ニュース
「逆転裁判6」レポート。被害者の五感を可視化した“霊媒ビジョン”でムジュン探し!
新システムを実機デモで解説&「逆転裁判」アニメ化発表!!
(2015/9/20 15:07)
圧倒的に不利な状況から「発想の逆転」と「依頼人の無実を信じぬく心」で、さまざまな難事件の真実を明らかにしてきた正義の弁護士──成歩堂龍一が帰ってきた!
つい先日、制作が発表されたばかりのシリーズ最新作「逆転裁判6」が、早くも実機映像を交えてお披露目された。ここでは、そのスペシャルステージの模様をお届けする。ステージに登壇したのは、前作「逆転裁判5」に続きプロデューサーを務める江城元秀氏と、ディレクターの山崎剛氏。彼らの案内により、まずは気になる要素が散りばめられた本作の最新プロモーション映像がスクリーンに映し出された。
物語の舞台は、異国の地“クライン王国”。日本国内を舞台としてきた「逆転裁判5」から一転、今作ではついに日本を飛び出し、新たな逆転ストーリーが展開される。「架空の国なんですけど、アジアの国のいろんな要素を抽出して作り上げた国になっています」と山崎氏。さらに、この国では霊媒が信じられていて、霊媒師が王様になるという変わった国であることも語られた。そこに成歩堂龍一がやってきて、どういった事件に巻き込まれるのか? そこが本作の見どころになっているという。
登場キャラクターには、おなじみのナルホドくんこと成歩堂龍一をはじめ、シリーズならではの個性的な人物が続々と登場する。そんな彼らについても、江城氏と山崎氏の口から紹介された。
クライン王国の法廷は、“あきらめの法廷”と呼ばれている。それはなぜか? このことについて山崎氏は、「この国の法廷は、弁護士不在で判決が下されてしまうんです」と説明。その奇妙な状態は、今作を特徴付ける新たなゲームシステムに深く関係しているという。
それが、新システムの“霊媒ビジョン”だ。「異国の法廷における最大の特徴で、弁護士がいない理由でもあります」と語る山崎氏。霊媒師であるレイファが事件の被害者の魂を霊媒して、被害者が死ぬ直前に見た光景や体験を再現してしまうため、弁護士は必要ないとされているのだ。
レイファの行なう“御霊の託宣(みたまのたくせん)”の儀式により、法廷の中央にある水鏡に被害者が最後に見た光景が映し出される。それと同時に、いくつかの文字が浮き上がっているのも気になるところ。「この文字は、死者が感じた感覚ですね」と江城氏。「少年の声」や「儀式の歌」は聴覚、「お香の匂い」は嗅覚、実際の映像は視覚というように、五感が文字として可視化されているのだとか。ここに、アウェーな異国の法廷における逆転のカギが……!!
この“霊媒ビジョン”に映る映像と五感の文字、そして託宣を見たレイファの証言とのムジュンを明らからにしていくことで託宣を突き崩し、裁判を成立させていく。山崎氏も、「死者の感覚に間違いはなくて、その解釈の仕方にムジュンがあるのではないか、ということです」と話す。
新しい舞台だからこその新システムに注目が集まるなか、第1話の実機プレイが行なわれた。
まずは、事件の概要から。クライン王国にある寺院に保管されていた秘宝が盗まれ、守衛の警備員が殺害された。託宣の結果により、ボクトにその疑いがかけられている……という状況だ。
ゲームは、ナルホドくんが法廷に飛び込んでくるシーンから始まり、3Dで表現された法廷を一望する。このあたりに関しては、全編を通して「逆転裁判5」よりもカメラワークや演出が凝った作りになっているという。キャラクターのアニメーションについても、「1つ1つの動きは細かく表現しながら、テンポがよくなるように作っています」と、江城氏よりこだわりが語られた。
そしてなんと、開廷して数分で有罪を受けてしまうボクト。しかし、ナルホドくんの登場により、この国では異例の尋問シーンへと切り替わる。容疑者の証言を聞いて、怪しい部分にゆさぶりをかけていく尋問の流れは、これまでと変わらず。
ところがボクトは、自分を守ってくれる弁護士に対して冷たい反応を示す。この国では、弁護士は必要ないと思われているだけでなく、とある理由から国民たちに嫌われてもいるようだ。だから彼も、ナルホドくんが弁護士だとわかった途端に、冷たい態度を取るようになってしまう。「そうした関係性も含めて、物語を進めていくとグッと盛り上がっていきますのでお楽しみに」と江城氏は自信を覗かせた。山崎氏も、「国民からも嫌われている状態から、いかに逆転するか? というところで、より爽快感も上がる形になります」と添えた。
続いてはいよいよ、今作のキモとなる“霊媒ビジョン”の実演へ。
上画面に流れる“霊媒ビジョン”の映像は、任意に再生や一時停止が可能。また、その映像には区切りがあり、下画面にある魂のアイコンが並ぶところをタッチすることでも、再生箇所を切り替えることができる。気になるシーンを見逃したからといって、また最初から繰り返して見る手間はないとのことだ。
映像を確認しつつ、下画面に表示されている託宣(レイファの証言)を切り替えて被害者の五感とのムジュンを探し出したら、指摘する託宣を決定。そのあと映像の上に現れるカーソルをムジュンと思わしき五感の文字に合わせて、つきつける! こうして託宣の解釈の間違いを指摘していくのが“霊媒ビジョン”の流れとなる。
実機プレイによる実演は、ここで終了。「“霊媒ビジョン”の実際の感触は、ぜひとも体験版で味わってほしい」と江城氏。レイファが託宣の前に行なう、霊力を高めるための踊りを舞うシーンは必見なのだとか。ステージではその踊りの映像が大きなスクリーンに映し出され、ギャラリーを魅了した。
また、「アートディレクターがレイファちゃん大好きなので、こだわって作っているんです」と、山崎氏の発言が会場の笑いを誘っていた。
さらに「逆転裁判」のテレビアニメ化が発表! 絶賛製作中の現場から持ってきたという初出しのキャラクターイラストも公開され、「今後の情報をぜひご期待ください」と江城氏も興奮気味に語った。
シリーズ最新作となる「逆転裁判6」は、2016年発売予定。最後に、山崎氏と江城氏からのコメントをお届けする。
「異国の設定や“霊媒ビジョン”など、新しいことにチャレンジしております。みなさんに新しい逆転の爽快感と驚きを感じてもらえるように頑張っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします」という山崎氏に続き、「前作から2年ぶりにここに帰ってきて、こういう形で『逆転裁判6』を発表させていただいて、さらにアニメ化など、今後ますます盛り上げていきたいと思っていますので、もうしばらくお待ちください。できるだけ早くお届けできるように頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします」との江城氏のコメントで締めくくられた。
このあと、TGS会場限定のスペシャルムービー「特別法廷」の上演により、ステージは幕を閉じた。
体験版をプレイした限り、キャラクターの動きや会話など、シリーズ独特のテンポ感はそのままに、新システムの“霊媒ビジョン”が面白い味付けになっていると感じた。
ネタバレになるので内容について詳しくは書けないが、託宣をつきつけるときに注意したい部分として、五感の指摘はしっかりと文字の映像が浮かんでいるところを指摘すること(聴覚や視覚といった表示も出る)。文字が浮かびきっていない状態でもカーソルは合わせられるので、その状態でつきつけてしまうと、たとえ託宣にある証言のムジュンに気づいていたとしても「異議アリ!」は成立しない。映像の一時停止を利用して、“霊媒ビジョン”を正しく使いこなそう。
こちらは、体験版を試遊するともらえるオリジナルステッカーセット。ちなみに、試遊には整理券が必要で、午前中にはほぼ予定数の配布を終えてしまうため、新システムの“霊媒ビジョン”に触れてみたい人は早めにブースへ足を運ぼう。
©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.