ニュース

【スマホアプリ今日の1本】「The Room Three」箱の謎を解明する高品質AVG

美しくも歯ごたえたっぷり! 98%が高評価のシリーズ第3作

1月11日 配信(Android)

2015年11月5日 配信(iOS)

価格:600円(税込)

「The Room Three」の3大ポイント

・リアルかつ美しい重厚なグラフィックスがゲームを盛り上げる
・AVGをやり慣れたプレーヤーでも手こずる歯ごたえバツグンの難易度
・メッセージが日本語に対応していないのが残念

 カラクリ箱に隠された仕掛けの謎を解き明かすパズルゲーム「The Room」シリーズ。圧倒的に綺麗なグラフィックスと歯ごたえのある謎解き要素が、ユーザーから非常に高い評価を集めている名作だ。

 ユーザーのレビューでは、シリーズ最初の作品である「The Room」は95%、第2弾の「The Room Two」は97%の割合で★4~5つを獲得。そして今回ご紹介するシリーズ最新作「The Room Three」は、★4~5つと評価しているユーザーが約18,000件中なんと98%を超えている。このことからも、本作がどれほど名作と認識されているか、わかっていただけることと思う。

【The Room Three Trailer】

ゲームは、直感的な操作だけでプレイできる。何かのフタを開けるときは、画面に出ている矢印のようにスワイプすればOK
ゲーム序盤では、シリーズでおなじみの接眼鏡を入手できる。接眼鏡を使えば、先へ進むためのヒントが見つかることも

 本作は、基本的には脱出ゲームの一種である。プレーヤーはさまざまなギミックに仕掛けられた謎を解明し、閉鎖された空間からの脱出を目指す。脱出ゲームには小さなステージをクリアしていくタイプも多いが、本作はいくつかのステージで謎を解いていく昔ながらのAVGだ。「バイオハザード」の謎解き部分のみを抽出したゲームとでも言えば、わかっていただけるだろうか。

 謎解きはギミックを調べたりアイテムを使ったりして行なうのだが、これが非常に難易度が高い。たとえば、エンブレムが飾られている額に、新しく入手したエンブレムをはめる仕掛けがある。一般的なAVGであれば、それだけで先へ進む道が開けそうなものだが、本作ではそのうえで特定の図柄になるよう、すでにはめられているエンブレムを調整しなければならない。

 もう1つ例をあげよう。ゲームを進めて新たにアイテムを手に入れたときも、そのままでは使用できない場合がある。そのアイテムに隠された謎を解き、さらに別のアイテムを入手しなければならないのだ。アイテムは3Dモデルで表示され上下左右に回転できるが、ただ向きを変えるだけでは仕掛けを解くことはできない。拡大したり回転させたり、特定の操作を行なったりすることで、初めて隠されたアイテムが入手できるようになっている。

 難易度の高い謎解きに加えて特筆すべきなのが、本作における演出である。まず目を見張るのが、その美しいグラフィックスだ。ダークファンタジー的な世界観でありながら、フォトリアル志向なため非常に臨場感があり、ついついゲームに引き込まれてしまう。

 アニメ調のイラストで描かれた作品が多いなか、本作が持つ重厚なグラフィックスはひときわ異彩を放っている(むろん、アニメ調のグラフィックスにはアニメ調ならではの魅力があり、どちらが優れているということではない)。

 そして、そのグラフィックスを存分に引き立てるサウンドも、本作を語るうえでは欠かせない重要なファクターだ。本作は、プレイ中にBGMがいっさい流れず、聞こえる音は効果音だけである。普段が無音ではゲームの世界に入り込めないのでは? と思われるかもしれないが、むしろ逆。音のない世界で、仕掛けを作動させたときにのみ“ギィ~”などといった効果音が鳴ることで、プレーヤーがゲームにより没頭できるような臨場感を見事に演出しているのだ。

 ユーザーから非常に多くの支持・高い評価を得ている本作だが、残念な点が1つ。それは、メッセージがすべて英語であること。イギリスのメーカーが製作した作品ゆえに仕方のない部分もあるが、英語が苦手な人にとっては謎解き要素の難易度がさらにアップしてしまう。ゲーム中に言語を切り替えることもできるが、切り替え可能なのはフランス語やイタリア語、スペイン語などの7言語(英語も含めて合計8言語でプレイできる)。残念ながら、今のところ日本語には対応していない。

 ゲーム中はびっしり英語のテキストが登場……というほどではないのだが、重要な部分では登場する。ただでさえ謎解きの難易度が高いのに、メッセージがすべて英語では、途中で投げ出してしまうプレーヤーが出てくるかもしれない。もっとも、歯ごたえのあるAVGが好きな人は、逆にそれくらいハードルが高いほうが楽しめるのかもしれない(なお第1作目「The Room」は日本語版が配信されている)。

 あるいは、製作者の意図していない遊び方であろうが、英語の知識を身につけるのに役立てることもできる。本作でメッセージをまったく読まずにゲームを進めるのはかなり難しく、謎を解くにはどうしても英語のメッセージをある程度理解する必要がある。そこで、オススメなのが英和辞書を引きながらプレイするという方法。辞書を引きつつであれば、完全に理解できずともプレイは可能なので、これでゲームを楽しみつつ英語の知識も身につくというわけだ。英語が苦手という方も含めて、ぜひ一度この「The Room式勉強法」を試してみてはどうだろうか?

パズルを解かなければ、先へ進めない場面もある。いわゆる“詰み”の状態になることはないので、積極的に動かしてみよう
すべてのメッセージが英語なので、チュートリアルからして難しい(笑)。人によっては敷居が高いと感じてしまうかも……
iTunesで購入

(平平平平)