★オンラインゲームファーストインプレッション★

一年戦争以降もカバーするシリーズ最新作
MS部隊を率いて変遷する戦場を戦い抜け!

「ガンダムネットワークオペレーション 3」

  • ジャンル:オンラインシミュレーションゲーム
  • 運営元:バンダイナムコオンライン
  • 利用料金:未定
  • 対応OS:Windows XP/vista/7
  • 発売日:今冬予定(12月7日~12月25日までクローズドβテスト実施)

 株式会社バンダイナムコオンラインは、オンラインシミュレーションゲーム「ガンダムネットワークオペレーション 3」(以下、「GNO3」)のクローズドβテストを12月7日~12月25日まで開催している。クローズドβテストは1度9月27日に実施されたが、不具合等のため、延期され実施されることになった。

 「GNO3」は「ガンダムネットワークオペレーション」シリーズの最新作だ。これまでアニメ「機動戦士ガンダム」の“一年戦争”を題材にしていたが、「GNO3」では一年戦争の後の時代、アニメ「機動戦士Zガンダム」の戦いも再現しようという意欲作である。

 ログインしていなくてもキャラクターが成長するシステム、シンプルなルール、そして何よりも自分が育てた部隊が乗り込むモビルスーツが戦う興奮……。さらに今作では時代の変化での勢力が変わり、所属部隊や所持モビルスーツが変わっていく。時代の変化に軍人としてどう生きていくのか、自分だけの「ガンダム・サーガ」を作ることができるのだ。今回はクローズドβテストの感触を中心に基本システムを紹介していきたい。



■ 部隊長となり、MSとパイロットを配置、宇宙・地上を舞台に戦い抜け!

キャラクター作成。「ガンダム」らしく少女から壮年男性まで選べる。各人のセリフも確認したかったところだ
部隊編成。機体、パイロット、搭載オプション、フォーメーションを設定できる
次の陣営を設定。最初に設定するが、陣営が変わる前まで変更可能

 「GNO3」ではプレーヤーは部隊長となり、部下を率いて戦場に臨む。部隊長は「ガンダム」らしい少年兵から壮年の男性、さらに若い女性などそれぞれ数パターンが用意されている。キャラクターはグラフィックスだけでなく、戦闘時のセリフも異なる。エキセントリックなセリフも多く、「ガンダム」作品のパロディなどもあってこれはこれで面白いのだが、現時点ではキャラクター作成時はどの台詞を使うのか確認できないのが残念だ。

 プレーヤーは分身である部隊長と、パイロットキャラクターを選んで自分の部隊を作り、戦っていくことになる。数人のパイロットから出撃させる3人を選ぶ。パイロットには顔のあるキャラクターとないキャラクターがあり、顔のないキャラクターは個性が薄い上に能力値が低めだ。パイロットは「パイロット補充」コマンドで増やしていくことができる。パイロットは戦死しないので補充していくことで増えていく。能力は、出撃させないメンバーも成長し、補充パイロットも同じように成長しているので、自分の戦術に合わせてチョイスしていくことができる。「戦い方を変えたい」というときにも手軽に行なえる。

 出撃パイロットと同時に行なうのが出撃モビルスーツ(MS)の選択だ。ドム、グフ、ゲルググ、ジム、ガンキャノン……「ガンダム」おなじみのMSが揃っている。今回筆者はジオン側を選んでみた。今回のクローズドβテストは一年戦争後半が舞台となっており、最初からゲルググやドムを使用できた。配置は「フォーメーション」から選ぶ。フォーメーションによって「回避重視」や「命中重視」など前衛や後衛の戦法が変わる。ゲルググは盾を持っているので防御能力が高く、ドムはバズーカを使えるため遠距離戦に強みがある。MSとパイロットの能力に合わせて組み合わせ、フォーメーションに配置していく。

 次はマップの選択だ。ジオンと連邦の戦いは地球を回る月の軌道周辺に浮かぶコロニー群を舞台とした宇宙と地球上で行なわれた。プレーヤーはそのうちの激戦が行なわれている地域に移動できる。最初は陥落後のソロモン周辺とアフリカを選ぶことができた。戦場はさらに最後方、後方、中間、前線、最前線にわかれており、それぞれ出現する敵の強さが変わる。最初は中間でも歯が立たず、後方からのスタートとなった。

 戦場で気にしなくてはいけないのが、MSの選択だ。ゲルググやザクは汎用型で宇宙地上両方に出撃できるが、ドムは地上用のドムと宇宙用のリック・ドムにわかれており、扇状に合わせて編成を変えないと出撃できない。救済措置としてジオン軍の場合は合わない機体の場合旧ザクで出撃できるようになっていた。

 「GNO3」では数分に1度敵とエンカウントする。戦場に合わせた敵と常に戦っているような状態だ。そこで自分の戦い方、より効率的な編成を模索することができる。戦いを行なうことでパイロット達は経験値を得て成長していく。エンカウント以上に大きく経験値を得るのが「任務」だ。任務には様々なものがあり、難易度も決められている。任務は最大3部隊まで参戦可能で、勝つことで通常より多くの経験値を得ることができる。

 ゲームの基本的なプレイは編成と戦闘、任務の繰り返しになる。「GNO3」はこれまでのシリーズ同様にログインしていない間も戦いが発生し、成長する。戦闘判定は自動で行なわれ、次回ログインしたときに結果が表示される。任務はそれ以上の成長をさせるための要素だ。トッププレーヤーはこまめにログインして任務を繰り返して功績を稼いでいる。あまり時間を取れないプレーヤー達もそこそこはキャラクターが成長し、時間のあるときは任務でトッププレーヤー達と同じ戦場を共有できるのだ。

 自軍のプレーヤー達とは「エリアチャット」で会話ができる。会話に参加しなくても、有効な戦術論や、モビルスーツの開発の方向性などの情報が聞けて参考になるし、雑談も楽しい。また他ゲームのギルドにあたる「チーム」があり、参加することでチームをもり立てていく楽しさもある。特に「GNO3」では最初は同じジオン軍のチームでも、片方はエゥーゴに、もう片方はジオンにというように別れていく可能性がある。現在の仕様ではわかれてもチームはそのままであり、この要素が戦局にどう影響していくかは注目したいところだ。

 「GNO3」の魅力はやはり「ガンダム」であるところだ。リアルタイムに操作する部分はなく、成長も緩やかなため短い時間ではあまりやることはないのだが、MSが戦っている姿をずっと見てしまう。また、MSを見て用途を考えたり、戦闘で不利になるかもしれないのに水陸両用の機体を揃えたくなったりと、ファンの心を揺さぶる要素が満載だ。「ガンダム」世界のコンテンツの厚さを改めて感じさせられる。ライトなプレーヤーにも常にトップを目指すコアなプレーヤーにもオススメの作品だ。



パイロットの顔グラフィックスに合わせたセリフが用意されている。戦いながらしゃべりまくるところはいかにも「ガンダム」らしい。部下を含めて他部隊と顔が被ることも多いのだが、「自分の部隊」を応援し、思い入れが生まれてくるのが楽しい
陸戦型ガンダム、アッガイ、ジオング……。ファンにはおなじみのMSが入り乱れて戦う戦場
地球圏と地上を舞台に繰り広げられる戦い。戦うことで経験を積み、前線、最前線へ向かうことができる。敵勢力のプレーヤーとの戦いも行なわれる



■ パイロットを、部隊をどう育てるか。模索の中から生み出す戦術

タイプに合わせてスキル構成が変わってくる。習得順位を変えることでより理想的なキャラクターにカスタマイズできる
1日1回部下パイロットの補充ができる。飛び抜けて能力が高いパイロットというのは今回は出なかったようだ
補給ポイントを消費してMSを購入。新しいMSで部隊の力は大きく変わっていく

 「GNO3」では部隊長のみ細かくスキルを設定して成長させることができる。成長タイプには回避と格闘に特化した「ディフェンダー」、射撃と回避に強い「ガーディアン」、より射撃能力を強めた回避型「レンジャー」、万能タイプの「スカーミッシュ」、中距離の射撃が得意な「アタッカー」、遠距離が得意な「ストライカー」の6タイプがある。部下もこの6タイプにわけられており、組み合わせて理想のチームを目指していく。

 部隊長はさらに習得するスキルの順番を変えていける。またスキルタイプの変更も可能なので、自分の理想とするキャラクターを目指していける。部隊長は部下に比べてレベルが高く設定されているため、部隊長の役割で戦い方も大きく変わってくる。

 スキルは命中が上昇する「命中熟練」や、ミサイルなど実弾兵器をビームサーベルで防げる「切り払い」、近接の敵に対してボーナスを得られる「フォワード」等があり、経験を積むことで習得していく。部隊長はスキルタイプだけではなく、スキルの習得順番を変更できるため、より自分の思い描く兵士へ成長させることが可能なのだ。

 筆者の場合は部隊長は回避を重視した射撃タイプ「ガーティアン」に設定してみた。3人の部下を連れて行く4機編成にして、1人を自分と同じように回避重視の前衛にして、残り2人を攻撃重視のキャラクターを起用した。

 キャラクターは「ニュータイプ」に覚醒する可能性がある。本作のパイロットは全てニュータイプに覚醒する素養を持っているが、覚醒するかどうかは運が絡んでいるようだ。ニュータイプといえば原作では優れた戦士として活躍するシーンが浮かぶが、「GNO3」の場合は、「ニュータイプ専用機」で特別な攻撃ができるという点が大きな魅力だった。

 最初にニュータイプに覚醒した前衛パイロットは目に見える効果が感じられず、実際の能力値の高い部隊長をメインの壁役にして結局補助に回らせたのだが、2人目に覚醒した女性兵士をニュータイプ専用機エルメスに乗せたときの効果は大きかった。ニュータイプの力で操る小さな移動砲台「ビット」の攻撃力は高く、メインアタッカーとしてチームの力を底上げしてくれた。

 しかし、ゲームを続けているうちに、最前列のキャラクターの力不足が気になってきた。能力値を比べると部隊長の方が回避が高い。そこで部隊長を最前列に配置、後方の女性兵士にはエルメスを渡し、メインアタッカーとして活躍させた。前衛は回避に徹しているため攻撃はあまり当たらないのだが、後方の2人ががんばることでそこそこ戦える編成になったと感じた。

 しかし任務の関係上、地上にいかなくてはいけなくなり、ここで困ってしまった。地上ではエルメスが使えないのである。ドムとゲルググで編成したのだが、明らかに宇宙よりパワーダウンしてしまった。このころには汎用機体「ガーベラ・テトラ」が使えるはずだったが、筆者の場合はジオングの開発を優先し、補給ポイントも足らなかったため使えなかったのだ。

 「GNO3」では次にどんなMSを使うか「開発プラン」を決めて選択していく。「GNO2」ではどちらを開発するか、という感じでユーザーの投票で決められていたが、「GNO3」では個人で開発プランを決められる。地上重視か、宇宙重視か、自分なりのポイントのやりくりを考えなくてはならない。面白いのは、「トレード」によって開発プランを進めていなくても、補給ポイントを支払うことで“代理購入”してもらえることだ。

 今回だと「ゲルググ・マリーネ」をいち早く開発できたプレーヤーに注文が殺到し、オークションに出すことで大量のプレーヤーの手に渡った。ログでは「100機目を作ったよ」という言葉も見られた。筆者もこの機体を手に入れただけでなく、ガーベラ・テトラをチーム長に作ってもらった。逆に開発を進めていたジオングはコストがかかりすぎるので開発したものの結局購入しなかった。

 MSの開発は、長大なツリー形式になっていて、自分1人の開発ポイントだけでは、すべてのMSを開発することはできない。そこでプレーヤー達はトレードを前提とした開発の進め方をしている。特に時代が進んだときのチームチャットは、その話題で非常に活発になった。誰がどのツリーを進めていくか話し合い細かく打ち合わせをするのだ。こうした勢力間の取り組みにより、自分が開発していない高レベルのMSも手に入れられるのだ。正式サービス時はさらにプレーヤーごとの姿勢がはっきりしてくるかもしれない。

 もうひとつ、面白かったのが「あえて弱いMSを前方に出し敵を引き付ける」という戦法だ。プレーヤー達は戦闘を繰り返すことで様々なフォーメーションが選べるようになる。「近MS狙い」のみだったものが、「高HP狙い」、「弱MS狙い」など狙いを絞った戦法を選択できるのだ。後方は命中に特化しているため攻められると弱い。通称「弱壁」とは弱MS狙いのキャラクターが部隊後方のキャラクターを狙わないための防護策なのだ。今回、チーム長に教えてもらって感心させられた。

 「GNO3」をプレイするためには前作までのプレイの知識は有効だ。しかし「GNO3」は新要素を盛り込んだ上で、「GNO2」をさらに複雑に進化させるという方向ではなく、より間口が広い方向性を目指している。細かいカスタマイズができない一方で、手軽にはじめられる作品だと感じた。それでも現時点では細かいルールなどわかりにくいところもあり、正式サービス時にはチュートリアルも充実して欲しい。



戦いを繰り返し、自分なりの戦術を練っていく。壁役のキャラクターは1人か、2人か? 弱いMSで5機編成にするか、4機でいくか? 強いMSを使うために弱いザクを入れるかなど、悩み考えるのが楽しい
地上と宇宙では使用できるMSが異なる。開発は1人のプレーヤーではフォローできないため協力が必要となるだろう
ジオン側の開発ツリー。強力なMSを作るためには開発ポイントが大量に必要になる。分担することで勢力全体の力も増す。あえて「趣味的」な開発を目指すのも面白そうだ



■ シャアやアムロと同じ戦場に立てる「任務」。「大規模任務」ではトッププレーヤー達がぶつかりあう

任務取得。特殊任務は一定時間の上限が決められている
募集を出し、他プレーヤーが入ったところで任務開始だ。NPCを入れて1人で挑むこともできるが、戦力は劣ることとなる
アムロとシャアの戦い。競合任務ではアニメの1場面が追体験できる

 「GNO3」には様々な「任務」がある。長期間戦える「長期任務」、複数回戦う「通常任務」、そして時別な戦場で戦える「特殊任務」だ。特殊任務は制限があり短い期間では決められた回数しか受けることができないが、他プレーヤーの「支援」という形で参加すれば何度でも挑戦できる。

 特殊任務は輸送船や戦艦、地上からMSなどを入れて打ち上げるHLV(大重量打ち上げ機:Heavy-Launch Vehicle)などの護衛・襲撃任務、特殊部隊迎撃など様々な種類がある。戦艦やNPC部隊など特別なユニットが出てくるのも大きな特徴だ。特殊任務はランダム性があり、出現確率の低い任務もある。また輸送船襲撃任務では低確率で敵のMSを鹵獲できるようで、積極的に輸送船を攻撃するプレーヤーもいた。

 特殊任務には「競合任務」というさらに特別なものが用意されている。これは決められたときのみ発生する期間限定任務で、引き受けた数に応じてチームで集計し、チームランキングという形で褒賞が与えられる。このため現在の「GNO3」では大きいチームの方が褒賞を得やすく有利である。チームに入っていないプレーヤーはいくら競合任務を行なっても褒賞を得られない。

 競合任務はアニメ作品とのリンクが楽しい。最初の競合任務は、ララァとアムロ、そしてシャアが相まみえる戦場でホワイトベースと戦うというものだった。シャアの攻撃が全然当たらなかったり、セイラやハヤト、カイといったホワイトベースクルーが奮戦したり彼らと直接戦えるというシチュエーションは楽しかった。

 次の競合任務は時代設定が変わり、OVA「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」の時代のものとなっていた。このOVAはア・バオア・クーが落とされ、ジオンは残党として抵抗活動を行なっていた時代を舞台にしている。ジオンの残党の一部は「デラーズ・フリート」と名乗りゲリラ活動を続けていた。デラーズ・フリートのアナベル・ガトー大尉は核使用を前提に秘密裏に作られていたガンダム試作2号機(GP02)を連邦から奪取、連邦軍のテストパイロットコウ・ウラキ少尉の乗るガンダム試作1号機(GP01)と激しい戦いを繰り広げていくというストーリーが展開する。

 ジオン側のプレーヤー達はデラーズ・フリートとして連邦軍と戦う。戦いはやがて連邦軍の観艦式の襲撃、そしてコロニー落としを目指すデラーズ・フリートとそれをソーラ・システムIIで焼き払おうとする連邦軍との戦いまで拡大していく。競合任務では、地上、宇宙で戦うガトーとコウの戦いにプレーヤー達も参戦するという形で展開していく。

 大きく時代が変わる時期には「大規模任務」というイベントが用意されている。この任務は2時間ほどのオンラインイベントで、アニメ作品のクライマックスに合わせた形で開催される。今回は12月12日と12月19日の深夜に行なわれた。12月12日はア・バオアクーでのアムロとシャアの最終決戦、12月19日はガトーとコウの最終決戦が描かれた。プレーヤー達はこのジオンと連邦がぶつかりあう戦場に自分の部隊を率いて参戦していった。

 今回、筆者はア・バオアクーには参加できなかったが、12月19日の地球上空での最終決戦には参加できた。大規模任務はランダムで選ばれたプレーヤー同士の戦いとなる。自軍と敵軍3部隊ずつが直接戦闘を行ない、3連戦を行った後、その戦いで好成績を収めたプレーヤーの内ベスト20が最終決戦に出場するというルールだった。3連戦では筆者もチームに相談して編成などを工夫したのだが2勝1敗、戦場での活躍もいまいちで、最終決戦には出撃できなかった。

 最終決戦はその時間ログインしている全プレーヤーが見ることができた。ベスト20に選ばれたプレーヤー達は部隊ではなく、部隊長1人で戦場に現われた。ガトーが乗るノイエ・ジールと、コウの乗るガンダム試作3号機(GP03)が戦う中、数人ずつプレーヤーが参戦し、倒されると増援という形で新たにプレーヤーが投入される。どちらか20人全員が倒されてしまった方が敗北となる。

 登場した上位プレーヤーは筆者のように部隊長を前衛の壁役にしているプレーヤーが多く、ジオンはカーベラ・テトラ、連邦はガンダム試作1号機フルバーニアン(GP01Fb)が多かった。どちらも攻撃を重視しない回避特化が多く、膠着した流れになった。それでも少しずつメンバーが入れ替わる中、リック・ドムIIやビグロ、連邦ではセイバーフィッシュ(ユニットでは最弱の戦闘機)が登場したりして様々なプレーヤーがいることを感じさせた。

 最終決戦にはジオンと連邦の一進一退の攻防が続く中、プレーヤー達はチャットで応援したり、批評したり、様々な会話が交わされた。今回に関しては、ガーベラ・テトラが盾を持っていないため、GP01Fbの防御力が徐々に効果を発揮しはじめるという印象だった。結果、連邦軍が勝利することになった。この最終決戦に関してはリプレイでいつでも見ることができる。このギミックはユニークだと感じた。

 最終決戦完了後、ついに時代は変わることとなった。エゥーゴ、ネオジオン、ティターンズの3つどもえの戦い、「GNO」シリーズのプレーヤーが未体験の戦いに突入するのである。



ホワイトベース隊とシャア、ララァ、そしてシャリア・ブルが戦う戦場にプレーヤー達は飛び込んでいく
GP01とGP02の戦い。地上での競合任務だ
大規模任務スタート! 3vs3の戦いが繰り広げられる。筆者も参戦したが、あまり活躍できなかった
コウとガトーがぶつかる大規模任務最終戦。トップ20のプレーヤーがぞくぞく参戦してくる
激しくぶつかりあう両軍のプレーヤー達。観戦しているこちらも熱が入る


■ 動き始めた“Zの鼓動”。原作では描かれなかった時代の過渡期を体験

時代の変わり目にはカットシーンが挿入される
シャアはクワトロと名前を変えている。どんなシーンが登場するかも楽しみだ

 「GNO3」では「機動戦士Zガンダム」の世界も描かれることとなる。ジオン公国と連邦軍での和平交渉が結ばれてから7年、宇宙に住むスペースノイドへの支配を強める地球連邦軍。連邦軍の一部は「ジオンの残党狩り」を名目に暴走、エリート部隊「ティターンズ」を結成し、軍事力を背景に勢力を拡大していた。

 ジオンの残党を含むスペースノイドと、ティターンズを嫌悪する連邦の一部の人々は反地球連邦組織「エゥーゴ」を結成する。地球での地下組織も呼応し、戦いは大きくなっていく。そしてジオンの象徴であるザビ家復興を目指す軍事組織アクシズもまたその戦いに介入してくる。「機動戦士Zガンダム」では繊細な少年カミーユ・ビダンを中心に物語が描かれていく。

 「GNO3」ではジオン軍はジオン共和国(まだアクシズという名前ではない)か、エゥーゴ。連邦軍はティターンズかエゥーゴを選択できる。エゥーゴ、ジオン共和国、ティターンズの3つどもえの戦いが行なわれることとなる。ゲームとしては任務も敵は2つの勢力両方で、混乱した戦局を体験できるようになっている。

 今回筆者はエゥーゴを選択してみた。ネモやリックディアス、そしてカミーユが奪ってきたガンダムMk-IIも作ることができる。物語では3体しか登場しないガンダムMk-IIを量産できるのは面白かった。任務を選ぶと今までのようにジオンだけではなく、連邦所属のプレーヤー達とも共闘できる。両軍が混在するエゥーゴは特にユニークな勢力だと感じた。

 エゥーゴに所属が変わると、パイロットはエゥーゴの制服に変わる。画像はバストアップだが、ラフに着こなしていたり、きっちりしていたりバリエーションがあるのが面白い。女性もアニメのヒロインが着ていたノースリーブの服を着ていたりとこだわりが楽しかった。MSに関しては前勢力のMSも生産できるため、エゥーゴ内の他のプレーヤーに供給できる。元ジオンのエゥーゴプレーヤーでは最終決戦で活躍したGP01FBを求めている人が多かった。

 ジオンの時に組んでいたチームは、エゥーゴとジオン共和国にわかれてもチームチャットで会話をすることができる。しかし取引はできないため、情報交換のみになってしまっているようだ。競合の集計結果などはどうなるか、今後見ていきたいところだ。

 今回体験できたのは2週間弱、正式サービス時には仕様が変わる点もあるかもしれないが、魅力的なゲームだと感じた。やはり「ガンダム」というだけで心惹かれるところがあるし、ガンダムからZへ時代が変わっても1部隊長として戦い続けるという感触が楽しい。部下達にも思い入れが深くなるし、時間と共に旬のMSが変わってくるところも面白い。ゲームでは戦争がアニメ作品と同じ結果になるとは限らない。正式サービス時、「GNO3」の人々はどんな戦争を戦い、時代を生き抜いていくか、是非体験したいと感じた。



連邦とジオン、エゥーゴとティターンズそして新しいジオンのMSが入り交じる戦場。時代が変わる過渡期を感じさせる戦場だ
エゥーゴの開発ツリーとMS。今後は可変MSも登場するという

(C)創通・サンライズ



(2009年 12月 21日)

[Reported by 勝田哲也 ]