モバイルゲームレビュー

GPSでご当地武将を登用できる
合戦特化型の歴史シミュレーション

「信長の野望タクティクス」

  • ジャンル:歴史シミュレーション
  • 配信元/開発元:コーエー
  • 利用料金:月額525円
  • プラットフォーム:iモード/Yahoo!ケータイ
  • 対応機種:FOMA 903i/703iシリーズ以上/SoftBank メガアプリ対応機種
  • 配信日:配信中(iモード:6月8日/Yahoo!ケータイ:8月12日)
  • アクセス方法:
    iモード: iMenu → メニューリスト → ゲーム → シミュレーション → 信長の野望タクティクス
    Yahoo!ケータイ: メニューリスト → ケータイゲーム → シミュレーション・育成 → 信長の野望タクティクス



 「信長の野望タクティクス」は、歴史シミュレーションでおなじみの株式会社コーエーが配信する、iモード用シミュレーションゲームの最新作。ゲームモードは1人用の「国盗り合戦」のほか、プレーヤー同士でのオンライン対戦が楽しめる「対人合戦」モードも用意され、成績に応じたプレーヤーランキングも集計されている。また携帯のGPS機能を利用して、プレーヤーが住んでいる地域ごとにご当地武将を登用できるユニークなシステムなども搭載されている。

 なお、筆者はこれまでに「信長の野望」シリーズ作品を(オンライン非対応の)PCやコンシューマーゲーム機でいくつも遊んだ経験はあるが、携帯版の作品をプレイするのは今回が初めて。本記事を執筆するにあたり、従来のコンシューマー用作品とではどんなところが違うのか、ゲームシステムを比べつつ興味深くプレイさせていただいた。




■ 徹頭徹尾「合戦」に特化した独特のゲームシステム

 本作品のメインとなる「国盗り合戦」モードは、北は蝦夷から南は薩摩・大隅まで、全国各地の好きな国を選んでそこから天下統一を目指すというもの。国の選択時に、それぞれの難易度が高・中・低の3段階で表示されるので、まず最初は「低」の国から始めていくのがいいだろう。

 国を選択したら、次にデフォルトキャラクター(槍大将、弓術家、騎馬大将、弓大将、野武士、砲術家の5名)を含む7人の武将の中から、大将、軍師、参謀、副参謀を各1人ずつ任命し、軍団の編成を完了したらゲームがスタートする。兵士の保有数は、敵・味方を問わず各武将とも上限が5千人に統一され、ゲーム開始時点で全武将が5千人分を持った状態になっている。

 従来の「信長の野望」シリーズと大きく異なるのは、「開墾」や「治水工事」などといった内政に関するコマンドが一切存在せず、なおかつ「合戦」コマンドを実行しなければ次の季節(ターン)へ進まないようになっていること。兵力や領地の数などに関わらず、毎ターン必ず「合戦」ができるところが本作品最大の特徴だ。

 内政の要素がないため、「合戦」以外にメイン画面で使用するコマンドは、部隊編成を行なう「武将」、装備品などを購入・売却する「アイテム」、他国の様子を見る「国情報」および「ヘルプ」のたった4種類のみ。つまり、プレーヤーはメイン画面では「合戦」の準備だけをすればいい。これならゲームの途中で何をしたらいいのか、目的がわからなくなってしまうようなことはないだろう。

 軍事に関しても、兵士の「訓練」や「雇用」などといった育成コマンドが存在しない、極めてシンプルな構造になっている。合戦により減ってしまった兵士は、なんとターン終了後に一定の割合ずつ自動的に回復するので、プレーヤーは熟練度や資金などの要素を一切気にせず遊べてしまう。自国の兵士数と装備品を合わせた戦力と、これから攻め込む敵国の戦力とを比較しながらプレイするだけでいいので、シミュレーション作品としては非常にとっつきやすい構成になっている。


全国のどこの国からでもスタート可能。大将などの役割を決定するとすぐにゲームが始まる
メインコマンドはわずかにこれだけ。「ターン終了」のコマンドがなく、「合戦」を選んで戦闘が終了すると次のターンに進む。敵国の強さは★マークにより5段階で表示される(★マーク5個が最高ランク)
「アイテム」コマンドで装備品の購入や装備の変更が可能。装備に応じて武将の能力や忠誠度がアップする。合戦後にはレアアイテムが手に入ることもある



■ 合戦中は全軍の「士気」を把握するのが攻略のキモ

 ゲームの中心となる合戦について、ゲームシステムを詳しく説明しよう。

 合戦時に登場するユニットには、騎馬、槍、弓、鉄砲、僧兵、忍者の6種類があり、各武将ごとにどの部隊を率いるのかはあらかじめ決まっている。たとえば北条氏康は弓、長束正家は僧兵、風魔小太郎は忍者などといった具合だ。従来の「信長の野望」シリーズと同様に、騎馬隊は他のユニットよりも移動力が比較的高く、鉄砲隊は降雨時に攻撃が一切できなくなるなど、各ユニットごとに能力が異なる。フィールドマップは、ヘキサ(六角形)ではなくスクエア(四角形)になっている。

 本作品ならではの特徴は、敵と味方が交互にユニットを動かすのではなく、まずプレーヤーが「命令フェイズ」で全ユニット分のコマンドを入力した後、次の「解決フェイズ」に移行してから両軍のユニットが一斉に自動で動き出すところにある。動き出す順番は、各武将ごとの「士気」のパラメーターが高い順になるため、「武力」や「知力」などといった固有の能力とともに、各自のモチベーションを示す「士気」の値も攻略上極めて重要なポイントになる。

 「士気」は敵を攻撃したりターンが更新されると増え、逆に敵にやられると減少する。また「統率力」のパラメータが高い武将ほど、ターン更新後の「士気」の回復量が多くなるというルールなども存在するので、毎ターンごとに状況が刻々と変化する全軍の「士気」を把握するのはなかなかたいへんだ。だが、このような「士気」を重視したアイデアの採用によって、いかにして自軍のモチベーションを保つかという本作品ならではの独特の戦略性が生み出され、同時に戦国時代は兵士個々の能力よりも士気のほうが重要(と言われている)というリアリズムを再現することにも成功している。

 合戦時のユニット操作においても独自の工夫が見られる。ターン開始時に、CPUが「士気」の高い順番に自軍のユニットを自動的に選択してくれるので、プレーヤーがいちいちカーソルを動かしてその都度お目当てのユニットを探す手間を省いている。各ユニットごとの移動範囲や通常攻撃の射程も自動的に表示されるので、プレーヤーがより戦略を考えやすいように配慮されている。

 ただプレイしていて筆者が気になったのは、この「士気」によって行動順が決まるという本作品独特のシステムを、ゲーム開始時のチュートリアル画面などできちんとプレーヤーに教える場面が少なかったこと。WEBサイトに接続して「あそびかた」メニューを選択すると詳しい説明が読めるのだが、ゲーム中のヘルプコマンドを使用しても、「士気」で行動順が変わるという説明を見つけづらかった。合戦主体のゲームシステムである以上、1番最初の合戦開始時に「士気」が重要なポイントであることを表示するなどして強調してほしかった。


歴戦の名将に加えて僧兵、忍者までもが同時参戦。各ユニットの選択、および移動・攻撃範囲の表示はすべて自動で行なわれる
ユニットは毎ターンごとに「士気」の高い順に番号がつけられ(ユニットの右下に表示)、この順番どおりに動き出す。かなり重要なポイントだけに、もう少し明確な説明が欲しかった



■ 戦略性をさらにアップさせる、「戦法陣」などの独自システム

 「士気」と同様に、本作品ならではのユニークな合戦中のシステムとして「戦法陣」がある。「戦法陣」は、軍団編成時に軍師、参謀、副参謀に任命した武将のみが使用できる特殊なコマンドで、マップ内に張った戦法陣内に侵入した敵ユニットの能力および「士気」を大幅に下げる効果を持っている。陣内に入ったユニットは、その範囲外に移動すれば武将固有の能力は回復するが、「士気」はすぐに回復しないので、たとえ「武力」が低い武将であっても、この「戦法陣」をうまく使うことでしばしば大活躍してくれるのだ。

 「戦法陣」使用中は、画面上に表示されている戦法値を消費し、これがなくなると陣地は自動的に消滅する。また、敵軍の「戦法陣」を使用中の武将が陣内に侵入した場合も、自軍の陣地が瞬時に消されてしまう(逆に、相手の「戦法陣」に踏み込んで消すことも可能)。陣形および大きさは対象となる3名の武将の位置によって決定される。陣形を広げると効果も大きくなるが、消費する戦法値も増え、消滅のリスクが高まるので無闇に大きくするのは禁物だ。さらに戦法値は、「知力」の高い武将ほど回復が早いという特徴もある。「戦法陣」を使用する武将の選択はもちろん、自軍のユニットがうっかり敵の陣内に入らないようにする戦略性が要求されるのも本作品の大きな魅力のひとつである。

 武将が成長すると、強力な戦技(特殊攻撃)や技能を修得することもある。特殊攻撃には、隣接する他の味方と同時に敵を攻撃できる「挟撃」や、攻撃後に敵のユニットを後方に押しやる「撃退」などがある。技能には、敵から姿を隠す「伏兵」や、味方の「士気」を高める効果のある「鼓舞」などのほか、敵の侵入を防ぐ「馬防柵」や「砦」をマップ上に築く能力を持った武将も存在する。

 これらの特殊技を使用する際は、画面上に表示された気合値を消費する。気合値も戦法値と同様に、全ての武将が共有するものなので、同一ターン内に誰がどんな技を使えば最も効果的に戦えるのか、よく考えることが必要だ。軍団編成時にどの技を持った武将を組み込むのが最適かを考えたり、武将を育てるとどんな技を覚えるのか調べたりと、いろいろ探しながらプレイするのも楽しい。

 難点は「解決フェイズ」中の画面表示でわかりにくい場面がしばしば見られたこと。画面外にいる武将が、敵の攻撃を受けても画面がその場に切り替わらなかったり、あるいは各種メッセージが表示されるウインドウが短い時間で自動的に閉じてしまい、プレイ中に文章を最後まで読み切れないケースもあった。ユニットの移動やメッセージ送りのスピードがとても速く、テンポよくゲームが進むのは確かに嬉しいが、せめて行動に関わっているユニットは必ず画面内に収めるとか、攻略上重要なメッセージはゲームの進行をいったん止めて見せるといったような配慮が欲しかった。


「戦法陣」を発動させると、陣内にいる敵の能力を大幅にダウンさせることが可能。より多くの敵を巻き込めるよう、戦法陣を張る武将の配置場所を工夫することも求められる
武将が成長すると新たな戦技を使えるようになったり技能を修得することがある。どれも役に立つものばかりなので、軍団編成時はいろいろな技が使える武将を集めておくのも攻略のポイントのひとつだ



■ 合戦に負けても大丈夫。武将の育成やコレクションをじっくり楽しめる

 合戦の勝利条件は、敵の大将を攻撃して兵力をゼロにして討ち取ることが基本だが、場合によっては敵国の天守閣を占領したり、全軍を戦場から退却させれば勝ちになることもある。逆に敵に攻撃されて自軍の大将の兵力がゼロになるか、規定のターン数までに勝利条件を満たさなかった場合は負けとなる。

 ひとつの軍団内に登録できる武将の上限は7名までで、最大で3つ分の軍団を同時に登録できる(ただし1回の合戦で派遣できるのは1軍団のみ)。もし軍団の中に入りきれない武将がいても、無所属のままストックしておける。例えば兵力が十分に回復しなかった武将がいた場合は、次の合戦時にストックしておいた兵力が満タンの武将と入れ替え、軍団を再編成してから戦うことも可能。敵軍も同じく武将7人の軍団で登場するが、たまに途中から援軍が登場して兵力を増強させることもある。

 操作自体も実にシンプルで、すべてカーソル移動と決定・キャンセルといった簡単な操作だけでできる。また領地は全体を合わせて1カ国とみなしているため、領土を拡大しても、いちいち1国ずつコマンドを入力する手間がなく、シミュレーションゲームとしては進行がかなり早い部類に入る。ゲーム中はデータが常時自動でセーブされ、合戦中にいつでも中断できる。1度合戦を始めると、終了するまでに比較的時間がかかるものの(筆者の場合、1戦の平均は20~30分程度)、ちょっとした空き時間を利用して気軽に遊べるように配慮した設計になっている。

 筆者はまず最初に、難易度「低」の国の中から相模国を選び、大将には北条氏康を起用してゲームを始めてみた。だが、ルールや攻略のコツを十分に飲み込めていないこともあり、最初の合戦ではものの見事に負けてしまった。

 「これでまた最初からやり直しか……」と思ったら、自軍にいる5人の武将が全員健在の状態でそのまま次のターンへとゲームが進んだので驚いてしまった。しかも、ターンを消化するごとにやられてしまった兵士の数が自動的に回復するという親切ぶり。負けてもすぐにゲームオーバーにはならず、なおかつ味方の武将が敵に捕らえられたり殺されたりしないので、領土を失わない限りいくらでも立て直しがきくシステムになっている。このアイデアの採用によって、プレーヤーは1度負けても心配せずにゲームを続けられるという特徴がつかめるのと同時に、シミュレーション初心者向けの対策としても大いに役立っている。

 また、合戦終了後は勝敗にかかわらず、活躍に応じた経験値が加算されて武将の能力がどんどんアップする。さらに合戦で獲得した資金を使って装備品を購入したり、レベルアップすることで新たな武将が仕官してくるイベントなどもたびたび発生するので、途中で兵力や軍資金が尽きて手詰まりになってしまうことがまったくない。もちろん、戦いに勝てば生け捕りにした敵将や戦利品が手に入るので、勝ち進むにつれて配下の武将がどんどん増えていく。人材を多く集めると、最大3つの軍団を編成できるようになるので、例えば前回の合戦で傷ついた軍団の兵力回復を待ちつつ、第2、第3の軍団で新たな合戦に挑むといったように、ローテーションを組みながら毎ターン合戦を楽しめるのが本作品ならではの大きな魅力なのである。

 合戦時のマップも、攻城戦や起伏の富んだ野戦など、各国ごとにさまざまなバリエーションが用意されており、遊んでいて実に楽しい。また、ゲームの途中で勝利条件が「敵の大将を倒す」から「全軍を退却させる」や「天守閣を占領する」などに突然ガラリと変わってしまったり、援軍や隣国の同盟軍が参戦することがあるのもこれまた面白い。場合によっては自軍の2倍もの勢力に囲まれることもあるが、負けても復活が容易なゲームシステムになっているので、むしろそんな不利な状況になっても「オッ、今度はその手できたか!」などとかえって楽しく遊べてしまうのだ。

 内政コマンドでコツコツと国力を増強させていくのも歴史シミュレーションのひとつの面白さであるとは思うが、筆者は本作品において内政の要素をバッサリと切り捨てたのは大正解だと思う。最低限の軍団編成さえきちんとやっておけば、毎ターン確実に敵国との合戦ができるので、ゲーム中に退屈することがまったくないからである。戦うごとにお気に入りの武将がどんどん成長していく姿を見ているだけでも嬉しいし、あるいは合戦後にどんな武将が新たに出現するのかを楽しみに待つなど、毎回ワクワクしながら遊べるのがとてもいい。

 全部の合戦に勝ってやろうなどと結果を急がずに、「何回負けても、その都度武将が強化されたり新しい人材が増えたりするからオーケーさ!」と楽天的思考かつマイペースでプレイすることが、「国盗り合戦」モードを楽しむための1番の秘訣なのである。


戦闘終了後、各武将ごとに成果に応じた経験値や軍資金が獲得できる。勝つと忠誠度がアップし、逆に負けると下がってしまう
戦闘後には新たな武将が仕官してくることもある。まれに浅井茶々(淀君のこと)のような女武者や、室町幕府将軍の足利義輝などが登場することもある
合戦中は敵の援軍に挟み撃ちにされたり、勝利条件が突然変わることもある。フィールドマップも各国ごとに異なるので、自分なりに攻略法をいろいろ考えながらプレイするのが楽しい



■ GPSを利用した仕掛けを盛り込んだ「サムライズスポット」システム

 本作は、携帯のGPS機能を利用した「サムライズスポット」というとてもユニークなモードを搭載している。本モードを使用すると、例えば大阪市中央区で遊んでいるプレーヤーは石川五右衛門が、新潟県上越市にいる人であれば、大河ドラマでもおなじみの直江兼続などといったご当地キャラクターが無条件に入手できる。さらに、ご当地武将が成長する限界能力をさらにアップさせる特典もある。しかもこのGPSを利用して登用した武将は、最初から忠誠度が最高値の100の状態でスタートするメリットもある。同族あるいは地元が同じ武将同士で軍団を編成すると、軍団全体の能力が大幅にアップすることもあるので、本モードを利用してどんどん人材を集めたほうが断然おトクだ。

 試しに筆者も、東京都と神奈川県との2カ所で試してみたところ、都内(千代田区)では名将との誉れ高い大田道灌と女武者の伊達五郎八(松平家に嫁いだ伊達政宗の娘)、横浜市では板部岡江雪斎(北条氏の重臣)などといった有能な人材が入手でき、以後本編の攻略でも大活躍してくれた。携帯電話の独自機能をうまく利用して、プレーヤーごとに地元の人材を集めた「ご当地カラー」をゲーム内に持ち込めるようにしたアイデアは素直に面白かった。

 他の地域の武将データを見ても、いずれも名うての名将たちがズラリとそろっているので、このシステムを使わない手はないだろう。出張や旅行、あるいは帰省の際に各地のご当地武将を集めるなどして、合計1,000人以上もの武将が登場する本作品の「人物コレクション」にチャレンジするのも十分に楽しめる。

 GPSに対応していない機種を使っているユーザーであっても心配はご無用。「国盗り合戦」モードで合戦を繰り返し、戦闘後に獲得できる「武功点」というポイントを集めておけば、これを一定額支払うことで全国各地の武将を獲得できる。ただし筆者がプレイした限りでは、武将を雇えるだけの「武功点」を集めるまでには少なからず時間がかるので、人材集めは焦らずゆっくり楽しむといいだろう。

 もう1つのモバイルゲームならではの独自要素となる、他のプレーヤーと対戦できる「対人合戦」モードをプレイするためには、忠誠度100の武将(本作品では「殿堂武将」と呼んでいる)を最低5人準備する必要がある。すぐに対戦したい人は「サムライズスポット」も利用しつつ、自分ならではの最強軍団の編成や得意戦法を考えてプレイすればさらに楽しさが増すはずだ。

 なお「対人合戦」では、対決前に同じ軍団力(戦力)レベルの相手を自動的に探し出してくれるので、マッチング時に有力武将の保有数などによる戦力格差などが起きないようフォローしている。対戦の基本ルールは「国盗り合戦」と同じなので、武将の数さえ集まれば誰でもすぐに楽しめる。対戦はリアルタイムに行なわれるので、より緊張感のある戦いができるのも嬉しいところ。もし仲間同士だけで遊びたい場合は、本モード内でルームを作成すれば「友人戦」をプレイできる。


「サムライズスポット」によるご当地武将の登用は、GPS機能を生かした携帯用ゲームならではの面白いアイデアだ
他のプレーヤーとの対戦が楽しめる「対人合戦」モード。合戦後には簡単なメッセージを送ることもできる



■ 戦いに負けても気にするな! RPGのごとく、じっくりゆっくり武将を育てて楽しむべし

 ゲーム開始直後からすぐに合戦が始まることもあり、最初にいきなり負けて気勢をそがれることもあるかもしれない。しかし、負けたところで何度でも体制を立て直せることさえわかってしまえばもう大丈夫。RPGのように勝ち負けを繰り返しながら、お気に入りの武将たちをじっくり育てるつもりでプレイすれば、魅惑の戦国シミュレーションの世界を心ゆくまで堪能できることだろう。

 忠誠度が100になった殿堂武将は、以後「国盗り合戦」モードを最初からやり直しても武将データがずっと消えずに残るのも嬉しいところ。これにより1度天下統一を達成した後であっても、開始する国や軍団編成を変えたりして繰り返し長く遊べるようになっているのも大きなプラス材料だ。

 プレイ中はデータ通信のための短い待ち時間が頻繁に発生するのが少々気になるが、作品全体で評価すれば非常に戦略性に優れた中毒性の高い良作であるといえる。「信長の野望」シリーズのファンだけでなく、シミュレーション好きのプレーヤーや、「歴女」の方にもぜひおすすめしたい。


(C)2009 KOEI Co., Ltd.

(2009年 8月 18日)

[Reported by 鴫原盛之]