PCゲームレビュー「Grand Theft Auto V」

Grand Theft Auto V

目指せ映画監督! 最強の「ロックスターエディター」

目指せ映画監督! 最強の「ロックスターエディター」

「ロックスターエディター」でシーンの編集が可能に
プレイ中に撮った1分刻みのクリップをつなぎ合わせていく
カメラ位置を変えると、ゲームとはまた違った雰囲気になる

 PC版「GTAV」のもう1つの大きなウリが、「ロックスターエディター」だ。ストーリーモード、「GTA Online」、さらにキャラクターやシーンを自由に設定できる「ディレクターモード」でのプレイを録画し、これを繋げ、編集することで、自分の好きなムービーを作成できる。

 これまでも有志によってムービーが作られていたが、ロックスターエディターではゲーム内映像をカメラワークも含め自由に設定でき、フィルタなどもゲーム内ツールで追加できるので、これまでの外部のムービー編集ツールとは比べものにならない自由度で映像を編集できる。

 ムービーはゲーム内でF1キーを押すだけで録画が開始できる。クリップは1分単位で切り取られるが、繋げることで長時間の映像にできる。ただし、キャラクターの会話シーンなどカットシーンが入るとムービーの録画はストップしてしまう。また、ゲーム内イベントが起きているシーンでは、カメラワークが固定されてしまう場合がある。こういったルールは実際にムービーを制作していくことで学んでいける。

 今回、筆者はプレイ中の映像を繋げてみた。フランクリンとマイケルの2人の出会いと、繋がりが生まれるきっかけのシーンを抽出し、トレバーを加え、ゲームのプロローグを意識してみた。編集ツールはキーボードとマウスだけでも、ゲームパッドだけでも可能だ。しかし、キーボードでは再生などのボタンが押しにくく、ゲームパッドと併用してやってみた。編集ポイントなどの設定はマウスがやりやすく、今回はいろいろ混ぜて作業した。ツールの使用法に関してまだわからない点も多く、時間をかけることでもっと思い通りの編集ができそうだ。

 ディレクターモードでは、様々なキャラクターを主人公にできるし、スーパージャンプや、パンチを当てると爆発させたりできる。キャラクターを無敵にして、警察の警戒度を高に設定すれば、自分が小さな怪獣になったかのような大暴れもできる。無敵モードにしておけば、水中での長時間撮影や、火災現場を平気で入っていくようなこともできそうだ。

 「ロックスターエディター」は大きな可能性を秘めたツールだと感じた。実際作ってみると、「あのシーンも、あのシーンも欲しいのに、何で俺は録画していないんだ」と強く思った。ムービーを作るためにシーンを設定し、ロケーションを決めて、録画を意識したプレイをして、編集する。これまでの「GTAV」とは全く異なる世界が広がると感じた。

 ちょっと気が付いた点は、エディターのタイトルや字幕が、日本語など他言語に対応していないようだ。全世界への公開が対象になっているからだと思うが、やはり日本語で字幕を入れて遊びたい。アップデートでぜひ対応して欲しい。

【Rockstar Editorでプロローグを作ってみる】

【ロックスターエディター】
様々な加工が可能
ディレクターモードでは、様々なキャラクターを主人公にできる

「GTA Online」もコンシューマ版とは違う新しい世界が!

他機種版のキャラクターをそのままコンバート可能

 PC版「GTA Online」はキャラクターをコンバートしてちょっとだけ世界をのぞいてみた。PC版は世界中の人が同じ世界に繋がるグローバルサーバーを採用している。コンシューマ版では意識しなかったが、照準でのアシストによって繋がるサーバーが異なる。筆者が繋いだ時間帯は、まだオンラインのユーザーが少ないようだったが、マウスでプレイしやすい「自由照準」のサーバーの方が人が多かった。

 連載企画で知り合ったクルーメンバーの何人かは海外版の「GTA Online」を遊んでいたことがあり、ユーザーが国内コンシューマー版より遥かに自由奔放でびっくりした、という話を聞いていたが、今回は1サーバーに4から5人ほどのユーザーしか見かけなかった。最もこれは日本時間で遊んでいるためで、北米のコアタイムに入ると体験は全く変わってくるかもしれない。

 PC版はマウス、キーボードでの操作に対応しているが、コンシューマ版になれた筆者にとっては、やはりプレイしにくく感じた。ただ、ストーリーミッションでエロサイトのポップアップ広告を消す作業や、ゲーム内でのブラウジング、ロックスターエディターの操作は、マウスの方がやりやすい。コントローラーでプレイしていてもマウスに手を伸ばせばすぐに切り替わるので、両方使えるのは便利だ。とっさの時にマウスも使えるというのは、大きなメリットだと感じた。

 PC版「GTAV」はPCゲームユーザーに強くお勧めしたいタイトルだ。コンシューマ機では実現できないハイエンドのグラフィックスは、ゲーミングPCの潜在能力を実感するのにうってつけだ。細かい設定でぎりぎりのパフォーマンスを攻める、というのもありかもしれない。海外版と同じ表現という所も注目ポイントだ。パパラッチが撮るセレブのスキャンダルなど、国内コンシューマー版との細かい違いを見つけるのも楽しい。気になる人、特に「GTAV」未体験の人には強くオススメしたい。

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(勝田哲也)