けるしろものではなかった。

 そこでD-BOX Technologiesでは、この春、一般家庭での利用をターゲットにした、廉価版のモーションチェアを発売。それが今回展示されていた「GPH-120」だ。それでも参考価格は2,999ドルと、一般ゲーマーが関心を持てるようなレンジではないが、すくなくとも一部のパワーゲーマーには売れると確信しているようだ。ブース内にはこの「GPH-120」だけが4台展示され、マルチスクリーンで構築されたリッチな環境を自由に試すことができた。

 この製品、ハイエンド版には4本装備されていたアクチュエーターを2本とし、全体のサイズを縮小。総重量は40kg程度となり、「平屋の一戸建てなら置けなくもない」程度のスペックを実現している。試乗してみたところ、ハイエンド版に比べるとさすがに可動範囲、パワーともに劣るものの、ゲームとの連動性は十分に感じられ、飛行機や車両の縦横Gの感覚を楽しむことができた。

 ポイントはソフトウェア面にもある。D-BOXでは、チェアの駆動を制御するためのソフトウェアサポートを多数のゲームソフトや、映像ソフトに押し広げてきた。現在では「GRID」、「DiRT」、「Need For Speed」の最新シリーズといったレースゲーム作品や、フライトシミュレーター、「Crysis」、「Battlefield」シリーズなどの最新FPSが完全対応を果たしている。また850以上のBlu-rayやDVDの映像ソフトにも対応しているという。

 小型化し、アメリカの広い家なら置いてもいいかな、というレベルにはなった駆動チェア。日本で購入を考える猛者はなかなかいないだろうが、もう少し価格がこなれてくれば、導入を考えてしまうパワーゲーマーもいるはず。次の東京ゲームショウにも出展するかもしれないとのことなので、それまで覚えておいて損はないかもしれない。


総重量40kg、価格2,999ドル。相変わらず一般家庭に置くのはきつそうだが、相当なパワーゲーマーなら導入を真剣に検討してもおかしくない水準に下がってきた


■ PC並の精度で照準できるプレイステーション 3用FPSコントローラー
 この秋発売予定の新製品「Frevolution X」シリーズはPC対応するかも?

ブースの様子。「CoD4」のトッププロ選手もデモに参加していた
SplitFishのブースにて、ノリノリで製品を紹介してくれた開発部長のJason Johnson氏
現行製品の「FragFX v2」。PS3版の「CoD4」で試してみたところ、PCのマウス操作に近い感覚でプレイできた

 スイスはチューリッヒに本拠を置くSplitFish Gamewareは、サウスホールに構えた小規模なブースで同社の主力ゲーミングデバイス、「FragFX」関連の新製品をアピールしていた。

 「FragFX」シリーズは、プレイステーション 3でFPSをプレイするためにデザインされた専用コントローラーだ。平行移動など各種操作を行なうための左手コントローラーと、照準操作を行なうためのマウス型デバイスがセットになった製品である。初代製品については一昨年、弊誌連載「使って/試してみました ゲームグッズ研究所」で詳しくご紹介しているので、基本的な機能についてはそちらを参照していただくといいだろう。

 今回SplitFish GamewareがE3に合わせて出展した新製品は、「FragFX」の機能を拡張した新シリーズ「Frevolution X」だ。これは2つの新製品、「Dual SFX Evolution」、「Dual SFX Frag Pro」のブランド名にあたり、これまでサポートしていたFPSだけでなく、レースゲームやフライトモノでも使えるよう、いろいろと改良したシリーズであるそうだ。

 

 製品について熱心に説明してくれた、SplitFishの製品開発部長Jason Johnson氏は、既存製品「FragFX」シリーズは日本でも4,000セットばかり売れたと教えてくれ、わりと真剣に日本市場を拡大したいという旨を伝えてくれた。

 

 新製品のうち後者の「Dual SFX Frag Pro」は、既存の「FragFX」シリーズをワイヤレス化したもの。スティックや光学マウスまわりにも改良が施され、「とにかくすごい精度で操作できるんだ」とJohnson氏。より新しいのは前者の「Dual SFX Evolution」。こちらは右手デバイスをマウスのかわりにモーションセンサーとアナログスティックのコンビとし、FPS、ドライブ、フライト、スポーツのいずれにでも精密な操作ができるようデザインされたコントローラーだという。

 そして大事なことだが、プレイステーション 3用のコントローラーをここでご紹介することには理由がちゃんとある。本製品について「PCでは使えるようになるのか?」とJohnson氏に尋ねたところ、「するよ!」と明快に答えてくれたからだ。「Dual SFX Frag Pro」のマウス部分はともかく、左手コントローラー部や「Dual SFX Evolution」は、FPSやその他のゲームで活用できそうなだけに、PC対応の可能性があるというのは良いことだ。ちなみにXbox 360への対応も「鋭意取り組み中」だとのこと。

 「Dual SFX Frag Pro」、「Dual SFX Evolution」の両コントローラーは、今年の秋ごろに欧米で発売を開始する予定。価格は90ドル程度になるようだが、国内版については現時点で情報を得られなかった。まずは実際にPC対応が果たされるか様子を見たうえで、並行輸入盤の入手を試みてみるのもいいだろう。


左から順番に、既存製品の「FragFX v2」、ワイヤレス版新製品「Dual SFX Frag Pro」、ゲームジャンルを問わず使えるという新製品「Dual SFX Evolution」。PC対応が果たされれば、いろいろ応用を考えてみたいところだ


■ E3会場の超ワイドスクリーン環境事情
 MatroxのTripleHead2Goで古いモニタを活用するか? Ostendoの超ワイドディスプレイか?

D-BOXブース、「TripleHead2Go Digital Edition」を使った他画面環境
CH Productsのブースにあった、「CRVD-42DWX+」を使用した超ワイドスクリーン環境

 最後に、ゲーミングデバイス関連のブースに設置されていたデモ機のモニタ環境について触れておきたい。上述のD-BOX TechnologiesやフライトスティックのメーカーCH Products、ゲーミングPCベンダーのALIENWAREなどのブースでは、リッチなゲーム環境のデモンストレーションとして、もれなく超ワイドスクリーン環境を用意していた。

 その実現方法だが、2種類に絞られていたのが興味深い。以前ならデュアル、トリプル出力対応のハイエンドビデオカードでDVIケーブルをタコ足配線という風景も普通にみられたものだが、今回は各ブースともにMatroxのディスプレイアダプター「TripleHead2Go Digital Edition」か、Ostendoの超ワイドリアプロジェクションモニター「CRVD-42DWX+」を使用していたのだ。

 前者「TripleHead2Go Digital Edition」は、2007年夏に出荷が開始された製品で、決して新しいものではないものの、1,280x1,024解像度のモニターを3画面分連結して3,840×1,024解像度の画面を構成でき、ビデオカードをほぼ選ばず、古くて安いモニターが利用できるなど利便性の高い製品だ(姉妹紙PC Watchの関連記事)。

 

 後者、Ostendoの「CRVD-42DWX+」は、リアプロジェクション方式のユニットを内部的に4面連結し、継ぎ目なく2,880×900という超ワイドスクリーンを実現したモニターだ。ユーザーを取り囲むような曲面形状となっており、高視野角の映像を臨場感たっぷりに楽しむことができる(姉妹紙AV Watchの関連記事)。

 

 今回のE3会場では両方の環境を体験することができたわけだが、やはり、単画面で継ぎ目のない超ワイド映像を楽しめる「CRVD-42DWX+」は素晴らしい臨場感。問題視されていた、リアプロユニットの境界部分が目立つ問題も、今回見たものはかなり改善されており、映像の美しさも際立っていた。しかし、本製品の問題は価格だ。米NEC Display Solutionsから今夏の製品化が予定されているものの、価格は7,999ドル。とてもゲーム用に購入するレンジではないのが悩みどころ。

 一方の「TripleHead2Go」で構成された環境は、各モニタのベゼル境界こそ気になるものの、「TripleHead2Go」本体とモニタ3台分の価格を合わせて、およそ10万円以下で調達できる手頃さが魅力。この手頃さからか、D-BOXのブースでは、これをさらに2つ連結して、総計6画面の超巨大モニタ環境を作っていた。家庭で構築できそうな環境としては、これが世界最強のソリューションだろう。

 これから超ワイドスクリーンのPCゲーム、PCシミュレーター環境を作ろうと検討している方の参考になれば幸いだ。


まだ未発売の「CRVD-42DWX+」だが、今回のE3ではいくつかのブースで見ることができた。価格次第では非常に魅力的になりそうだが、現時点ではちょっと手が出せない感じだ


■ Xbox 360コントローラーをプロ仕様でご提供します
 カスタムパーツで精度と機能を向上させたコントローラーを販売「evil controllers」

evil controllersのブース。はじめは何を展示しているのかよくわからなかったが、やがてハードコアゲーマー向けのサービスであると判明
ブースに展示されていたカスタムコントローラー
パッと見ではわからないが、ボタンには連射機能、スティックにはフォースフィードバックや精度向上のMODユニットが適用されている。最もハイエンドなバージョンはなんと199.99ドル!

 最後に、PCでも標準的なゲームコントローラーになりつつある、Xbox 360コントローラーについてのトピックをご紹介しよう。それはサウスホールの隅近くにあった、「evil controllers」の小規模ブース。

 このブースで見つけることができたのは、一見普通の外観をしているXbox 360コントローラー各種と、アナログスティックやボタンの部品だ。正直言っていったい何の展示をしているのか、当初はわからなかったのだが、実際にコントローラーを手にしてみて、初めて意味がわかった。これは、Xbox 360コントローラーの改造(MOD)版を販売している企業だったのだ。

 このMODサービスで提供する機能は大別して3つ。ひとつは連射機能だ。新品のコントローラー代金込みで109.99ドルで提供される基本モデル「STANDARD」では、コントローラーの背面に「連射モード」ボタンを追加し、任意のボタンに連射機能を付与できるようになる。

 そして、154.99ドル以上のハイエンドモデルでは、追加のモードボタンを追加することなしに、通常のボタンを秘密のコンビネーションで押すことにより連射モードをONにするという機能がつく。その名も「STEALTH」。米国では多く開催されているXbox 360がらみのゲーム大会で、人に悟られることなく「ズル」をするためのエディションなのだ。名前だけでなく中身も「evil(悪)」なソリューションであり、思わず笑ってしまう。

 

 evil controllerが提供する2つ目のMOD機能は、左右アナログスティックのカスタム化だ。専用のパーツを取り付けることで、アナログスティックにフォースフィードバック機能を付与し、さらに通常よりも高い精度のコントロールを提供。これはMOD代金のみの価格10ドルで提供しており、ハードコアゲーマーにとってはちょっと魅力的。

 

 3つ目の機能は、コントローラー中央部のリングライトの色を自分好みに変えてくれるというものだ。見た目しか変わらないので純粋なドレスアップカスタマイズといえるが、提供価格はMOD代金のみで69.99ドルと安くなく、かなりの物好きを対象としたサービスであろう。

 ちなみに、最もハイエンドのモデルにスティック、ライトの両MODを適用した場合、完成品の価格は199.99ドルとなる。Xbox 360のコントローラー1個にこんな料金を支払うプレーヤーが本当にいるのかどいうか疑わしいところだが、オーストラリアのトップ格闘ゲーマー、Justin“MARVELOUS”Wong選手は同社のMODコントローラーを愛用しているとのことで、世の中は広いものだ。

 日本で同社のMODコントローラーを購入するには個人輸入の形態となるため、そうそう手が出せるものではないが、どうしても個性的なコントローラーが欲しい、という人はevil controllersのウェブサイトをチェックしてみてはいかがだろうか?




(2009年 6月 8日)

[Reported by 佐藤カフジ]