■ 2010年1月第5週、2月第1週分 ■


 この連載は、ニンテンドーDSi、PSP、PS3、Xbox 360、Wiiと家庭用ハードではもはや当たり前となった感もある「ダウンロード販売」によるソフトウェアやコンテンツ(以下、DLC)の最新情報を1週間単位でレポート。また、様々なタイトルのレビューも掲載していく予定だ。ダウンロード開始間近なタイトルやリリースが決定したタイトル、そして過去のタイトルまでフォローするので、DLタイトルをチェックするのに役立てれば幸いだ。


■ 1月1日(金)~2月28日(日)ダウンロード販売開始予定一覧 ■



プラット
フォーム
タイトルメーカージャンル価格その他
1月5日

Wiiウェア
ぼくはプラレール運転士 新幹線&蒸気機関車編タカラトミーアクション1,000
Wiiポイント
オリジナル

VC
カービィのきらきらきっず任天堂アクションパズル800
Wiiポイント
移植[SFC]
1月6日

DSiウェア
G.Gシリーズ DARK SPIRITSGenterpriseシューティング200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
アーティストになろう! みんなの塗り絵 ねこ編ERTAINe趣味500
DSiポイント
オリジナル

GOD
レインボーシックス ベガス2ユービーアイソフトミリタリーアクション2,000
マイクロソフトポイント
2,940円
(クレカ購入)
GOD
1月7日

PS3
みんなでスペランカー ブラックアイレムソフトウェアエンジニアリング洞窟探検アクション1,200
オリジナル

PSP
勇者30マーベラスエンターテイメント超速RPG3,500
UMDDL
1月12日

VC
沙羅曼蛇KONAMIシューティング800
Wiiポイント
移植[MSX]

VC
パロディウスKONAMIシューティング800
Wiiポイント
移植[MSX]

GOD
雷電Ⅳモスシューティング2,000
マイクロソフトポイント
2,940円
(クレカ購入)
GOD
1月13日

DSiウェア
atチェス チャレンジスピリッツタスケチェス200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
G.Gシリーズ D-TANKGenterpriseシューティング200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
アーティストになろう! みんなの塗り絵 上級編ERTAIN趣味500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
ピンボールアタック!アルテピアッツァピンボールアクション500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
ジーニアスパーソナル 英和楽引辞典任天堂辞書ソフト800
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
ジーニアスパーソナル 和英楽引辞典任天堂辞書ソフト800
DSiポイント
オリジナル

GA
ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま PS one Booksコナミデジタルエンタテインメントパズル600
移植[PS]

GA
キュイーンハムスターシューティング600
移植[PS]

GA
チャンピオンシップバスエレクトロニック・アーツスポーツ600
移植[PS]

GA
ハイパークレイジークライマーハムスターアクション600
移植[PS]
1月14日

PSP
ヒーローオブスパルタゲームロフトアクション・アドベンチャー600
オリジナル

PSP
鉄拳6バンダイナムコゲームス対戦格闘アクション6,280
UMDDL

PSP
BLEACH ~ソウル・カーニバル~ PSP the Bestソニー・コンピュータエンタテインメント2Dスクロールアクション2,200
UMDDL
1月19日

VC
サラダの国のトマト姫ハドソンアドベンチャー500
Wiiポイント
移植[FC]

GOD
A列車で行こうHXアートディンク都市開発鉄道シミュレーション2,600
マイクロソフトポイント
3,990円
(クレカ購入)
GOD
1月20日

DSiウェア
アタマを良くする暗算DS ぞうのはなふうせん新学社数字タッチアクション200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
難読500漢字わーどぱずるアイイーインスティテュート漢字トレーニング200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
練熟漢字小学2年生アイイーインスティテュート漢字トレーニング500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
なりキャラ NARUTO-ナルト- 疾風伝タカラトミーおもしろ写真加工ソフト500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
リフレクトミサイル任天堂バウンドパズルバウンドパズル500
DSiポイント
オリジナル

PCA
PC原人3ハドソンアクション600
移植[PCE]

PCA
THE 功夫ハドソンアクション600
移植[PCE]

XBLA
Vandal Hearts: Flames of JudgmentKONAMIRPG1,200
マイクロソフトポイント
オリジナル

XBLA
DEATH BY CUBEスクウェア・エニックスアクションシューティング800
マイクロソフトポイント
オリジナル
1月21日

PSP
戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校セガアクティブ・シミュレーションRPG5,400
UMDDL

PSP
本気で学ぶ LECで合格る 宅地建物取引主任者 ポータブルスクウェア・エニックス本格宅建学習ソフト3,800
UMDDL

PSP
本気で学ぶ LECで合格る 日商簿記3級 ポータブルスクウェア・エニックス本格簿記学習ソフト3,800
UMDDL

PSP
真・女神転生 デビルサマナー アトラス・ベストコレクションアトラスRPG2,310
UMDDL

PSP
プリンセス クラウン アトラス・ベストコレクションアトラスアクションRPG2,310
UMDDL

PSP
SNOW-PORTABLE-プロトタイプ恋愛アドベンチャー3,500
UMDDL
1月22日

PSP
マイコミBEST 最強 東大将棋 ポータブル毎日コミュニケーションズ将棋1,200
UMDDL
1月26日

Wiiウェア
ジャンケンパーティーぱらだいすスタジオ斬バラエティ500
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
逆転裁判2カプコン法廷バトル1,200
Wiiポイント
移植[DS]

VC
オウガバトル64任天堂シミュレーションRPG1,000
Wiiポイント
移植[N64]

GOD
アポカリプス ~ディザイア ネクスト~アイディアファクトリーシミュレーションRPG2,000
マイクロソフトポイント
2,940円
(クレカ購入)
GOD
1月27日

DSiウェア
ACTシリーズ単語帳 日英編デジタル・メディア・ラボ教育データベース500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
ACTシリーズ単語帳 日韓編デジタル・メディア・ラボ教育データベース500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
なりキャラ 家庭教師ヒットマンREBORN!タカラトミーおもしろ写真加工ソフト500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
ぶれいぶるー - バトル×バトル -アークシステムワークス対戦アクション500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
燃やすパズル フレイムテイル任天堂燃やすパズル500
DSiポイント
オリジナル

PSP
ヴァンパイア クロニクル ザ カオスタワーカプコン対戦格闘1,500
UMDDL

PSP
ブレス オブ ファイア IIIカプコンRPG1,500
UMDDL
1月28日

PSP
るぷぷキューブ ルプ★さらだ ぽ~たぶる…またたびディンプルストーリーパズルゲーム3,990
UMDDL
2月3日

DSiウェア
アーティストになろう! みんなの塗り絵 ミュシャ編ERTAIN趣味500
DSiポイント
オリジナル
2月10日

DSiウェア
G.Gシリーズ ASSAULT BUSTERGenterprise高速移動アクション200
DSiポイント
オリジナル
2月11日

PSP
SOCOM: U.S. Navy SEALs Portableソニー・コンピュータエンタテインメントTPS3,800
UMDDL
2月17日

DSiウェア
G.Gシリーズ ドリリング アタック!!Genterpriseドリリングアクション200
DSiポイント
オリジナル
2月18日

PSP
銀星将棋PORTABLEシルバースタージャパン将棋3,990
UMDDL

PSP
クラシックダンジョン ~扶翼の魔装陣~日本一ソフトウェアアクションRPG4,000
UMDDL

PSP
100万トンのバラバラソニー・コンピュータエンタテインメント解体切断アクション3,800
UMDDL
2月23日

Wiiウェア
逆転裁判3カプコン法廷バトル1,200
Wiiポイント
移植[DS]
2月25日

PSP
みんなのテニス ポータブルソニー・コンピュータエンタテインメントテニス3,800
UMDDL

PSP
QIX++タイトーアクション2,800
UMDDL

PSP
GTI Club ワールド シティ レースコナミデジタルエンタテインメントレーシング3,800
オリジナル
配信日未定

Wiiウェア
ファンタジックキューブズームファンタジックパズルゲーム800
Wiiポイント
オリジナル

GOD
ザ・コンビニ 200Xハムスター経営シミュレーション2,000
マイクロソフトポイント
2,940円
(クレカ購入)
GOD

 ※表中の「VC」はバーチャルコンソール、「GA」はゲームアーカイブス、「PCA」はPCエンジンアーカイブス、「XBLA」はXbox LIVE アーケード、「GOD」はゲーム オンデマンド、「FC」はファミコン、「SFC」はスーパーファミコン、「N64」はNINTENDO64、「MS」はマスターシステム、「MD」はメガドライブ、「PCE」はPCエンジン、「AC」はアーケード、「UMDDL」は「UMD ダウンロード」、「GW」は「ゲーム&ウオッチ」、「DS」は「ニンテンドーDS」、「NG」は「NEOGEO」を指します。
 この表は毎週、配信タイトルを追加し、月単位で更新していきます。配信タイトルは当日まで配信が明らかにならないこともあるため、過去に遡って更新することもあります。



宇宙船を操作し、炎でブロックを燃やしながらゴールを目指すDSi「燃やすパズル フレイムテイル」(500DSiポイント)。アイテムやパワーアップを駆使してハイスコアを狙え!
(C) 2008-2009 Nintendo / Mindware

 来週から2月に入るため、2月分のリリース一覧も併せて掲載した。今週も様々なプラットフォームにおけるDLCの情報を紹介していく。

ニンテンドーDSiショップ
 DSiウェアとして、1月27日から手書き入力に対応した単語帳「ACTシリーズ単語帳 日英編」「ACTシリーズ単語帳 日韓編」(各500DSiポイント)、DSiのカメラでなりきり写真が作れる「なりキャラ 家庭教師ヒットマンREBORN!」(500DSiポイント)、最大4人での通信対戦が楽しめるアクション「ぶれいぶるー - バトル×バトル -」(500DSiポイント)、炎でブロックを燃やしながらゴールを目指す「燃やすパズル フレイムテイル」(500DSiポイント)が配信。

 2月の話題となるが、G.Gシリーズ2タイトルが発表された。2月10日には「G.Gシリーズ ASSAULT BUSTER」(200DSiポイント)が、2月17日には「G.Gシリーズ ドリリング アタック!!」が配信される。

 こちらも2月の話題となるが、DLCとして、「コロぱた」の追加ステージが、2月の毎週金曜日、4ステージずつ配信される。

Wiiショッピングチャンネル
 Wiiウェアとして、1月26日からジャンケンを題材として様々な遊びが楽しめる「ジャンケンパーティーぱらだいす」(500Wiiポイント)、人気法廷シリーズ第二弾「逆転裁判2」(1,200Wiiポイント)が配信。

 追加DLCとして、「テイルズ オブ グレイセス」のDLC「みんなの鬼称号セット」など2種(200~400Wiiポイント)が配信された。

 株式会社ズームがX68000でリリースされた“あのゲーム”をWiiウェアとして今春に500Wiiポイントで配信すると発表。続報に期待したい。

 1月20日、近日配信予定の「ファンタジックキューブ」(800Wiiポイント)公式サイトがオープン。

 VCとして、1月26日からニンテンドウ64で人気を博したシミュレーションRPG「オウガバトル64」(1,000Wiiポイント)が配信。

PlayStaton Store
 PCEとして、1月20日からPCエンジンを代表する原始世界のアクションシリーズから「PC原人3」(600円)、PCエンジン本体と同時リリースされた横スクロールカンフーアクション「THE 功夫」(600円)が配信された。

PS3
 オンライン配信専用タイトルとして、AC版に新機能「EX OPTION」などが追加された「アフターバーナークライマックス」(900円)が今春に配信決定。

 追加アイテムとして、1月19日から「Wizardry 囚われし魂の迷宮」のDLC「忍者刀(1個)」など2種(各500円)が、1月21日から「真・三國無双5 Empires」のDLC「男性用エディット防具 西方セット」など4種(無料)、「バットマン アーカム・アサイラム」のDLC「狂気な夜 マップパック」(無料)、「ドラゴンボール レイジングブラスト」のDLC「正義の戦士パック」(無料)が配信された。さらに「Wizardry 囚われし魂の迷宮」のDLCは、1月26日に「備前長船」など2種(各500円)が配信されている。1月28日からは「アサシン クリードII」のDLC「フォルリの戦い」(480円)が配信される予定。

 2月の話題となるが、「3Dドットゲームヒーローズ」のDLC配信スケジュールが決定。2月5日から「DLCパック第3弾」(100円)が、2月19日から「DLCパック 第4弾」(200円)が配信される。

PSP
 UMDDLとして、1月27日からカプコンを代表する対戦格闘シリーズから「ヴァンパイア クロニクル ザ カオスタワー」(1,500円)、「ブレス オブ ファイア」シリーズ第3弾「ブレス オブ ファイア III」(1,500円)が配信。

 追加アイテムとして、1月21日から「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」のDLC「メルフェアの危機」など3種(無料)、「ファンタシースターポータブル2」のDLC「ヴァルキュリアの槍」など8種(無料)、「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J」のDLC「ススペイタ」(無料)、「本気で学ぶ LECで合格る 宅地建物取引主任者ポータブル」のDLC「2009年度 更新問題」(無料)、「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-」のDLC「ユニット ガスダーネッド亜種」など2種(無料)、「真・三國無双5 Empires」のDLC「男性用エディット防具 西方セット」など4種(無料)が、「剣闘士 グラディエータービギンズ」のDLC「チタシチーナ」(無料)が配信された。

 無料体験版として、1月21日から「本気で学ぶ LECで合格る 宅地建物取引主任者ポータブル」、「本気で学ぶ LECで合格る 日商簿記3級ポータブル」、「100万トンのバラバラ」が配信された。

 また、1月21日から弊誌で「真・三國無双 MULTI RAID 2」体験版A」のダウンロードを開始。さらに2月上旬には体験版第2弾も予定されているので期待したい。なお、本体験版は1月28日からPlayStation Networkでも配信される。

Xbox 360
 XBLAとして、AC版に新機能「EX OPTION」などが追加された「アフターバーナークライマックス」(800マイクロソフトポイント)が今春に配信決定。

 追加DLCとして、1月21日から「真・三國無双5 Empires」のDLC「男性用エディット防具 西方セット」など4種(無料)、「ドラゴンボール レイジングブラスト」のDLC「正義の戦士パック」(無料)、「バットマン アーカム・アサイラム」のDLC「狂気な夜 マップパック」(無料)が配信された。1月28日からは「アサシン クリードII」のDLC「フォルリの戦い」(320マイクロソフトポイント)が配信される予定。

 特定のタイトルが一定期間ディスカウントされるXbox LIVE ゴールド メンバーシップ限定サービス「Deal of the Week」は、1月26日から2月2日まではXBLA「Portal: Still Alive」(1,200→800マイクロソフトポイント)がディスカウント価格で販売される。


●今週の注目タイトル
  ジャンケンパーティーぱらだいす

 本作にはジャンケンを題材「あとだし脳トレジャンケン」、「たたいてかぶってジャンケンポン」、「モグジャンたたき」、「レンレンジャンケン」、「ジャンケンバトカード」といった様々な遊びが収録されている。この中から「たたいてかぶってジャンケンポン」、「ジャンケンバトカード」を紹介したい。

 「たたいてかぶってジャンケンポン」は、TVのバラエティ番組などでお馴染みのゲーム。ジャンケンをして、勝てばハンマーで攻撃し、負けたらヘルメットで防御する。防御に失敗したり、勝敗に見合ったアイテムを選択しないとハートがなくなって負けてしまう。

 「ジャンケンバトカード」は、様々な性能を持ったジャンケンのカードを出し合い勝負するカードゲーム。100種類以上ものカードからデッキを作り対戦する本格的なカードゲームに仕上がっている。また、ニンテンドーWi-Fiコネクションを使った通信対戦も可能。ゲーム中にはメッセージを相手に送ることが出来るので、メッセージを使って心理戦を仕掛けることもできる。

 簡単なルールですぐに楽しめるゲームが多く収録されているため、友人や知人を集めてワイワイ楽しめるタイトルといえるだろう。

 今回、配信を記念して、ジャンケンバトカード隠しカードが一部公開され、Wiiウェア「オーバーターン」のキャラクターカードが収録されていることが明らかにされた(上写真)。

● (C) 2010 StudioZAN




■ ダウンロードソフトウェアレビュー 

 各ライターが独断と偏見でピックアップしたダウンロードソフトウェアを紹介するコーナー。最新のタイトルから配信済みのタイトルまで、気になるタイトルを紹介していきたい。

■ バーチャルコンソール

ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣


●任天堂●配信中(2009年10月20日)●価格:500Wiiポイント
●プレイ人数:1人●対応コントローラ:Wiiリモコン/クラシックコントローラ/ゲームキューブコントローラ


● 第1作目は「手ごわいシミュレーション」のフレーズ通りの難易度

 シミュレーションRPGの代表的なタイトルとして真っ先に上げられる「ファイアーエムブレム」シリーズ。シミュレーションゲームのユニットをRPGのような経験値で成長するキャラクターに当てはめて、ユニットを代わりの利く物量的なものから代わりの利かない固有のものへと変換させたシミュレーションRPGは、発売当時は新しいジャンルだったため、難易度が高く感じられ、あまり馴染んでいなかった。しかし、ユニットであるキャラクターに思い入れを持って遊ぶおもしろさがプレーヤー側から広がり、その後シリーズ化されるほどのヒットにつながっていった。

 今回配信されたのが、シリーズ第1作目となる、1990年4月20日にファミコン用ソフトとして発売された「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」。本作は、スーパーファミコン版「ファイアーエムブレム 紋章の謎」、ニンテンドーDS版「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」といったリメイク及びリニューアル版が発売されており、前者は既にVCで配信済みだ(2006年12月26日より配信、900Wiiポイント)。

 暗黒竜メディウス率いるドルーア帝国によって滅ぼされたアリティア王国。アリティア王国の王子だったマルスは、辺境の島国タリス王国へ身を寄せ、祖国解放の日を夢見ていた。しかし、ドルーア帝国に協力するガルダの海賊がタリス城を占拠。城から逃げ延びてきた王女シーダからこのことを聞いたマルスは、僅かなアリティア兵とともにタリス城へ向かう。これをきっかけに、戦乱が続くアカネイア大陸で、ドルーア帝国に対するアカネイア同盟軍の戦いが始まる。

 ゲームは全25章構成。プレーヤーはアカネイア同盟軍として、各章に1つずつ用意されているマップで、敵側のドルーア帝国軍に勝利していくことで進む。ターン制で、自軍と敵軍のターンが交互に進み、それぞれの軍のユニットはターンごとに行動していく。マップ上には城か玉座があり、マルスがその場所でコマンドメニューの「しろ」か「ぎょくざ」を選ぶと勝利となる。マルスのHPが0になってしまうとゲームオーバーだ。

 本作でのユニットは、1ターンに1回行動することができる。戦闘で経験値を入手し、経験値が100たまるとレベルアップ。ユニット別に決められた各パラメータの成長率によって、ランダムでパラメータがアップする。なお、特定のユニットは、レベル10以上で専用アイテムを使用すると、上級ユニットへとクラスチェンジできる。パラメータがアップするだけでなく、いままで使用できなかった武器も装備できるようになるので、クラスチェンジ可能なユニットは積極的に育てていきたい。

 戦闘は、敵ユニットに隣接(間接攻撃の場合は1マス開ける)して「こうげき」を選択するか、敵軍ターンに敵側から仕掛けられたときに発生し、戦闘画面へと切り替わる。攻撃は仕掛けた側から行ない、双方の攻撃が終わるか、どちらかのHPが0になるかで戦闘が終了。終了後、自軍ユニット(NPCは除く)には経験値が入る。攻撃の際、通常時よりも多くのダメージを与える「必殺の一撃」や、双方の攻撃後に再度攻撃を行なう「再攻撃」が発生することがある。「再攻撃」は、相手側のユニットよりも、軽い武器を使っていたり、素早さが上回っていたりすると発生しやすいので、戦闘が行なわれる前に双方のパラメータをチェックしておいたほうがいい。

 なお、自軍ユニットはHPが0になって倒れると、以降は登場しなくなる。そのため、序盤から犠牲を払って進めていくと、すぐに立ち行かなくなるだろう。救済策として第24章で1人だけ復活させることはできるが、戦力として計算できるものでもなく、実用的ではない。可能な限り、仲間を失うことなくゲームを進めていくのが、ゲームクリアのカギになるだろう。

 セーブデータは2つ作成可能。章をクリアしたときのみセーブすることができる。章の途中で休みたいときは、中断という形で別個にデータを作ってセーブできるが、このデータはプレイを再開したときに消えてしまう。そのため、章の途中でユニットを失ってやり直したいときは、セーブしたデータがあれば章の最初からやり直すことになる。

 シリーズ共通の特徴として、ユニット数が多いものの、マップ上へ出撃させられる数に制限がある。また、入手できる経験値に上限がある。そのため、すべてのユニットを同時に強くすることができず、育てるユニットによって攻略方法が大きく変わってくる。プレイヤーの遊び方によって、いろいろな楽しみ方ができるということだ。

 本作ならではの特徴としては、以後のシリーズ作と比較すると、序盤にユニットが育てにくい。その理由は、経験値の算出方法にある。本作での入手経験値は敵ユニットによって数値が決められているが、以後のシリーズ作ではさらに自軍ユニットのレベルやクラスが影響している。レベルの低い自軍ユニットに経験値がたくさん入りやすくなるので、戦闘回数が同じなら、弱いユニットは育ちやすく、強力なユニットは育ちにくいということだ。そのような補正のない本作では、強いユニットほど育ちやすい傾向があるため、育てたいレベルの低いユニットを積極的に戦わせなければならず、そのぶんユニットを失う可能性が高くなっている。

 また、「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」以降に採用されている、戦闘前に命中率などを表示したり、ユニットの移動可能範囲を表示したりなどは本作にない。戦闘前に、自軍のユニットと敵のユニットのパラメータを比較して、自分で判断してから行動を起こさないと、ダメージを与えられないのに攻撃を仕掛けてしまったり、相手に再攻撃されて返り討ちにあったりしてしまう。自分で判断材料を集めた上で、慎重な行動が要求されるわけだ。

 既に本作のリメイク及びリニューアル版が発売され、本作と比べて遊びやすくなっているので、「ファイアーエムブレム」シリーズを初めて遊ぶ人にはそちらをオススメするのが筋だろう。しかし、システム面でのサポートがない「手ごわいシミュレーション」として楽しみたいのなら、複雑なシステムを採用していない本作が最適だ。育てるユニットを変えて何度も遊べるコストパフォーマンスの高さも含めて、是非チャレンジしていただきたい。


マップ上では、青いユニットが自軍、赤いユニットが敵軍を表す。カーソルをユニットに合わせて2ボタンを押すと、そのユニットのパラメータを表示。常にチェックしておこう戦闘画面では、攻撃アクションを交互に行なう。アーマーナイトによる重量感のある動きなど、クラスに合った動きは必見だ。もちろん動きを省略してテンポアップすることも可能敵のユニットによっては、特定のユニットが隣接して「はなす」を使うことで、仲間になってくれる。特定のユニットを必ず出撃させ、接近時に倒されないよう注意
武器や道具には強度があり、使用回数に制限がある。なくなる前に武器屋や道具屋で補充しておこう。使い勝手の良い「てつのつるぎ」や「てやり」は多めに買っておくといい「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」では出番がカットされた僧侶のリフ。僧侶は、ダメージを受けることでしか経験値が入手できないため、成長させるのが難しい城内にある宝箱は、敵の盗賊に取られたら取り返すことができない。宝箱をすべて奪われずに進むには、多少の強引な進軍やワープの杖などの貴重なアイテムを使わないと無理
(c)1990-2009 Nintendo/INTELLIGENT SYSTEMS

□製品情報
http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_fea/index.html




■ バーチャルコンソール

ファイアーエムブレム 外伝


●任天堂●配信中(2009年11月4日)●価格:500Wiiポイント
●プレイ人数:1人●対応コントローラ:Wiiリモコン/クラシックコントローラ/ゲームキューブコントローラ


● ユニットを育てる楽しさをメインにしたシリーズ異色作

 「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」でシミュレーションRPGという新ジャンルを切り開いたものの、高い評価の裏で、難易度の高さやシステムの複雑さを理由にプレイを躊躇するプレーヤーも見受けられた。その声を受けてか、若干RPG方向へ軸足を移して、ユニットであるキャラクターへ思い入れを持って遊びやすいように作られたのが、1992年3月14日にファミコン用ソフトとして発売された「ファイアーエムブレム 外伝」だ。

 長い戦いの後、バレンシア大陸は南北に分かれ、南は大地母神ミラの支配する文化の国ソフィア王国、北は邪神ドーマの支配する騎士の国リゲル帝国となった。ソフィアは豊かな実りを与え、リゲルは大陸を守り、それぞれの道を歩んでいた。しかし、リゲルにもたらされた飢饉に対し、ソフィアが嘲笑で応えたことから、2つの王国は戦乱へと突入。兵力のないソフィアは敗北の一途を辿り、ソフィアのドゼー宰相もリゲルに寝返り、ソフィア城はリゲルの手に落ちようとしていた。そんな戦乱の中、ソフィアの騎士だったマイセン伯爵の指導を受けたアルムと、ソフィアの王女セリカが、大陸に平和を取り戻すため、それぞれが別の場所から長い戦いの旅に出発する。

 ゲームは全5章のストーリーで構成され、1つの章の中にいくつもの戦闘マップやイベントが用意されている。それらは全体マップ上に配置され、戦闘を勝ち進むたびに、コマを進めるようにユニット(全体マップ上では主人公ユニットのみ)を進められる。主人公ユニットは、第1章ではアルムが、第2章ではセリカが、それぞれ進む。第3~4章では同じ全体マップに立つものの、別行動で進軍し、第5章でようやく合流して進む形になる。

 戦闘マップでは、プレーヤー側が解放軍として、敵側のリゲル軍に勝利していくことでゲームが進んでいく。前作と同様のターン制だが、勝利条件は制限ターン数内に敵軍を全滅させること。主人公ユニット(アルムやセリカ)のHPが0になるとゲームオーバーだ。

 戦闘の流れについては、レベルアップや自軍ユニットがHPが0になって倒れると以降は登場しなくなることなども含めて、前作と変わらない。クラスチェンジについては、レベル10以上になってアイテムを使用して行なわれていたものが、ユニットによってクラスチェンジ可能なレベルが設定され、そのレベル以上のときにほこらの中にある「ミラのしもべ」で行なえるようになった(一部特定のユニットのみイベントなどの条件が存在する)。アイテムも不要なので、気軽にクラスチェンジを行ない、ユニットを強化できるようになっている。また、一部のユニットは下級クラスへのクラスチェンジができるため、クラスチェンジの連鎖を延々と繋げることが可能だ。やり込み派にとっては、たまらない仕様だろう。

 セーブデータは2つ作成可能。全体マップ上でのみセーブすることができる。戦闘マッププレイ中に休みたいときは、中断という形で別個にデータを作ってセーブできるが、このデータはプレイを再開したときに消えてしまう。

 ちなみに、ゲームを最初から遊ぶ際に、+ボタンと-ボタンを押しながら2ボタンを押してファイルを選択すると、EASYモードが選べるようになる。EASYモードは、入手経験値が2倍になり、別行動しているアルム軍とセリカ軍でのアイテム受け渡しが簡単にできるようになる。通常のプレイと比較すると格段に易しく遊べるが、前作と比べると難易度が元から低く感じるため、なるべくならそのままプレイすることをオススメしたい。

 本作ならではの特徴として、ユニットの育てやすさがある。まず、経験値の算出方法が変わり、同じ敵を相手にしたとき、強いユニットよりも弱いユニットのほうが得られる経験値が多くなった。そのため、弱いユニットへ経験値が与えやすくなり、序盤から成長が見込め、戦力がバランス良く整うようになった印象だ。

 また、アルム軍とセリカ軍の2部隊に分かれていることで、戦闘に参加できないユニット数がかなり減った。まんべんなく育てやすく、1プレイ中に各ユニットの成長の度合いを見てから、どのユニットをより強化するか判断できるようになった気がする。

 さらに、1度クリアした戦闘マップでも、再度訪れると敵が復活して再戦できるようになった。前作では、戦って勝てそうになかったらやり直すしかなかったが、今回から以前のマップへ戻ってユニットを強化してから挑戦できるわけだ。ユニットを失う危険性は、そのぶん低くなっていると言えるだろう。

 他にも、お金の概念がなくなっていたり、武器の耐久度がなくなっていたりと、考えなければならない要素が格段に減っていて、ユニットの強化のみに専念できるようになっている。

 前作の綱渡りのような難易度に慣れてしまったプレイヤーには物足りなく感じる部分もあると思う。しかし、本作でのRPG寄りにシフトした「ファイアーエムブレム」シリーズも、ユニットを育てる楽しさがわかりやすく、「外伝」というポジションならアリだと感じられる。この機会に遊んでいただきたいタイトルだ。


全体マップでは、イベントや戦闘が発生する場所と、これらをつなぐ道が表示されている。1度通った道を戻ることができるので、敵を倒していても、復活していれば再戦できる本作でのポイントとなる経験値稼ぎ。何度も同じ場所に立ち寄って敵を復活させるのはもちろん、敵にひたすら召喚させるのも、HP回復手段が豊富な本作なら積極的に行ないたい武器やアイテムは、各ユニットが1つだけ持ちものとして装備できる。使用回数制限などはなく、持たせているだけで効果を発揮し続ける。守備力の低いユニットへの盾は基本
クラスチェンジは「ミラのしもべ」で行なう。左右にある泉は、利用するとパラメータがアップする。回数制限があるので、主人公ユニットをメインにして使うといいだろう前作に登場したキャラクターが、本作にも登場し、一緒に戦ってくれる。3姉妹が揃って攻撃を行なう「トライアングルアタック」は、前作以上に頼れる攻撃手段タイトル画面で十字ボタンを、↑、↓、←、→、↑の順に入力するとサウンドテスト画面に切り替わる。本作の世界観にマッチしたBGMをじっくり鑑賞するのも悪くない
(c)1991-2009 Nintendo/INTELLIGENT SYSTEMS


(2010年 1月 26日)

[Reported by 梶原製作所/木原卓]