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「デビルズサード オンライン」、CBT体験レポート

弾をかわして敵を斬れ! 銃と剣が乱れ舞う新感覚格闘シューター

11月27日~12月1日クローズドβテスト実施

 「デビルズサード オンライン」は、板垣伴信氏の開発スタジオ「ヴァルハラゲームスタジオ」が手がけ、日本ではネクソンが運営する“オンライン格闘シューター”である。正式サービスに先がけ、11月27日から12月1日までクローズドβテストが行なわれた。

 本作は銃撃戦だけでなく激しい“チャンバラ”が楽しめるユニークな作品だ。ゲームからは開発者達の「従来のFPSを超える楽しさを提供したい」という熱い想いが伝わってくる。クローズドβテストの感触をレポートしたい。

飛び、撃ち、斬れ! 立体的なマップが生む新感覚の戦い

 「デビルズサード オンライン」は、任天堂からWii U向けに発売された「Devil's Third」の流れを汲む作品だ。Wii U版はストーリーモードを搭載し、キャラクター性を前面に出していたが、「デビルズサード オンライン」はオンライン対戦に特化した作品となっている。

立体的なマップで戦いを繰り広げる
キーマップ。多くのキーを使用する。カスタマイズも可能だ
敵をぶった切ると豪快に切断される。ゴア表現はOFFも可能
キャラクターは男女複数のモデルが用意されている

 本作はキャラクターを後ろから追う三人称視点で、プレーヤーキャラクターは銃と近接武器で戦う。「デビルズサード オンライン」の大きな特徴が、FPS的な銃撃戦と剣を振り回し相手を切り刻む剣のやりとりをたっぷり楽しめるところだ。

 FPSではせっかく敵と相対したのに撃ち倒されてしまったり、相手の場所を把握しているのにうまく移動できずに撃たれてしまうことも多い。「デビルズサード オンライン」ではこのときに接近戦の武器を繰り出し、相手に斬りかかることができるのだ。

 本作は銃は当たりにくく、キャラクターは素早く、接近戦は当たり判定が大きい。特にプレーヤー達がゲームに慣れていない今回のような場合、かなり有効だった。接近戦で弾を当てようと焦る他のプレーヤーに剣を振り下ろし、そして勝つ楽しさ。ぶっちゃけてしまうとボタントレバーを適当に動かす“ガチャプレイ”でも何とかなってしまうのだ。この“剣で銃に勝てる”バランスは日本人プレーヤーに受けるのではないだろうか。

 本作の銃はかなり癖がある。左クリックで射撃、右クリックで銃を正面に構え狙いをつけられるのだが通常は3人称だが銃を構えると1人称になるためかかなり距離の感覚が変わる。腰だめ時はかなり弾がばらけるため、特に弾が当たらない。一方で近接は3人称のままアクションゲームの感覚で戦えるので敵を捉えやすい。接近戦の攻撃では当たり所によっては相手の体に剣を突き立てたり、体を切断する演出も入り、爽快だ。

 また本作のキャラクターの“運動能力”も特徴的だ。壁や高い建物も、ジャンプでぐいぐいよじ登れてしまうのだ。壁に隠れているようでも全然安心できない。敵はガンガン壁を越えて攻撃してくる。しかもダッシュに制限がなく、スライディングでも長い距離が移動できるため、多くのキャラクターが戦場を走り回り、壁を越えてくる。オーソドックスなFPSとは全く異なる戦場が体験できるのだ。

 本作では銃撃から接近戦へのスピーディな攻撃を実現するため、EキーとFキーに接近戦攻撃を割り振っている。マウスで銃を撃ちながら、キーを押して瞬時に接近攻撃ができるのだ。しかしこれにダッシュは左シフト、ダッシュ中にCキーでスライディング、ガードと回避は左Ctrl……とかなりキーが多く、戸惑ってしまう。FPSに慣れているプレーヤーならばいけるかもしれないが、パニっくった時はキーがわからなくなった。

 今回のテストでは正式にアナウンスされていなかったが、ゲームコントローラーも使用できる。筆者はひたすらコントローラーでプレイしたXbox 360のコントローラーを使ったのだが、デフォルトでも直感的に使えた。左スティック押し込みでダッシュ、LBでのガードがかなりやりやすく、やはりコンシューマゲームを元にした作品だなと感じた。ただしリロードボタンがわからなくてキーボードも併用した。FPSプレーヤーにとってはマウスのエイムがいいだろうしキーボード派とゲームコントローラー派に分かれそうな作品である。

 「デビルズサード オンライン」ではスナイパーライフルを使った攻防や敵の出現位置を予測して狙いをつけるなどFPSでの駆け引きも充分取り入れながら、派手な格闘戦も取り入れている。ガードや回避も活用することで格闘の駆け引きも楽しめる。ユニークでエキサイティングな戦いが体験できる作品である。従来のFPSとはひと味違う楽しさを作り出そうという開発者の“気合い”を感じさせるゲームだ。

【デビルズサード オンライン】
戦場を走り、飛び、撃ち、斬る! 直感的にド派手な戦いを楽しめる

スナイパーライフル、ショットガンにマラカス!? 多彩な武器で戦う

 ゲーム要素を掘り下げていこう。クローズドβテストでは「チームデスマッチ」、「バトルロイヤル」、さらにルールの変更で「近接武器のみ」の戦いも体験できた。

ショップには様々な武器が用意されている
うまいプレーヤーならばキルストリークを稼げる
銃によってガンサイトは大きく異なる
殺人ロボに変身したプレーヤーは大暴れ可能

 マップは切り立った崖がある「グランドキャニオン」、軍艦が浮かぶ港を舞台とした「ネイビーベース」、元は金持ちの別荘風だが現在は水が抜かれたプールにつぎはぎだらけの建物という「サウスカリフォルニア」などが確認できた。

 いずれのマップも高低差があり、一部の建物の上部には鉄条網が張られていて、そこはよじ登ることができない。開けた場所や、直線的な場所もあり、狙撃しやすいポイントなども用意されていた。マップは攻略しがいがありそうだ。

 対戦を繰り返していくと、ゲーム内マネーやポイントが入手できる。これらを消費することで様々な武器が買える。「デビルズサード オンライン」ではAK-47やM4といったアサルトライフルの他、マシンガン、サブマシンガン、スナイパーライフル、拳銃、さらにはロケットランチャーまで用意されている。銃火器は豊富だ。

 近接攻撃は最初は重い鉄パイプ、日本刀風の刀や、両手それぞれに持つナイフなどが用意されている。さらに接近戦武器では「エレキギター」と「マラカス」まである。ギターは刀のように振り回して使え、胴の部分で敵を切断できる。攻撃を当てるとギュィーンと音が鳴るのが楽しい。他にも様々な迷彩服やボディアーマーなどアバターアイテムが用意されている。特に「般若の面」がかなりのインパクトだった。

 デフォルトの銃よりもゲーム内マネーでレンタルできるM4の方がずっと狙いやすかった。銃では他のゲームで使いやすいショットガンも購入してみたのだが、接近戦では近接の方が素早く、うまく使いこなせなかった。また、攻撃が早い近接武器「マラカス」も使ってみたが、こちらはリーチが短く敵に攻撃が届かないことがあった。武器を選び、自分なりの戦い方を模索するのはかなり楽しそうだ。

 戦いで面白い要素としては、「キルストリーク」での“変身”がある。筆者はキルストリークを検討できるほど連続で敵を倒せなかったのだが、おそらく自分が死なずに10人の敵を倒せると、金属の骨格と緑の布に身を包んだロボットのような姿に変身でき、回転攻撃で敵を攻撃できるようになる。刀で切っても容易に倒せず、戦場で大暴れする存在となる。この存在は味方にすると頼もしく、敵がなるとかなり怖い。

 クローズドβテストでは、豊富な資金が渡されたため、ミサイルランチャーやスナイパーライフルなど様々な武器を使うプレーヤーも見られた。筆者はまずゲームの基本要素を知りたくてアサルトライフルと日本刀でプレイしていた。オーソドックスな戦い方から、他の人の戦いを見つつ、自分なりの戦いを模索していくのは楽しそうだ。

 今回感じたのは何人かと一カ所を占拠し、そこにくる敵を迎え撃つのがかなり有効だと言うことだ。近づこうとする敵を他の人が排除してくれるなら、落ち着いて射撃に集中できる。ボイスチャットを駆使して戦っている人も見られ、「クラン」での活動も活発になりそうだ。今回は実装されていないが、Wii U版ではクランで地域を支配し、他のクランと世界を奪い合うという戦いもある。クラン活動が活発なPCオンラインゲームだけに、本作ではどのようになっていくか楽しみだ。

【デビルズサード オンライン】
アバター要素もある
殺人ロボは脅威だ
様々な特典を活用してポイントを得ていく

(勝田哲也)