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【スマホアプリ今日の1本】「アスディバインクロス」FPの本格RPGをフルリメイク
スマホアプリのレベルじゃない大ボリュームの内容!
(2016/1/8 11:56)
- 11月5日 配信(Android)
- 12月17日 配信(iOS)
- ダウンロード:無料
- 利用料金:無料
- ※Premium版は864円(税込、Android)/840円(税込、iOS)
- ビジネスモデル:アイテム課金制
「アスディバインクロス」の3大ポイント
・コンシューマー機のRPGに見劣りしない大ボリューム!
・古き良き時代のファンタジーRPGに親切さをプラス!
・主人公の造形と広告の挿入が残念
今回は、圧倒的なボリュームを誇るKEMCOのファンタジーRPG「アスディバインクロス」をご紹介する。この作品、元はフィーチャーフォン、いわゆるガラケーのゲームであったが、このたびスマホ用のアプリとしてフルリメイク。スマホアプリと言うにはあまりにも豪華な内容になって、ふたたび我々の前に姿を現した。
本作の舞台は、命を生み出す“光の精霊神”と、命に終わりを与える“闇の精霊神”によって均衡が保たれた世界。ライティ国は光の精霊神を、ダクネ国は闇の精霊神をそれぞれ信仰し、2国間には争いもなく、悠久かに思えるような平和な時間が流れていた。そんな中、主人公のハイド(名前の変更も可)は、ある日ひょんなことからライティ国の王女アルメリアと出会う。それは、やがて全世界の命運をも大きく揺るがすことになる冒険の序章でもあった。
本作は、基本的には正統派のファンタジーRPG。盗賊団の一員であった主人公が一国の王女と出会い、仲間とともに強大な悪へ立ち向かっていくストーリーしかり。光・闇・無という3属性の魔法に加え、さまざまな剣技をくり出すビートスキルやキャラクターごとに用意された必殺技のトラストチャージを使って戦うバトルシステムしかり。キャラクターのレベルアップをはじめ、受けた魔法・技を習得するラーニング、武器の攻撃力を上げたり特殊効果を付加したりするカスタマイズなどのやり込み要素しかりだ。
そのうえで、本作ならではのさまざまな工夫が凝らされているのが「アスディバインクロス」の魅力だ。たとえば、オプションの設定。一般的なRPGにもオプション設定はあるが、本作はその充実ぶりがハンパではない。あまりにも弱い敵とエンカウントしたときは戦わずにリザルト画面へ移行する「戦闘ショートカット」。戦闘中のエフェクトを非表示にすれば、バトルにかかる時間の短縮を図ることもできる。さらにエンカウント率そのものを標準・2倍・2分の1から選択でき、多くの敵と戦って経験値をかせぎたいときは2倍、未知のダンジョンを探索するときは2分の1などの調整も可能だ。
バトルでも、プレーヤーに負担がかからないような機能が搭載されている。前のターンに行なった攻撃をくり返すセミオートボタンと、敵を全滅させるまで自動的に戦うオートボタン。各キャラクターには、物理攻撃だけで戦う「殴りに専念しろ!」、HPに注意しつつ戦う「体力に気をつけろ!」といった作戦を設定でき、オート戦闘時は作戦に沿って戦ってくれる。もちろん、プレーヤー自身で各キャラクターの行動を決めることもできるので、自分で戦いたいという人も安心だ。
さらに秀逸なのが、移動システムである。画面をタッチして操作するスマホアプリは、十字キーによる操作に比べてキャラクター移動がスムーズでないことが多い。しかし本作は、行きたい地点をタップすると、操作キャラクターがある程度の障害物などを回避しつつ、その場所へ向かうことで、その問題を回避している。
また、人や宝箱をタップすると、移動してから会話したり宝箱を開けたりするので、「移動→調べる」という2ステップを踏む必要がない。このシステムのおかげで冒険をスムーズに進められ、プレーヤーの負担が大幅に軽減されている。
なお本作は広告表示ありの無料版と、広告表示なしの有料版(iOS版840円、Android版864円)がある。無料からプレイできるにも関わらず、非常に高いレベルの王道RPGをプレイできる本作だが、気になる点が2つ。1つは、無料版ではセーブのたびに広告が表示されることだ。そのため、こまめにセーブしながらゲームを進める人は、多少のストレスを感じる可能性がある。とはいえこれはその都度消せばいいことだし、どうしても表示させたくない場合は有料版を購入するのも手だ。これだけ遊べるゲームであれば、有料版を購入しても決して損ではあるまい。
そして、もう1つが主人公のハイド。少女漫画にありがちな絶対無敵系(当然ながらRPGなので、戦闘能力が無敵ということではない)かつ、やや斜に構えたところのあるイケメンである。会話にも気取ったセリフ回しが多いため、名前を自由に変えられるとはいえ、プレーヤーの感情移入が難しいことは否めない。キャラクターメイキングとは言わないまでも、もう少し万人に受け入れられるタイプにしていただきたかった。
しかし、それらが気にならない人にとっては、非常によくできた正統派の王道RPGと言える。まずは無料版でプレイして、主人公の性格さえ気にならなければ有料版の購入を考えてもいいかもしれない。コンシューマー機と同等か、それ以上にボリュームのある冒険の旅がプレーヤーを待ち受けていることだろう。