使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第340回
PS4/PS3両対応のアーケードスティック「リアルアーケードPro.V4 隼」発売!
システムソフトウェアVer1.70でマイクレベル設定もチェックしてみた
(2014/5/5 00:00)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
PS4で今春より配信予定のアーケード移植展開「アーケードアーカイブス」が発表されたが、それに併せるかのように、ついに待望のPS4用アーケードスティックが登場した。しかも、PS4とPS3との両機種対応! 今後のスタンダードな製品になりそうなHORIの「リアルアーケードPro.V4 隼」を、早速試してみた。
また、PS4の最新システムソフトウェアであるVer1.70では、こちらも待望の、ボイスチャットのマイク音声調整機能が追加! 他にも「パーティー」での設定項目など、ボイスチャット周りの機能が拡充されていたので、そちらもまとめてみた。
PS4/PS3両対応!本格アーケードスティック「リアルアーケードPro.V4 隼」発売!
HORIの初のPS4用アーケードスティック「リアルアーケードPro.V4 隼」。往年のアーケードタイトルをPS4に配信する「アーケードアーカイブス」が発表されたばかりだが、「リアルアーケードPro.V4 隼」のパッケージにも「アーケードアーカイブス」対応と明記されている。今春の配信開始に先駆けての販売開始となる。
「リアルアーケードPro.V4 隼」はPS3にも対応している。今はPS3のみを所有しているという人でも、将来的な事を考えてこういったPS4/PS3両対応の製品を買っておくというのは最善に思える。これから、そういった企画の商品が他からも出てくるかもしれない。
それでは「リアルアーケードPro.V4 隼」を見ていこう。まず筐体は、2009年に発売された「リアルアーケードPro.V3 SA」から引き継がれている、主流アーケード筐体のデザインを踏襲したもの。サイズは、全長約43cm×奥行き約24cm×高さ約12.5cm(スティックレバー含む)。重量は約2.2kgとなっている。
アクリルパネルに1レバー、8ボタン(ビュウリックス配置)のレイアウト。1番右端には、これまでのPS3用モデルだと「スタートボタン」があったが、PS4対応ということでこのモデルでは「OPTIONS」ボタンに。このあたりもPS4に対応したものとなっている(ハードウェア切替スイッチでPS3用に切り替えると、スタートボタンとして動作する)。
上部のサブボタン、切替えスイッチ周りをみると、1番左から「PSボタン」、次が「SHAREボタン」(PS3モードではセレクトボタン)、L3ボタン、R3ボタン、TURBOボタン(連射機能ボタン)とボタンが並ぶ。次に、連射状態をLED点灯で示す連射インジケータがある。
スライドスイッチ周りでは、「L3/R3ボタン・L1/L2ボタン切替スイッチ」、「スティック機能切替スイッチ」、「ファイティングモードスイッチ」、「連射速度切替スイッチ」の4つがあり、最右にはPS4/PS3対応を切り替える「ハードウェア切替スイッチ」がある。
「ハードウェア切替スイッチ」はそのまま、PS3とPS4それぞれに切り替えて使用するための機能で、OPTIONSボタンがスタートボタンに、SHAREボタンがセレクトボタンの機能に切り替わる。
「連射機能」は秒間約5/12/20連射の3段階に速度を調節可能。設定可能なボタンは「方向キーの上下左右」と「○/△/□/×/L1/L2/R1/R2ボタン」。ボタンを押している間のみ連射する設定と、連射ホールドに設定できる。
「スティック機能切替スイッチ」は、レバーに割り当てる機能を、「方向キー」、「左アナログスティック」、「右アナログスティック」のどれかに切り替える機能となっている。
「ファイティングモードスイッチ」は、スイッチをオンにすると、PS4の場合、OPTIONSボタンが無効になり、TURBOボタンにOPTIONSボタンの機能が割り当てられる。PS3の場合では、スタートボタンとセレクトボタンの機能が入れ替わる。プレイ中に誤ってメニューを呼び出してしまわないようにする機能だ。
「L3/R3ボタン・L1/L2ボタン切替スイッチ」はスイッチ名のとおり、「L3/R3ボタン」と「L1/L2ボタン」を入れ替える機能になっている。「L3/R3ボタン」を頻繁に使うタイトルをプレイする時に重宝する機能だ。
「リアルアーケードPro.V4 隼」という製品名のとおり、HORI製のアーケード用新開発ユニットが使用されている。レバーには「隼」、ボタンには「玄」を使用している。この両パーツは「『隼レバー』『玄ボタン』は、タイトー(タイトーテック)にてアーケード筐体の業務用保守パーツとして採用されています。※平成26年4月25日現在」とのことで、コンシューマー用機器からの逆輸入的な展開にも思えるが、HORIの生んだ現行のアーケードパーツというわけだ。
それぞれの特徴を抜粋すると、レバーの「隼」はハウジングを他社製パーツのお椀型からV字型にし、パーツ同士の接触面を小さく、抵抗を少なくすることで滑らかな入力を実現している。パーツにも剛性の高い素材を使い、ニュートラルポジションのぐらつきを約40%軽減している。ボタンの「玄」は、従来アーケードパーツよりもボタントップを幅広にし、ハウジング部の隙間を極限まで狭くしたことで30~60%がたつきを軽減。レバー同様に剛性の高い素材を使い、ゆらぎのないボタン操作を可能にしているとのことだ。
実際にPS4、PS3でのゲームプレイに使って試してみた。まずはPS4に繋いでPSボタンを押してみると、「コントローラー」という名称ですぐさま認識された。設定画面をみると、DUALSHOCK 4と似た形で認識されているようだ。なお、「スピーカーの音量コントロール」や「ライトバーの明るさ調節」など、DUALSHOCK 4にはあっても「リアルアーケードPro.V4 隼」にはない機能は、設定項目がグレーアウトして触れない。
ゲームプレイの方だが、PS4ではアーケードスティックの動作を見るのに適したタイトルが今のところないため、とりあえずカプコンの「ストライダー飛龍」をプレイしてみた(右アナログスティックも使うから向いてはいないのだが)。大まかに触ってみての印象になってしまうが、動作に問題はないと見て良さそうだ。レバー・ボタンともに反応も良好だった。
続いてPS3で試してみる。こちらはアーケード移植の格闘ゲーム等も豊富にあるので、それらを中心に試してみた。基本的な動作に問題は見られず、ボタン同時押しも6ボタン以上しっかりと反応。複数ボタンの組み合わせによる同時押しも、全パターン問題なかった。根本的な入力精度であったり入力遅延においても、目立った問題は感じられない。
ファイティングモードをオンにすれば、スタートボタンとセレクトボタンが入れ替えられ、例えば「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」なら、セレクトボタンは元々使わないので、入れ替えられるとスタートボタンが反応しなくなる。誤入力を根本からなくす嬉しい機能だ。
レバーの「隼」、ボタンの「玄」については、独特かつ個性的なパーツなので、やはり好みや慣れによる印象の違いはあろう。レバーの「隼」の場合、パーツ剛性が高く、それでも入力精度が落ちないところが魅力と思えるが、軽く滑らかなフィーリングは「軽すぎる」と感じる人も当然出てくる。他社製レバーでの「使い込んで軽くなった」ような印象に近いものがある。
レバーの持ち方によって印象が変わるところもあるだろう。ボールを指先でつまむ「つまみ持ち」のような持ち方なら、余分な重さがなく扱いやすいが、より力を入れやすい持ち方となる「かぶせ持ち」や「ワイン持ち」の人だと「軽すぎる」という印象になりがちかもしれない。
ボタンの「玄」は、ボタン枠を含めた直径は、他社製のアーケードパーツと同様だが、ハウジング(枠)との隙間を減らした事で、ボタントップの直径は約2mm広くなっている。そのため隙間が生むがたつきもなく良好。ただ、ハウジングとボタンとの隙間がなさすぎるのか、押下した時の角度によってはまれに「キュッキュッ」とパーツが擦れる音が聞こえるのがちょっと辛いところだ。
ボタンを押下した時の感触は、少しぼてっとしたものがあり重め。他社製アーケードパーツの「パチパチと甲高い音がする感触」からはだいぶ異なっている。こうしたフィーリングの違いは好みがわかれるだろうか。
最後に、「リアルアーケードPro.V4 隼」をWindows PCに繋いでみた。OSはWindows 7 64bit版。PS3モード、PS4モードともに「Real Arcade Pro.V4」というデバイスで自動的に使用可能な状態まで認識してくれる(PS3モードとPS4モードとでは別デバイスとして認識する)。レバー、ボタンともに問題なく動作するが、PS4モードではL2/R2がX/Y回転になるなど、DUALSHOCK 4をPCに繋げた時に近いアサインになる。PCで利用する場合はPS3モードで使用するのが無難だろう。
いよいよPS4で使える本格アーケードスティックが登場となったが、PS4での本格的な利用は「アーケードアーカイブス」の配信が始まってからということになってくる。「アーケードアーカイブス」配信を楽しみにしているPS4ユーザーの方は、「V4 隼」も併せてチェックして頂きたい。また冒頭に書いたように、しばらくはPS3をメインに使うとしても、将来的にPS4にも使えるこの製品を選ぶのは良い選択ではないだろうか。ぜひチェックして頂きたい。
PS4システムソフトウェアVer1.70でマイクレベル設定が追加!
4月30日にPS4の最新システムソフトウェア、バージョン1.70が配信開始された。更新・追加された主な機能としては、目玉に「ニコニコ生放送でのゲームプレイ配信」や、PS4に保存したビデオにコメントなどを追加できるアプリ「SHAREfactory」、HDCP信号のOFF設定など、様々なものがある。その他詳しくはこちらをご覧頂きたい。
実はこのアップデートの内容にも載っていない機能がいくつかある。その中でも「マイクレベル」設定が追加されていたのはトピックだ。「設定」>「周辺機器」>「オーディオ機器」に、「マイクレベル」という項目が追加されており、ここでは自分のマイク音声を耳で聞きながら、マイクレベルの増減が調整できるようになっている。
これまでPS4はこうした調整機能がなく、ヘッドセットそのもののマイク性能で使うほかなかったが、この機能があればマイク音量が小さすぎて使いづらかった製品もだいぶカバーできるようになる。自分のマイク音量が手軽に確認できるだけでも嬉しい機能だ。マイクレベル調整は、マイナス幅、プラス幅ともに、標準状態の半分や2倍以上まで増減できるようでかなり大きく調整できていた。
当連載では第339回にPS4向けヘッドセットを特集したばかりだったが、その中にも「マイク音量がもう少し大きければ」という製品があった。そうしたものも、今回のマイクレベル機能追加によって使いやすくなった。
また、複数のフレンドとボイスチャットでやり取りできる「パーティー」の機能も、一部に変化が。パーティーのチャット音声と、ゲームなどのその他の音のボリュームバランスを、以前より細かに調整できるようになっていた。
機能追加によってヘッドセット周りについてはだいぶ使いやすくなったわけで、喜ばしい限り。このように少しずつシステムソフトウェアの更新によって機能が拡充されていく様子は、PS3の初期~中期を思い出させるものがある。同じように、PS4もどんどん機能を追加してもらえればと思う次第だ。