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「バトルボーン」オープンβテストレポート

多彩なキャラクターで立ち回る、新時代FPS登場

5月19日発売予定

価格:
パッケージ版 7,700円(税別、PS4/Xbox One)
ダウンロード版 6,930円(税別、PS4/Xbox One)
ダウンロード版 7,485円(税別、Windows)
CEROレーティング:C(15歳以上対象)
プレイ人数:1~10人(オンライン専用)

 2Kのプレイステーション 4/Xbox One/Windows用FPS「バトルボーン」のオープンベータテスト(OBT)が実施された(PS4版は4月9~18日23時、PC&XboxOne版は4月14日~18日23時まで)。

 筆者は、3月に取材で1度本作には触れており、その感触を紹介したが、今回改めてOβTにも参加したので、前回より一歩踏み込んだレポートをお届けしたい。

おまえ……女だったのか? すべてが衝撃のキャラクター

 「バトルボーン」は、2009年に発売されたFPS「ボーダーランズ」を作り上げたデベロッパー・Gearbox Softwareの最新作だ。「ボーダーランズ」といえば、SFをベースにした重厚長大なストーリー、アメコミを彷彿させるユニークなキャラクターデザイン、FPSにRPG要素を取り入れた独特なゲームシステムなどがユーザーからの高い評価を得た。

キノコのミコ。……この方、女性らしいです
なんとも濃ゆい出で立ちの皆さん

 他にも、人間っぽさが1ミリも感じられないデザインにしびれるアイスゴーレムの「ケルビン」、4つの手を持つ“混沌の魔女”の2つ名を持つ「オレンディ」、ドクロとロボットが融合したような形容しがたい風貌の「ISIC」などなど、ぶっ飛んだ奴らのオンパレードだ。

 ゲームでは、彼(彼女)らの中から1人を選び、5人編成(CPUか他のプレイヤー)のチームを組んでステージを駆け抜ける。1人でもすごいインパクトなのにそれらが5人のチームとなるのだから、その絵面は果てしなくカオスだ。他のキャラクターたちの動きを見ているだけでクスリとしてしまうのだから、ある意味で、こんなに面白いゲームはないと思う。リアル系FPSではまずお目にかかれない(当たり前だけど)キワモノどもの狂宴は、FPSに新たな刺激を求めているプレイヤーに持ってこいのスパイスと言えるだろう。

 今回キャラクターを改めて見ることで、プレイアブルキャラクター25人は、「ラスト・ライト・コンソーティアム(LLC)」、「エルドリッド」、「ローグ」、「統合平和維持共和国(UPR)」、「ジェネリット帝国」といった勢力に属しているという設定もゲーム性に深く関係していることがわかった。

 例えば、徹底的な利益追求主義で知られているLLC所属のマルキは、LLCに接触したことによって、凶悪な本性が全面に出るようになってしまったという。一方、正義を重んじるUPR所属のモンタナは、馬鹿でかい機関銃を武器に戦っているため荒っぽい男に見えるが、実は誰にでも気さくに接するというナイスな一面があったりする。

 さらに、はぐれ者、ろくでなし、一匹狼など、ピカレスクな連中で結成されたローグに所属するシェイン&オーロックスは、16歳の少年と多次元生命体のコンビという珍しいタイプのキャラクター。公式サイトにも記されているこの2人の「危うい共闘関係」がどれほどの意味を持つのかわからないが、なにやら根深いもの感じぜずにはいられない。

 このように「バトルボーン」では、キャラクターごとにしっかりとした背景が設定されている。そして、そんな彼らの共通の目的でもある「邪悪な敵から、宇宙に残った最後の星を守るために戦う」という、本作の要とも言えるテーマが、ストーリー上でどのように展開されていくのか。シューター部分だけではなく、キャラクターそれぞれのバックボーンなどを絡めてプレイしてみると、本作を2倍3倍と楽しめることは間違いない。「バトルボーン」をプレイするなら、シューター部分だけではなく、ドラマ性もかなり奥深いものがあるのが確認できた。

【個性豊かなキャラクター】

キャラクターの特性が重要! 戦い方をマスターせよ

 「バトルボーン」はストーリーを進めていく、「ストーリーモード」と「バーサスモード」のモードがある。「バトルボーン」のキャラクターには、アタッカー、サポート、ディフェンダーなど、それぞれ役割が存在しており、どちらのモードでも彼らの特徴を活かして戦うことが“必須”なのだ。

マイクは、オーソドックスで使いやすい
剣を武器に戦うラース
ヒーリング系のスキルが得意なミコ

 「バトルボーン」では、“5人でのチーム”が基本となる。ストーリーモードでは5人でチームを組み、様々な状況に立ち向かっていく。バーサスモードでは5対5の戦いとなる。どちらも“チームバランス”が大事になる。敵の攻撃を受け止め仲間を守るディフェンダー、体力回復役として重要なサポーター、そして攻撃の要となるアタッカー……どの役割も重要であり、5人のチームで誰がその役割を担うかが重要となる。

 本作には25人のヒーローが登場するが、それぞれ役割はある程度決められている。例えば「オスカー・マイク」は遠距離攻撃が得意なアタッカーだし、「モンタナ」はミニガンをばらまくディフェンダーだ。「オレンディ」は大きなサークルを出す範囲攻撃が得意なアタッカーだが、敵の行動を阻むサポーターとしての特性も持っている。

 さらにレベルアップシステム「ヘリックス」は、キャラクターの特性をさらに先鋭化させられる。ディフェンダーならではの防御特化の成長をさせることも、攻撃力を追求するような成長も可能なのだ。特にバーサスモードではキャラクターは1レベルからスタートし、10レベルまで上げられる。同じキャラクターでも、仲間や敵との相性を考えて成長の方向性を変えることも可能だ。25人のキャラクターの誰を、どのように使うか? そこをとことんまでこだわれるのが「バトルボーン」の楽しさなのだ。

 今回のOBTでは、ゲームスタート時に、「オスカー・マイク」、、「ソーン」、「マルキ」、「ミコ」、「モンタナ」、「ラース」が使えた。最初プレーヤーはこの6人から使用キャラクターを選ぶのだが、ゲームをプレイしていくことで、次々と使用可能なキャラクターがアンロックされていくというわけだ。

 今回筆者はメインで「オスカー・マイク」を使ってみた。高い火力がウリで中距離~遠距離での戦いを得意とするアタッカーだ。メインウェポンのUPR-AR7アサルトライフルや、サブ・ウェポンのフラグ・グレネードは、FPSとして非常に使いやすいシンプルな武器だ。筆者のような、FPS初心者~中級者くらいのプレイヤーには、「迷ったらコレ」と気軽にオススメできるキャラクターと言える。

 ただその一方で、近距離戦は苦手で、距離を縮められるとあっさりやられてしまうというウィークポイントも。そのため、マイクを使う際は、敵に距離を詰められないようにする必要があり、常に中~遠距離を心がけて戦うようにしたい。

 一方、剣の達人であるラースは、近距離にめっぽう強いアタッカーで、OBTでは人気も高かったキャラクター。筆者もラースを少々使ってみたのだが、その能力は潔いくらいの近距離特化。接近戦の鬼と言ってもいいくらいだ。距離を詰めることができれば、中~遠距離系のキャラクターはひとたまりもないだろう。事実、筆者がマイクを対戦で使っていたとき、一番多くキルされたのはラースだった。

 ミコでの回復を得意とするヒーラー(サポート)も体験してみた。ミコの場合は、当たると爆発する胞子を投げつける「クラウド・オブ・スポア」など、攻撃手段もアタッカーのサポート的な立ち位置だ。メインは、回復エリアを作る「ファンガス・アマング・アス」や、自身の体力を回復させる「バイオシンセシス」など、多種多様なヒーリング系のスキルを持っている。これらを活用して仲間の影から支援するのが、ミコの仕事なのだ。

 筆者のお気に入りは、やはり先にも触れたマイク。理由は単純で、1番FPSのキャラクターっぽいし、スキルもわかりやすいものが多いからだ。出で立ちも、いかにもソルジャーといった感じで筆者の好みだった。ラースも気に入った。2人は遠距離と近距離という、アタッカーとして対極的だが、だからこそ、プレイフィールの違いも顕著に出て面白かった。距離を取りながら撃ちまくるマイクと、相手の隙を見て近づき一気呵成に攻め立てるラース。今回は「ストーリーモード」と「バーサスモード」の2つのモードを、主にアタッカーの立場で体験してみた。

仲間との連携のコツは“自キャラの特性の把握”。ストーリーモードをプレイ

 それでは「ストーリーモード」の感触を語っていきたい。今回のストーリーモードではス「虚無の果て」と「アルゴリズム」の2つのシナリオが用意されていた。キャラクターはマイクで虚無の果てに挑戦してみた。

惑星ブリスの美しさは一見の価値あり
距離を保ちつつ、冷静に攻めようと必死にプレイ
ヘリックスはバトルボーンの要ともいえる重要な成長要素。ただし、ヘリックスを開いている最中にも敵は襲ってくるので注意が必要

 「虚無の果て」は、見るからに寒そうな氷の惑星ブリスが舞台だ。そこにヴァレルシのポータルが出現したため、爆弾をポータルまで運ぶという内容の任務。筆者はゲームをプレイするとき、ステージデザインを気にするクセがあるので、まずは、非常に美しいブリスの景色にウットリしてしまった。

 「バトルボーン」のストーリーモードの特徴は結構ハードコアなところだ。敵が多く、油断すると囲まれてしまう。特にマイクは囲まれるとピンチだ。しかしそんな状況でもしっかり仕事ができるのがマイクの頼もしいところ。。敵が集中しているタイミングを見計らってアサルトライフを連射しまくり、一気に一網打尽。敵を見つけ、撃ち倒すというFPSでの楽しさをしっかり感じさせてくれるキャラクターだ。敵をバリバリ撃ち倒した時はとても爽快だ。

 「虚無の果て」は巨大な蜘蛛型ロボットを守りながら進むステージだ。周りから敵が現れ、わらわらと群がってくるシチュエーションが多い。ステージは進むほどに激しさを増してくる。油断すると一瞬でキルされてしまう可能性もある。

 そんな時、シールドの耐久値もゼロになり、体力も底を尽きかけるという大ピンチを迎えてしまった。「こりゃリスポーンかな」と覚悟を決めたその時、味方のマルキが周りの敵を倒してくれたのである。マルキは範囲攻撃が得意なキャラクターだ。キャラクターの特性を活かした戦い方をしてきちんと味方をフォローしてくれるこのプレイに感心させられた。そうだ、「バトルボーン」は5人1チームで戦うFPSだ。仲間がいたんだ、と素直に嬉しかった瞬間である。

 それから筆者は、無理をせず自分のできる仕事に専念。中距離~遠距離から狙い撃ち、敵を少しずつ減らしていった。すると不思議なことに、キルされる回数も減ってきたのである。今まではは1人で突っ込み過ぎていたんだ、と今さらながら当たり前のことに気付かされた。

 仲間の存在を意識し、自分の役割と特性を活かしたプレイをすることで、視野が広がった。そして蜘蛛ロボットを守りきり、ステージをクリアできたとき、仲間に対して素直に「ありがとう」と言いたい気持ちでいっぱいだった。他の人のプレイが勉強になるのは、どんなゲームでも同じなのだ。

【仲間と協力して戦う】

ミニオンを溶鉱炉に誘導せよ! 「溶解モード」に挑戦

 バーサスモードでは、前回紹介したMOBA要素の強い「侵入モード」に加えて、「溶解モード」がプレイできたので、こちらを紹介したい。溶解モードは、ミニオンの群れを溶鉱炉に落とす度にポイントをゲットできる。先に500ポイントをゲットしたチームの勝利となる。そのため、味方ミニオンの護衛や、敵ミニオンを倒して溶鉱炉に落とさせないといった、本モードならではの戦略がカギとなる。

溶解モードでは、ミニオンを溶鉱炉へ連れて行く
対戦では接近戦が得意なラースを使ってみた
ラースはマイクとはまったく違うプレイ感覚だった

 対戦ではPS4に同梱されているヘッドセットも使ってみた。他のプレーヤーと声を掛け合うプレイというのも体験してみたかったからだ。ヘッドセットで他のプレイヤーの声を聞いて、戦略に役立てようと考えてみた。

 そこから聞こえてきたのは英語だった。このオープンβテストでは世界中のプレーヤーが一堂に会して戦っていると言うことを改めて実感した。筆者は英語が苦手なため、意味がわからないことも多かったが、他の人が話している声を聞きながらプレイするという体験は新鮮で楽しかった。プレイヤーが日本人だけとは限らないのだ。

 やはりFPSはボイスチャットありでプレイすると視野が大きく広がる。それに、大声で盛り上がっているとこっちまでテンションが上がるし、逆にシリアスなムードだと、重要な局面に立っているということがわかる。ボイスチャットアリとナシでは世界が全然違ってくる。今後本作をプレイする人にはオススメしたい。もちろん、まずは友達と一緒にプレイして、ボイスチャットの感覚を身体になじませておくのもアリ。声を掛け合いながらプレイすれば、モチベーションも大きく変わってくるので、ぜひ試してみて欲しい。

 対戦では、仲間の優秀さのおかげで助けられた。仲間と戦いながら筆者も徐々に本作のリズムを覚えてきた。攻めるタイミングと引くタイミングを見極められるようになってきたのだ。特に筆者が使ったラースは接近戦に強いキャラクターなので、敵の弾幕がおさまるその瞬間を狙って距離を詰めれば、一気に無双状態に持っていけた。実際、無防備に突っ込んでいただけのプレイ初期のころとはまるで違う結果が出せたことで、筆者も少し自信が付いた。

 筆者はFPSをプレイすることが久しぶりだったため、特に対戦では不安もあったのだが、しっかりと戦略を持って挑めばきちんと活躍できることが、プレイを通じてわかった。「バトルボーン」の発売日は5月19日、あと約1カ月となる。筆者もプレイベートでじっくりと遊び込む予定だ。オンライン上で会った時には、ぜひお手柔らかにお願いします。

(御簾納直彦)