【連載第59回】韓国最新オンラインゲームレポート

韓国Nexon、「ハスキーエキスプレス」OBTレポート
犬ぞり生活を満喫できる「マビノギ」devCATが放つ新作MMO

オープンβテスト実施中



 今回紹介するのは韓国大手メーカーNexonがサービスする「ハスキーエキスプレス」だ。8月からオープンβテストがスタートしており、正式サービス開始時期は未定。ビジネスモデルはアイテム課金が予定されている。開発は「マビノギ」を開発したNexonの開発チームdevCATスタジオが担当したことで話題を集めているタイトルだ。

 「ハスキーエキスプレス」は犬ぞりをテーマにしたMMORPGだ。プレーヤーは犬を育て、犬ぞりを引きながら、街間の交易と写真撮影、鉱石採取といった様々なお使い系のクエストをこなしていく。モンスターやプレーヤー同士の戦闘は一切無く、可愛いらしい犬たちとのほのぼのした日々の暮らしを描いたゲームだ。

 可愛らしいグラフィックスと犬たちとの触れ合いが本作の醍醐味で、韓国の女性ユーザーにも大人気だ。Nexonの公式発表によれば、現在の同時接続者は1万人以上で、女性ユーザーは50%にも及ぶという。ユーザーは交易をしながらお金をため、新しい犬を購入して育成させることに夢中だった。早速、「ハスキーエキスプレス」の模様を紹介しよう。



■ “マッシャー”としての生活がスタート。シナリオ注視の暮らしを楽しむ作品

ゲームの舞台となる「ダーナン」。雪原の地域だ。7つのキャンプでできており、「ダーナン」以外にも他の地域も今後登場する予定だ

 本作は雪原を舞台にした世界で、犬ぞりをしながらキャンプとキャンプの間の交易をテーマにしたゲームだ。アニメチックに描かれた可愛いキャラクターと犬たちが魅力的な作品だ。

 プレーヤーは運送屋として、本作の舞台「ダーナン」で生活を始めるところからスタートする。「ダーナン」に到着したプレーヤーは、犬ぞりの使い手“マッシャー”として生活を始めることになる。

 チュートリアルでは、ヘリポートで出会った「マリ」を助けることで本作の基本的な操作方法を学んでいく。プレーヤーは「マリ」の出産間近の犬を街まで運ぶことを助け、その報酬として生まれた子犬1匹を貰う。プレーヤーは子犬にミルクをあげたり、ボールを投げて、子犬がボールを拾ってくるといった教育を施し、子犬を成長させていく。ここまでがチュートリアルとなっている。

 ゲーム本編は基本的にクエスト中心のゲームプレイとなる。メインクエストとサブクエストに分かれ、メインクエストによるシナリオ「エピソード」を辿って行くのが、本作最大の目標だ。エピソード1「『アロン」』の後継者」では、最高のマッシャーとして知られる「アロン」の後継者になるためのクエストが中心となっている。マッシャー連盟の幹部「ラルフ」からクエストを貰い、「アロン」の後継者として相応しいかの試練が下されるわけだ。

 クエストの内容は交易物のグレードの見分け方、鉱石の採取、一定のレベル達成といったものが盛り込まれている。クエストを辿って行けば、キャラクターは徐々に成長し、ゲームに必要な能力を一通り獲得できるようになっている。それらの能力を利用するサブクエストもあり、そういったクエストを通じて「ダーナン」での“暮らし”を楽しむゲームだ。


ヘリーで連れてきた最初の犬に名前を付ける。保有する全ての犬に名前を付けることができる

チュートリアルでは「マリ」から貰った子犬にミルクをあげたり、ボールで遊ぶことができた。やがて、子犬は成長し、プレーヤーのそり犬になる

「アロン」の後継者になるため、「アロンの証票」を探す試練が与えられた。「アロン」の後継者候補として、次々と街の問題を解決していく内容が展開される



■ プレーヤーのライセンスによってより沢山の犬ぞりチームを構成!子犬を購入し、立派なそり犬に育てよう!

 本作の最大の特徴は可愛い犬たちだ。犬たちを自分で育てて、犬ぞりチームを自分で構成していくことができる。

 まず、プレーヤーには“マッシャーライセンス”というものが与えられる。持っているマッシャーライセンスが上級になるほど、犬ぞりで構成できる犬の数が多くなる。犬が多いほど、そりの移動速度は速くなるわけだ。ゲームの最初は2匹の犬で犬ぞりチームを構成するが、クエストを通じて獲得した“マッシャーライセンス-3”で3匹の犬ぞりチームを構成できるようになった。

 犬はクエストを通じて貰うか購入することで入手できる。購入した犬はまだ子犬で、犬ぞりで走るほどレベルアップする。レベルアップするほど、犬は大きくなり移動速度やスタミナーが上昇する。

 犬は品種によって異なった能力をもっている。筆者が使用したサモエードの場合、「穴掘り」という能力を持っており、プレーヤーがシャベルでオブジェクトを掘るときに、より早く作業が進むように手伝ってくれる。

 また、品種による能力のほかにもクエストなどで獲得した調練書のアイテムで、マップの所々にできた割れ目を飛び越えることができる「クレバスジャンプ」といった能力を追加することができる。能力は犬1匹あたりに4つまで覚えさせることができ、削除や変更することが不可能だ。

 本作のチュートリアルにおいては子犬にミルクをあげたり、ボールを拾ってくる、犬の育成システムが満載だった。しかし、本編に入ってからはそういう要素がまだ実装されておらず、ただ走ることだけでレベルアップするようになっていることは非常に残念だった。子犬を自分の手で育てていく感覚が薄くなっており、ぜひともチュートリアルのシステムが本編にも実装されて欲しいところだ。


走るほど犬たちのスタミナーは減っていくが、スタミナーが尽きると移動速度は落ちて、全ての犬のスタミナーが尽くと犬たちはただ歩くことに……。餌を与えるか、休憩するとスタミナーは回復する
調練書を使って「クレバスジャンプ」を覚えると大きいな割れ目もジャンプして移動できるようになる
犬の購入から販売もできる。購入できる犬は毎回異なるため、目当ての品種に出会うまで待つしかない


■ 一人の商人としてキャンプ間の交易しよう! 儲けるにはそれと犬の能力が大事

交易品の購入のため、ほかのプレーヤーとちょっとした競争を……。早くクリックした人が購入できる

 本作の舞台「ダーナン」では“モズリーキャンプ”、“レマキャンプ”、“キアナキャンプ”、“ペロキャンプ”、“ローズビルキャンプ”、“デロースキャンプ”、“ターリーキャンプ”と7つのキャンプが存在する。各キャンプには交易所があり、そこで品物を売り買いできる。

 交易所ではキャンプによって異なる品が揃っている。また、品には数に限りがあり、購入した品は数秒の“再生タイム”を持っている。再生タイム中の品は他のユーザーも購入できないようになっており、ユーザー同士で品を先に買おうと奪い合うシステムも盛り込まれている。

 交易所で購入した品はキャンプによって買い取り価格が異なる。利益が最大となるキャンプで販売することが大事だ。1度に運搬できる量は、移動手段である犬ぞりの品質によって決まる。交易でお金を儲けたいときには、より多く詰め込めることができるそりを手に入れることも必要になってくる。

 販売されている品にはそれぞれグレードが異なり、グレードによって販売価格も異なる。普通はグレードはわからないが、シベリアハスキーが持っている「食品鑑別」や「薬品鑑別」といった能力で確認できる。また、犬のレベルによって、移動速度やスタミナも関係あるので、犬の成長度合いも交易に直接響いてくる。犬の購入はかなり高額なため、プレーヤーたちは犬を買うために一生懸命交易に集中している印象だった。

 また、本作には交易以外にも、鉱石の採取や写真撮影などといった要素も盛り込まれている。鉱石の採取はツルハシで鉱山のオブジェクトをクリックすると鉱石が採取できるようになっている。採取した鉱石は交易所で販売するか、クエストのアイテムとして使用できる。

 写真撮影はマップ上に生活する動物たちや様々なオブジェクトの写真を撮るものだ。撮った写真は各キャンプにいる「パロン通信記者」に投稿することができ、写真の難易度によって報酬の金額を貰えるようになっている。

 本作のゲームデザインは、船で世界各地を巡り、交易や様々な探検を楽しむコーエーの「大航海時代 Online」を彷彿させる。ただ、海賊との戦いなど、といった殺伐した戦闘は一切無く、あくまで雪原の上で犬たちとほのぼのした生活を満喫できるゲームとなっている。

 現段階では走るだけの犬の育成システムや交易だけのシステムに少し物足りない感もある。ただ、チュートリアルで見せていた犬たちとの触れ合いは非常によく、ユーザーの多くは本編でも早速取り入れて欲しいところだろう。今後の展開に注目したい。


鉱山や穴を掘ることも可能だ。様々なクエストで必要なアイテムを獲得できる
貴重な写真を撮影できるとそれに相応する報酬金が貰える。また、報酬金の順位が掲示板で表示される

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(2009年 9月 14日)

[Reported by DongSoo“Luie”Han]