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「初音ミク -Project DIVA-」シリーズ最新作が続々登場

TGS2015 SEGAブース「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」ステージレポート

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

イラストレーター・KEI氏による、PS Vita版「初音ミク -Project DIVA- X」のメインビジュアル
登壇した林氏、大﨑氏、内海氏の3名

 開催中の東京ゲームショウ内セガゲームスブースのステージにて、「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」の最新作となる「初音ミク -Project DIVA- X」と、「初音ミク Project DIVA Future Tone」の2作品の情報が発表された。

 ステージにはセガゲームス開発チームから、シリーズ統括プロデューサー・内海 洋氏、プロデューサー・林 誠司氏、同・大﨑 誠氏が登壇し、シリーズ最新作の見どころなどを語った。ステージ冒頭の挨拶で内海氏は、今日発表されたばかりの初音ミク全国ツアーが2016年3月からスタートすることに触れ、「それまでに発売できるよう頑張ります」と意気込みを述べた。

 「初音ミク -Project DIVA- X」は、PS VitaとPS4のマルチプラットフォームで展開し、シリーズ過去作である「初音ミク -Project DIVA- f」のシステムを踏襲しつつも、リズムゲームとしてのシステムをブラッシュアップした最新作となる。「ライブ&プロデュース」がテーマの本作では、従来の「フリープレイモード」のほかに、新たに「ライブクエストモード」が導入されたのが大きなポイントとのこと。

 この「ライブクエストモード」では画面下部のゲージが減算式の「体力ゲージ」ではなく、加算式の「ボルテージゲージ」に変更され、これをリズムゲームのプレイで規定値まで溜めることでクエストがクリアできるシステムとなっている。

 さらに本作は、これまでキャラクターの外見を変更するだけだった各モジュールに「キュート」、「ビューティー」などのエレメント(属性)が付与されることも明らかになった。このエレメントをプレイする楽曲と合致させることで、「ボルテージゲージ」の効率がアップするため、モジュールを集めることがクエスト攻略にも繋がってくる。

 モジュールは300種類以上が用意され、クエストクリア後にランダムでドロップされるため、内海氏いわく「1年ぐらいはずっと遊べる」内容とのこと。まだ開発中のためステージ上の映像ではカットされていたが、いわゆる「変身シーン」も用意されており、ブース内の試遊台では見ることができる。

 リズムゲーム部分もアップデートしており、ボルテージゲージの効率がアップする「ボルテージノーツ」や、連打を要求されるノーツなどが追加された。内海氏によると「スクラッチノーツも改良され、従来よりも遊びやすくなっている」とのこと。

 本作に収録される楽曲数は30曲だが、この中には楽曲を手掛けたクリエイターによる「アレンジメドレー」が含まれており、実質的には50曲分相当のボリュームとなっている。一例として本作参加クリエイターであるTreow氏による楽曲のメドレーが披露されたが、これは「ビューティー」タイプの曲をまとめたメドレーとのことで、どうやらメドレーは各エレメントごとに用意されているようだ。

 「初音ミク -Project DIVA- X」は、PS Vita版が2016年3月、PS4版は2016年秋の発売を予定している。

新しく「ボルテージゲージ」が追加された、「Project DIVA X」のプレイ画面
これら300種類以上のモジュールには、楽曲に対応した属性が設定される

 一方の「初音ミク Project DIVA Future Tone」は、アーケードで稼働中の同タイトルの、PS4への移植作だ。

 プロデューサーの大崎氏によると、「アーケードと同じ画質・音質を、家庭で楽しめるものになる予定」とのこと。アーケード版のモデリングは2010年のライブイベントから使われているものだが、本作はこのモデルを解像度を1080pという高さに引き上げ、フレームレートは60fpsを維持したアップグレード版となる。

 大崎氏は「なめらかさもこだわりを持って制作している」と語り、「6年前は男臭い作品のモデルばかりを作っていたチームが、時を経て可愛いモデルを作れるようになってきた」と振り返っていた。

 ゲームシステムについては、「4つボタン式のアーケード筐体を、PS4のインターフェイスにどう合わせるか」をいくつかのパターンの中から試行錯誤中で、どうすれば1番楽しく、違和感なく遊べるかに重点を置いているとのこと。

 収録楽曲に関して、内海氏はユーザーから「楽曲課金制になるのでは」という不安が挙がっていることに触れ、「アーケードを遊んできてくれた人への感謝の気持ちを込め、男気を見せたパッケージになるので安心してほしい」と約束するように語った。とはいえ、現時点で200曲以上ある収録曲をどうユーザーに届けるかを模索中とのこと。

 こちらは2016年の発売を目指して開発を進めており、内海氏は「Xと合わせて、みなさんが飽きずに遊べるタイミングで発売できれば」と語った。

「Project DIVA Future Tone」はアーケード版のボリュームをそのままに、PS4への移植となる
PS4のインターフェイスに合わせつつ、プレイ時の感触に違和感がないよう調整中とのこと

 最後に、本ステージのMCをつとめた竜瀬葵さんから、個人的な質問として、いくつかの疑問が投げかけられた。

 「今回なぜタイトルを『Project DIVA X』としたのか」という問いに大﨑氏は、「Xには10という意味もあり、PSPから始まった『Project DIVA』シリーズが、本作でおよそ10作目にあたるため」と回答。それに内海氏が「タイトルにXとつく作品はヒットすることが多いので、縁起も込めて」付け足した。

 「fシリーズはもう終わりなのか?」という質問に対しては、内海氏が「“PVタイプのf”と“ライブ&プロデュースのX”という形で差別化しているので、Xが完成してから次の展開を考えたい」と前向きな意見を述べた。

 さらに内海氏は「『Project DIVA』シリーズはこれからどうなっていくのか」という質問に、「初音ミクは2年後に10周年を迎えるので、それに合わせて企画を考えたい」と答え、「今回せっかくPS4でハイエンド環境に挑戦したので、ハイエンド専用のものを作ってみたい」と今後の展望を述べ、今回のステージをしめくくった。

(市川太一(クリエンタ))