ニュース
【スマホアプリ今日の1本】「スプーキードア」部屋を動かす脱出パズル
怪しいホテルから脱出せよ! 難易度設定も絶妙な良質パズルゲーム
(2016/4/6 00:00)
「スプーキードア」の3大ポイント
・部屋を動かしてゴールを目指すアイデアが秀逸
・解けなさそうでギリギリ解ける難易度設定が絶妙すぎる!
・自分でパズルを作る楽しさも味わえる
最初はまったく注目していなかったのに、プレイしてみたら素晴らしく良いデキだった……ゲームプレーヤーなら、誰しも1度や2度はそんな経験があるだろう。今回ご紹介する脱出系のパズルゲーム「スプーキードア」も、そんな出会いをしたゲームの1つだ。配信するのは、ソーシャル育成ゲーム「萌えCanちぇんじ!」などで知られるアンビション。
ゲームの舞台は、かつて多くの行方不明者を出し潰れてしまったスプーキーホテル。主人公のジョニーは仲間とともに、いまでは廃墟となったホテルの探検に向かったが、不思議な力でホテルに閉じ込められてしまった。彼らは数々の仕掛けを解き明かしながら、ホテルに隠された「真の謎」に迫る。
本作のステージは、複数の部屋で構成されているのが特徴。部屋には周囲に壁があるものとないものがあり、壁のない方向に別の部屋があるときは、プレイアブルキャラクターがそちらへ移動できる。また、プレイアブルキャラクターがいる部屋は、上下左右にスペースがあれば、キャラクターごと部屋を動かすことも可能だ。部屋やキャラクターを移動させて、ゴールの扉がある部屋までたどり着けばステージクリアとなる。
これだけでもかなり考えさせられるなのだが、本作にさらなる深みを与えているのが各ステージに設置されているギミックだ。部屋同士を入れ替える「カーテン」、キャラクターがテレポートする「電話」、壁を破壊する「爆弾」など、その種類はさまざま。これらがステージに設置されていることで、プレーヤーが採れる選択肢が大幅に増える。
実際にプレイした印象で言えば、まずこのパズルが良くできていて面白い。そして、この面白さ以上に感心したのが難易度設定のうまさだ。パズル自体は決して簡単ではなく、むしろ歯ごたえがかなりある部類に入るのだが、それでも考えて考えて考え抜けば、かろうじて解ける難易度に設定されている。むろん、ステージ差や個人差もあるだろうが、自然と「ヒントに頼らず自力で解こう」と思わせてくれる絶妙なさじ加減だ。
ただし本作にヒント機能はない。難易度が極端に高いステージもあり、実際に筆者も、難易度が低いはずの序盤のステージで3時間近く悩んだこともあった(笑)。ヒント機能の代わりにあるのは、消費アイテムやガチャで獲得できるキャラクターの「能力」だ。
消費アイテムには好きな部屋を1度だけ動かしたり、壁を消す効果を持つものなどがあり、これはステージクリアなどで獲得できるゲーム内通貨「コイン」で購入できる。またキャラクターの能力は部屋の制限移動回数をいくつか消費する代わりに、消費アイテムのような効果を発動できるもの。ガチャを回すにはやはりまとまったコインが必要だが、手っ取り早く入手するには有料アイテムの「ダイヤ」がその手段になっている、という仕組みだ。
本作はパズルのデザインが優れているので悩みに悩みぬく時間もまた楽しいのだが、アイテムなどはクリアへの特急券となる。この機能をどう使うかは、悩ましい限りである。
さらに、本作の優れた要素のもう1つがステージ作成機能だ。最近は自分でオリジナルのステージを作成できるソフトも増えてきたが、本作もその機能を備えている。アクションゲームならば理不尽に難しいステージも作成できるが、本作ではそのようなことはない。動きの少ないパズルゲームなので、ゲームの腕にかかわらず誰もがクリアできる良質なステージになる。
とはいえ、簡単に解かれてしまってはやはり面白くない。そこで知恵をしぼり、パズルに慣れたプレーヤーでも手こずるようなステージを考える。これが非常に楽しいのだ。むろん、作成したステージは世界中のプレーヤーに公開でき、遊んでもらえる。逆に、ほかのプレーヤーが作ったステージを遊ぶことも可能だ。
パズルゲームとしておもしろく、自分でステージを作成する楽しみもある。総じて非常に遊びがいのある作品という印象を受けた。少なくともそこら辺のスマホアプリと比べても、かなり長い時間、楽しく遊べることは間違いない。ぜひ1度プレイしていただきたい良作である。