【連載第228回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


本格スティック「リアルアーケード」ついに究極の頂点へ
「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」を試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 家庭でもリアルなアーケード体験を!スティックコントローラー「リアルアーケードPro」シリーズは他にはない重量感と質感を基本に進化してきたが、ついに「ここまでやってしまったか!」という1品が登場した。それが今回試してみた「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」だ。

 「リアルアーケードPro.V3 SA」を大きく上回るサイズ、重量感、筐体そのままの素材感など、まさしく究極の1品。販売価格は税込で3万円というこれまでのリアルアーケードProシリーズを大きく飛び越えた価格になっているが、だからこそ実現できた本格派向けを越えた「プレミアム」なスティックコントローラーになっている。

 なお、PS3用の「Pro.3」、Xbox 360用の「Pro.EX」と2機種用が発売されたが、どちらもHORISTORE.com限定の受注生産品で、現在は受付を終了している。今のところ追加生産の予定はないとされている。

【今週のおしながき】
PS3 HORI 「リアルアーケードPro.3 Premium VLX」
Xbox 360 HORI 「リアルアーケードPro.EX Premium VLX」

 

● “本格派”から“アーケードそのまま”に! 究極のスティックコントローラーがついに登場!

リアルアーケードPro.3 Premium VLX

    メーカー:HORI
    価格:30,000円(HORISTORE専売)
    ソニー・コンピュータエンタテインメントライセンス商品

リアルアーケードPro.EX Premium VLX

    メーカー:HORI
    価格:30,000円(HORISTORE専売)
    マイクロソフトライセンス商品


「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」の主な仕様
全長 約570mm
奥行き 約260mm
高さ 約140mm(スティックレバー高さを含む)
質量 約5.5kg
ケーブル長 約3m
使用パーツ 方向キー(スティック):JLF-TP-8YT-SK
PS3:○、×、□、△、L1、L2、R1、R2:OBSF-30
Xbox 360:A、B、X、Y、LT、RT、LB、RB:OBSF-30
STARTボタン:OBSF-24

こちらはPS3用の「Pro.3」。ボタン配置はPS3ソフトのデフォルトボタン配置に合わせたレイアウトになっている
こちらはXbox 360用の「Pro.EX」。こちらもXbox 360用ソフトのデフォルトボタン配置に合わせたレイアウトで、PS3用とは異なっている

 TAITOのアーケード筐体「VEWLIX」を再現している「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」は、まさしく筐体のコントロールパネルそのもの! と呼ぶにふさわしい製品になっている。仕様面、というか外観からして、その存在感は圧倒的だ。まず巨大であり、そして5.5kgという恐ろしい重量をしている。

 筐体の質感と剛性感はまさしくアーケード筐体の手触り。各部に板金素材が使われているのが他の「リアルアーケードPro」シリーズとの大きな違いで、天板パネルの上下の黒い部分から底面が金属素材になっている。これまでのリアルアーケードProシリーズにも十分な安定感と剛性感があったが、それを遙かに超えていて、特に剛性感に関しては格段の違いが感じられた。

 PS3、Xbox 360ともに基本的なサイズ、重量、仕様は共通。違いとしては、各種ボタンの名称とカラーリング(Xbox 360版の「Pro.EX」では4ボタンが色つきになっている)、PSボタンとXboxガイドボタンというボタン自体の違い、さらに、PS3用の「Pro.3」にはスティック機能の切替スイッチがあり、Xbox 360版の「Pro.EX」にはボイスコミュニケータを繋ぐためのヘッドセット端子と、接続ケーブルにクイックリリースコネクターが設けられている。

 なお、PS3用の「Pro.3」に搭載されているPSボタンは、PS3本体の電源オン機能には対応していない。Xbox 360版の「Pro.EX」のXboxガイドボタンはコントローラー同様に電源オンも可能だ。

 筐体の側面は全て「VEWLIX」同様に角が傾斜になっている。特に手前側の傾斜は置いた手の平が傾斜にしっくりと収まるようになっているのがポイントだ。天板のパネルの感触もツヤツヤスベスベとしていてアーケード筐体そのまま。各部パーツの質感の高さ、アーケード筐体そのものの材料を使っているのも魅力的。

 スティックレバー、8個のボタン、スタートボタンはそれぞれ三和電子株式会社の業務用パーツを使っていて、それらパーツは「リアルアーケードPro.V3 SA」と同じ物になっている。

 ボタンは8ボタンでPS3用の「Pro.3」では上段の左から右へ順に、□、△、R1、L1。下段の左から右へ順に、×、○、R2、L2と並ぶ。一方Xbox 360用の「Pro.EX」は少し配置が変わっていて、上段の左から右へ順に、B、X、Y、LB。下段の左から右へ順に、A、LT、RT、RBと、斜めにメインの4ボタンを並べる配置になっている。機種でボタン配置が異なっているが、それぞれの機種のデフォルト配置に合わせてある。



横幅、縦幅、高さと、いずれもアーケード筐体サイズ。右の写真んではPS3用コントローラーを天板に置いてみた。どれぐらいの本格サイズなのかをご覧頂きたい

アーケード筐体さながらに天板を開いてメンテナンスできるのが大きな特徴だ

 また、アーケード筐体同様に天板を手前側へ簡単に開けられるのも大きな特徴だ。ケーブル収納ボックス内にある固定用のネジを外して天板を手前に引くと、天板が可動して開くようになっている。巨大で重量もある筐体だけに、コントローラーを裏返して多くのネジを外して、というような苦労をせずにメンテナンスできるのは嬉しい。天板を固定しているネジは指でも回しやすいネジ頭の大きい物が3つ使われている。

 ファストン端子のボタンは簡単に入れ替えたり外したりできるし、ボタン穴を埋めるためのボタンキャップも2個付属している。例えばカプコンの「ストリートファイターIV」向けに6ボタン仕様にしたりも簡単にできる。また、ボタンを収納しておく場所もボタン2個分が用意されているので、そこに収めておけば予備のパーツを無くしたりせずスッキリとしまっておける。

 背面にはケーブル収納ボックスがある。コントローラーを使わない時や持ち運ぶ時は、ここに接続用のケーブルを閉まっておく。接続する時は、収納ボックスのフタにケーブルサイズの穴がついているので、そこにケーブルを通して必要な長さだけを外に出せる。

 筐体の底面は全体に滑り止めの素材が貼られていて、それが重量によってビッタリと密着して設置場所にビッタリと固定される。これまでの「リアルアーケードPro」シリーズでは滑り止めがゴム足だったので、設置面積が圧倒的に広くなっている。また、オプションボードという本体よりも幅が一回り大きい板が付属していて、これを装着するとさらに設置面積が広くなる。このボードにも滑り止めの素材が貼られていて、本体のみの状態よりもさらに設置の安定度が高まる。

 このオプションボードは筐体の底面にネジ止めで固定する作り。本体側にベアリングがあり、さらに筐体内からナットでネジを締めて固定する。こうした固定方法なので、着脱には少し苦労するところがあった。



ケーブル収納ボックス内にあるネジを外すと天板を手前に開ける。ボタンは全てファストン端子で入れ替えも簡単。写真右の左上にあるのが、予備のパーツを収納しておく場所。ボタンを外した穴を塞ぐキャップも2個付属している
設置面積をより広くするオプションボードが付属している。写真左と中央はオプションボードで、滑り止めが付いている。写真右はオプションボードを外した筐体の底面。こちらにも全面に滑り止めが付いている
筐体の背面にあるケーブル収納ボックス。接続ケーブルを使用する長さだけ外に引き出せる作りだ

 このほか、PS3用の「Pro.3」にはスティック機能切替スイッチと連射機能が搭載されている。スティック機能切替スイッチは、スティックレバーに方向キー、左スティック、右スティックの機能割り当てを切り替えるスイッチだ。

 連射機能は、毎秒5回、12回、20回の3段階に切替が可能。連射設定可能なボタンは、○、×、△、□、L1、L2、R1、R2、STARTボタン、レバーの上、下、左、右となる。連射ホールドも搭載している。

 Xbox 360用の「Pro.EX」にはヘッドセット接続用の端子があり、PS3用同様の連射機能も搭載されている。連射設定可能なボタンは、A、B、X、Y、LT、RT、LB、RB、レバーの上、下、左、右となっている。毎秒5回、12回、20回の3段階に切替が可能で、連射ホールド機能もある。

 なお、PS3用の「Pro.3」では、初期型PS3に搭載されているPS2ソフト互換機能でのプレイには使用できなかった。PSボタンを押してもコントローラーの割り当てが行なわれず、操作することができなかった。



天板の右上にある各種ボタン類。ターボボタンで連射設定を行ない、スライドスイッチで連射速度を切り替える。PS3用には連射速度のスイッチの上にスティック機能切替スイッチが、Xbox 360用には右端にヘッドセット接続用の端子がある




レバーとボタンに手を添えると、手の平のあたりが筐体手前の傾斜にフィットする。板金素材でヒンヤリとした感触なのもポイントで、安定感の良さ、剛性感の高さは圧倒的だ
ボタンを取り外して6ボタン仕様にしてみた。他の「リアルアーケードPro」シリーズでもできなくはないが、天板を開きやすかったり、ボタンキャップが付属していたりと、「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」のほうが遙かに楽に交換できる

 実際にゲームプレイに使ってみての使用感に入っていこう。まずはセッティングだが、設置場所が非常に重要な製品だ。なにしろ筐体が大きく、そして重い。軽々と持つというわけにもいかないレベルだ。

 設置場所は特に横幅が重要で、「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」の横幅は約570mm。PS3の横幅が約325mm、Xbox 360が約296mmなので、約1.7倍近い。その存在感ゆえに、テレビの前にセッティングした光景はさながらプチゲーセン状態。その本格的な光景にはかなりの満足感がある。

 この存在感はプレイ時に向き合った時に、臨場感を感じさせてくれる。まさしくアーケード筐体に向き合っている感覚。気持ちの問題ではあるが、こだわりをさらに飛び越えてこだわった一品なので、そのあたりの雰囲気を作ってくれるかも重要なポイントだ。できればアーケードライクな高さのテーブルとイスまで揃えて、完璧な環境を作ってみたくなってくる。この感覚はハンドルコントローラーでプレイシートも組み合わせたくなるような感覚に近い。そう思わせるぐらいの本格派スティックコントローラーというわけだ。

 設置面積が広くて重量があり、そして底面の広い滑り止めもあることで、安定感は抜群にいい。オプションボードを組み合わせると、さらに設置面積が広くなって安定感が増す。オプションボードを固定するネジ穴はテーブルに固定したりといった、より本格的な設置方法にも使えるだろう。

 設置も終わって実際にスティックレバーやボタンを触ってみると、その感触に驚かされた。使用されているパーツ的には「リアルアーケードPro.V3 SA」と同じで、パシパシとした軽快なボタンの感触、押下のレスポンスの速さ、反発の軽さと速さが良い。だが、それが装着されている筐体の違いにより、感触はかなり変わっている。

 筐体が大きくて内部の空間も広いので、操作すると感触が響くのがポイントだ。板金素材を使った剛性感の違いも大きく、操作している時にわずかなガタツキも感じさせないし、素材の違いが響く感触に大きく影響している。この感触がアーケード筐体そのものでたまらないものがある。

 土台がしっかりとしているためか、心なしかスティックレバーの操作感が「リアルアーケードPro.V3 SA」よりも軽く感じられたところもあった。スティックレバーの感触、ボタンの感触ともに、軽やかだがカシカシとしっかりとした感触がある。そこに響く感触が加わって気持ちいい手応えになっている。

 手を置いたときに手前の傾斜がフィットするのは「リアルアーケードPro.V3 SA」と同様だが、素材が板金になっているため、ヒンヤリとしている。その感触もまた、より本物のアーケード筐体の手触りを感じさせる。

 左右スペースの広さも特徴的。右横にあるSTARTボタンの位置も秀逸で、格闘ゲームでラウンド終了時に手を滑らせてSTARTボタンをパシパシと押す感覚もばっちり。レバーの左側にはけっこう広めのスペースがあって、通常のコントローラーを置けるぐらいの余裕がある。

 連射機能の設定はターボボタンを押しながら設定したいボタンを押す方式で、1度の設定で連射、2度行なえば連射ホールドに、3度行なえば解除される。連射状態を示すLEDも搭載されている。アーケード移植のシューティングタイトルも、最高のフィーリングで楽しめる。

 なお、OSにWindows7を使っているPCに繋いでみたところ、PS3用は自動的に「REAL ARCADE Pro.V3 PREMIUM」として認識され、同じくXbox 360用も「REAL ARCADE Pro. EX Premium」として同様に認識された。全部のボタンがしっかりと割り当てられ、特別なドライバーの導入等をせずすぐに使用できる。汎用的なデジタルコントローラーとして認識されているようなので、他のOSでも特に手間をかけることなく使える可能性は高い。




 これまでにも本格派に向けたスティックコントローラーがHORIやMad Catzからリリースされてきたが、この「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」はそれらとはまったく異なる物だ。これまでの物は、家庭向けにバランスを整え凝縮した筐体に業務用パーツを組み込んだものだったが、「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」は筐体も業務用筐体そのままに、サイズ、素材ともにこだわっている。

 この差には大きな違いがある。それは、スティックレバーとボタンが業務用パーツであれば操作感としては十分なものが得られるが、それらを組み込み支える土台“筐体そのもの”も加わることで、より完全で完璧なアーケード体験になるということだ。その体感は他のスティックコントローラーとはまったく別物というレベルで、これまでのスティックコントローラーとはアプローチというか、方向性自体が違う製品と思っていい。

 もちろん、それらを同列に並べて「リアルアーケードPro.3/Pro.EX Premium VLX」が最も優れているとは言えない。筐体の大きさ、扱いやすさ、価格等、異なる点があまりに多く、直接的な比較にはならない。家庭用向けという枠組みもほとんどはみ出していると言っていいだろう。部屋に置いてあると途方も無い存在感をアピールしてくれる。こんな巨大な物をどこに収納すればいいのか、そもそもプレイの度に出し入れしていては大変過ぎる、など、いろいろと扱いにくい点もある。そうした意味でも、他の本格派向けスティックコントローラーとは別のスタンスにある製品と考えたほうがいい。

 だが、こだわる人にとってこれ以上のアイテムはない(これ以上が出てこられても、もう困るだろう)。研究所員としてももう不満点は浮かばない。普通にスティックコントローラーとして考えても、アーケード筐体と比較してという厳しい目線でも、家庭で活用するものでこれ以上は望めないと思える。天板の触り心地や広さ。筐体の大きさと安定感。板金素材を使った質感。最大限に活かされているスティックレバーとボタンの業務用パーツ。向かい合った時の感覚と満足感。それら全てが、もうこれ以上望むなら本物の筐体を購入するほかにないだろうというレベルの製品だ。





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(2010年 3月 31日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]