PS Vita「艦これ改」レビュー

艦これ改

待ち時間ゼロ! いつでも好きなだけ遊べる新スタイルに刷新

ジャンル:
  • シミュレーション
発売元:
開発元:
  • KADOKAWA GAME STUDIO/「艦これ」運営鎮守府
プラットフォーム:
  • PS Vita
発売日:
2016年2月18日

 PlayStation Vita用艦隊型育成シミュレーション「艦これ改」が、遂に発売となる。延期発表のニュースすらもゲームファンを賑わすほどの注目作だけに、どんなゲームに仕上がったのか気になる方も相当多いことだろう。

 「艦これ改」は、2013年よりサービスされているブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」の基本を継承しつつ、シミュレーションゲームとしてのゲーム性を強化してPS Vita用に再構築されたタイトル。旧日本海軍の艦艇を女性キャラクターに擬人化した「艦娘(かんむす)」を集め、謎の敵「深海棲艦(しんかいせいかん)」との戦いに挑む。艦娘は既に100隻を優に超え、その可愛らしい外見や個性的なキャラクターから、今やコミケでも一大ジャンルとなるほど高い人気を集めている。

 今回は「艦これ改」を発売前にプレイする機会が得られた。筆者はブラウザ版のベテラン提督(「艦これ」ではプレーヤーのことをこう呼ぶ)なので、ブラウザ版とどう違うのかを見ながら、「艦これ改」ならではの魅力をお伝えしたい。

【プロモーションムービー】

ターン制採用で完全にマイペースなプレイが可能に

UIは一新され、タッチ操作にも対応

 「艦これ改」におけるゲームの流れは、艦娘を獲得して最大6隻の艦隊を組み、深海棲艦が支配する海域へと出航、戦闘して深海棲艦を撃破し、様々な海域を突破していく。ゲームの基本的な目的はブラウザ版と同様と思ってもらって構わない。ただ、プレイ感覚やゲームシステムはブラウザ版と大きく異なる部分もある。

 プレイ感覚で言えば、PS Vitaなのでボタン操作とタッチ操作の両方が可能。インターフェイスも一新されており、見た目はほぼ別のゲームになっている。この後の話にも関わることだが、操作方法やゲームシステムはブラウザ版を経験していてもわからないところが多い(違うゲームなのだから当然だ)ので、最初にマニュアルに目を通しておくことをお勧めする。

 ゲームを開始する際、最初の艦娘を選べる。ブラウザ版では「吹雪」、「叢雲」、「電」、「五月雨」、「漣」という5人の駆逐艦の中から選択できたが、「艦これ改」では「睦月」、「時雨」、「大潮」の3人も選択可能になった。さらに「改スタータ」として、「川内」、「神通」、「那珂」という軽巡洋艦の3人も選べるようになった。能力的には軽巡洋艦の方が優秀だが、どの艦娘もゲームを進める中で入手可能なので、見た目に好きな艦娘を選んで構わない。

いわゆる「初期艦」に駆逐艦3人、軽巡洋艦3人が追加された

 ゲームシステムにおいてブラウザ版と最も異なるのは、時間の概念だ。ブラウザ版では現実時間に合わせてゲーム内時間も進行したが、「艦これ改」ではゲーム内時間で進行。1日単位で進めるターン制になっているため、ブラウザ版のように待っているだけでは何も進まない。

 例えば、艦隊を編成して海域に出撃し、クリアないし撤退して戻ってくると、その艦隊は行動終了扱いとなり、補給など一部の操作を除いて行動できなくなる。「ターン終了」を選ぶことで日付が1日進み、艦隊は再び行動可能となる。

 ターン制の概念は他に、艦娘の建造などにも影響する。建造は4種類の資材を投入することで新たな艦娘を作るという、本作のコレクション要素における根幹となる仕組みだ。ブラウザ版では建造を指示した後、実時間で十数分から数時間待つと建造が完了したが、「艦これ改」では日単位の表示になる。完成は2日後と表示され、「そんなにかかるのか!」と思ってしまうのはブラウザ版経験者ならではの感覚だが、これは2ターン後に完成するという意味だ。同様に、ダメージを受けた艦娘の修理においても日数表示となる。

 つまり「艦これ改」においては、建造や修理をリアルタイムに待つという概念がなく、あくまでゲーム内時間における進行となる。2日進めたければ、ターン終了を2回選べばいい。1ターンにおける時間制限はないので、じっくり時間をかけて最適な手段を探ってもいいし、さっさと終わってサクサクとターンを回してもいい。

 ここまでの説明でお気づきの方も多いと思うが、「艦これ改」はオンラインゲームではなく、スタンドアローンでプレイできる作品だ。インターネット接続環境は不要で、どこでも自分のペースで、好きなだけ楽しめる。ブラウザ版においてネットワーク接続が必須だった「艦これ」フランチャイズにおいては、この自由さが最大の魅力と言ってもいいだろう。

日単位によるターン制で進行する
建造に2日と出て驚くが、これは2ターンという意味だ

戦闘の指示が可能になり戦略性がアップ

戦闘画面はカメラワークも付いて派手なものになった

 次に大きな変化となるのは、戦闘部分だ。戦闘シーンは見た目に大きく変わり、艦娘達が海上で砲雷撃戦を繰り広げる様子がよりリアルに描かれるようになった。キャラクターが止め絵のイラストベースなので、リッチな演出を望む人には少々物足りないが、ブラウザ版より迫力のあるバトルが展開される。

 システム周りでは、ブラウザ版では、編成した艦隊を海域に出撃させた後は、戦闘ごとに陣形を選ぶことと、夜戦で戦闘を継続するか否かを選べるだけで、基本的には戦いを見るだけというものだ。「艦これ改」では戦闘指揮入力が可能になり、戦闘ごとに大まかな方針を決められるようになった。

 戦闘に入ると、まず艦載機や電探による索敵判定があり、続いて戦闘指揮入力を行なう。戦闘指揮コマンドと呼ばれるパネルを3つ選ぶというスタイルで、砲撃、雷撃、対潜の攻撃のほか、接近や離脱、回避といった攻撃を伴わない行動も指示できる。また攻撃可能な艦載機を搭載すれば、航空攻撃も選択できるようになる。他に旗艦の練度によって、接近+砲撃の突撃や、電探統制射撃も選べるようになる。一般的な戦闘なら、砲撃・砲撃・雷撃という指示によって、砲撃戦の後に雷撃を行なう。

 もちろんそれ以外の選択もある。例えば対潜戦闘において、単横陣を選ぶことで対潜戦闘を有利にすることに加えて、3つ全てで対潜を指示すると、一部の艦娘が2回目の対潜攻撃を実施。その時は、合計9回の対潜攻撃が実施された。潜水艦には砲撃や雷撃が当たらないため、潜水艦だけが現われたとわかっていれば、より効果的な攻撃が加えられる。

 あるいは、戦艦や重巡洋艦などで対潜攻撃ができない艦隊で潜水艦を相手にする場合、攻撃コマンドを選んでも何かができるわけではない。そこで離脱や回避を選ぶことで、被害を最小限に食い止めることが可能になる。さらには、開幕雷撃が可能な艦娘を編成していれば、最初に雷撃を指示しておくことで開幕雷撃を実施する……のかもしれない(残念ながら必要な艦娘が入手に至らず実験できなかった)。

 敵艦隊の陣容や戦局に応じた戦術が立てやすくなり、効果的に戦えるようになっている。また、砲撃重視でいくか、水雷戦隊の突撃にかけるか、提督ごとの戦術方針を試すことも可能だ。

 戦闘指揮に絡むブラウザ版との違いとして、戦艦がいても戦闘が必ずしも2フェイズ制にならないという違いがある。逆に巡洋艦以下で編成された艦隊であっても旗艦の練度が高い場合は戦闘指揮入力可能枠が増え、その分戦闘の多くのフェイズで戦闘を継続することが可能だ。また、全ての戦闘フェイズの終了を待たずに離脱を図ったり、敵艦隊へ接近・突撃し、必殺の魚雷を放つ戦術を採ることも可能になっている。

 戦闘における要素はブラウザ版より格段に増えている。しかし戦闘指揮による行動の変化などについては、詳しいことは示されていない。実際に試しながら、何が有効なのかを探っていくことになる。ゲームの情報はブラウザ版でもあまり明かされず、多数の提督達による検証や経験則で語られている部分が多い。本作も、本家ブラウザ版のその流れを組んだ、研究する楽しみを残した作品であることは間違いない。

戦闘の最初に索敵フェーズ
発見できないとシルエットだけの表示。それでも判断材料にはなる
偵察機などがあると発見率が上がる
発見できると敵の明瞭な姿が見える
戦闘指揮入力で戦闘方針を指示できる
攻撃できる航空機があれば、敵に先んじて航空攻撃が可能
戦闘中、耐久値は円形グラフで表示される
砲撃戦後の雷撃の撃ち合いにも演出がある
魚雷が互いの方向へと進んでいく
耐久値の半分を超えるダメージを受けたら中破。服が破れるのは「艦これ」のお約束
夜戦突入時には格別派手な演出
夜戦では複数武器を組み合わせて撃つコンビネーション攻撃も特別な演出になる

演習には複数のバリエーションが追加

自軍の2艦隊で模擬訓練ができる

 演習は、艦娘を訓練させ、経験値や能力アップを図るもの。ブラウザ版では他のプレーヤーとの模擬戦で経験値を得るというものだが、スタンドアローンとなった「艦これ改」では対抗演習を選択した場合、同じ海域エリア内にいる自軍の複数艦隊の間で模擬訓練が可能だ。

 さらに艦隊演習という新たな要素も追加された。これは模擬戦ではなく、単一艦隊による純粋な訓練となっており、経験値とともに一部の能力がアップする。例えば艦隊行動演習を選ぶと回避ステータスがアップすることがあり、砲戦演習だと火力がアップすることがある。

 ステータスアップには、複数入手するなどして不要になった艦娘を、他の艦娘に合成することで成長させる近代化改修の仕組みがある。「艦これ改」にもこの仕組みはあるが、複数入手した同一艦を用いた近代化改修することで、嬉しいボーナスを得ることも可能だ。それ以外に艦隊演習によってもステータスアップを図れる。序盤は余分になる艦娘も少ないため、経験値とともにステータスも上げられる艦隊演習はとても重宝する。ただし燃料や弾薬などの資材は消費する。

砲撃演習を選ぶと、砲を撃つようなムービーが流れる
経験値を得るとともに、火力がアップすることがある
ブラウザ版にもある近代化改修は、他の艦娘との合成となる
成功すればステータスはアップするが、合成した艦娘がは失われる

資材集めには輸送船の概念を追加

輸送船を建造して配備する

 出撃すると弾薬と燃料を消費し、建造には鋼材やボーキサイトも消費する。これらの資材の消費の概念はブラウザ版と同様だが、資材の集め方が大きく変わっており、新たに輸送船が登場した。

 輸送船を海域に配備することで、1日ごとに資源が得られるようになる。逆に言うと、輸送船を配備しない限りは満足に資材を得ることはできない。一定時間で一定量の資材が得られるブラウザ版とは根本的に仕組みが異なる。輸送船は艦娘の建造とは別のカテゴリーとして建造が可能だ。できるだけ多く輸送船を建造し、行動できる全ての海域に十分な数を配備しておくことで、序盤からかなりの資材をまかなえるようになる。

 また任務でも資材が得られる。任務の概念はブラウザ版と同様で、指定された内容をこなすことで報酬が得られるというシステムだ。「艦これ改」ではブラウザ版のように「とりあえず放置して資材が貯まるのを待つ」ということができないため、積極的に任務をこなしていくことがより重要になっている。

 任務は同時に7つまでしか受諾できず、未受諾のものは達成しても達成扱いにならないものもある。次に何をすべきか考える時には、必ず任務を眺めてから決めるのがいいだろう。なお任務は月替わりのものがあり、繰り返し受諾できる。そういった任務は月をまたぐとそれまでの達成分がリセットされてしまうので注意が必要だ。

 他には、艦隊を出して資材を持ち帰らせる遠征もある。こちらは経験値や資源、アイテムなどを獲得できる部分ではブラウザ版と同じだが、それぞれの海域エリアごとに実施できる遠征内容は違うものであり、特定の海域では敵の反攻戦力を漸減し、反攻を抑制可能な効果のある遠征や、前線出撃艦隊を支援する遠征もある。

配備した輸送船の数に応じて、毎日資材が受け取れる
艦隊を遠征に出して資材を運ばせる方法もある
任務を達成すれば資源が得られることもある
任務は次の行動にあわせて付け替えていくのが効率的

海域エリアはヘックスで展開、往来に日数がかかるように

海域エリアはヘックスで区切られている。艦隊の海域間移動は1日消費する

 登場する海域については、ブラウザ版では艦隊を編成してすぐに行き先を選んで出撃という形だった。「艦これ改」では、海域がヘックスで構成されており、1つの海域エリアには、4つの作戦海域が存在する。初期位置となる鎮守府海域以外の海域に出撃するには、艦隊を移動させる必要がある。隣接する海域に移動が可能で、移動後は行動済みとなるため、ターンを終了させることで出撃できるようになる。

 修理ドックも海域ごとに別扱いとなる。建造や開発をする「工廠」は鎮守府でしか行なえないため、他の海域では選択できない。鎮守府にいる艦娘や、開発した装備は、他の海域にいる艦隊からでもすぐに呼び出して使えるが、他の海域にいる艦隊から外された艦娘は回航状態となり、数日間をかけて鎮守府海域へ帰投する。

 各海域は4つの作戦海域で編成されている。鎮守府海域はブラウザ版と同じ構成。4つあるうちの最後の作戦海域はやや難易度が高く、ただ入手した艦娘を並べているだけではクリアが難しい。各種演習で個々の能力を上げつつ、建造や装備開発で戦力を増強することで攻略が望める。

 その他の海域の作戦海域展開はブラウザ版とは異なる。ブラウザ版では期間限定イベントにおいて使われた作戦海域が登場する海域もある。難易度的には、鎮守府の北にある北方泊地が次の目標となりそうだ。またゲームを進めて海域を突破すると、その先にある新たな海域が見つかることもある。発見した海域を突破し、広い海域の制海権を確保することが本作の目的となる。

鎮守府海域はブラウザ版と同様の作戦海域展開
鎮守府海域最後の作戦海域。羅針盤次第で行き先が決まるのもブラウザ版と同様
敵も空母が登場する。演習で練度を高めたり、建造で大型艦を狙うなりして挑みたい
見事に海域を突破すると、その海域の制海権を確保したことになる
他にも複数の海域が登場する
敵潜水艦だらけの作戦海域もあり、攻略には骨が折れる

建造や開発はおなじみの秘密レシピで展開

建造は4種の資材の配分によって、完成する艦娘が変わる

 建造の仕組みはブラウザ版とほぼ同様。燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトの4つの資材を好きな配分で消費することで、ある程度の法則性をもって新たな艦娘を建造できる。どんな配分にすれば何ができるのか、という情報は一切明かされていない。

 適切に配分できれば、重巡洋艦や戦艦、空母といった、ゲーム開始当初は保有していない新たなカテゴリの艦娘も入手できる。資材の配分については筆者が試した範囲では、ブラウザ版の法則(レシピと呼ばれている)に則ったものが建造できているようだ。

 建造に関しては先述のとおり、完成にはゲーム内時間である日数(=ターン数)がかかる。戦艦や空母といった大型艦になると、10日(10ターン)以上の待ち時間が発生する。その間も貴重なドックを占有させるわけにはいかないので、待ち時間が長いときは高速建造アイテムを使うのも重要になる。ただし数に限りがあるため、いつ使うのかの判断も重要になってくる。

 「艦これ改」には現状のところ、追加課金要素が見当たらない。ブラウザ版では「課金」によって得られる各種の特殊アイテムは、ゲーム内で得られる「戦略ポイント」の消費や「任務」によって入手可能だ。「戦略ポイント」は海域突破時や特別な「任務」達成時に入手できる。建造や開発に関わる資材の入手のほか、建造や修理のドックの拡張などにも使用できる。修理ドックは速やかに開放したいところだが、海域ごとに修理ドックが異なるため、鎮守府海域のドックを増やしても先々ではさほど役に立たないというジレンマもある。

 艦娘の獲得は本作におけるモチベーションの核となるものだ。戦闘終了後に新たな艦娘と邂逅することもあるが、特定の艦娘が欲しい時には、適切な資材配分による建造が欠かせない。しかし建造には資材と時間が必要になる。ブラウザ版のように、資材がなくなったら放置しておけばいいというものでもないので、リソース管理はより慎重に行なうべきだろう。

建造で新たな艦娘を入手。開けてみるまで何が出るかはわからない
資材の配分を変えると、別のカテゴリの艦娘が入手できるかもしれない
戦略ポイントでアイテムを購入できる。入手手段が限られているので使いすぎには注意

難易度設定とクリアの概念もあり

ゲーム開始時に難易度が選択できる。乙・丙・丁という3段階なのが気になる……

 今回はプレイ時間が足りず体験できなかった要素として、敵である深海棲艦が攻めてくることもあるそうだ。その際には当該海域に繰り返し出撃して敵を減らし、それでもダメなら複数の艦隊で連合艦隊を編成して迎撃する。もし敗北してしまえば、その海域は再び深海棲艦の手に落ちてしまうという。

 海域を失うということは、その海域に配備していた輸送船も失ってしまうことになる。深海棲艦から輸送船を守るため、海域ごとに護衛艦隊を配備することもできる。ブラウザ版は最大4艦隊、24人の艦娘で編成する形だったが、「艦これ改」ではそれを上回る数の艦娘が同時かつ多方面において運用することになる。多種多彩に邂逅する艦娘を、どのように配備し運用するのかが攻略の鍵になりそうだ。

 ちなみに本作は難易度が選べる。乙・丙・丁の3段階で、それぞれハード・ノーマル・イージーに対応する。ブラウザ版経験者は丙、未経験者は丁からのプレイがお勧めだそうだ。乙は、かなりハードな戦局を求める歴戦中の歴戦提督向けだが、2周目以降(後述)の艦娘戦力が整った艦隊なら十分に対抗可能だろう。なお今回のテストプレイでは丙を選択している。さらに難易度の並びからして、「甲」があることは確実だ。

 また本作にはクリアの概念があるようだ。敵深海棲艦の中枢泊地を制圧することでゲームクリアとなり、エンディングを迎えることになる。クリア後、練度(レベル)が高い艦娘の一部は、装備とともに次のゲームに引き継ぎが可能だそうだ。より上の難易度でのクリアを目指す際には大きな助けになる。

 様々な要素について語ってきたが、ゲームの手触りはブラウザ版とはかなり違う。合間の時間に遊ぶブラウザ版とは違い、「艦これ改」は修理や建造などの待ち時間がなく、切れ目なくひたすら熱中できる。複数艦隊を並行運用するなど戦略性も広がった。ブラウザ版の待ち時間の長さや、戦闘を始めとした手出しできない部分の多さが気になっている人には、「艦これ改」はよりマッチするはずだ。

 とはいえブラウザ版にもいい部分はある。待ち時間があるからこそ片手間で遊べるというのも立派な魅力だ。どちらが上位だとかいうものではなく、あくまで別物だと思った方がいい。ただ登場する艦娘はブラウザ版と共通。大人気の艦娘達を愛でる分には、ブラウザ版と「艦これ改」のどちらでも間違いない、ということは断言しておきたい。メニュー画面に登場する秘書艦娘が少しアニメーションしてくれるという1点だけでも、「艦これ改」の価値は大きいと筆者は思う。

進撃・撤退の選択時、艦隊の耐久値が見えるようになった。地味ながらありがたい
家具を購入して部屋の見た目をアレンジできる
メニュー画面にいる艦娘をアップにできる。意外と嬉しい新機能
妖精さん(装備品にくっついている小さなキャラクター)もあちこちに登場
「艦これ」の魅力の核である艦娘のコレクション要素はそのままに、ゲームシステムを大幅に刷新した作品となっている
Amazonで購入

(石田賀津男)