オンラインゲームファーストインプレッション

対人戦、ハウジング、ペット、モンスター捕獲
やれることがぎっしり詰まった贅沢ゲーム

「英雄島」



ロード中には、2つの国の本城のイラストが見られる

 無愛想だけど、知り合ってみるととても味のあるいい人だった。「英雄島」はそんな感じのゲームだ。GMO Gamesが運営をする本作は、中国のShenzhen Domain Network Softwareが開発したWindows用2D見下ろし型MMORPGだ。

 本作の特徴は、何といってもそのコンテンツの豊富さだろう。「英雄システム」という個性的なスキルシステムをはじめ、「聖地戦」や生産、ハウジングに畑作り、モンスター捕獲やペットなど、MMORPGに入っていそうなシステムは一通り網羅しているのではないかと思えるほどに要素が多い。

 そしてもう1つの特徴は、お節介なくらいの親切さだろう。中国系のMMORPGにはもはや標準装備といえる自動移動システムはもちろんのこと、クエストの進め方から、お金の稼ぎ方まで実に親切に教えてくれる。序盤はレベルの上がり方も新幹線に乗っているようなスピードだ。面倒な部分は自動でさっさと終わらせて、じっくり対人を楽しもうという姿勢が、基本となるゲームなのだ。

 先日行なわれたクローズドβテスト(CBT)では、レベル25までのコンテンツが開放された。4月27日からのオープンβテスト(OBT)ではさらにレベル40までの要素で遊べるようになる。

 このレポートでは、ゲームの豊富な要素を紹介しつつ、対人の模様や、OBT以降に遊べるようになるレベル40までの新エリアやモンスターなども併せて紹介していきたいと思う。


【スクリーンショット】
画面は2D見降ろしタイプオート戦闘で楽々バトル「英雄システム」でさまざまなスキルが使用可能
「聖地戦」ではNPCと共闘できる「ハウジング」など生活要素も多彩「聖地略奪戦」では対人戦も楽しめる


■ スキルは1,900パターンから自由にチョイス。クラスの概念をなくした「英雄システム」

キャラクター作成画面

 「英雄島」の舞台は、人類が滅びてから数億年後の遠い未来だ。かろうじて「次空間魔法」を使って生き残った人類は長い眠りから覚めたあと、2つの国に分かれてロボット兵と戦っている。

 プレーヤーは「エンパイア」か「ユニオン」のいずれかの国に所属することになる。「エンパイア」は機械文明が発達した国、「ユニオン」は魔法文明が発達した国という設定だ。

 キャラクターメイキングのカスタマイズは性別、髪型、髪の色、髪の色の明るさなど主に髪に偏っている。後は名前を決めたらスタートだ。最初に降り立つ「風の島」という場所では、ごく簡単なチュートリアルの戦闘を体験するのだが、ここで最初の「英雄」を手に入れることができる。

 「英雄システム」はいわゆるスキルを擬人化した、本作独自のシステムだ。「英雄」は大きく「物理」、「魔法」、「射撃」の3つのカテゴリに分かれていて、その中でさらに炎系魔法、毒系魔法といった形で細分化している。それぞれの「英雄」は4つのスキルを持っていて、「憑依」させることで使えるようになる。

 「憑依」は最初は1人だけだが、レベル11になれば2人の英雄を憑依させることができるようになる。そうなると2系統、計8種類のスキルを使えるようになる。この組み合わせは自由自在で、変更も可能だ。魔法だけで固めていくもよし、物理と魔法、射撃と物理を組み合わせてもいい。使用できる組み合わせは、実に1,900パターン以上にもなるというのだから驚きだ。


【英雄システム】
レベルが上がると、習得できる「英雄」が増えていく。
 最初の英雄を選べばチュートリアルは終了だ。最初の街にたどり着いた後は、しばらくはそこにいるNPCからクエストを受けていけば、基本的な装備やスキルが自動的に揃っていく。この自動的という言葉は比喩ではなく、クエストを受諾すればキャラクターは勝手に目的地まで移動してくれる。戦闘もオート戦闘が可能だ。クリアすればまた自動的に報告場所まで戻ってくれる。プレーヤーはときどき確認のクリックをするだけでいい。

 

 もし途中で何をすればいいのかわからなくなったら、画面右下にある手の形をしたアイコンを押してみるといい。「英雄島ナビ」のウインドウが開いて、次に何をすればいいかのアドバイスをくれる。さらにここでも、その場所に自動的に連れていってくれるので迷子知らずの親切設計だ。
【チュートリアル】
チュートリアルにだけ登場する、謎の精霊「ブルース」がナビゲートしてくれるチュートリアルでは、選んだ英雄がNPCとして一緒に戦ってくれる
「英雄島ナビ」にはプレイのヒントが詰まっている経験値の稼ぎかただけでも、かなりのバリエーションが用意されている


■ モンスターを捕獲して味方に。さらに秘密基地で経験値まで稼げてしまう!

ミニマップの下にあるアイコンで、自動戦闘のオンオフが操作できる

 本作の戦闘は、前述のように「英雄」を「憑依」させて覚えたスキルを駆使して戦う。自動戦闘システムで自動でも戦えるが、クエストの雑魚相手には非常に便利だが、強いボスや、対人戦ではさすがにボタン1つ押せばOKというわけにはいかない。

 自動戦闘は、スキルの発動順や、ポーションの使用条件を細かく設定できる。だが、バフをどのキャラクターにかけるかを選ぶことはできないし、基本的には並べた技を順番に発動していくだけだ。自動戦闘中は敵がいてもいなくても、同じ動作を繰り返すので、SPは常に空っぽに近い。

 対人戦では相手の動きを止めたり、特定のキャラクターを回復したりといった行動が必要になる。そういった操作は手動でしかできないのだが、普段自動戦闘ばかりしていると、どのスキルを使えばいいのかとっさにはわからず焦りまくる羽目になる。そういう目に遭わないためにも、普段から手動での操作にも慣れておいたほうがいい。

 戦闘の中で非常に便利なのが、敵の捕獲だ。これは敵を弱らせてから自分の味方にできるというシステムで、レベル2でクエストをクリアして「捕獲の烙印」という道具をもらえば使えるようになる。モンスターを体力が50%以下になるまで弱らせてから、「捕獲の烙印」でモンスターを右クリックする。成功すれば体力が全回復したモンスターが味方になってくれる。捕獲可能なのは、自分のレベルからプラス5レベルまでのモンスターで、捕獲にはお金が必要だ。



【モンスターの捕獲】
捕獲に成功すれば、その場で味方になってくれる仲間にしたモンスターは、どこにでもついてくる

 仲間になったモンスターには、「攻撃」や「防御」などの指令を出すことができるようになる。仲間にできるのは2匹までで、仲間のモンスターが倒されると再び新しい仲間を獲得できるようになる。このため、たくさんの敵に囲まれた時にも、落ち着いて1匹ずつ仲間を増やしていけば危機を脱することができてしまう、とても便利なシステムだ。

 しかも、中国のゲームらしいというかユニークな要素として 、そうやって味方にした頼りになるはずの仲間を、身代金と引き換えに開放することができる。これが「秘密基地」だ。秘密基地はフィールドならどこにでも建てることができるプレーヤーの前線基地だ。

 仲間にしたモンスターを秘密基地に連れていき、網に入れて一定時間待っていると「管理官」が助けに来る。その時に、経験値がもらえるのだ。普通にモンスターを倒しているよりも、捕獲して開放したほうがたくさんの経験値が手に入る。しかし、レベルが高くなってくると捕獲のためにアイテムが必要になってくるのだが、このアイテムは「聖地戦」というコンテンツでしか手に入らないレアな物なので、捕獲しまくり、というわけにはいかなくなる。

【秘密基地】
「秘密基地」というには少々派手すぎる気がする建物。レベル11以降は、有料で引っ越しが可能になる
内部は意外に広くて、しかもなかなか豪華捕まえたモンスターを一定時間保管しておくと、経験値が入る


■ NPCと共闘して、敵を倒す。RTSの要素もある新しい遊び「聖地戦」

ワープタワーにあるロビー。パーティーを組んで入場する場合は、ここで編成を行なう

 「聖地戦」は「英雄島」のメインコンテンツだ。現在は、聖地を守るためにNPCと共に闘う「聖地防衛戦」、敵の陣地目指してNPCと共に侵攻する「聖地略奪戦」、ボスを倒す腕だめしコンテンツ「バトルアサルト」の3つがプレイできる。ソロでも可能だが、パーティーで参加すると経験値アップのボーナスがつく。

 まずはPvEが基本となる「聖地防衛戦」と「バトルアサルト」について説明しよう。「聖地防衛戦」は迫りくる敵から「砦」を守るコンテンツだ。敵は何度かに分かれて侵攻してくる。すべての侵攻を防げばプレーヤーの勝ち、「砦」を落とされると敗北だ。

 プレーヤーはただ敵を迎え撃つだけではなく、合間に「兵舎」や「砲台」を作って守りを固めることもできる。「兵舎」は兵士を生産することができる施設。「砲台」は敵が来ると自動的に攻撃してくれる施設だ。筆者のおすすめは、壊れやすいが威力の大きな「砲台」だが、「砲台」自体にもいくつか種類があるので、実際にいろいろと建設して試してみるのがいいだろう。


【聖地防衛戦】
「聖地防衛戦」は「砦」に迫りくるNPCと戦うコンテンツ
敵を捕獲して仲間にしたり、「砲台」を建設したりして、防衛を固めていく
 「バトルアサルト」は逆にプレーヤーが侵攻していく。1つのステージは2つのエリアで構成されている。1つは「士気」を貯めるための雑魚エリア、もう1つはボスがいるエリアだ。制限時間30分の中で、ボスの部屋に入るために必要な「士気」を貯める。

 「ボス」の部屋に入れば、あとはボスを倒して次のステージに進むためのカギを手に入れる。それを数回繰り返して、最後の部屋にいるボスを倒せばクリアだ。「聖地防衛戦」も「バトルアサルト」も、中断すればそこまでの働きに応じた経験値が手に入る。

 もう1つのコンテンツ「聖地略奪戦」は、2つの陣地から同時に侵攻を初めて、どちらが先に「砦」を落とすかを競う。NPCの兵士たちと共に出撃し、敵を倒しつつ相手の施設を破壊して防衛ラインを突破していく。このコンテンツでは、最大5対5の対人戦を楽しむことができる。この対人戦要素については、次の章で少し詳しく説明しよう。

【バトルアサルト】
バトルアサルト
最初のステージで「士気」を貯める。制限時間はたっぷりあるので、無理をせず回復しながらでも余裕だ


■ 深い戦略性を秘めた5対5の対人戦が熱い「聖地略奪戦」

ロビーに集まった面々。先に片方が入ってルームを作り、そこに対戦相手のチームが参加する

 対人の「聖地略奪戦」では、移動速度がカギを握る。そこで活用したいのが「士気ショップ」だ。「士気」は、「聖地戦」の中でNPCを倒すと貯まっていく。前述の「砲台」なども、この「士気」を使って購入する。

 「士気ショップ」では、「聖地戦」の最中にだけ有効な装備を買うことができる。例えば「疾走のレッグ」と「暴君のグローブ」は両方とも移動速度が上がる。さらにこの2つを材料にすれば、さらに移動速度が速くなる「鬼神のコート」を作ることもできる。「士気」が貯まっているなら、それを使って「鬼神のコート」を買ってもいい。

 そのために、まずはNPCを倒して必要な「士気」を貯める。用意が整えば進撃開始だ。マップにはいくつかの進撃ルートがあるので、1人だけで敵の本陣(拠点)までたどり着くのは難しくない。だが、施設にはNPCが先に攻撃しなければダメージを与えることができないので、どうしても味方のNPCと一緒に進軍する必要がある。

 防御のためのユニットがあったり、「兵舎」や「砲台」を建築できたりと、リアルタイムストラテジー(RTS)的ではあるが、NPCはすべて自律的に動くのでユーザーはついていくしかない。NPCはそれほど凝った侵攻ルートを使わないので、途中で敵と出くわして戦いになる。対人戦もここで発生する。


【聖地略奪戦】
最大5対5の対人が可能。今回は3対3のマッチングで対戦を行なった。マッチングは、所属国に関係なく組まれる
体力が減ったら、本陣にある「生命の泉」まで戻って回復ロビーから戻ってみると、なぜか負ける寸前のチームに編入された勝敗の状況は、戦いの最中でも確認できる

 キャラクターが倒されてしまった場合には、味方の本陣からの再出撃になる。ただし、無条件に復活できる回数には制限があり、制限を越えると、復活用のアイテムが必要になる。それがない場合は、ロビーまで戻って入りなおすことになるので、HPが減ったらこまめに回復した方がいい。

 体力の回復は、基本はHPのポーションで行なう。また、「v」キーを押して座っていても少しずつ回復していく。さらに本陣にある「生命の泉」に近づいても少しずつ回復するので、その3つを組み合わせれば、回復速度がグンと早くなる。

 またすぐに、戦場に入れば復活できるのだが、もしその時相手側にも外にでているキャラクターがいた場合、タイミング次第で敵のチームに編入されてしまうことがある。編集はすべてランダムで自動的に行なわれているためだ。筆者は最初ブルーチームにいたのだが、ブルーチームが勝利目前というところで外に出てしまい、戻ると敗北間近なレッドチームになっていて軽くショックだった。

 「聖地戦」は絡んでくる要素が多いだけに、戦略の余地が大きい。これをしていれば勝てるという単純なパターンはなく、どの英雄を憑依させるかに始まり、士気ショップのアイテムや、施設、ペットなどを駆使して戦うのはかなりの経験が必要だ。最初は何がなんだかわからないが、何度か繰り返しているうちにじわじわと面白くなってくる、そんなコンテンツなのだ。

【スクリーンショット】
「士気ショップ」の装備は、1度戦場から出るとなくなってしまう。貯まった士気もリセットされる戦場のマップ。敵や味方の配置が一目でわかる
ソロでの「聖地略奪戦」は、NPCと共に敵の陣地を攻めるコンテンツとなる


■ 極めるのはかなり大変? 豊富な生産要素

「探知機」を使って水晶を発見。「探知機」は採るものによって種類が違う

 ここまで戦闘の要素について紹介してきたが、本作にはあふれんばかりの生活要素も用意されている。その1つめの柱が、生産だ。生産は材料を集める「生産」と、装備などを作る「製造」、料理を作る「加工」に分かれている。

 「生産」には「金属採掘」、「水晶採掘」、「伐採」、「収穫」、「狩猟」の5種類があり、それぞれ採れるものは1種類ずつだ。材料がある場所を突き止めるには、NPCのショップで販売している「探知機」が必要だ。例えば「クリスタル」なら「水晶探知機」を使って探す。発見した「クリスタル」は、「大槌」で採取する。

 「製造」できるのは全種類の武器と、「射撃」、「物理」、「魔法」のいずれかの系統の装備だ。装備は最初にどの系統に進むかを選ぶ。「製造」するには、材料と経験値、お金とスタミナが必要だ。武器や防具を作るには「武器製造図案」、「防具製造図案」というアイテムが必要だが、これは「聖地戦」でのみ手に入るアイテムだ。また、スタミナも「聖地戦」に参加するか、後述する屋敷のベッドで休むことでしか獲得できない。

 「加工」ではポーションを作ることができる。しかし、材料を手に入れる手間や、製造の手間やコストを考えると買った方が早い気もする。ひょっとすると生産を極めた先に、手に入りにくい「即効型pot」のようなレアなアイテムがあるのかもしれないが、どちらにしても生産は一朝一夕に極めるのが難しいやりこみ要素に違いない。


【まだまだ増えそうな生産要素】
「生産」のスキル画面「製造」のスキル画面「加工」のスキル画面

 また、生産とは少し違うが、戦闘以外にお金や経験値を獲得できる要素として「労働者の鉱山」がある。ここは「ユニオン」と「エンパイア」の両方から入れるダンジョンで、中に「砂金」と「砂銀」が落ちている。これを右クリックすれば自動で採取してくれる。25個集めれば「砂金」は経験値に、「砂銀」はシルバーに交換することができる。交換できるのは1日10回までだ。序盤にお金や経験値を手に入れる手段としては、非常に簡単でしかも効果的で、公式ホームページでもおすすめしてある方法だ。

【労働者の鉱山】
「ユニオン」、「エンパイア」の両方から入れるだけに、中で対人戦が起こる可能性もある?護衛つきで、「砂銀」と「砂金」を採取。周囲のモンスターはノンアクティブだ


■ 畑と、メイドさん付きのゴージャスな我が家を手に入れよう

「エンパイア」の場合は、本城「アイアンキャッスル」の居住区に自宅が持てる

 もう1つの生活要素が「荘園システム」だ。プレーヤーは、「本城」という国の本拠地に自分の家を構えることができる。荘園の中には、自宅と「畑」、宝石を精製するための「宝石の泉」がある。

 屋敷は、内装をカスタマイズできる。家具は敵からのドロップか、荘園で作業をこなすと一定確率で手に入る。どんな家具が手に入るかはランダムなので、レアな家具は交易所で高値取引されることになりそうだ。

 屋敷の中には可愛いメイドさんがいて、屋敷の補修や掃除をしてくれる。また、外にも元気についてくる案内嬢がいて、話かければ荘園の各機能について説明してくれる。


【家のカスタマイズ】
家具を配置した自宅。床と壁以外の家具は自由に再配置できる
購入直後の自宅。まだ何もない状態床と壁を配置。この2つだけは、1度セットすると取り外し不可になる家具を配置していく。思った通りに置くのは意外と難しい

 「畑」には、種をまいておけば一定時間後に収穫できる。いろいろと世話をするためのアイコンもあるが、何をどうすればどんないいことがあるのかは未知数だ。なんでも、畑からは、ここでしか取れないレアな生産材料や、家具、イベントへ参加するための素材や家畜の卵などが手に入るらしい。

 「宝石の泉」は、装備を強化するための宝石を精製する施設だ。装備の中には、枠を拡張できるものがあり、枠の拡張に成功すればそこに宝石を埋め込むことができるようになる。宝石はHPを上昇するものや、攻撃力を増やすものなど各種ある。

 ただ自分の屋敷を楽しむだけではなく、他のプレーヤーの屋敷を訪ねることもできる。さらに結婚システムによってさらなる発展があるようだが、これは今回試すことができなかった。

【スクリーンショット】
レアなアイテムが手に入る「畑」「畑」の奥には、家畜を飼うための柵がある
ステータスアップの宝石を作る「宝石の泉」自宅裏の池。この辺りにも何かが建設できそうな雰囲気だ


■ オープンβテストからはレベルキャップが40に、正式サービス後は100人規模の戦争も可能に

新エリア「最前線」。その名の通り「ユニオン」と「エンパイア」の街が隣接した紛争地帯だ

 ここまで駆け足で「英雄島」の各要素を解説してきたが、今度は4月27日から始まるOBTから遊べる要素やエリアを少しだけ紹介しよう。OBTではレベルキャップが40に引き上げられ、入れるエリアが拡大する。

 レベル25までのエリアでは、フィールドでもダンジョンでもほとんどのモンスターはノンアクティブだったが、新エリアのモンスターはほぼすべてがアクティブだ。自動移動中に、うっかり強い敵がいるエリアに入り込んでしまうと死んでしまうか、脱出した時には死にかけなんてこともあり得る。

 追加されるのは「ひのいり農場」、「ゆうやけ牧場」、「ナサ湿地帯」、「最前線」などのエリアと、「鬼の洞穴」というダンジョン。また「聖地戦」には「聖塔防衛戦」などの新しいコンテンツも加わる。「聖塔防衛戦」は「聖地防衛戦」のようなPvEのコンテンツ。中央にある塔を侵略してくる敵から守るのだが、プレーヤーは塔に近づくことができず、塔の周辺で敵を倒さなくてはならない。

 また現在はMOの対人戦のみだが、正式サービス後には複数のギルドが参加する大規模な戦争コンテンツも実装される予定だ。ホームページには、今後の実装予定のロードマップも掲載されているので、気になるコンテンツがあるならそこをチェックしてみるといいだろう。あまりにも大量のコンテンツに、おそらく驚くことになるだろうが。


【レベル26~40の新エリア】
新グラのモンスターや、強力なレアモンスターが徘徊している。アクティブばかりなので、とても危険だ


■ あふれ返るサービス精神で、プレーヤーを楽しませてくれる

ログインするともらえるアイテムで遊べるゲーム。経験値アップやお金などいろいろな景品が当たる

 ここまで読んで、「英雄島」にどんな印象を抱いただろう? とにかくやることがたくさんあるゲームだということは伝わったかと思う。しかも、それぞれの要素が密接に関係しあっているので、好きな要素をつまみ食いするのではなく、全部の要素を遊びつくすくらいの勢いが必要だ。

 本作では、レベルを上げるにも、スキルを強化するのにも、生産をするためにも、とにかく経験値が必要になる。あってもあっても足りないくらいだ。それならフィールドで延々と自動狩りをすればいいのでは、と思うだろうが、フィールドで安全に自動狩りができるレベルでは、獲得経験値が10とか12とか、とにかくがっかりするほど低い数値しか入らない。

 「聖地戦」や「労働者の鉱山」などを利用して稼いだり、ログインボーナスでもらえるアイテムを集めたりと、効率的な経験値獲得もあるが、どれも単に長時間接続しておけばいいというものではない。自動ツールが当たり前のように実装されている中国のゲームだからこそ、自動ツールでは対処できない部分に、やりこみ要素を用意している。

 経験値を大量に獲得できるコンテンツは、例えば「労働者の鉱山」は1日10回までだったり、「バトルアサルト」は2回目以降獲得できる報酬が減ったりと、長時間プレイができなかったりやりにくく作ってある。

 序盤はさまざまな優遇措置が用意してあるので、ぐんぐんキャラクターを育てることができるが、レベル25を越えた辺りからだんだんと成長スピードが鈍ってくる。ただクエストをこなすだけではなく、自分でいろいろと考えて行動しなければ経験値が稼げなくなってくるのだ。

 「英雄島ナビ」などを見つつ、あれをやってみようか、これが有効かもしれないと考えつつ、そのための前提となる準備の多さにクラクラしながらプレイする。ふと気付くと時間を忘れて楽しんでいる。

 UIの見辛さや、グラフィックなど練りこみ不足な部分が目につくのは確かなのだが、プレイをしていくうちに、それも旺盛すぎるサービス精神の結果なのだとわかってくる。とにかく、プレーヤーを楽しませることに、なりふり構わないくらい一生懸命なゲームなのだ。

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Heroes Island<英雄島>is Designed and Developed by Shenzen Domain Network Software co., Ltd.
c2007-2010 Shenzhen Domain Network Software Co, Ltd. All rights reserved.
Exclusively licensed to and published by GMO Games, Inc in Japan

(2010年4月26日)

[Reported by 石井聡 ]