Xbox 360ゲームレビュー

Zoo Tycoon

親子の触れあいや遊具での遊び、様々な仕草を見せてくれる動物たち

親子の触れあいや遊具での遊び、様々な仕草を見せてくれる動物たち

エサやり場を配置することで、エサやりのショーが開催できる。象が間近に来るのは大迫力だ
動物は姿はもちろん、鳴き声や仕草にもこだわりが感じられる

 「Zoo Tycoon」では作った動物園を気ままに散策できるのが楽しい。ディズニーランドを再現した「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」でも探索する楽しさがあったが、本作は“自分が作った動物園”なのだ。その楽しさは格別なものがある。動物園では徒歩だけでなくバギーにも乗れるので、ちょっとしたドライブゲーム気分も味わえる。

 「象のコーナーの次は、蛇だ。草むらに隠れて見えないな……いたいた。あっちでは、シロクマが滑り台の上で立ち上がってる!」といった感じで、自分が配置した施設を来場者目線で楽しめる。子供と一緒にプレイし、子供の要望のままお父さん、お母さんが動物園を作り、コントローラーを渡して子供が散策する、という遊び方にとても向いていると感じた。

 動物の動きはリアルだ。爪を研ぐ遊具にじゃれついたり、木にぶら下がったおもちゃで遊ぶなど、改めて「動物ってこうやって遊ぶのか」ということを学ぶことができる。水浴びする姿や、動物同士でじゃれ合ったり、様々な仕草も見せてくれ、動物たちに対する知識が深まる。本物の動物園に勝るとも劣らない体験と、学習ができる。

 キリンや象は直接エサをあげる「ふれあい」が楽しめるし、サイやカバはホースで水をかけることができる。またチンパンジーは「ものまね遊び」ができる。ものまね遊びではスティックを動かすことで、チンパンジーが様々なポーズをしてくれるのだ。水浴びなどは本当に気持ちよさそうで、こちらもうれしくなる。エサをあげるときの大型動物のモーションは迫力たっぷりで、実際にエサをあげているかのような感触も楽しめる。

 大きな蛇が這い回る姿や、クジャクが羽を広げたり、ミーアキャットがちょろちょろと動いたり、「Zoo Tycoon」の動物たちは見ているだけで楽しい。こういった楽しさは、新しい動物を入れるモチベーションへと繋がっていく。実際にプレイしていると“チャレンジ”がひっきりなしに提示されるので、それに対処していると経営に夢中になってしまいがちな部分もあるが、動物園経営に夢中になるだけでなく、動物たちをじっくり観察することができるそのリアルさが、本作の最大のセールスポイントだと思う。

 ただ、現時点でちょっと感じるのは、動物に関して思ったより種類が少ないという所だ。本作は、サイ、象、カバ、虎など多彩な項目があり、様々な地方の亜種が65種類も登場するのだが、一方で水牛やシマウマ、オオカミ、ラクダといった動物がいないのが気になった。アシカやトドといった海洋生物も欲しいところだ。

 「Zoo Tycoon」はオンラインでの対応としてダウンロードコンテンツの配信をアナウンスしており、こちらの情報が楽しみである。2002年に発売された初代「ズータイクーン」では恐竜まで飼育できた。本作の動物の動きは本当に楽しい。だからこそ色々な種類の動物を見たい。

【多彩な動物たち】
ホースによる水浴びや、チンパンジーの物まねもショーとして来場者に見せることができる
もちろんいろいろな動物が登場することこそが本作の最大のセールスポイントだ。動物はずっと見ていても飽きない。遊具を準備すれば、色々遊んでくれるのも楽しい
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(勝田哲也)