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日本ファルコム近藤社長も登場!「空の軌跡Evolution ファン感謝祭」が開催
ボイス収録の裏話や、軌跡シリーズ次回作の話題も飛び出した2時間
(2016/5/25 00:00)
キャラアニは4月24日、東京の品川インターシティホールにて、PlayStation Vita用RPG「英雄伝説 空の軌跡 Evolution」のファンイベント“空の軌跡Evolution ファン感謝祭”を開催した。
「英雄伝説 空の軌跡 Evolution」は、日本ファルコムのRPG“軌跡シリーズ”の初期作品群である「英雄伝説 空の軌跡」三部作をイベントフルボイスでリメイクした作品。2015年末に三部作の2作目である「英雄伝説 空の軌跡 SC Evolution」が発売され、7月14日には最終作となる「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution」が発売予定となっている。
イベントの出演者は、「空の軌跡」のボイスキャスト陣。“SC”までの主人公であるエステル役の神田朱未さん、“the 3rd”の主人公となるケビン役の中尾良平さんをはじめ、ヨシュア役の斎賀みつきさん、レン役の西原久美子さん、リシャールとブルブランの二役を演じる三浦祥朗さん、ギルバート役の菅沼久義さんという6名により、トークや朗読劇、質問コーナーなどが繰り広げられた。
「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution」オープニングアニメ先行上映!
2時間という上演時間の半分程度が過ぎた頃、斎賀さんより「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution」のオープニングアニメが先行上映されることが告知。会場は拍手と歓声に包まれた。アニメはオープニング曲「Cry for me, cry for you」に乗せて、これまで以上に動きのあるアクションシーンなども入ったクオリティの高いもの。“the 3rd”発売に向けて期待の高まる内容となっていた。
シークレットゲストは日本ファルコム近藤社長! クイズコーナーでは問題にまつわる解説も
続いてシークレットゲストの登場が告知され、現われたのは日本ファルコムの近藤季洋社長。次の“空の軌跡クイズ”コーナーでは解説役を務めた。
クイズは挙手した観客から出演者が指した人が答える方式。第1問の「Windows版『英雄伝説VI 空の軌跡』の発売日は?」には多くの手が挙がり、1人目で正解。古くから軌跡シリーズに触れているファンも多いことが伺え、これには出演者達も驚いていた。ちなみに正解は2004年の6月24日。
意外と難問だったのが、主人公エステルの誕生日。最初は多くの手が挙がっていたが、「七耀暦(作中世界の暦)で生年も含めて」という条件が付いたことで挙手が激減、何度かの不正解ののち、“1186年8月7日”という正解が答えられた。近藤社長によると、占いマシーンのイベントを作った時にエステルの誕生日を決めないといけなくなったが、「エステルは8月でしょう」と決まったという。作中でも“太陽の娘”と呼ばれるエステルらしいエピソードだ。
また、同様にヨシュアの誕生日も出題されたが、こちらは“1185年12月20日”と一発正解。近藤社長によるとこちらもキャラクターのイメージからで、ヨシュアといえば寒風吹き荒ぶ中で立っている姿のイメージがあると語った。
さらに、「空の軌跡SCのサブクエストでアントンがアイナと酒飲み勝負をして潰れたのは何杯目か(答え:18杯)」や「ケビン初登場時の台詞は(答え:アカン、アカンなぁ~)」などとマニアックな問題にも一発正解が続出。ケビンの台詞を回答したのは真っ先に手を挙げた女性で、斎賀さんからの「ケビンさん大好きなの?」という質問に頷いていた。これにはケビン役の中尾さんも嬉しそうな反応。
最後は「リベール王国のモデルとなった実在する国は?」という問題。こちらも“タイ”という正解が1発で答えられ、「どこかのインタビューで1回答えただけだったのに……」と近藤社長も感心していた。小学校の頃タイに住んでいたという近藤社長によると、リベール王国の形はタイのあるマレー半島の形であるほか、イギリスとフランスという強国(の植民地)に挟まれていたが独立を保ったという歴史もベースにしているとのこと。これには出演者の方々も「知らなかった」と驚いていた。
収録裏話やキャラクターへの思い入れが語られた質問コーナー
続いて、事前に寄せられた質問メールに出演者達が答える“何でも質問コーナー”。質問に「ボイス収録秘話を」というものが多かったとのことで、まずはこれについて斎賀さんが回答。それによると、1作目の「空の軌跡 FC Evolution」発売決定と共に三部作すべてのボイス収録を行なっていたという。
「この時点では“SC”も“the 3rd”も発売されないかもと言われながらの収録」だったとのことで、近藤社長はキャラアニに「本気ですか? 怒られても知りませんよ?」と何度も聞いたと当時を回想した。そんな収録は2014年の7月10日にエステルから始まって、12月20日に最後となったケビンの収録が終了。5カ月にわたる収録は、朝10時に始まって夕方の6時くらいまで行なわれたとのこと。
「軌跡シリーズのキャラクターで彼氏・彼女にしたいキャラクターは」という質問に対しては、神田さんからは「最近ケビンさんいいなって……」という発言が飛び出し、出演者も会場もざわついた雰囲気に包まれた。また、近藤社長からは「カリン姉さん」という回答。姉としてヨシュアの過去に関わるキーパーソンなだけに、思い入れも深いのかもしれない。
続いて「声の収録をしていた時に1番苦労したシーン、台詞はありましたか? 苦労話もお願いします」という質問が。斎賀さんからは「心が痛いシーンは一緒に心を痛めてるからしんどいよね」という回答。ドラマCDでレンの過酷な過去を演じた西原さんも「結構、心がやられました」と同意していた。神田さんによると「演じられたあとに西原さんがぐったりされていた」という。
西原さんは「でもそういう暗いのがあるから、明るい時のレンちゃんが愛おしく思えたり……」と語り、それを受けて近藤社長も「あれがあるからレンの(キャラクターに)深みが出るわけですからね。レンの人気もその辺があるからじゃないかな」と語っていた。
神田さんは「遊撃士(エステルやヨシュアの職業)のテストをする場面で、説明がすっごい一杯あったんですよ。それを1日の最後に録ってて、もう頭が朦朧としてきて、あたし一体いま何を喋ってるんだろうと思って……」と苦労話を披露。これに対して近藤社長は「空の軌跡FCのチュートリアルはファルコムの中で1番親切なチュートリアルなんですよ。全部説明しますからね。あれをフルボイスにするとは思いませんでした」と語った。
シリーズきっての“憎めない悪役”であるギルバートを演じた菅沼さんは、必殺技の掛け声ややられる時に「覚えてろよ~!」「こんなはずじゃ~!」などと叫ぶ演技が多かったため、終わると声がカスカスになってしまったという。
中尾さんは「ケビンはキャラ的に明るい時と暗い時の差が激しいので、落差の付け方が難しかった」と語り、近藤社長は「ケビンもレンと同じく闇の深いキャラクターなので」と補足。中尾さんが「その辺も『the 3rd Evolution』をお楽しみに」とPRに繋げて笑いと拍手を誘っていた。
レンについてはさらに、西原さんが大好きという方から「可愛いおしゃまなレンちゃんと殲滅天使のレンちゃん、どちらがお好きですか。演じやすかった、演じにくかったなどありますか」という質問が。西原さんは「実は両方あるから演じやすかったし、1役だけど何役も演じているようで楽しい」と語っていた。
メールで寄せられた質問への回答が一段落したところで、「個人的にいいですか?」と切り出したのは三浦さん。近藤社長へ「(軌跡シリーズの次回作である)『閃の軌跡III』が発表になりましたが、ブルブランは出ますか」という直球の質問。ブルブランがこれまで軌跡シリーズ皆勤賞であることが話題になり、近藤社長は「帝国編ですからね。ブルブランは帝国の出身ですから、何らかの形では出るんじゃないかと」と答えていた。
三浦さんは続けて「喋れる範囲で、結社(シリーズ各作品で暗躍する謎の組織≪身喰らう蛇≫の通称)とかは……」とさらに食い込んでいく。近藤社長によると「結社は今回、結構大きく動くんです」とのこと。「結社についての話はどこかで決着が付かないといけないという認識はスタッフ皆で持っている」「結社にアルテリア(ケビンの所属する七曜教会の本拠地)、レマン自治州(遊撃士協会の本拠地)もこの先描いていかないといけないので、関係するキャラクターが再登場する可能性は多いにありますね、『閃の軌跡』に限らず」と語っていた。
これには神田さんが「自分は……?」とアピール。近藤社長は「エステルを出すと(美味しい所を)持っていかれちゃうというのがありますね」と苦笑まじりに語りつつ、どこかで必ず登場させると宣言。会場が拍手に包まれた。斎賀さんからは「若干ライフワークみたいになってます」というコメントも。
近藤社長は「そんなことはないと思いますが」と前置きした上で、冗談交じりに「シリーズを終わらせずに死ねないですよ。もし終われなかった時は死ぬ時に『ああ、軌跡シリーズが終わらなかった……』となってしまう」とも発言。「絶対これは嫌なので、きちんと完結させて、みなさんで万歳して終わりたいですね」と締めた。
シリーズの今後への意気込みを語った近藤社長。「人生の3分の1を費やしている」
その後、プレゼント抽選会を経てエンディング。出演者より今日の感想や今後の意気込みが語られた。最後に近藤社長より、「軌跡」シリーズの開発を振り返りつつ、今後についても語られたので紹介したい。
「開発期間も含めると14年くらい軌跡シリーズに携わってます。自分の人生の3分の1くらいを費やして制作してきて、毎日考えない日がないですね。当然、『東亰ザナドゥ』を作ったり『イース』を作ってる時期もあるのですけど、その間に『軌跡シリーズをどうしよう』というのは毎日毎日考えてますし、話もしますし」。
「“FC”を作ったあとに“SC”を出せるかどうかわからないと言われていたようなゲームが、こういう形で10年以上経ってみて、こんなに素晴らしい、多くのユーザー様に恵まれて、キャラアニさんとか、声優の皆さんの協力を頂いて、今もクオリティを何とか落とすことなく制作し続けていられるというのは、なかなかゲーム業界の中でも例を見ないRPGですよね。本当にその事につきましては、僕らだけじゃなくて、ユーザーの皆さんのご協力あったからこそ、実現できた事だと思っています」。
「(さまざまな謎が残っていることに対し)当然、ひとつひとつについて回答を用意しています。シリーズを通しての設計図を今まさに作っている所でして。いよいよその全体が明らかになっていく事に向けて、『閃の軌跡III』が全体の物語のだいたい5~6割進んだ所にあるのですけれども、ロードマップはできている状態です。あとは僕らが病気になったり交通事故に遭わないように、健康管理に気を付けて頑張っていきたいなと思っていますので、この先も『軌跡』シリーズに是非お付き合いくださればと思っています。引き続き応援、よろしくお願いします!今日はどうもありがとうございました」。
その後、「空の軌跡 the 3rd」主題歌「Cry for me, cry for you」のインストバージョンが流れる中で、出演者全員からの挨拶をもってエンディング。軌跡シリーズの今後への期待を盛り上げつつ、出演者とファンが一体になったイベントは終了した。