★PSPゲームレビュー★
3D空間で繰り広げられるハイスピード ロボットアクションシリーズがPSPに登場! 「Another Century's Episode Portable」 |
|
シリーズならではの3D空間を活かしたハイスピードなバトルが楽しめる |
1月13日、株式会社バンダイナムコゲームスからPSP「Another Century's Episode Portable」がリリースされた。「Another Century's Episode」は、様々なロボットが作品の枠を超えて一堂に会するハイスピード・ロボットアクションシリーズ。今回、シリーズ初の携帯機向けタイトルということでも注目を集めた。開発はこれまでのシリーズ同様、株式会社フロム・ソフトウェアが担当している。
本作はロード時間を短縮できるデータインストールに対応。インストールには281MBの空き容量が必要。PSP-3000、SanDisk社製 8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は6分程度であった。
■ 全20作のロボットアニメから多くのロボットが参戦!
「ガンダム」シリーズや「マクロス」シリーズなど、全20作ものロボットアニメからロボットが参戦。その中でも「機動戦士ガンダムOO」、「VS騎士ラムネ&40炎」、「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」の3作品はシリーズ初参戦となる。
下記は全20作品と機体例。記載されている機体はあくまで一部であり、これら以外にも多くの機体が参戦している。なお、オリジナル機として「量産型ゲシュペンストMk-II改・N1」なども登場する。
【登場作品 / 機体】 |
・「蒼き流星SPTレイズナー」 / レイズナー ・「プレンパワード」 / ネリー・ブレン ・「リーンの翼」 / アッカナナジン ・「オーバーマン キングゲイナー」 / キングゲイナー ・「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」 / ランスロット・アルビオン ・「機動戦艦ナデシコ The Prince of Darkness」 / ブラックサレナ ・「聖戦士ダンバイン」 / ダンバイン ・「重戦機エルガイム」 / エルガイムMk-II ・「機甲戦記ドラグナー」 / ドラグナー1型カスタム ・「機動戦士Zガンダム」 / Zガンダム ・「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 / νガンダム ・「機動新世紀ガンダムX」 / ガンダムDX ・「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」 / ウィングガンダムゼロ ・「∀ガンダム」 / ∀ガンダム ・「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」 / ディスティニーガンダム ・「機動戦士ガンダムOO」 / ガンダムエクシア ・「VS騎士ラムネ&40炎」 / カイゼルファイヤー ・「マクロスプラス」 / VF-19(ファストパック) ・「マクロスF」 / VF-25F ・「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」 / ニルヴァーシュ type ZERO spec2 |
■ 気軽にテンポ良く遊べるミッションクリア制を採用
シリーズならではのハイスピードで、前後・左右・上下と3Dならではのバトルは健在ながら、従来のシリーズのようなシナリオは存在せず、ミッションを選択して進めていくミッションクリア制を採用。1ミッションは10分未満でクリアできるものが多く、気軽にテンポ良くプレイすることができる。
■ ブロックごとに設定されたミッションに挑む
ブロックを選び、そのブロックに設定されたミッションを選択する。ブロック内の全ミッションをクリアすれば次のブロックが解放される |
各ブロックにはミッションが設定されており、ブロック内に設定された全てのミッションをクリアすれば、次のブロックへと進むことができる。
未クリアのブロックには残り日数が設定されていて、残り日数が0になる前に全ミッションをクリアすると残り日数やサブミッション(後述)のクリア状況に応じてボーナスが獲得できる。残り日数はミッションをクリアするごとに1日消費される。なお、1度クリアしたブロックのミッションは、いつでも何度でもトライできる。
残り日数はあくまでボーナスのためのものであり、クリアを目指すだけならそれほど気にしなくてもよく、自分のペースで進められる。
ミッションはオリジナルストーリーに沿ったものだけでなく、「キリマンジャロの嵐」など、登場作品を彷彿とさせるものも存在する。なお、本作では各作品のキャラクターは機体に搭乗するだけでストーリーには一切絡んでこない。
ミッション毎に総クリア回数、シークレットユニットの撃破、サブミッションの達成状況など、多くの情報が閲覧できる | ミッションを選択するとブリーフィングとなり、ミッションについて説明してくれる |
■ プレーヤーユニットとCPUの操る僚機を選択
ブリーフィングが終了後には、プレーヤーユニットや僚機をセットアップを行なう。プレーヤーユニットだけで出撃することもできるが、僚機を出撃させることは火力アップになるだけでなく、敵からの攻撃が拡散させられることもあり、3機で出撃するのが定石。初回プレイ時にはエースポイントを消費して、ユニットをスカウトするのだが、全額使い果たしてもすぐにポイントは貯められるので、もったいぶらずに3機スカウトしてしまおう。
どのユニットでもゲームクリアは可能だが、ミッションに合わせて使用ユニットを変更することでミッションやサブミッションの難易度は大きく変化する。各機体の特性を把握して、ミッションに挑みたい。
セットアップでは、ユニット選択のほかにユニットの強化、パネルカスタム(後述)、パイロット選択(一部のユニットのみ)も可能。これらはブロック選択前にも行なうことができる。
セットアップではミッションに合わせて使用するユニットを決定したい。多くの敵機が出てくるミッションでは火力が高いながらも弾数の多いウェポンを持つ「蜃気楼」、対ボス戦では短期決戦に強い「∀ガンダム」など、ミッション内容に合わせてユニットを使い分けることで難易度は大きく変化する |
■ 様々な条件の中でミッション達成を目指す
セットアップが完了すると、ミッションスタートとなる。各ミッションには勝利条件、敗北条件、作戦時間などが設定されている。目標の撃破、味方の防衛など、その内容は様々。作戦時間内に敗北条件を満たさないよう、勝利条件を満たせばミッションクリアだ。なお、ユニットのAPが0になると撃墜となるが、本作では撃墜されてもAPと作戦時間が減算されるだけでミッション失敗とはならない。
また、ミッションにはシークレットユニットとサブミッションというミッションクリアとは直接関係のない条件が存在する。シークレットユニットの出現条件は達成することで初めて情報が開示され、シークレットユニットを撃破するとクリア時に得られるエースポイント(ユニットのスカウトや強化に必要なポイント)がアップする。サブミッションは制限時間以内に特定エリアを開放、敵を特定数以上撃破など、事前に条件が開示されている。クリア状況は上書きされていくため、1回のプレイで全てを達成しなくても全サブミッションの達成は可能。これらシークレットユニットやサブミッションのクリア状況は新たにスカウトできる味方ユニットの出現条件にも依存しているようだ。
ミッションによっては補給ポイントがあり、ロックオンして近づくことでAPやウェポンの弾数を補給できる。補給には時間がかかるため、状況を見極めて利用したい。
ミッション中、ゲーム画面にはユニットや制限時間など、ミッション遂行に欠かせない情報が表示される | STARTボタンのミッションインフォメーションでは、勝利条件やサブミッションなどの情報が閲覧できる | ミッションクリア後のリザルト画面。獲得エースポイント、残り時間、ダメージの3項目がS、A~Eの6段階で評価される |
■ ミッション遂行に欠かせない豊富なアクション
前後・左右・上下と3D空間ならではバトルが展開する本作では、各アクションを自由自在に使えなければミッションを達成することはかなわない。初めて本シリーズに触れる方であればすぐに習得するのは難しいかもしれないが、繰り返しプレイすることで習得できるだろう。それぞれのアクションを紹介する前に、初期設定のキーアサインでのアクションを紹介しておきたい。
アクション一覧 | |
キー | アクション |
方向キー↑ | 変形 |
方向キー←→ | ウェポンパネルの切り替え |
方向キー↓ | ロックオン / ロックオンの切り替え |
方向キー↓長押し | ロックオンの解除 |
アナログパッド | 移動 |
アナログパッドを素早く弾く | 弾いた方向に回避 |
○ボタン | 近接攻撃 |
×ボタン | ダッシュのON/OFF |
×ボタン長押し | スーパーダッシュ |
△ボタン | ウェポンパネル上段の武器を使用 |
□ボタン | ウェポンパネル下段の武器を使用 |
Rボタン | プレーヤーユニットの上昇 |
Lボタン | プレーヤーユニットの下降 |
STARTボタン | ミッションインフォメーションの表示 / ポーズ |
SELECTボタン | レーダー表示範囲切り替え |
□ボタン+×ボタン | コンビネーションアタック |
△ボタン+○ボタン | クロスオーバーアタック |
■ 勝利の鍵を握るロックオン
攻撃や移動には「ロックオン」が大きく関わってくる。攻撃面においては、ロックオンしなければ攻撃を当てることはそうそうできないし、状況に応じてロックオン対象を切り替えなければスムーズに敵機を撃破することもできない。移動面においては、ロックオンしているかどうかでプレーヤーユニットの挙動が変化する。例えば、ロックオン状態でアナログパッドの←を入力すると、ロック対象を軸に、時計回りに円を描くように移動するが、非ロックオン状態であれば単純に入力方向へと移動する。相手を無視して目的地へと辿りつきたければロックオンを解除して移動しなければ、思うように進むのは難しい。また、エリアマーカーをロックオンして接触しなければエリア間の移動ができない。ロックオンをうまく使えるかが勝利の鍵を握るといっても過言ではないわけだ。
ロックオン切り替え(方向キー↓)やロックオン解除(方向キー↓長押し)は入力自体は簡単だが、ロック対象が複数いる場合には目的の対象を1発でロックするのは簡単ではない。そこで活躍するのがロックオンの優先順位の設定。画面内優先、向き優先、近距離優先、低いAP優先の4種類がある。どれが1番いいとは一概には言えないため、プレイして自分に向いているものを探すのがいいだろう。もう1つロック時に自動でターンするかの設定も重要。ONにすればロック対象に正面を向くため、戦いやすい反面、移動の妨げになる場合がある。筆者は移動しやすいOFFの設定が扱いやすいと感じた。
ロックオンして攻撃が基本となる。状況に応じてロックオンを切り替えて戦いたい | 補給ポイントやエリア移動にもロックオンは欠かせない | 非ロックオン状態では自由に移動できる。敵機を無視して先に進みたい場合にはロックオン解除だ |
■ 移動や回避に欠かせないバーニアゲージを使ったアクション
被ダメージを減らすには相手の攻撃を受けないことが1番。敵機の攻撃はホーミング性能が高く、ただ移動しているだけでは回避することは難しい。ここで活躍するのがダッシュと回避。ダッシュには×ボタンを用い、1度入力すればON、再度入力すればOFFとなる。緊急時には回避を用いる。一定距離を高速で移動するため、攻撃を引き付けて出せばあらゆる攻撃に対応できる優秀な回避手段だ。回避はアナログパッドを素早く弾く必要があるため、操作に慣れておきたい。また、回避があるため、ユニットの微妙な軌道調整は難しい。少しだけ軌道を変更したくても、小さく入力すると回避が出てしまうからだ。
長距離の移動にはスーパーダッシュが便利。スーパーダッシュ中はロックオンや攻撃ができなくなるが、通常のダッシュをはるかに超える高速で移動できる。ただし、ダッシュ中には使用できない。
これらダッシュ、回避、スーパーダッシュを使用するとバーニアゲージが減少する。ダッシュやスーパーダッシュは時間に応じて減り、回避は1回につき、一定量減少する。限界まで使ってしまうと一定時間バーニアゲージを消費するアクションが行なえなくなるため、消費しきる前に回復しておきたい。バーニアゲージはダッシュなどを使用しなければものの数秒で回復し、攻撃などのアクション中でも回復するため、それほど行動に制限がかからないのが嬉しい。
ダッシュはバーニアゲージの減りが少なく、長時間使用できる。戦闘中は常にダッシュで移動しておくのがいいだろう | 回避は攻撃を引きつけてから使用するようにしたい。バーニアゲージの残量にも注意だ | 圧倒的なスピードで移動できるスーパーダッシュ。長距離移動する場面でコレを使わない手はない |
■ 弾数制となったウェポンを切り替えて戦う
ウェポンは弾数制になり、状況に応じて使い分けていく。ウェポンは画面右下のウェポンパネルに表示される。1つのウェポンパネルには2つのウェポンがあり、△ボタンで上段のウェポンを、□ボタンで下段のウェポンを使用し、方向キーの←→でウェポンパネルを切り替える。ウェポンパネルは4つまで使用でき、最大で8種のウェポンが利用できる。
最大で8種のウェポンが利用できるのだが、初期状態で8つウェポンを持っているユニットは少ない。詳しくは後述とさせていただくが、ウェポンパネルにカスタムアクションをセットすることでウェポンを増やしたり、ユニットを強化できる。なお、ユニットが最初から持っているウェポン(ユニット専用ウェポン)を外して、カスタムアクションをセットすることも可能なため、カスタマイズ性は非常に高い。
ウェポンには、ためることで攻撃の出力が上がるチャージ、1体に複数回ロックオンできるマルチロック、敵を拘束するホールド、前面からのダメージを軽減するシールドなど様々性能のものが存在する。状況に応じて使い分けが肝心だ。
ウェポンの多くは弾数制で無限には使用できないが、○ボタンでの近接攻撃は使用回数に制限がない。発動すると自動で距離を詰めて攻撃してくれる近接攻撃は、ユニットによっては○ボタンや□ボタンを追加入力することでコンボを決めることができる。コンボのルートや連続攻撃可能数はユニットにより異なる。
多くの敵機が登場するミッションでは弾数の少ないウェポンしかないユニットだと近接攻撃に頼ることになってしまう。カスタムアクションでの補強、補給ポイントの利用だけでなく、ミッションによっては使用するユニットを変更するのが攻略への近道となる。
青色は有効射程内、紫色は射程外、灰色は弾切れ/使用不可とウェポンパネルの色で各ウェポンの状態が確認できる | 初期状態ではウェポン数が少ないユニットも存在する。これだけでも戦えないことはないが、カスタムアクションで補強しておきたい | 威力が高く、無制限に使える近接攻撃のコンボルートはユニットにより異なる。画面左上の上段が○ボタン、下段が□ボタンのコンボルートを表している |
■ コンビネーションゲージを使った2つのアクション
敵機に攻撃をヒットさせたり、撃破させたり、ダメージを受けたりするとコンビネーションゲージがたまる。コンビネーションゲージがたまると、コンビネーションアタックやクロスオーバーアタックのチャンスとなる。
コンビネーションゲージが1/3以上のある場合に、□ボタン+×ボタンを入力すると、コンビネーションアタック用の攻撃を繰り出し、ヒットすればアタックモード開始となる。アタックモード中は一定のヒット数を超える毎にダメージと獲得エースポイントにボーナスが入り、蓄積されたダメージはアタックモード終了と共にまとめて敵機に入る。うまく使えば100Chain以上の攻撃も可能で、APの高い敵でも一気に撃破できるほどの威力を持つ。アタックモード中は敵機の動作が遅くなるため、攻撃をヒットさせやすく、ミッション経過時間が遅くなる点でも優秀。ただし、戦艦など一部の敵機には決めることができない。
クロスオーバーアタックは、大ダメージが見込める2機のユニットによる同時攻撃。発動条件は、コンビネーションゲージ最大かつ、クロスオーバーアタック準備状態中、一定時間以内に僚機が合流すること。クロスオーバーアタック準備状態は無防備でダメージを受けやすく、僚機が近くにいなければ発動しないなど、使用の際には状況の見極めが必要。なお、発動に失敗してもコンビネーションゲージは消費されない。
どちらもコンビネーションゲージが必要と、使用できる状況に制限がある分、その威力はかなりのもの。高いAPの敵機には惜しまず使っていきたい。これらはサブミッションの条件としても頻繁に登場する。
一気にダメージを与えられるコンビネーションアタック。アタックモード中に攻撃を決めれば決めるほど与えられるダメージがアップ。一定数攻撃をつなげるとアタックモードが延長され、さらなるダメージアップが見込める | 2機による同時攻撃クロスオーバーアタック。コンビネーションゲージを全消費してしまうが、決めれば大ダメージを与えることができる |
■ ユニットのスカウト、強化、カスタム
エースポイントを使ってユニットを強化! |
ミッションをプレイすることで得られるエースポイントは、ユニットのスカウトと強化に必要となる。スカウトできるユニットは特定条件を満たすことで増えていく。ユニットの強化では、装甲(ユニットの防御力)、ダッシュ(ダッシュ時の移動速度)、バーニア(バーニアの消費効率)、旋回(ダッシュ時の旋回速度)、キャパシティ(セットできるウェポンのコスト上限)の5項目が強化できる。使用頻度の高いユニットを優先して強化していきたい。
ミッションではエースポイントの他にチップが得られることがある。このチップを消費してカスタムアクションの作成が可能。カスタムアクションは攻撃、強化、回復など、多岐に渡り、その効果によって8つのカテゴリに分けられる。
カスタムアクションカテゴリ | |
スペシャルアタック | 大ダメージを与える攻撃、ユニットトラブルを与える特殊攻撃など |
リカバリー | ユニットの状態回復 |
ユニット性能アップ | 一定時間、ユニットの性能をアップ |
ウェポン性能アップ | 一定時間、ウェポンの性能をアップ |
特殊効果 | ユニットに特殊効果を付加 |
緊急アビリティ | AP低下時に効果が自動発動。1機につき1つセット可能 |
オートアビリティ | セットしているだけで常時発動。1機につき1つセット可能 |
ユニットの火力アップにはカスタムアクションが欠かせない。カスタムアクションは、ユニット専用ウェポンと同様にウェポンパネルにセットする。セットできる数はユニット専用ウェポンと合わせて8つまでとなる。また、ユニットのキャパシティを超えてセットすることもできない。
攻撃手段を追加するべくスペシャルアタックタイプ、火力の補強として一時的な火力アップを狙ってウェポン性能アップなど、限られたキャパシティとウェポンパネルの中で、ユニット専用ウェポンとカスタムアクションをどう組み合わせるか考えるのが楽しい。ユニット専用ウェポンを外すことが可能なため、その組み合わせの数も半端ではない。
チップを組み合わせてカスタムアクションを作成。1つ作成しておけば、全ユニットで利用できる。余ったチップを売却してエースポイントを得ることもできる | ウェポンパネルのカスタムは1ユニットにつき、5セットまで登録可能なため、事前に登録しておけばミッションに合わせての切り替えが楽にできる | カスタムアクションには強力な効果を持つものが多く頼りになるが、補給ポイントでの回復対象にはならない |
■ 最後に
従来のシリーズのようなシナリオをなくし、ミッションクリア制となった本作。作品の枠を超えた夢の共演となるストーリーを楽しみにしているシリーズファンには残念かもしれないが、ゲーム自体をテンポ良く遊べるようになったし、ゲーム性や特徴ある多くの機体が操作できる点は健在。ウェポンが弾数制となり、最大8種のウェポンを自由にカスタムして使えることで、機体の弱点を補ったり、強化できるようにもなっている。PSPならではのアドホックモードを用いた3人協力マルチプレイやシークレットユニット、サブミッションといったやり込み要素も充実している。
気になったのは、やはり操作系。ハードウェアの問題とはいえ、ボタンの少なさが感じられる。移動(アナログパッド)とロックオン、ウェポンパネル切り替え(方向キー)が左手に集中しているため、移動しながらのロックオンやウェポンパネルの切り替えの際には移動がおろそかになってしまう。ダッシュがON/OFFとなっているため、ダッシュを使えば一定方向に移動しながら切り替えることはできる。ただ、急いでアナログパッドと方向キーを操作するため、ロックオン操作(方向キー↓)の際に、方向キーの←/→が入ってしまい、意図せずウェポンパネルが切り替わってしまうこともあった。
これらを回避するために、キーアサインの変更が用意されているが、初期設定操作にあるものを切り替えるのみで、L/Rボタンの上昇下降や○/△/□/×ボタンなどと変更しても難しく、解決されるかどうかは個人差が出るだろう。また、同時押しの入力が少しシビアになっており、コンビネーションアタック(□ボタン+×ボタン)を出したい場面で□ボタンの攻撃が出てしまうといったこともあった。ボタン押しっぱなしでのウェポン連射は犠牲になるが、ON/OFFの判定までの時間を増やしたり、多少レスポンスが悪くなるかもしれないが、ボタンを離すタイミングで判定してくれるなどにしてもらえれば、誤動作は減らせたのではないだろうか。色々述べたが、これは3D空間を活かしたハイスピードアクションをより自由に、より気持ちよく遊びたいからこそ。
シリーズ初のPSP版ということで、どこでも気軽にプレイできるのは素直に嬉しい。携帯機でまた本シリーズが遊べることに期待したい。
(C)サンライズ
(C)サンライズ・バンダイビジュアル・バンダイチャンネル
(C)SUNRISE・BV・WOWOW
(C)SUNRISE/PROJECT GEASS・MBS Character Design (C)2006-2008 CLAMP
(C)ジーベック/1998 NADESICO製作委員会
(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ・毎日放送
(C)PRODUCTION REED 1996
(C)1994 ビックウエスト
(C)2007 ビックウエスト/マクロスF製作委員会・MBS
(C)2009 BONES/Project EUREKA MOVIE
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□「Another Century's Episode Portable」のページ
http://www.ace-game.jp/
(2011年1月24日)