使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第361回
上越電子「L2/R2ボタン搭載グリップカバー」試作品レポート
L2/R2ボタンがばっちり押せる!PS4リモートプレイやアーカイブスがより快適に遊べる!
(2015/3/9 13:17)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
PS VitaでPS4のリモートプレイを楽しんだり、ゲームアーカイブスなどのタイトルを楽しんでいる人は多いと思うが、タッチ操作で代用しているL2/R2ボタンやL3/R3ボタン(スティック押し込み)の操作に、「せめてL2/R2ボタンだけでもボタンがあれば……」と感じる人は多いはず。
そこに新しいアプローチでL2/R2ボタンを搭載させるグリップアタッチメントが登場する。今回は、4月下旬に発売予定のこのグリップの試作品をお借りできたので、発売前の先行レポートをお届けしよう。気になった方はぜひご予約頂きたい。
【今週のおしながき】
L2/R2ボタンを搭載!PS VitaでPS4リモートプレイやゲームアーカイブスがより快適に楽しめる
4月下旬に発売予定の「L2/R2ボタン搭載グリップカバー」。こちらは試作品で、まだ表面加工などの細部は変更される予定とのことだ。ちなみにこのグリップカバー、そもそものきっかけは生産者の方がゲーム好きで、自分がより快適にプレイを楽しむために作ったのが始まりだったとか。“自分で使いたいこだわりグッズ”という生まれの経緯は大きな魅力だ。
最大の特徴はなんと言っても製品名にもあるとおり“L2/R2ボタンを搭載している”こと。仕組みとしては、L2/R2ボタンに導電ゴムを仕込み、指からの静電気を背面タッチまで伝え、タッチ操作を反応させるというもの。
L2/R2ボタンはクルマの内装にも使用されているという技術を使ったもので、メッキ処理が施されている。今回の試作版だとクロムメッキそのままな鏡面仕上げになっているが、製品版だとツヤ消し処理が施されるということだ。
グリップ全体の素材はポリカーボネート素材、いわゆるプラスチック素材。この試作品だと表面加工がないツルッとした作りだが、製品版ではシボ加工(表面に梨地などのザラ付きをつける加工)を施し、据え置き機用のコントローラーに近い感触に仕上げられるとのことだ。
グリップの握りはあまり外方向には伸ばしてはおらず、背面側にブロック形状の盛り上がりをつけたような作り。約1.8cmほどの厚みがついていて、手の平で包み、盛り上がりの側面に指をまわせるようになっている。
なお、グリップカバーを着けたままでも各所のスロットや端子、ボタン類は全て触れるようになっており、L/Rボタン周りのしっかり大きくつけてあって操作の邪魔にならない。背面タッチパッドも上側のみ少しL2/R2ボタン用に覆われてはいるが、大部分は開口から触れるようになっていて、通常のタッチ操作にも支障がないようになっている。
実際に使って試してみた。まずは着脱だが、前面の4つのツメでPS Vitaを固定する作りになっていて、ツメは少々硬め。このツメにはなにか、脱着時にPS Vita本体に擦り傷をつけてしまわないよう、ラバーを貼るなど何らかの対策が欲しいところだ。
装着後の一体感、フィット感、ガタつきのなさはしっかりとしたもので、グリップが外に伸びている形状でもないので、コンパクトな外観になる。手に持ってみると、手の平と指とでグリップ部の盛り上がりを「グッ!」と握れる。ホールド感も非常に良かった。
目玉であるL2/R2ボタンは2~3mmほど傾くトリガータイプの感触で、「クニッ」とした独特な押下感。この試作品だと押下から1mmほどの間に反応がない遊びがあって、しっかり奥まで押すように意識と慣れが必要だったのだが、製品版では導電性ゴムの面積など、より動作が安定するよう改善されるということなので、遊び幅のカットも合わせて期待したいところだ。
ゲームをプレイして試してみると、「あぁ、やっぱりボタンがちゃんとあるといいなぁ、だいぶ違ってくるなぁ……」と、しみじみ思ってしまった。それぐらいL2/R2ボタンを自然に使えたということでもある。
PS4リモートプレイでは、PS Vita用に操作が用意されていて自動で切り替わるタイトルも多いものの、それがないものもあるし、いずれにしろ、ボタン数の足りないところを背面タッチに割り当てて補っている事が多い。
FPSやTPSのジャンルならL2/R2ボタンで構えと射撃がデフォルトと言ってよく、このグリップカバーなら、L2/R2ボタンをそのままに使ったプレイができる。
「Killzone: Shadow Fall」なら、L2で近接攻撃、R2でダッシュの操作を本来は背面タッチの左右で行なうのだが、このグリップならボタンでできる。また、「The Last of Us Remastered」ではL2が構え、R2が射撃なので、このグリップがあるのとないのとでは操作の快適さが大きく変わってきた。
感覚的にも違和感はなく、誤作動したりなどマイナスな挙動も見られない。“PS Vitaが元々L2/R2ボタンを備えているゲーム機だったかのよう”とまで言うとさすがに言い過ぎかもしれないが、それぐらいにしっくりきてくれた。
また、PSゲームアーカイブスのタイトルをプレイするときにも恩恵が大きい。PS4リモートプレイ同様に、L2/R2をコントローラー感覚で使えるので、例えば格闘ゲームだとボタン数の足りなさをL/Rボタンで補うことが多いが、コマンド入力しつつLボタンを押す、つまり左手でキーとボタンを押すのは厳しい。それが、このグリップカバーを使えばR1/R2ボタンと○/△/□/×ボタンの右手6ボタンでプレイできる。グリップのホールド感アップ効果もあってプレイをかなり快適にしてくれる。
PS Vita専用のタイトルであっても、背面タッチをする場面をボタンで行なえるのは手軽だし、通常の背面タッチも開口部からちゃんと行なえる。グリップのホールド感アップ効果だけでもかなり役に立つグッズだが、L2/R2ボタンが活かせるタイトルでは“他にない魅力”をみせるグリップだ。
試作品でのテストレポートをお送りしたが、背面タッチ操作をボタン操作にしてくれる効果は絶大で、PS4リモートプレイやゲームアーカイブスなどの“L2/R2ボタンが欲しくなるゲーム”のプレイが圧倒的に楽しくなる。L2/R2ボタンの作りや感触、グリップ形状なども良く、現時点でもPS Vita用グリップの決定版としてオススメできるグッズだ。
欲を言えば、ここまできたらL3/R3ボタン(スティック押し込み)も実現して欲しくなる。導電性ゴムを使ってボタン押下をタッチ操作に伝えられるのなら、工夫するとなんとかなりそうな予感が……。そのあたりの期待もしつつ、ひとまずはこのグリップの製品発売を楽しみに待ちたいところだ。