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スマホ「アナザーエデン」、一部プレイ動画を初公開

グリー高氏がぶっちゃけながら開発方針を決める「開発定例議会」を開催

1月30日 開催

場所:幕張メッセ

 グリーのWright Flyer Studiosは、開発中のAndroid/iOS「アナザーエデン 時空を超える猫」のステージイベントを開催した。

 「アナザーエデン 時空を超える猫」は、2015年の東京ゲームショウで初めて発表されたスマートフォン用RPG。元セゲネットワークスで「ぷよぷよクエスト」の運営プロデューサーを務めていた高大輔氏がディレクターとプロデューサーを兼任し、さらに「クロノ・トリガー」のシナリオや「ゼノギアス」の演出などを担当したシナリオライターの加藤正人氏が本作のシナリオと演出を務めている。

 ステージイベントでは高氏、加藤氏に加え、MCに榊原あやさん、ゲストに園崎未恵さんを加え、「開発定例議会」としてゲームの新情報公開と“決議”を行なった。

プロデューサー兼ディレクターの高大輔氏
シナリオと演出担当の加藤正人氏
ゲストとして登場した声優の園崎未恵さん
MCは榊原あやさんが務めた

高氏は冒頭、「今日は1月30日です。このままでは『アナザーエデン』が空中分解になりかねないと思ったので、このような時間をいただきました」と時事ネタで切り出して笑いを誘っていた
「アナザーエデン」、現時点で公開されているコンセプト
メインビジュアル。公式サイトでも同じものが見られる

 本作のコンセプトとなっているのは、「時空を超えて」、「ソシャゲやめた」、「冒険するスマホRPG」という3つの柱。この日の前日となる1月29日には公式サイトが公開され、ここでメインビジュアルや「古代」、「現代」、「未来」を行き来し、それぞれの時代で事件が待ち受けるというシナリオ、また「キャラクターの入れ替え」が重要になるというRTB(リプレイスタクティカルバトル)システムなどが紹介されているが、今回の「開発定例議会」ではニコ生の視聴者に開発方針の一部を決めてもらおう、という踏み込んだ企画が実施された。

 これが上で述べた「決議」で、高氏らの呼びかけによって、本作の略称が「アナデン」になり、現代人のサムライというキャラクターの名前が「シオン」になった。

 興味深かったのは本作のバトルシステムを「ターン制」にするか、「リアルタイム制」にするかというもので、高氏は「リアルタイム制」だと予想し、実際開発も「リアルタイム制」で進めていたが、結果は「ターン制」が60%を得票。本作は一旦「ターン制」にする、ということで進められることとなった。

 また「キャラクターボイスは入れるか入れないか?」と急遽あがった議題に対し、「ボイスを入れるとなると予算がね……」と渋りつつも、これもその場でアンケートを実施。得票の70%が「ボイスを入れる」に集まると、「わかりました、入れます!」と高らかに宣言。突然決まったことだが、「前の会社と違って全部決められますから!」と前向きな姿勢を見せた。

 ただし「フルボイスは良くない。それだけ容量も増えるし、ダウンロードに時間が掛かるし、ユーザーに優しくないのでスマホ向きではない。作品の要所で、演出の一環として入れるならアリだと思う」と話した。

公開された登場人物たちのビジュアル。最下段右の男性キャラクターは、この場で名前が「シオン」と決定された

初公開されたプレイ映像。TGS2015時よりもキャラクターの頭身が高くなっている

 会場ではこのほか、ゲーム中の街のフィールドを移動する1分半ほどの映像が公開された。ゲームの動きとしては、ベルトアクション式に左右にキャラクターを操作していくが、フィールド内には手前や奥に行ける道もあり、ここを進むとカメラも手間/奥に追従していく。

 また街の外には草原が広がっているのだが、街の外に出て草原に出る際は、場面転換などは特になく、そのまま街から草原へと走り抜けることができる。つまりフィールドはかなりの範囲でシームレスに繋がっていることが示されたわけだが、実際のところ「かなりのオープンワールド」になっているそうだ。

 さらに「RPGはいかにサブコンテンツが充実しているかが大事」という方針のもと、オープンワールドゲームに付き物のやりこみ要素を詰め込み、「スマホゲーム史上最もやりこみ要素の多いゲームにする」意気込みで開発が進められている。

 なお本作はアイテム課金制がビジネスモデルとして採用されるそうだが、スタミナなどは設けず、またマルチプレイ要素も「開発時間が1年ほどかかってしまう」という観点から今回は採用していない。

 ちなみにシナリオ量だが、シナリオを進めるだけで70時間くらいの試算になるという。このあたりは、「コンソールゲームと同じ気持ちで楽しんでほしい」そうだ。

 前回の東京ゲームショウでは年末から年明け辺りにクローズドβテストを実施すると話していたが、開発の状況からこれらは延期される模様。今後のスケジュールとしては、2016年春に「動きがある」という。

 高氏は最後に、「スマートフォンでここまでの大作RPGを作るというのは、今後もないと思う。みなさんと一緒に楽しいRPGを作っていきたいので、ゲームを作るところから楽しんでいきましょう」と話した。

移動は実にスムーズで、縦移動の概念もある。外のフィールドまでシームレスに繋がっていて、オープンワールドに近い作りになっているという
やりこみ要素がたんまり盛り込まれるという
次回情報は2016年春。高氏いわく「まあつまり、センテンススプリングということですよ!」とのこと。高氏は時事ネタに敏感らしい

(安田俊亮)