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PS4でより広大でパワフルな冒険を! 「Tearaway PlayStation 4」
Vita版から操作性を一新し、多彩な要素を追加。物語もより奥深く
(2015/9/18 00:00)
ソニー・コンピュータエンタテインメントは「東京ゲームショウ2015」で、10月1日に発売予定のプレイステーション 4向けアクション「Tearaway PlayStation 4」の開発者を招いたメディアセッションを行なった。
「Tearaway PlayStation 4」は、2013年にPS Vita向けに発売されたアクション「Tearaway ~はがれた世界の大冒険~」をベースにPS4向けに作り直されたもの。ステージの仕掛け、アクション、ゲームのストーリーなどもすべてが大きく変わり、PS4で新しい冒険が楽しめる。メディアセッションでは開発会社のMedia Moleculeで本作のディレクターを務めるRex Crowle氏と、プロデューサーのMichelle Ducker氏が登壇し、ゲームの魅力を語った。
「Tearaway」の世界はすべてが“紙”で構成されている。紙を箱にしたり、折り紙のようにしたり、「飛び出す絵本」の様な世界をゲームで作り出し、遊ぶことができる。プレーヤーはこの世界の“外”にいる「カミサマ」として世界に干渉でき、キャラクターは外にいるカミサマを知っており、好悪の感情を持っていたりする。ゲームの主人公はあるメッセージをプレーヤーに届けるのが目的だ。
PS Vitaの「Tearaway ~はがれた世界の大冒険~」では、Vitaの機能をフルに使ってゲームを構成した。背面パッドを使うことでプレーヤー自身の指が世界を越えて画面の中に現われたり、タッチスクリーンに息を吹きかけると世界に風が吹いたりした。「Tearaway ~はがれた世界の大冒険~」は世界中で好評となった。そしてMedia Moleculeは次なる挑戦として、「PS4」を選んだ。PS4で「Tearaway」の世界を表現しようというのが、「Tearaway PlayStation 4」の目標だったとCrowle氏は語った。
「Tearaway PlayStation 4」では、PS4のデュアルショックの機能を活用し、革新的な遊び方を実現させることを目指した。Vita版は「手の中の世界」という小さなスケールだったが、PS4は「画面の向こう側の世界」ととらえ、より広大なフィールド、そしてストーリーも大きく変えた。Vita版はかなり衝撃的な結末だったが、PS4ではさらに驚くべき物語が待っており、スタッフの中にも「感動して泣いた」という人が何人も出たほどのエモーショナルな物語を作ることができたという。
もちろん、ハードウェアの特性によりゲーム性も大きく変化している。PS4のコントローラ「DUALSHOCK 4」を徹底的に研究しゲーム性を盛り込んでいった。中央のタッチパッドをこするとゲーム内で「風」がふき、高い足場が風に流されてつぶれたり、紙がめくれて新しい道が見えるようになった。旗のように垂れ下がっている紙を風に吹かせて地面と平行にすることで足場にしたりと、プレーヤーが工夫して進んでいける。
コントローラについているライトは、洞窟を照らすライトにもできる。画面に向けてライト部分を向けると真っ暗な洞窟に光が当たる。この光は雪を溶かす能力もある。タッチパッドトライとはポインターとしても活用でき、ある場面では絵を描くツールにもできる。
そしてコントローラを立てるように持つと画面内とは離れた「こちら側」に干渉ができる。コントローラを立てると画面にポインターが現われ、ゲーム内のキャラクターがこちらに向かってものを投げることができる。敵キャラクターを投げると画面外に飛び出し、なんとコントローラに入ってしまうのだ。コントローラを振ると中の敵は転がってカラカラと音がする。タッチパッドをなでると中の敵は気持ちよくなって笑い声を上げる。
そしてもう1度投げるアクションをすれば、取り込んだ敵を画面に投げ返すことができる。こちら側の力はゲーム内のキャラクターより強力で、他の敵に当てれば粉々にできるし、壁に当てて崩すこともできる。
コントローラの使い方で、本作は様々なアクションを楽しむことができる。複数の敵と戦う場合は、1体をこちらに投げてそれを他の敵に当てて倒すこともできる。ジャンプした瞬間に風を起こすと、敵は風にあおられて崖下に落下する。ゲーム内のキャラクターに画面外のプレーヤーが様々な“援護”をしている感じで面白い。
実はこの要素はストーリーにも深く関わっているとDucker氏は語った。プレーヤーに手紙を届けるべく冒険している主人公を敵達は快く思っていない。もちろん外の世界から干渉してくるプレーヤーも邪魔だと思っている。敵のこうした心の動きは、PS4版ではより掘り下げられているという。
「Tearaway PlayStation 4」は発売に先がけてTGSの会場でもプレイすることができる。実際にプレイすると、タッチパッドで風を起こしながら、キャラクターを動かしジャンプするのが難しかった。風を起こすのに右手を使っているため、ジャンプボタンが押せないのだ。
正解はいくつかある。「ジャンプボタンに指をかけながら他の指で風を起こす」、「何度もパッドをこすって強い風を起こしてその間に通過する」、「こまめに風と移動を繰り返す」……。Crowle氏は本作は「コントローラをどう使うかもパズルだ」と語った。Crowle氏は左手でコントローラをしっかりホールドして右手は添えるような形で使ってキャラクターを操作していた。ゲームを快適にプレイするためのコントローラの持ち方も工夫することで操作性は変わってきそうである。
Crowle氏はこういった操作性以外にも、PS4になったことで世界そのものを大きく変えることができたと語った。1080Pのグラフィックスでのよりリアルで広大な世界を描写でき、紙がめくれる描写も多彩にできた。風を起こすと画面全体が風で影響を受けるのはPS4ならではだ。千枚の紙がなびく「紙の海」もあるという。
このほか、紙飛行機に乗るミッションや、湿地のステージなどが追加され、天候が大きく変わるといった要素も盛り込めた。印象的なキャラクターも多くなり、バックストーリーはより骨太になった。ゲームの展開そのものは、Vita版と同じ3部構成だが、ボリュームや要素は大きくパワーアップしているという。
また、日本語版に関しては今回は通訳を担当し、ゲームではローカライズを担当したSCEJAの片見龍平氏はゲーム内の雰囲気を活かすため、キャラクターの“言葉遣い”にこだわったという。独特なしゃべり方をするキャラクターに対して方言っぽい調子を混ぜるなど、本作の世界観をどう表現するかを試行錯誤したとのことだ。
ユーザーへのメッセージとしてCrowle氏は、「私自身、日本のゲームに強く影響を受けました。そんな日本の皆さんにプレイしてもらえるのはうれしいです。楽しんでもらえれば光栄ですね」と語った。