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【必見! エンタメ特報】「ガールズ&パンツァー 劇場版」 期待通りの完全新作!
「戦車道」の集大成! “これぞ「ガルパン」”の劇場版をネタバレ禁止で紹介
(2015/11/21 00:00)
女子高生に戦車バトルという、異色の取り合わせをモチーフとしながら、女子高生たちの成長と熱い戦車バトルで人気を博しているアニメ「ガールズ&パンツァー」の劇場版が、11月21日についに公開される。アニメ放送終了から2年半強、完全新作として「ガルパン」が帰ってくるということで、今回は本作を紹介したい!
「ガルパン」ファンは待ち待った劇場版だし、上映時間は約2時間と気合が入りまくりだし、それ相応に内容もTVアニメ版に輪をかけて熱いし、具体的にあのシーンとか、この場面とか、言いたいことは山ほどある。山ほどあるが、今回はファンの楽しみを奪わないためにもネタバレは極力避ける! ただ最初にこれだけは言っておきたい。すごく良かった!
もともと「ガールズ&パンツァー」は、アニメオリジナル作品として2012年10月から2013年3月まで放送されたもの。戦車戦が乙女のための武芸「戦車道」として発達した世界が舞台となっており、主人公の「西住みほ」(渕上舞)を中心とした大洗女子学園チームの成長と快進撃が描かれる。
「戦車道」とは突飛な設定に最初は思うのだが、戦車戦を武道として扱うことで血なまぐさい戦争色を抜き去っている。この設定によって各車両の性能や、地形を考慮した上で作戦をぶつけ合う戦術戦としての戦車バトルの面白さが純粋に楽しめるようになっていて、ここが本作の優れた点だ。
また由緒正しき「西住流戦車道」の名家の生まれでありながら、戦車道から逃げるために大洗女子学園に転校してきたという経緯をもつ西住みほや、戦車が好きすぎるあまり幼い頃から友人らしい友人がおらず、戦車道を通じて初めて西住みほらと友人になれた秋山優花里など、戦車道を進むことで彼女らが成長していく姿も描かれるため、キャラクターに感情移入もしやすい。
さらに本作で最も欠かせない要素が、作品の大半を占める戦車バトルシーンだ。大洗女子学園は長らく途絶えていた戦車道を急遽復活させたため、乗員のスキルは未熟、揃った戦車も寄せ集め、要は無名の弱小チームとしてスタートする。
実際戦車の格も数も圧倒的不利な対戦がほとんどなのだが、智将・西住みほが隊長として的確かつ大胆なアイディアで指揮を採り、ソ連戦車を率いるプラウダ高校やドイツ戦車で圧倒する黒森峰女学園らに対し、「ありえない戦い」でジャイアント・キリングを次々と決めていくのが熱い。大洗女子学園のある学園艦の廃艦を免れるには全国大会優勝が条件という絶体絶命の状況の中で、熱く燃える逆転劇をいかに決めていくか、が本作の最大の見所と言えるだろう。
そして劇場版は、大洗女子学園がTVシリーズで全国制覇を果たした後の物語が展開される。大洗女子学園と知波単学園の混成チーム、聖グロリアーナ女学院とプラウダ高校の混成チームのエキシビションマッチが開催されることになる。1戦を終え、各校生徒が交流を深めていると、大洗女子学園の生徒会長である角谷杏が「急用」によって学園艦に呼び戻されてしまう……。
公開されているあらすじはここまで。エキシビションマッチの行方と結果はどうなったのか、「急用」とは何なのか、その先に何が待っているのか、その辺りはぜひ劇場でご覧いただきたいが、劇場では大音量で楽しめるため、砲撃の轟音はかなり迫力がある。エキシビションマッチで最初にその砲撃を聞くことができるのだが、テレビでの視聴とは全く違う体感で圧倒されてしまった。
最近の戦車映画「フューリー」では兵士の四肢が簡単に吹き飛び、狂気に触れながら前を向き続ける男たちの地獄のような戦場が描かれていたが、戦車のリアルさを同じく追求しながら、そのような重いテーマとは打って変わって安心して見ていられるのが「ガルパン」の特徴と言えるし、本作もそのような内容になっている。
劇中には新しいキャラクターや思わず笑ってしまうような驚きの戦車が登場するし、時にコミカル、時に熱いセリフ回しは随所に散りばめられ、泣かせるシーンもあるし、真面目だったあのキャラクターがあんなことになるなど、TVシリーズ視聴者が楽しめる描写もあってサービス満点。しかしやはり中心になるのは戦車バトルで、バトルを最初から最後までしっかり描ききる「これぞ『ガルパン』!」という仕上がりになっている。何も言えないのが非常に心苦しいが、まさに集大成にふさわしい1作だ。
なお本編の上映前には「3分ちょっとでわかる!!ガールズ&パンツァー」も上映される。「ガルパン」の世界とこれまでのあらすじが3分ちょっとでまとめられているので、シリーズを見たことがないという方も大丈夫だ。大画面、大音量で楽しめるこの機会に、ぜひ劇場に足を運んでいただきたい。