★ PSPゲームレビュー★
人気アニメ10作品のキャラクターが結集!
斬新なバトルシステムを搭載した新作RPG!
「ヒーローズファンタジア」
ジャンル:
  • クロスオーバーRPG
発売元:
開発元:
プラットフォーム:
  • PSP
価格:
6,280円
発売日:
2012年1月19日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:B(12歳以上対象)

 1月19日、株式会社バンダイナムコゲームスから「ヒーローズファンタジア」が発売。人気アニメ10作品のキャラクターたちが作品の枠を越えて登場するクロスオーバーRPGだ。開発は2008年に設立され、PSP「魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE - THE BATTLE OF ACES -」、ニンテンドーDS「THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~」などを手がける株式会社ウィッチクラフトが担当している。

 ロード時間を短縮できるデータインストールに対応しており、利用するには400MB以上の空き容量が必要。PSP-3000、SanDiskの8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は6分程度であった。データインストールを利用すると、ロードで待たされていると感じることがないほど快適にプレイできる。是非とも利用してもらいたい。



■ 人気アニメ10作品のキャラクター達が作品の枠を越えて登場!

現代。
世界各地で、これまでの手段・手法では解決するのが困難な事件が多発していた。

異能力者、ネイティブアルターによる反社会的行為。
怪生命体オーファンによる人間社会への介入。
亜人間、翼手による吸血殺人事件。
再生された偉人によるアメリカ議会図書館襲撃事件。
だが、それら脅威に対決するものたちが在った。

ホーリー HiME 赤い盾 大英図書館特殊工作部

この社会の平和と秩序を守るため、あるいは個人的な事情のため、
彼らはこれら脅威に立ち向かっていた。

その一方で新たに、特殊能力を持った“契約者”達の出現が各機関で確認されようとしていた。
彼らは口々にこうつぶやいた。
「ヘルズ・ゲートはどこだ!?」と。

その頃、異世界アドロアスは、怪物レインと死に至る赤い霧により、壊滅の危機に瀕していた。
異世界への次元の壁は崩壊し、アドロアスには様々なモンスターも出現、
壊滅のスピードはより加速度を増す。
しかし壁の崩壊は、同時に英雄たちの降臨をも意味していた。

オーフェン リウイ リナ=インバース

彼らはアドロアス界の危機に、どう立ち向かうのか?
物語は、2つの世界で徐々に動き出そうとしていた……

 下記表のアニメ10作品のキャラクターたちが作品の枠を越えて登場する本作では、各アニメの追体験ではなく、現実世界と生命を死滅させる赤い霧により滅亡に瀕しているアドロアス界の2つの世界を舞台にオリジナルの物語が展開していく。

【登場作品とプレイアブルキャラクター】
魔術士オーフェンオーフェン
クリーオウ・エバーラスティン
マジク・リン
魔法戦士リウイリウイ
メリッサ
ミレル
ジーニ
R.O.D -READ OR DIE-読子・リードマン
ナンシー・幕張
ドレイク・アンダーソン
スクライドカズマ
劉鳳
ストレイト・クーガー
ケロロ軍曹ケロロ軍曹
ギロロ伍長
タママ二等兵
クルル曹長
ドロロ兵長
舞-HiME鴇羽舞衣
玖我なつき
美袋命
杉浦碧
BLOOD+音無小夜
ハジ
DARKER THAN BLACK-黒の契約者-
DARKER THAN BLACK-流星の双子-蘇芳・パブリチェンコ
スレイヤーズREVOLUTIONリナ=インバース
ガウリイ=ガブリエフ
ゼルガディス=グレイワーズ
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン
オリジナル渡英司
不堂忍
※どちらか1人を主人公として選択する




■ 操作は簡単ながらも、他に類を見ない斬新なバトルシステムを搭載!

 ゲームの流れは至ってシンプル。ワールドマップから行き先(ダンジョン)を決定し、ダンジョンで目的を果たす。新たにイベントが発生したダンジョンは、赤いアイコンがついているので、すぐにわかるようになっている。

ワールドマップからダンジョンへとすぐに移動できるため、目的地までの移動の面倒くささはない。ワールドマップでは、移動だけでなく、ショップも利用できる

 ダンジョンでは様々な仕掛けを解きながら目的地を目指す。仕掛けといっても難しいものはないので、詰まって進めなくなるようなことはない。また、ミニマップにはイベント発生ポイントや各施設が記載されているし、ダンジョン自体もそれほど広くなく、エンカウント率も低めなので、サクサクと進められる。

イベント発生場所や回復ポイントなど、未到達の場所までもがわかる便利なミニマップを使わない手はない。ただ、ミニマップでは現在いるエリアはわかるが、そのエリアのどこにいるかが表示されない点のみ少し不便に感じた。エリアは狭く、地形を見れば現在地はわかるのだが、ミニマップでわかるようになっていも良かったのでは。また、ダンジョンにはジェネレーターという設備があり、エンカウント率を3段階に調整可能。エンカウント無しにすれば、イベント以外の戦闘を完全にスキップできる

 スムーズに進行できるよう目的地やイベント発生場所までもが示される親切な仕組みの本作だが、ゲーム進行で詰まるとしたら、それは強敵とのバトルだろう。

 攻撃を行なう攻撃ターン、敵からの攻撃を受ける守備ターンを交互に繰り返す、RPGではベーシックなターン制でありつつも、フォーメーションを入れ替えることでキャラクターをチェンジしつつ、攻防するバトルシステム「ダイレクトアクション」は、操作は簡単だが、戦略性の高いバトルに仕上がっている。凝ったシステムである分、理解していないとバトルで詰まってしまいやすいだろう。ここからはそのバトルシステムについて紹介していきたい。

■ ポジションとシフトチェンジ

 まずはポジションとシフトチェンジから。ポジションは前衛2、後衛2の計4つ。後衛にいるキャラクターは前衛よりも受けるダメージを抑えられるが、キャラクターには「前衛」、「後衛」、「前衛/後衛」と立てるポジションが決められており、決められたポジションでしか攻撃することができない。キャラクターのアクション操作は、×(左前衛)、□(右前衛)、○(左後衛)、△(右後衛)ボタンで行なう。キャラクターのポジションと同じ位置にあるPSPやPS Vitaのボタンを押せばいいわけだ。

 各ポジションにいるメンバーは、シフトチェンジで移動させることができる。シフトチェンジは方向キーの上下左右で行い、↑or↓に入力すれば上側の2名⇔下側の2名、←or→に入力すれば前衛⇔後衛のように入れ替わる。全ポジションにメンバーがいなければ、いるメンバー内でシフトチェンジが行なわれる。この場合、誰もいないポジションが発生することになるのだが、これを利用し、うまくシフトチェンジできれば敵の攻撃を空振りさせることもできる。

 つまり、初期状態、ラインチェンジ(初期状態から←or→入力)、サイドチェンジ(初期状態から↑or↓入力)、ラインチェンジ&サイドチェンジ(初期状態から↑→入力など)の4パターンが存在する。

 前衛キャラクターがラインチェンジして後衛に移動すると攻撃できなくなってしまうのだが、そのメンバーの同一ユニットとして最大3人のサブメンバーが選択でき、ユニット内のメンバーを4つのポジションに配置できるため、シフトを変えた場合であっても同一ユニット内の別メンバーを登場させることで、攻撃できない状況を防げるようになっている。

4つのシフトでの配置例。ユニット内のメンバーを各ポジションに配置することでどのシフトであっても全員が攻撃できるようになっている。各ポジションへのメンバー配置は、任意で設定することもできるが、参加させる作品を決定した段階で自動で配置してくれる

 スターティングメンバー+サブメンバーで構成されるユニットは、攻撃方法などは攻撃時のキャラクターによって異なるが、体力に相当し、なくなるとやられてしまうHP(ヒーローポイント)や必殺技使用に必要なPP(ファンタジアポイント)はユニットで共有することになる。HPやPPはユニットのメンバーやその数に応じて高くなり、またそれらメンバーに設定されているHP/PP補正値によって上昇するため、4人でユニットを構成する方が有利になる。

 ユニットは、基本的に各作品単位でしか結成できないルールがあるため、登場キャラクターの少ない「BLOOD+」や「オリジナル」などのユニットは必然的に不利になってしまうが、ゲームを進めるにつれて、ユニット編成の自由度が上がるので、ある程度ゲームを進めれば、全ユニットを4人=計16人にすることができ、どの作品のキャラクターも不利なく活躍できる。

左は1人でユニットを構成、右は4人でユニットを構成。HPやPPに明らかな差がある。他にもメンバーの補正値や装備品などの影響も受けるため、4人でのユニットを構成する方が有利になる

■ 攻撃アクションとコンボシステム

 各キャラクターは通常技と必殺技を1つずつ習得しており、前述のようにポジションに対応するボタンを入力することでアクションを行なう。技自体は通常技と必殺技の2つだが、入力次第で様々な違いが生まれるようになっている。全てのアクションにはAP(アクションポイント)が必要で、必殺技など一部のアクションの場合、APに加えPPも必要になる。また、攻撃ターン、守備ターン共に攻撃側のAPが100未満になるとターン交代となる。

 ○ 通常技/チェーン攻撃/オーバーチャージ

 基本となる通常技は、各ポジションに対応したボタンを押すことで繰り出せる。基本的にボタンを1回入力するとAP100を消費する。攻撃開始はボタンを離したタイミングになる。

 多くのキャラクターの通常技は攻撃だが、メリッサなど一部のキャラクターは攻撃ではなく、回復を行なう。

PP消費なく、少ないAPで繰り出せる通常技。キャラクターによっては少ないAP消費ながら、多数のコンボ数が稼げる

画面右上のボタン表示の周りにチェーンゲージが表示されている状態で追加入力すればチェーン攻撃に。チェーン攻撃に必要なボタン入力を自動で行なうように設定することもできる

 チェーン攻撃は通常攻撃発動後、ボタン表示の周りにチェーンゲージが表示されている状態でボタンを追加入力することにより、連続して攻撃を繰り出す攻撃方法。消費APは100(通常技)→50→25のように段階を経るごとに少なくなっている。序盤、チェーン攻撃による追撃は1回までだが、レベルが上がるごとに増え、多くのキャラクターにおいて最大で3回のチェーン攻撃による追撃が可能となる。

 オーバーチャージは対応するボタンを押し続けることで、さらなるAPを消費し、通常技に特定のパラメータを上乗せする攻撃方法。チャージする時間の分、APを消費(最大100)してしまうが、チャージした分、効果も上昇する。また、オーバーチャージは後述の必殺技にも適用される。

 上昇するパラメータは、威力/命中/ヒット/会心のいずれかで、技によって上がるパラメータは固定されている。ただし、ゲームを進めることで各技で上がるパラメータが2種類に増え、好きな方を選択できるようになる。

ボタンを押し続ければオーバーチャージとなり、効果を上乗せして攻撃が繰り出せる。パラメータを変更するだけで大きく化ける技も存在する

 チェーン攻撃やオーバーチャージが通常技の延長上にあるアクションなのは理解してもらえたことだろう。これらは通常攻撃→オーバーチャージ→チェーン攻撃と繋げることが可能。AP消費は大きくなってしまうが、与えられるダメージも大きくなるので状況に合わせて活用していきたい。

 これらの攻撃に必要なボタン入力は、他の攻撃中やチャージ中などであっても受付られているため、4つのボタンを同時に押したり、ボタンを押している状態のまま、別のボタンを押したりと、好きなタイミングでテンポ良く攻撃することができる。さらにボタンを離すタイミングで攻撃を始めるため、自由度も高い。

 ○ 必殺技

 L+ボタン入力では必殺技が繰り出せる。強力な攻撃方法ではあるが、通常技などとは異なり、APに加え、PPを消費する。また、PPがあっても、使える回数に制限のある必殺技も存在する。

PPを消費する分、強力な必殺技。オーバーチャージすればさらに威力は高くなる。その演出も見ものだ。PPはフィールドの回復ポイントだけでなく、守備ターン終了時にも一定量回復する

 ○ コンボ/CrossOver/ヒロイックシステム

 最大16人ものキャラクターがバトルに参加し、3桁のコンボ数も実現可能な本作ではコンボ関連のシステムも複数用意されている。

 コンボは連続攻撃のことでキャラクターたちが連続して攻撃を命中させた数がコンボ数としてカウントされていく。前の攻撃から一定時間内に次の攻撃を決めればOKで、コンボが繋がる時間も長く取られているため、同じキャラクターで攻撃を繰り返したり、シフトチェンジしてから攻撃することでもコンボ数を稼ぐことができる。

 コンボのメリットはダメージボーナス。100コンボを決めれば100%のダメージボーナス=与えるダメージが200%のように、コンボ数に応じて与えるダメージにボーナスが得られる。コンボは同ターン内であっても何もせずにいたり、必殺技を使用すると途切れてしまう。

1回の攻撃で多段ヒットになる通常技を持つキャラクターを使用し、連続して通常攻撃を決めれば3桁のコンボも夢ではない。大量のダメージを与えれば、ひるみが発生し、ガードやミスが起きなくなるというメリットもある。コンボ数をため、強力な攻撃を放ち、大ダメージを狙おう

 コンボの延長上にあるのがCrossOver。2作品以上からキャラクターを選出し、バトルメンバーを編成している場合に、メンバー全員がコンボに参加するとCrossOverとなり、通常のコンボボーナスに加え、クリティカルヒットの発生率が3倍になるボーナスが得られる。

クリティカルヒットの発生率3倍のCrossOverボーナス。魅力的ではあるが、全員がコンボに参加しなければ発生しない。そのため、編成メンバーが少ない場合に使いやすい。逆にメンバーが多いと必要APが増えてしまうので、発生させるのが難しくなる

 コンボが確定すると、その内容がヒロイックスコアとして採点され、獲得した点数によってHPが回復する。戦闘中のアイテム使用がない本作では数少ない戦闘中の回復手段の1つだ。コンボの最後を締めくくるキャラクターの魅力値やアクションが、高いヒロイックスコアの鍵となる。

コンボを決めればヒロイックスコアが獲得でき、HPを回復できる。HPが回復できるキャラクターは少ない上、戦闘中に行動可能な状態のままHPを回復できる手段はヒロイックスコアと回復タイプの技しかないので、攻撃ターンではなるべくコンボを決めて回復しておきたい

■ 復活と防御

 HPが0になってしまうとそのユニットは倒れてしまい行動不能になる。全員やられてしまうとゲームオーバーとなり、以前セーブしたポイントからリスタートするはめになってしまう。ここで活躍するのが復活系のシステムだ。

 ○ リバイブ/英雄モード

ギリギリの戦いで全滅を避けるにはリバイブ、英雄モードでの復活タイミングが重要になる。状況を見極めて復活するようにしたい。全滅時に戦闘を最初からやり直すといった機能はなく、全滅するとタイトル画面に戻され、セーブデータをロードして再開するしかない。全滅を避けるように行動すると共にこまめにセーブをするようにしておくといいだろう

 行動不能になったキャラクターは、行動不能状態ながらターン経過でHPが回復する。ターン経過を経て、HPが半分以上の状態でポジションに対応するボタンを押せば復活することができる。復活は攻撃ターン、守備ターンどちらでも可能となっている。

 さらに行動不能状態でHPが全回復してから復活すれば英雄モードに。PPが全快することに加え、2ターンの間、HPとPPが減少しなくなり、クリティカルダメージが通常の1.5倍になる。完全無敵かつ攻撃能力まで上がるわけだ。攻撃ターンではPPが消費されないことを活かして必殺技が連発できるし、守備ターンでは相手がどれほど強力な攻撃を繰り出してきても英雄モード中のキャラクターはダメージを受けることはなく、そのターンの全滅を100%回避できる。

 ○ ガードアクション

 守備ターンでは各ポジションに対応したボタンを入力することでガードアクションを行なう。PPを消費するものの、消費PPに応じて守備値が上昇することに加え、ひるみが発生しにくくなる。PPの消費はガードの成否に関わらず、ガードアクションに入ると消費してしまう。

 PPは必殺技の使用にも必要だが、やられてしまっては元も子もないので、危ないと思ったら惜しまず使っていきたい。ただ、HPの少ないユニットをあえて行動不能状態にさせ、英雄モードを狙うという戦法も悪くない。その場合はガードアクションの使い方やシフトチェンジをうまく使い、倒れるユニットを調整したい。一番良くないのは全ユニットの体力がまんべんなく減らされる状況。行動不能からのリバイブや英雄モードができるようになるまでは、残ったユニットで敵の攻撃を凌ぐ必要があるからだ。

■ Rボタンでの特殊コマンド

 RボタンやRボタンと各ボタンの組み合わせでは通常の攻撃や防御とは違った特殊なコマンドが利用できる。

 ○ 敵陣突破/勝利宣言/ターンエンド/強行突破

一気に戦闘を終わらせることのできるRボタンでの特殊コマンド。ただし、失敗すれば即座に守備ターンになってしまう

 R+□ボタンは敵陣突破。成功するとバトルがスキップできるが、経験値や賞金などは得られない。R+○ボタンは勝利宣言。成功すると無条件で勝利となり、バトルが終了する。R+×ボタンはターンエンド。残りAPに関係なく、自分の攻撃ターンを終了する。先行時のバトル開始直後にR+×ボタンで使えるのが強行突破。敵陣突破を行なうのだが、通常の敵陣突破よりも成功率が高い。

 敵陣突破/勝利宣言/強行突破はバトルを一気に終了させるもので、戦闘が面倒な場合などに利用することになる。ただ、本作では適正レベルの雑魚敵との戦闘でも十分な経験値が得られるし、1ターンで敵を撃破するのも難しくなく、失敗時には強制的に守備ターンになってしまうデメリットがあるし、どうしても敵とのエンカウントを抑えたいならジェネレーターを利用すればエンカウントを無しにできるので、利用頻度は少ないだろう。

 ○ 敵のアクション準備時間のスキップとウェイト

 守備ターン時にRボタンを押せば、敵のアクション準備時間をスキップ(自動経過)/ウェイトに切り替えられる。スキップ/ストップの初期状態はオプションで設定可能。テンポ良く戦闘したいなら初期状態をスキップに、敵の攻撃準備時間中、こちらはシフトチェンジやガードアクションができるので、安全に熟考した上で敵の攻撃が始まるようにしたいならストップ状態にしておくといいだろう。

■ 成長・強化要素

 ○ アクセサリとアシスト効果

 各キャラクターは1つだけアクセサリを装備できる。多くのアクセサリにはパラメーター上昇以外に、アシスト効果が設定されている。このアシスト効果は、攻撃ターン中に待機中のキャラクターからアクションするキャラクターに対して発生し、攻撃や命中などを高めてくれる。各ユニットで特定の効果を集中して高めたり、バランス良くしたりと、目的に応じてアクセサリを装備させるようにしたい。

 ○ スピリットとフィールド効果

 スピリットはキャラクター毎に必殺技に対して設定し、必殺技を使用することで、敵陣の命中にマイナス効果+自陣の回避にプラス効果といったフィールド効果が得られる。その効果や継続ターンはスピリット毎に様々。この効果は原則として新しい効果が優先されるが、同じタイプのパラメータに影響を与えるフィールド効果の場合は、変化量が増減する。小さい効果を積み重ねれば、大きな効果を発揮するし、逆に大きな効果になっても、別の効果が得られるスピリットであれば、その積み重ねた大きな効果は失われ、新たな効果に変わってしまう。また、敵もフィールド効果を利用するため、敵が上昇させる効果と反対の効果を持つスピリットをぶつけたり、全く関係のない効果をぶつけることで打ち消すといった使い方もできる。自陣を有利に、敵陣を不利にフィールド効果をいかに与えるが重要になるわけだ。

 ○ おまもり

 おまもりはエンカウント率、獲得EXPやGOLDなどに影響するアイテムで、全体で1つだけ装備できる。

唯一の装備品であるアクセサリの恩恵は大きい。戦闘に参加するメンバーは忘れずに装備するようにしたい。スピリットは、複数のキャラクターで必殺技を使ったりすることで、せっかくのプラス効果をなくしてしまわないように設定しておきたい。おまもりは経験値やGOLD稼ぎ、エンカウント率、Rボタンでのコマンドの成功率など様々な効果を発揮する

 ○ レベルとブレイブ

 敵との戦闘に勝利すると経験値が得られ、一定の経験値をためるとレベルアップし、キャラクターが成長する。レベルはキャラクター毎ではなく、全体のレベルになっているため、後から参入したメンバーや普段パーティーに組み込んでいないメンバーであっても即戦力としていつでも利用できるのが嬉しい。

ブレイブポイントでキャラクターを強化!ただし、ブレイブポイントを消費すればするほど、HPやPPの補正は低くなってしまう

 また、レベルアップ時にはブレイブポイントが1得られる。ブレイブポイントを利用することで、攻撃/守備/魅力/連携、通常技・必殺技の威力/命中/ヒット(数)/会心が強化できる。こちらもレベルと同様に得られるポイント数は全キャラクター同じになっている。魅力は回復技の効果やヒロイックスコアに、連携はターン開始時の最大APに影響する。このブレイブポイントは、レベルアップだけでなく、ダンジョンの宝箱からも入手できる。あればあるだけ有利なので、取りこぼしのないようにしたい。

 特徴的なのが、各パラメーターに使用していないブレイブポイントの扱い。キャラクターにはHPかPP補正があり、使用していないブレイブポイントが多いほど、ユニットで組み込んだ場合に影響する補正値が高くなる。つまり、最大HP、最大PPを高くしたいならブレイブポイントを使用しない方がいいわけだ。ポイントの割り振りは自由に変更できるので、間違って使ってしまっても何も問題はない。

 ユニットの強さを決めるブレイブポイントの使い方はバトルに大きく影響を与える。HPやPPの補正もあるので、所持ポイント分を全て使えばいいというわけではない。もちろんどのようにポイントを割り振るかはプレーヤー次第だが、各シフトでのキャラクターの役割を考えて振るのがいいだろう。

 シフトは4つあるが、2つだけを利用すると割り切るのも手だろう。例えば、スターティングメンバーは守備と連携のみを高めておく。攻撃ターン時の初期メンバーの連携値で最大APが決定されるので、攻撃ターンでスタートする場合には最大APが多くなる。ここで攻撃用のシフトへと変更する。このシフトは、攻撃ターンでのみ使用するシフトで、構成するメンバーは攻撃や通常技・必殺技を強化しておく。守備・連携シフトで高いAPが確保できているので、高威力の攻撃が連発でき、大ダメージが期待できる。

 守備ターンでは、守備・連携シフトを活用する。敵からのダメージを抑えられるし、守備ターンでの敵の最後の攻撃から攻撃ターンへ移行する間にはシフトチェンジはできないが、このシフトは守備だけでなく、連携値も高いため、攻撃を凌いでから攻撃ターンに入った状態でも高い最大APが確保できる。残りの使わないシフトのメンバーに関してはブレイブポイントを使用しないことでユニットのHPやPPを高めてもらうといった具合だ。アクセサリも各シフトに合ったものを装備すれば、よりその性能が高められる。構成するメンバーのブレイブポイント利用前のステータスも加味しておけばさらにその性能は高まる。

左は連携を高めるようにブレイブポイントやアクセサリを装備、右は連携に関して一切何もしていない状態。同じレベル、同じメンバー構成ながらAPの違いは歴然。APが高いほど、多くの行動が可能になるため、期待できる与ダメージが大きく違ってくる

 このように非常に高いカスタマイズ性、戦略性を誇るバトルシステムは、多数のアニメ作品が登場する点に勝るとも劣らない大きな魅力の1つといえるだろう。



■ 数量完全限定の限定版でのみ遊べるリミテッドエディションディスク!

 数量完全限定の限定版には、特別なコンテンツが楽しめる「リミテッドエディションディスク」、参加している10作品の紹介記事などが収録された全60ページの「Newtype -ヒーローズファンタジアエディション-」、主題歌などを収録した「スペシャルサウンドトラックCD」が同梱されている。本項では、同社から発売されるゲームの限定版ではよく見かけるようになってきた「リミテッドエディションディスク」について紹介したい。

 「リミテッドエディションディスク」に収録されているコンテンツは、育成したメンバーを自由に編成し、敵やステージなどを設定して戦える「フリーバトル」、特別収録の「フルボイスイベント」、オリジナルキャラクターやプロップ設定資料、イメージボードなどが鑑賞できる「デジタルミュージアム」、本編で使用されている楽曲を自由に聴くことができる「サウンドミュージアム」。本編の進行状況に合わせて新要素がアンロックされる仕組みになっており、利用することでアクセサリなども獲得できる。

 中でも注目なのがフルボイスイベントだ。各作品のキャラクターたちが本作に登場するまでのエピソードがフルボイスで収録されており、アニメ作品ファン必見の内容となっている。




■ 最後に

 通常では有りえない作品の枠を越えたキャラクター同士のやり取りが魅力の本作。ストーリーやキャラクターを楽しむのがメインで、バトルシステムは簡単なものになっているのかと思っていたが、そのバトルシステムの新しさや仕組みには目を見張るものがある。たくさんの要素が詰め込まれたバトルシステムだけに、徐々に覚えられるようには作られてはいるが、正直な所、筆者はある程度理解できるまでに結構な時間を要した。その分、理解できればバトルがどんどん面白くなってくる。ただ、難易度選択がなく、システムを理解していないと進めるのが難しい場面も多々あるため、「ストーリーやキャラクターを楽しみたい」という人にとってどう捉えられるのか、その辺りは興味深いところだ。ストーリーやキャラクターの面で少し残念なのがフルボイスではないこと。特に登場アニメ作品のファンにとっては残念と感じられてしまうだろう。

 筆者のクリアまでのプレイ時間は22時間ほど。メインストーリーに加え、全15種のサブクエスト全てをクリアした上でのクリアタイムとなっている。途中から獲得EXPが増えるおまもりを装備していたためか、レベル上げなどをする必要もなかった。クリア後には、特別な制限がかけられるおまもりを装備しての2周目のプレイが用意されている。

 同社の「スーパーロボット大戦」シリーズなどとは別の形で多数のアニメ作品が登場する新作RPG。登場するアニメ作品のファンや新たなRPGのバトルを楽しみたい人にオススメしたい。


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(2012年 1月 30日)

[Reported by 木原卓 ]